雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
201805<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201807
剣山サンセットを見に行くも、雲が多くて駄目だった!
過去40年間、頻繁に剣山に登っているのですが、ご来光は頻繁に見ているものの、夕影 (日の入りの古語) はほとんど見たことがありません。大昔に、鳴門海峡大橋もまだできていなくて日帰りが無理だったころに、山頂の山小屋に泊まったときに1回か2回ぐらいしか見ていません。たしか石鎚山系の山並みの間に太陽が沈んで行ったっけ? 40年近くまえなので記憶も定かではありません。で、久しぶりに何十年かぶりに石鎚山系の稜線に沈む太陽を拝もうとして昼頃に淡路島南部の雑想庵を出発しました。

今日 (9月6日、水曜日) は日の入りを見るという目的のために、来るのが遅いです。旧一宇村漆野瀬の電光標識のところに14時36分。
14時36分 漆野瀬の電光標識


剣山スキー場跡です。四国最高所のみならず関西で最高所にあったスキー場です。標高が高いために気温が低く日本海側のスキー場よりも雪質がいいと言われましたが、いかんせんアクセスが困難です。酷道438号の狭隘さがネックです。酷道ファンの聖地、酷道439号(通称 酷道よさく) の姉妹酷道です。二度と来たくないという声を聞きますね。吾輩が深夜帯にここを通過するのは438号の狭隘さのためです。夜間は自動車はライトを点けているから見通しの利かないカーブでも対向車の有無が分かる、これが深夜に来る理由です。スキー場が倒産して早10年近くになりました。所管するつるぎ町では休止中という表現ですが、再開のめどはなく、まもなく廃墟となるのは必定です。廃墟ツアーの名所になるかも? リフト山上駅はすでに廃墟ファンならばゾクゾクと来るような廃墟になっています。
もはや廃墟というべきかも

ゲレンデはススキ茫々、蕭蕭 (しょうしょう) と秋風が吹くだけです。もはや、かつての賑わいは想像すべくもありません。
ススキ茫々
ゲレンデは草茫々

むこうに見える山は矢筈山系 (標高1849m) ですが標高1600m以上は雲に隠れています。
矢筈山は雲の中


こりゃあ、ダメだ!

剣山の本体が見えるところに来ましたが、山腹の地形から雲底高度は1650mあたりです。こりゃあ、ダメです。日没に間に合うように1時間で登って日の入りを拝むつもりでしたが絶望的です。秋雨前線がもう100キロ北上してくれたらいいのですが、完全に読みを外しました。「読み」 では雲海に沈む夕日が見られるハズだった‥。秋雨前線が瀬戸内海を横断していますので、雨が降っていないだけマシとしか言いようがありません。
標高1600m以上は雲の中

高知県の最高峰の三嶺 (標高1894m、高知県側さんれい徳島県側みうね) も雲の中です。
三嶺も雲の中

15時38分に見ノ越に到着するも、駐車場はひっそり閑としています。もちろん平日ということもありますが、夏山シーズンは完全に終わりました。それにしても、これが観光業 (山岳観光業) のつらいところ。繁閑のムラが大きすぎます。忙しいときは大量のアルバイトを雇わなければいけないし、暇なときはお客さんはゼロ。(今の時間帯ならば泊り客があれば来ているハズ) 年中毎日まんべんなくお客さんが来てくれたらいいのにね!
15時38分に見ノ越に到着


剣山の山頂からの日の入りは断念、日暮れまで自然観察

ノリウツギ であります。花期が長いです。6月の終わりぐらいから咲いていますが、7月~8月の2か月が花の盛期で、9月になってもまだまだ咲いております。分布も非常に広いようで、四国山地東部では標高100mの吉野川沿いから剣山山頂近くまで生育する標高差は大きいです。面白いことは標高差による花期の差はほとんどないように思います。低いところでも高いところでも同じころに咲きます。標準和名の起こりはノリウツギの樹液を和紙を製造するときの糊としたからだそうですが、ならば漢字で書けば糊宇津木ということか? なお、淡路島にはノリウツギは自生していません。あってもおかしくはないんですが、まだ見つかっていません。
ノリウツギがまだ咲いている


シカが喰わない植物がどんどんとはびこる

↓ 厚生労働省の 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:トリカブト を閲覧したら分かるように、トリカブトの仲間は猛毒です。日本三大毒草の一つとされています。解毒剤はまだ開発されていないそうですから、致死量以上を食べたらたぶん助からないでしょう。ま、助かったならば致死量以下だったということかも? 致死量なんて個人差が大きいと思いますけど。トリカブトの種類によっては生薬で日本薬局方にも収録されていますね。トリカブトは毒とクスリは紙一重の典型例です。また、美しい花には毒 (トゲ) があるという典型例。トリカブの花はなかなか美しい花です。

トリカブトは地方毎に変異種が数多く分化していて分類・見分けが非常にむずかしい植物とされます。しかし、細かな見分けは難しくても、トリカブトの仲間であるかどうかは似たものがないので、トリカブトの一種であることはすぐに分かります。四国山地東部とりわけ剣山にあるのはほとんどがカワチブシの変種とされるシコクブシであります。ちょうど見ごろとなってまいりました。剣山では登山リフト山上駅の西島駅から頂上ヒュッテにいたる北尾根直登コース周辺がシコクブシのお花畑であります。なお、トリカブトはブナ帯 (温帯) の植物です。全島が暖温帯に属する淡路島には分布していません。

シコクブシが見頃

シカさんが出てきました。トリカブトはシカにも毒性があるのか? ヒトに対して毒性のある植物でも他の野生動物には無毒というのも確かにあるみたいです。例えばヒトには致死性の有毒キノコをブタが食べて平気な顔をしている等の例は色々とあります。動物の種によって体の仕組みも異なり毒物の作用機序も異なるわけです。で、動物 (昆虫など) がそのキノコを食べているから安全だと解するのは、非常に危険な判断です。観察するとトリカブトはシカの不嗜好植物であることは間違いなさそうです。たぶんトリカブトはシカにとっても有毒でしょうか? シカの喰わない植物がどんどんはびこります。
シカさんがおります

頭隠して尻隠さずっていう感じ。剣山周辺の地元の人々がシカの食害防止に大わらわですが、私が見たところ剣山のシカは少ないですね。言うほど多くはいないです。わが淡路島南部の山じゃそれこそウジャウジャ、諭鶴羽山の北尾根の登山道を歩けば次から次へとシカが現れます。奈良公園ほどの群れじゃないにしても、兵庫県一の生息密度、たぶん諭鶴羽山一帯は全国トップクラスのシカの生息密度です。そういう目で見ているから、剣山には言うほどシカはおらんじゃないか、と見えてしまいます。などと言よったら叱られるかも?

ところで、シカさんのお尻の毛が白いのですが、これはどういう意味があるのでしょうか? 動物でも植物でも体の構造、組織から器官から習性にいたるまでみな目的があり意味がありますが、このことが無生物と違うところです。お尻の毛が白いのも何か目的とか意味があるハズですが、何なのでしょう? 考えてみましょう。

頭隠して尻隠さず

登山道から外れてあまり深く森林に分け入ると遭難して徳島県警に怒られますから、登山道に沿って少し森林内を観察。ブナの大木が倒れてギャップができていました。ギャップとは鬱蒼と茂った森林の中で林冠にポッカリと空いた隙間であります。ギャップでは太陽の光が地表に届きます。太陽がよく当たらないと生育できない陽生植物は、こういうギャップを綱渡りのように渡り歩いて生き残っているのでしょう。つまり、陽生植物が生き残るためにはギャップ地を生産する台風などの暴風が必要だということです。ヒトにとっては困る巨大颱風や巨大地震ですが、山が崩れ巨樹が倒れる大災害も生態系を維持するためには必要なのではないか? という発想が湧いてきます。
ギャップから丸笹山が見える
巨大な風倒木


トンビマイタケの近縁種??

ブナの巨樹が倒れていたのですが、そのブナの根際に奇妙なキノコが出ています。何だろうか? と分かりませんでしたが、キノコの分厚い傘を指でギュウーと押さえつけて10分ほど経過を観察しました。すると、やはり、押さえつけたところが黒く変色してきました。トンビマイタケのようです。ただし、普通のトンビマイタケよりも傘が非常に厚く、まだ幼菌というか若いのに強靭な感じがします。普通のトンビマイタケと形状がやや異なります。発生時期も遅いです。トンビマイタケは剣山地ではいくら遅くても盆までです。9月になると腐って影も形もありません。ということで、トンビマイタケその物じゃなくて、トンビマイタケのごく近縁種ではないか??
トンビマイタケの近縁種か?
トンビマイタケの近縁種か?



スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
copyright © 2018 Powered By FC2ブログ allrights reserved.