雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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残念ながら、剣山で6月の霜は見られず、伯耆大山も見えず! (その2)
2017年6月5日 剣山山頂の様子

通常は、登山者のうち10人に9人まで、いな20人に19人まで剣山の北側の見ノ越から登るのでありますが、逆に南側のほら貝の滝の方へと降りてみました。とは申すものの、ほら貝の滝まで降りたら大変なことになります。標高差で550m降りるから登り返すのがエライこっちゃです。で、標高差でせいぜい100mほど降りただけです。剣山スーパー林道が見えています。
ほら貝の滝の方へ少し降りていった
剣山スーパー林道が見えます

標高差で100m降りたところから山頂を見上げてみました。北側と景色や生育する樹木が特に違いはないようです。登山道は北側とはうってかわって、登山者が少ないことが歴然としています。北側ではリフトもあるので、極端なことを申せば背広を着て革靴でも登れないことはないです。ま、その恰好では歩きにくいでしょうが。南側のほら貝ルートは山慣れた人向きです。山頂近くになるとササが登山道に覆いかぶさっているから、夜露に濡れてしまいます。登山道がこまめに整備されていないから荒れているという印象がします。でもまあ、静かなよい登山道です。北側はやはり開発されすぎていて騒がしいし、リフト稼働時には索道沿線にスピーカーから下手な説明の音声が流れ、うるさいです。耳障りです。自然に親しむために山にきたのであれば、風に揺らぐ梢の音や、小鳥のさえずりに耳を傾けるべきで、やはり剣山は観光地化、俗化しすぎています。本当にこよなく山を愛する登山者は、剣山を敬遠していますね! 三嶺のほうへ行っていますよね。そういう意味では、登山リフトが倒産するのが望まれます。ま、施設の老朽化が目立っているから、それはそんなに遠くはないでしょう。剣山の自然を護るのは山頂の異様な木道でもないし、阿波エコトイレのようなエコの掛け声でもありません。それは世界遺産の理念と同じで、入場制限です。入場者が多いと、それは破壊の圧力として作用しますね。登山リフトが倒産すれば、それがすなわち自動的に入山制限となります。なぜならば、観光気分の安易な者が聳え立つ岩山 (山腹に大きな岩が見える) を見上げたら、しんどそうで登る意欲が消失します。よって、剣山の自然を護るのは登山リフトの倒産です。 (なお、これは去年も怒られたから腹いせを書いております。)
山頂を見上げる

青い屋根の建物は、剣山頂上ヒュッテ であります。朝は6時から営業しています。で、ここで朝飯として鳴門ワカメうどん(600円) とホットココア(400円) をいただきました。なお、登山者はなるべく小銭を用意してくるように! 山上には釣銭がなくなっても両替する銀行はありません。向こうに見える山は矢筈山 (阿波矢筈山、標高1849m) であります。
剣山頂上ヒュッテ
青い屋根がやけに新しいです。去年だったか一昨年だったか忘れましたが、ヒュッテのリニューアルをやっていました。屋根の塗料を塗りなおしたんでしょうか。
剣山頂上ヒュッテ

北の方向です。遠くの山並みは、徳島・香川県境の阿讃山地であります。阿讃山地は地質的には中央構造線のすぐ北側の地塁山地で和泉層群から成り、地質的には諭鶴羽山地と同じです。
北の方向

今日は全然ダメでしたが、もし伯耆大山が見えるとしたら、大川山と竜王山の間です。丸笹山の上のあたり。
北の方向

西のほうに目を転じると、石鎚連峰の重鎮たちが居並んでいます。東赤石山 (標高1707m) は蛇紋岩の山として知られ、コケモモとかチョウセンゴヨウなど西日本では稀産種植物の宝庫とされます。蛇紋岩と石灰岩の山は特異な植生となるケースが多く、ぜひ登りたい山ですが、遠いよなあ。東赤石山の1607mという書き込みは1707mの誤りです。
石鎚連峰も見えています

山頂一帯の広っぱであります。剣山測候所が有人観測をやっていたころには、測候所の職員がこの広っぱで野球をやったりスキーをしていたとか。でもまあ、野球の玉が広っぱからはみ出して飛んでいったり、スキーが勢いがついて止まらなくなったらどうするんでしょうか? 広っぱの周囲は急峻です。この地形は隆起準平原であると思われます。周氷河地形だという説もありますが、周氷河地形説は吾輩は支持しません。
平家の馬場
平家の馬場

木道 (もくどう) がうっとうしいね。こんなもので環境を護るというのはインチキ臭いわけです。一種の建設利権じゃねえのか? すでに木道はかなり傷んでいます。そのうち踏み抜き事故が起こるんじゃない? 体重のある人は要注意です。まもなく、改築利権になると思われます。向こうの青い屋根の建物は剣山頂上ヒュッテの別館の雲海荘でありますが、これはむかし東祖谷山村が経営する山小屋じゃなかったですか? 東祖谷山村経営時代に何回も泊まっています。道路事情が良くなって剣山が完全に日帰り圏内となって久しいので、泊まることがなくなって気づきませんでしたが、いつ経営移転したんでしょうか?
木道がうっとうしい

今年の山頂大祭は7月23日のようです・
今年の山頂大祭は7月23日のようだ


今年のハクサンシャクナゲの花付きはどうか?

今年は枝先に葉芽ばかりです。花芽はほとんど見当たりません。つまり花の裏年です。シャクナゲやツツジ類は花の裏と表が極端で、裏表を繰り返します。10年に1回、見事な表がみられます。今年の花はダメですが、写真の葉芽から新梢が出てきて夏の終わりころに花芽分化が起こります。来年は花が咲きます。
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この膨らんだ芽が、花になる花芽 (はなめ、かが) であります。花芽は開花後は果実 (蒴果、さくか) ができるために、通常はその枝には葉 (新梢) がでてきません。花・果実だけです。葉が出るのは来年です。つまり、1本の枝に着目すれば花と葉を繰り返すわけです。これが隔年開花が起こるからくりです。
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庭で栽培するシャクナゲの場合には、花が咲き終わったらただちに花ガラを掻き取ってしまいます。すると隠れていた潜在的な芽が育って新梢が出てきまして、来年も花を咲かせます。花が終わったらただちにむしり取るのがシャクナゲを毎年咲かせるコツですが、山に生育するものにそんな小細工の人為を加えるわけにはいかんでしょう。

枝先に花芽と葉芽が両方ある場合も。なんであっても例外は必ずあります。
枝先に花芽と葉芽の両方がある


倒木更新ですね! 倒木のうえに苔がびっしり。苔はシャクナゲの小さな種子を育てるゆりかごです。苔は保水性があり乾燥から種子を護り、寒さや強風からも護ります。園芸でシャクナゲの実生苗を育てるのはミズゴケを篩で細かくおろしたものに種子を蒔きますよね! 苔とシャクナゲはとても相性がいいです。シャクナゲ類が標高の高い山に自生する理由の一つがまさにこれですよね! 標高の高い山は常に雲がかかる雲霧帯で林床の岩も倒木も苔でフワフワです。いわゆるモスフォレストです。
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ハクサンシャクナゲだけでなく、ヒメコマツやシコクシラベ・ヒノキ・コメツガなど亜高山性の針葉樹の実生苗もたくさん見られます。
ヒメコマツの実生苗もある

実生の後継樹がたくさんあります。
実生の後継樹がたくさん

ハクサンシャクナゲの自生地から剣山の山頂を見ました。剣山の山頂はミヤマクマザサの笹原でハクサンシャクナゲはありません。
ハクサンシャクナゲ自生地から剣山山頂を眺める

↓ こちらは登山リフト索道沿いのホンシャクナゲです。植栽です。剣山は見ノ越から山頂一帯には野生のホンシャクナゲやツクシシャクナゲが全く見られません。リフト沿いのシャクナゲはみな植えられたものです。6月5日でちょうど見ごろのものがかなり残っていました。やはり今年は生物季節が1週間ないし1旬遅れているようです。
リフト索道沿いのホンシャクナゲ
登山リフト索道沿いのホンシャクナゲ



7月9日か、16日ぐらいに剣山のハクサンシャクナゲの花見にまいります。
もし、よろしかったら見にいきませんか?



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