雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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残念ながら、剣山で6月の霜は見られず、伯耆大山も見えず! (その1)
淡路島南部から那岐山は見えるけど、伯耆大山はどうか?

6月4日の夕刻に、南あわじ市賀集牛内の牛内ダム堰堤付近の標高180mという低いところから、岡山県北部の美作国の名峰 那岐山 (なぎさん、標高1255m) がハッキリと視認できました。なお、那岐山は地元の人は 「なぎせん」 と呼ぶことのほうが普通です。中国山地東部のエリアでは、伯耆大山 (ほうきだいせん) 蒜山 (ひるぜん) や氷ノ山 (ひょうのせん) の事例が示す通り、「山」 を 「せん」 と呼ぶことが多いです。なぜ山を 「せん」 と呼ぶのか諸説あるようですが、どの説も吾輩としては説得力が乏しいと思われます。これに立ち入っていたら取材に行かんなんようになるので、立ち入りません。ま、行くならばそんなつまらないことよりも、ネマガリダケ (標準和名はチシマダケでしたか?) のタケノコ採りですね。今年は春が寒かったから今がタケノコの最盛期でしょうかね? 中国山地東部はネマガリダケの分布南限および西限であります。ほかに那岐山の話題としては、ここも山の標高が高くなった山です。かつて三角点標高の1240mの山とされました。ところが三角点の東にもっと高いピークがあり、1255mの標高点が国土地理院の地形図に記入されてから15mも高くなりました! もう、そろそろ、山の標高を言う場合には、三角点が真の山頂にない場合には標高点で言うことに統一したらどうだろうか? たとえば、徳島県高城山は1628mじゃなく、1632mであります。いまだに三角点主義の石頭の御仁が多いのは困ったもんです。

余談はさておき、諭鶴羽山と那岐山の直線距離は119kmであります。那岐山は中国地方の脊梁山地にあり、分水嶺でもあります。空気が清澄であるならば日本海と瀬戸内海を見渡せる山で、吾輩の母方の出身地近くなので若いころに登ったり、周辺を歩き回りました。しかしながら、親族が次第におらんようになって那岐山とも縁が薄らいでしまいました。なお、条件がいいと那岐山は淡路島南部から見えます。兵庫県最高峰の氷ノ山 (標高1510m) は諭鶴羽山から直線距離127kmで、これもしばしば視認できます。中国地方最高峰の伯耆大山 (標高1729m) は距離171kmと遠くなるので、まだ南あわじ市 (諭鶴羽山) から視認していません。伯耆大山の視認はまだですが、理論的には淡路島南部の山から見えるハズです。大山の視地平距離は160キロ、諭鶴羽山のそれは94キロです。両山の直線距離は171キロもありますが両山の視地平距離の和は254キロだから、諭鶴羽山から地平の彼方に大山が見えるハズです。ただし、その可能性があると言っても、地平の彼方にごく低く見えるわけです。地平に近いところは空気中に混濁物質も多く、カスミに煙って見えないというのが実情でありましょう。あるいは、地平に見えても手前の山も見えているわけで、並んでいる山々の中でそれが大山だと同定が困難なのかも? わかりません。


中国地方の脊梁山地が見えた


那岐山が淡路島南部の低い所からでも見えたぐらいだから、剣山から大山はどうかな? 

ということで、性懲りもなくまた剣山であります。剣山から伯耆大山が見えることは大勢の登山者等により確認されていますし、私もむかし確認しています。剣山頂上ヒュッテの食堂に剣山から望見した雪の大山の証拠写真が飾られています。しかしながら、山頂に常時滞在している山小屋の親仁さんならばともかく、そうさいさい剣山に登るわけじゃない一般の者が大山が見える幸運に当たることはめったにありません。もしかしたら、明日朝ぐらい見えるかも? それに上空に今の季節にしては第一級の寒気が北陸あたりまで南下しています。可能性は30パーセント以下と低いのですが、6月の霜も見られるかも? それから本年のハクサンシャクナゲの花付きを見に行くのも目的で、深夜0時15分に淡路島南部の雑想庵を出発しました。


2017年6月5日、剣山写真ギャラリー

6月5日02時20分であります。徳島県 つるぎ町一宇漆野瀬(いちう うるしのせ) の電光標識です。ここで標高は520mぐらい。最初のチェーン着脱場です。大鳴門橋、徳島自動車道、酷道438というルートできてもやはり遠いです。2時間かかります。ここから剣山登山口まで更に40分ほどかかります。
つるぎ町一宇漆野瀬

登山口の見ノ越に03時03分に到着。所要時間は2時間47分でした。支度をして03時30分に登山開始、今日は日の出まで少し余裕があるので、焦らずにゆっくりと登りましたが4時45分頃がご来光です。
2017年6月5日剣山のご来光
淡路島が見えています。沼島も見えます。
2017年6月5日剣山のご来光


残念ながら、霜は見られなかった!

去年は、6月3日でしたか、もっと標高の低い落合峠で6月の霜を見ました。剣山では6月の霜はべつに珍しいことではありませんが、今回はダメでした。残念。今の時期にしては第一級の寒気が日本列島の上空に南下しておりましたが、850ヘクトパスカル気温 (約1500m上空の気温) で6度の等温線が北陸南部までしか降りてきませんでした。期待薄ではありましたが、快晴や無風など条件がそろうと霜の降りる可能性はないことはなかったのですが、風が強すぎました。薄い高層雲もでていて放射冷却が弱められたようです。

↓ 写真ではミヤマクマザサの葉が夜露で濡れています。葉はまだ冬の葉のままです。ダケカンバ (正確には変種のアカカンバ) などの芽が萌え出でて新緑前線が剣山の山頂まで到達しています。しかし、ミヤマクマザサは観察すると新芽がやっと出始めた状態であります。白い縁どり (つまり隈、クマ) のない夏の葉が展葉するのはまだ少し先のようです。

ミヤマクマザサの葉は夜露でしっとり


予想外に風が強く、気象庁のウインドプロファイラ観測 では、6月5日05時で高松気象台の上空2キロで北西の風11mでした。剣山の山頂はほぼ上空2キロであって、ちょうどそれぐらいの風だったろうと思います。体感的には真冬の淡路島と同じ程度の寒さで、リュックから防寒衣装を取り出して着ないと寒くてとてもおれません。放射冷却で地物が冷えるには無風状態が好ましく、風が強いのはマイナス材料であります。気象庁サイトから高松の観測表を抜粋借用します。
気象庁サイトから抜粋借用
05時に山頂で3度程度

気象庁サイトから 四国地方のアメダス気温分布図 も借用します。沿岸部で15度以上の地点があります。この気温分布ではちと厳しいです。やはり、瀬戸内地方沿岸部で10度前後というのが、剣山の山頂で雪・氷・霜などの寒候期現象が起こる目安です。ただし、霜は強い放射冷却で地物が冷却されたら起こるので、気温がプラス3度や4度でも条件がそろうと降霜があります。かならずしも氷点下でなくてもいいわけです。
2017年6月5日05時の四国地方の気温分布


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