雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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それは見事な海食洞だった!
謝辞

5月27日に行われた沼島 (兵庫県南あわじ市) での鞘形褶曲を見に行こうと! という企画ですが、あちこちに呼びかけましたところ、15人もの参加者で賑わいまして、南あわじ市教育委員会が主催した鞘形褶曲観察会と比べても、参加者人数は全く遜色がなく、おかげさまでメンツがたちました。参加をたまわった方々には御礼申し上げます! ありがとうございました! 何から何まで全面協力してくれたO君 (おおくん) には、ありがとう! 資料の配布物を印刷してくれたランクルさん、ありがとうございました。このたびは、淡路島で写真の第一人者といわれ全国的な写真コンテストで最優秀賞を数多く獲得されているSさんが来てくださいました。また、淡路ネイチャーフォトクラブの会員写真家の方が2人もご参加をたまわりました。写真の技術的な秘訣も教わり、ありがとうございました。また、この企画はお姉さんのSさんの発案でありまして、発案くださいまして、ありがとうございました! さらには、ご参加たまわりました全員が、安全に留意されまして慎重な行動をしてくださり、一人の怪我人も、遭難者・行方不明者もなく、ありがとうございました。ま、一番心配したのはこの点でありまして、百一、千一、万一にも事故をやったら、えらいこっちゃですし、事故をやる確率はかならずしも小さくないです。いくら自己責任で! などと言い訳を申しても、呼びかけ人が全くの免罪というわけにはまいりません。たとえ法的責任がないと仮定しても、道義的責任は免れないでありましょう! 事故をやらないようご協力をたまわりまして、ありがとうございました!


貴重な情報をたまわり、感謝再拝!

その折りに、淡路本島の南部に洞窟があるというハナシを写真家のSさんから聞いたのですが、さっそくに、翌28日午後に確認にまいりました。ありましたわね! これは、地学でいう 「海食洞、かいしょくどう」 ですね! 見事な海食洞です。 淡路島で洞窟と申せば、真っ先に思い浮かぶのは野島断層の近くの野島鍾乳洞ですね! 野島鍾乳洞は兵庫県指定の天然記念物です。兵庫県にただひとつの石灰岩層にできた鍾乳洞です。ただし、野島の石灰岩は亜熱帯のサンゴ礁起源ではなく、温帯海域にできるカキ礁起源であります。我輩もむかし何べんも観察に行っていますが、入り口がせまく、とても潜入できるものじゃありません。探検家グループが探検するというレベルの洞窟です。沼島ならばともかくも、淡路本島で本格的な洞窟というのは、野島鍾乳洞のほかには聞いたことがありません。わずかに天の岩戸伝説の洞窟はここだというものなどもありますが、あれはヒトが掘ったもんじゃないすか? という感じでインチキくさいです。自然にできたものだとしたら形成要因が説明できませんね! で、結局、淡路島には本格的な洞窟は野島鍾乳洞の他にはなかろうと思いますが、(あるならばご教示ください、ただし人工洞窟はダメ) 他にもあったんですね!


大潮干潮時にしか行けません!

↓ 確認した海食洞のある場所。+マークのところです。淡路島の最南端のところであります。大潮干潮時しか行けない場所です。やや危険なところなので単独行は避けて、波があるときも行かないように。干潮の海面が一番下がる前後の2時間ほどで、観察したらすぐに引き返さないと、潮位が上がりはじめたら帰れなくなります。写真家のSさんは腰まで水に浸かりながら帰ったことがあるそうです。




確認した洞窟は、明らかに海食洞であります!

不用意にも巻き尺をもってこなかったので、入り口の幅や奥行きの長さ等が測れていませんが、かなり奥行きが深い洞窟です。計測はしていませんが、入り口幅よりも奥行きが何倍もあります。で、定義上でも完璧な海食洞であります。念のため地学の教科書で確認しましたところ、入り口幅より奥行きが深いものを 「海食洞」、入り口幅よりも奥行きが浅いものを 「ノッチ」 というようです。
淡路島南部にある海食洞

ゲーテの、「もっと光を」 という有名な辞世の言葉が浮かんでくるような写真になってしまいました。ゲーテの明言は哲学的な深い意味じゃあなくて、臨終まじかな病室の窓が小さくて暗いから明るくしてくれという単純な意味なのだそうですが、洞窟の中は真っ暗であります。たしかに、ゲーテでなくても、もっと光がほしいところです。ただし、目が完全に退化した真洞窟性動物には光など要らないでしょうけど‥。洞窟の奥からみると、外が明るすぎて洞窟の内部が写せません。洞窟の内部が写るように撮れば外が白く飛んでしまいます。これは素人には撮れませんね! 「井の中の蛙 大海を知らず、されど空の高さを知る」 という名言も浮かんできます。出典は荘子ですが、されど以下は大河ドラマ 「新選組」 でシナリオライターの創作だとか。 「洞の中の蛙大海を知らず、されど外の明るさを知る」 というパロディーが創れそうな写真です。

淡路島南部にある海食洞
淡路島南部にある海食洞

この海食崖のすぐ沖が中央構造線の断層帯になっていて何本もの活断層が東西走向に走っています。つまり断層破砕帯に近いと思われます。ということか関係するかどうかは分かりませんが、海食洞付近の岩体にはたくさんの割れ目があります。さらに岬の突端であります。岬の突端は波が高くなるところでありまして、割れ目が多くて岩が弱くなったところを大波が攻撃して穿ったのが海食洞ができた要因でしょうかね??
海食洞の付近の岩体には割れ目だらけ

写っている人物はO君 (おおくん) ですが吾輩とほぼ同身長の175センチか176センチぐらいです。この身長を物差しにして目測すればこの海食崖はすくなくとも10mあります。高い所では20mとかそれ以上です。ここは台風時には外洋の大波が攻撃するところで、その高さまで波が来るから陸上の種子植物が生育できません。岩で土壌がないからではありません。土壌のない岩でも割れ目に根をおろして逞しく生える植物は結構ありますが、波をかぶっても平気な耐塩性植物は限られます。たとえばイワタイゲキなど。
見事な海食崖

地学の教科書は、「海食崖の基部をとりまく平坦面は、波食棚、海食台などのように、成因と結びつけた語でよばれてきたが、この語は誤解を招きやすいので、単にショアプラットフォームとよぶほうが良いだろう。」 と申しております。つまり、従来いわれた言葉では、波の浸食作用のみでできると誤解してしまうからですが、海面付近では波食以外にも風化作用が大きな要因でもあるということです。平坦面が形成される高さにより、高潮位プラットフォーム、潮間帯プラットフォーム、低潮位プラットフォームなどと区別するほうがよろしいとのこと。で、写真の書き込みですが、むかしの 「波食棚」 という古い言葉はあえて使いませんでした。
見事な海食崖

高さが30~40メートルぐらいありそうです。まるでドイツのお菓子のバウムクーヘンみたいです。1枚1枚の単層の厚みは不揃いで、薄いものは5センチとか10センチですが厚いものは50センチぐらいあります。1枚1枚の単層を観察すると、元の堆積物は砂や泥でありましょうが、その目の細かさ (粗さ) が不揃いです。不思議なのは、1枚1枚の境界が明瞭なことです。なぜ、こうなるんでしょうかね? たとえば粗い砂が堆積していたのが、ある時期に突然に細かな泥に変わって堆積し始めた、というふうに不連続を示しているハズですが、なぜそうなるんでしょうかね? 層理面にそって板みたいに剥がれやすく、1枚1枚は風雨や波しぶきに対する浸食抵抗力に差があるんでしょうかね? ネジの山と谷みたいに、掘れ込むところと、踏ん張るところがあってデコボコです。見ているととても面白いものです。自然の創る芸術です。
見事な地層


今度の観察会 (老人の遠足) はここがいいかも?

岩など興味がなく、晩のおかずの材料になりそうなものを鵜の目鷹の目で探すお姉さんらにとっては、ここはパラダイスかも? 磯の石をひっくり返すと、〇〇〇や、△△△△や、◎◎などが沢山いますね! 淡路島は人口が戦後に約23万人→約13万人まで激減しました。(最新の推計人口は132,351人) 高齢化もすさまじい勢いです。で、磯に来る人が減りましたよね! 人がこなくなった磯は乱獲から資源回復が見られますね! 人口激減は良い面もあります。かならずしも悪夢じゃないです。とくに、いろいろなゴミ問題や環境問題では人口激減で劇的に改善しますね! 人口減少が危機だと声高に煽る連中は、人口が増えていく (≒ 市場が拡大し、経済が右肩上がりに上昇) ことを前提として設計された仕組みの中にドップリと浸かっているわけで、申せば人口拡大利権にあぐらをかいているわけです。市場が縮小し、経済が長い下り坂になるのを受け入れて、皆で乏しきを分かち合い、質素に、つましく暮らしていきましょうよ! と発想を180度切り替えれば、べつに人口減少など何も恐れる必要はないと思いますね。社会の仕組みを長い下り坂に対応するように切り替えるということは、いままでの仕組みにへばりついていた連中は利権を失います。人口減少で大変なことになると叫ぶのは、そういうことです。

ちなみに、わが淡路島の人口密度はまだ223人/平方キロと高すぎで過密、理想的には北海道のそれの70人/平方キロであります。われわれ南の住民がたまに北海道へいったら広々としていいなあ! と感じるのは 周氷河地形 という地形学的要因もあることはありますが、過密じゃないことが最大要因ですね。淡路島の人口が42000人まで激減したら広々といい感じになるハズです。こんなことを申せば、はよ1人でも減らにゃアカンから、「おまはん、舌かんで死ね!」 と言われそうですが、吾輩1人が舌かんでも大勢には影響しません。千人単位で舌かまにゃアカンわけです。ま40年か50年後には淡路島の人口は4万人になるでしょうね! 若い人は広々とした淡路島が見られるハズです。



こりゃあ養蜂家のイメージ岩石だね、ハチの巣状風化石

↓ こんなのもあります! ハチの巣状風化とよばれている現象です。海食崖にかなり見られます。固結しているものの柔らかめの砂岩に見られます。飛砂が強くあたってできると考えられていますが、化学的風化によるのじゃねえか? という説もあるようです。こんな不思議なものができる要因ですが、ハッキリとはわからないみたい。 養蜂家のイメージ岩石として、ハチの巣状風化石を拾ってきて、床の間の飾りにするとか?
海食崖にハチの巣風化が見られる
写真中の書き込みがちょん切れました。風裏となる面には、ほとんど見られない。 です。
海食崖にハチの巣風化が見られる
海食崖にハチの巣風化が見られる
この写真をとった場所の地質は、地質図から読み取ると、後期白亜紀 (約1億年前~6500万年前) に和泉内海とよばれた海盆で形成された礫岩層であるとされますが、ちょうど写真の部分は砂岩優勢層で礫はほとんどみられません。少し東側に回ると礫岩がみられるし、泥岩もあり、場所によっては色々な岩石の互層となっています。地層は一様ではありません。付近を観察すると、ハチの巣状風化が見られるのはほとんどが柔らかそうな砂岩のところです。


↓ これは磯にあった転石ですが、この石がハチの巣状に風化されたのはこの場所でなのか?  それとも海食崖にあったものが崩壊してここに移動したものか? 不明ですが、このことはハチの巣状風化の要因を考える上で決定的に重要ではなかろうか? それはともかく、養蜂家のイメージ岩石に最適な石ですね! この石に表札を埋め込み、〇〇〇養蜂園とするとか?
ハチの巣状風化岩



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