雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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剣山で、西日本では考えられないような遅い霜! (その2)
淡路島には分布していない蜜源植物の 「コシアブラ」 と 「トチノキ」 の写真
を撮ってまいりましたので、写真を陳列します。前々回のエントリー記事の中で、日本養蜂協会の資料を元にして書いたくだりを以下に再録します。


再録開始
淡路島南部に自生する又は野生化する或いは栽培される蜜源植物たち

一般社団法人 日本養蜂協会のパンフレット 『日本の主要蜜源植物』 で、日本では、600種類以上の植物にミツバチの訪花が確認されていますが、その中でも特に優良とされている蜜源・花粉源は次の16種だとしております。ウンシュウミカン、 エゴノキ、 キハダ(シコロ)、 クロガネモチ、 コシアブラ、 シナノキ、 ソバ、 ソヨゴ(フクラシ)、 タチアワユキセンダングサ、 トチノキ、 ナタネ(アブラナ)、 ニセアカシア(ハリエンジュ)、 ハゼノキ、 ホワイトクローバー(シロツメクサ)、 リンゴ、 レンゲ(ゲンゲ)など。 これらは日本在来自生植物もあれば、外来種もあり、また栽培種もあって雑多ですので16種を3グループに分類します。

【日本自生種】 : エゴノキ、キハダ、クロガネモチ、コシアブラ、シナノキ、ソヨゴ、トチノキ、ハゼノキ
       (キハダ、コシアブラ、シナノキ、トチノキは、残念ながら淡路島には分布していません) 
       クロガネモチ、ソヨゴ、ハゼノキが主要なる蜜源植物っていうのは全く意外です。
       これらは南淡路の山中にありふれた普通種ですが、手持ちの花の写真がありません。        

【外来植物】 : ニセアカシア、シロツメクサ、ゲンゲ、タチアワユキセンダングサ
       (なお、これらは街路樹や公園樹・牧草・緑肥として栽培されることもある)
       タチアワユキセンダングサは亜熱帯域の外来種で、淡路島にはまだ侵入していません。

【栽培植物】 : ウンシュウミカン、ソバ、アブラナ、リンゴ
       (ソバ、リンゴは淡路島では経済栽培は皆無ですが、栽培は可能です。)
再録終了


ということですが、淡路島に自然分布していない4種の樹種のうち、コシアブラとトチノキの写真を撮ってまいりましたが、撮影場所は剣山だけでなく、剣山を午前の早い段階で切り上げ、帰りには旧 木屋平村から旧 美郷村に山越えで抜ける道を峠まで登り、ボロボロの滝を経由して船窪オンツツジ公園、さらに高越山 (高越寺) へとまいりました。で、高越山でも両樹木を観察しています。



コシアブラ (ウコギ科)
↓ これは剣山の平家の馬場から東のほうの一の森に行く途中のところにある木です。標高は1900mあたりです。付近にはシラビソ (シコクシラベ) やコメツガなど亜高山帯を表徴する針葉樹があるから完全に亜高山帯です。標高が高い所にある個体なのでまだ芽吹いておりません。じつは、登山口の見ノ越から登るみちすがらコシアブラは結構あります。ただし、樹高10mぐらいのものが多くて、枝葉を下から見上げるだけでまともに観察することができません。で、登山道から枝葉や夏の終わりごろ花を眼前で観察できるのがこの個体であります。なお、ここは亜高山帯なので気温が低く風も強く、このコシアブラの木の樹形は別物みたいになっています。普通はコシアブラは白っぽい樹皮で、すらと伸びる直立性の傾向が強い樹木であります。
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じつは、コシアブラは第一級の山菜でもあります。べつにこの木を狙っているわけではないのですが、まだ新芽が小さいです。山菜としての採り頃はまだ先です。新芽の基部が膨らんでいることが多く、これが本種の特徴のひとつです。吾輩が見た限りでは徳島県じゃブナ帯にあります。標高800m以上です。標高が低い里山では見たことがありません。低いところでもあるのかもしれませんけど。
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↓ こちらは剣山の帰りに回ってきた高越山のコシアブラであります。この写真は船窪オンツツジ公園の外側のスギ植林中にあったものです。標高は1050mぐらいです。剣山の山頂付近とは標高差で850m、生物季節 (フェノロジー) の進みは1か月早いです。山菜としての採り頃はとっくに過ぎています。こんなに長けてしまったらもう食べられません。ま、これが山菜の難しさですよね! 早すぎるか、遅すぎるかのどっちかです。なかなか、ちょうどよい採り頃にはあたりませんわ! つまり、盗るな、自然を荒らすなということでしょうかね? 葉には長い柄があります。5枚の小葉に分かれていますが、小葉にも柄があります。小葉にも柄があることが次のトチノキと全然違います。
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トチノキ (トチノキ科)
↓ これは見ノ越トンネルを通って旧木屋平村に2キロほど降りて行ったところにあるものです。環境省の巨樹調査基準で地面から130センチの高さで、おそらく幹周4mありましょう。立派な巨樹です。道路際に見ノ越しまで2キロという標識があります。標高はちょうど1300m地点です。いま、ちょうど新芽が芽吹いたところで、下部の枝では葉が展葉している最中です。
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わが淡路島南部地域では 「とち」 「とちのき」 と言えばクヌギ(ブナ科)の木を指しますが、標準和名でトチノキと申せばこの掌状の葉の本種を指します。全く別のものです。べつに、淡路地方名を間違っていると言っているわけでは全くなく、地方名は地方名で正しいし、その名称が生まれた経緯があり存在理由があります。でありますが、今やネット時代、情報があふれているのはいいのですが、 “標準和名(地方名)” のような表記をしなければ混乱しそうです。
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↓ こちらは高越山 (こうつざん、標高1133m) の山頂直下にある高越寺 (おこうつさん、おこーつぁん) の駐車場にあるトチノキの個体です。標高は1060m地点。やや標高が低いところのものなので、花があります。ただしまだ蕾みたいです。搭が立っているようなものが花です。初秋にはクリに似た茶色い実がなりますわ。信州じゃトチ餅を作るそうで、むかし、吾輩も剣山スーパー林道で沢山トチの実を拾ってきて、文献を参照しながらトチ餅作りに挑戦したことがあります。しかし、大失敗! 信州は標高が高く気温が低いところで、コメ作りがむずかしいところもありそうで、主食の不足を補うためにトチの実を喰う工夫をしたのではないか? このアクの強烈なトチの実を食べる技術を開発した信州人の深い知恵に敬意をはらいたいと思います。トチ餅作りは文献で見よう見真似では無理みたいで、信州に行ってトチ餅作りのベテランから直接作り方の手ほどきがいりそうですね!
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剣山見ノ越の登山リフトの乗り場の横 (乗り場に上がっていく階段の右側) に立派な巨樹があります。幹周は5mぐらいあるかも? 幹にたくさんのギボウシ (ウナヅキギボウシ、7月に咲く花がお辞儀をしているように見えるからそういう) が付着している木です。これがトチノキであります。トチノキは巨樹になる樹木でありますし、また、茶色い実が渓谷の水で流れて種子散布することがあり、渓畔林を形成することがあります。ブナ帯に多いようですが、谷に沿って照葉樹林帯の低いところまで点々と降りているのも見ますわ。ちょうどオニグルミと似た面がある樹木です。 トチノキは暖温帯にもある木なので、実を拾ってきて蒔けば淡路島でも育つんじゃなかろうか? 9月ころまたスーパー林道で拾ってきます。


山中に仕掛けられたニホンミツバチ分蜂群捕獲巣箱
阿波国でも山中いたるところに、野生のニホンミツバチの分蜂群を捕まえてやろうという巣箱が仕掛けられています。夫婦池の標高1500m近くでも見ました。せっかく捕獲罠にニホンミツバチが入居しても、マンションの悪徳管理人が来るまでに、クマさんが横取りするかも? 剣山地は絶滅が危惧されるといえ、ツキノワグマの生息地であります。登山者がクマさんと出会うことはめったにありませんが、クマがいないわけではありません。クマの生息調査をしている研究グループも存在していまして、調査用のクマ捕獲檻にときどきクマが入っていますわね! (四国自然史科学研究センター) ちなみに四国のクマは体格が小さいのでそれほど狂暴ではなく、登山者はそう恐がることもないでしょう。 ↓ 旧 木屋平村川上、標高750m地点の道路際で見た巣箱です。
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↓ これも同じく旧 木屋平村ですが旧 美郷村との境の峠の近く、標高720m地点で見たものです。同じ村内といえ遠く離れた場所ですので、おそらく別人が仕掛けたものでしょう。
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