雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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5月7日にシャクナゲのお花見をします。宜しければ是非どうぞ!
2017.5.7 シャクナゲのお花見 in 淡路島!

毎年、毎年、季節が廻り、同じことばかりやっているような気がします。よれよれになった古雑誌のページをめくるような、あるいは幼児がお気に入りの絵本を何べんも飽きずに見るような、そんなマンネリさであります。しかしながら、そう斬新な、目新しい企画や話題はなかなか無いのが実情であります。 自然の移ろい、季節の変動はまことに周期的でありますが、そもそも、地球というお団子を突き刺す地軸の串が、公転面から23度傾いて太陽の周りを周回しているわけで、この23度の傾きがマンネリの根本原因であります。と思うけど? ある地点での累年の太陽高度の変化をグラフに描けば、見事なサインカーブ似になるわけで、結局同じことを延々と千年・万年・億年と続けているわけです。よね? おそらくは、太陽が恒星の進化図でいうところの主系列から外れてベテルギウスのように赤色巨星化、すさまじい輻射熱で地球が蒸発するまで同じことが繰り返され続けるのではないか? このように、自然の変化は同じことの繰り返しであって、本質が 「マンネリ」 であります。毎年、ほぼ同じころに同じ花が順に咲き、蜜を集める訪花昆虫よろしくヒトも花を訪問するわけです。これは自然の摂理というか法則に則った偉大なるマンネリであります。マンネリもまた良きかな、です。


花木の女王、シャクナゲを見にいこう!

↓ なお、これは徳島県・剣山 (標高1955m) の亜高山帯の濃色ハクサンシャクナゲです。花冠は5裂です。
2016年6月末~7月中旬に何べんも見にいきました。剣山のハクサンシャクナゲは花色が非常に濃くて綺麗です。
淡路島のホンシャクナゲの花の写真はもっか準備中であります。ホンシャクは花冠は7裂です。

ハクサンシャクナゲの花
剣山のハクサンシャクナゲ

4月29日、淡路島のシャクナゲが咲いた!
↓ わが雑想庵の庭で4月29日に淡路島のホンシャクナゲが咲きました。植栽品でありますが、淡路島自生シャクナゲの種子を採取し苗木を育てたもので実生10年生ぐらいだと思います。はっきりとした記録をとっていないので正確にはわかりません。実生12年ぐらいかもしれません。記憶なんて実にあいまいなものです。植栽とはいえ、まさに淡路島のシャクナゲであります。この個体は花の色がやや薄いのが残念です。苗木は沢山育てたのですが管理が悪くてこれ1本しか残りませんでした。吾輩は園芸には向かないようであります。 葉が妙に濡れたようにみえるのは、シャクナゲの上で庭木のアラガシ (荒樫) が葉を展開していますが、アブラムシのようなものがおって悪さをしているためです。
4月29日に咲いた淡路シャクナゲ
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2017年のシャクナゲのお花見


集合場所は、旧三原町役場の駐車場に、午前9時までに集合
(兵庫県南あわじ市市福永358-1 公益社団法人 南あわじ市シルバー人材センター 前の駐車場)




淡路島に自生するのはホンシャクナゲのほう

西日本に分布しているシャクナゲはほとんどがホンシャクナゲ (本石楠花) とツクシシャクナゲ (筑紫石楠花) でありますが、淡路島にあるのはホンシャクナゲのほうです。島内の植物調査人の出版した本にツクシだとする文献がありますが誤りです。ツクシは葉の裏に赤褐色の毛がびっしりとありますが、淡路の個体群には、そのような赤褐色の毛はありません。なお、西日本には屋久島に有名なヤクシマシャクナゲがあり、隠岐の島にオキシャクナゲがあり、剣山と石鎚山の山頂部にハクサンシャクナゲがあります。
ホンシャクナゲの分布域
ツクシシャクナゲの分布域


●なお、これは淡路島民向けの企画であります。淡路島に自生ホンシャクナゲがあること自体が全く知られていません。で、皆でそれを見に行って、できれば系統保存するなど護ろうという狙いです。苗を育成して、やがては淡路島をシャクナゲの花で埋め尽くそう! それには自生品で、という遠大な試みです。兵庫県本土側、他府県の方ももちろん大歓迎ですが、ホンシャクナゲは各地の山 (長野県以西の本州・四国に分布) にありますから、なにも淡路島までわざわざ見に来るほどのものじゃないと思います。ただし、シャクナゲは産地ごとに葉の裏の毛の色合いなど形質にかなり違いがみられます。、ホンシャクナゲの淡路系統を入手したいという方には来る価値があるかも? 接ぎ穂を2本か3本採取する程度ならば許容範囲でしょうか? それと、淡路島のシャクナゲはもともと低標高に自生するので、種子から苗を育てた場合には平地の環境によくなじみ、日射のきつい庭に植えてもめっぽう強健です。


シャクナゲは雲の上に咲く花、深山の麗花!

通常は、シャクナゲは高山植物 (キバナシャクナゲは全くそう) か、もしくは高山植物に近いようなもので、平地にはまず自生しません。どのような種類のシャクナゲでも、環境的には標高が高くてつねに雲 (霧) がかかるような所を好むわけです。近畿地方や四国・中国地方に分布するホンシャクナゲは比較的に標高が低いところにあるものの、それでも海抜1000m前後まで登らないと自生シャクナゲにはなかなか出会えません。琵琶湖西岸にそびえる比良山地とか、滋賀・三重県境の鈴鹿山地とか、紀伊半島の大台ケ原山や、稲村ヶ岳などシャクナゲお花見ポイントは関西にはたくさんあって、むかし、あっちによじ登りこっちによじ登りしましたが、たいていシャクナゲが出現する高度は1000m前後から上です。ただし、下限は700~800mっていう感じですわね。近畿の日本海側 (京都北山とか兵庫但馬とか) に行くともう少し出現高度が下がるかな? という感じですね。いずれにせよ人里近くの里山にはシャクナゲは自生しないわけです。 なお、関西では室生寺のシャクナゲが有名ですが、あれは植栽品です。自生品じゃありません。自生で標高が低いことで知られるのが 鎌掛谷ホンシャクナゲ群落 で国の天然記念物です。むかし見に行きましたが、標高350~450m付近にあったかと記憶しています。


ところが、ときには海岸近くにあったりもする

ところが、シャクナゲは葉を観察すれば紛れもない照葉樹です。日本南部の照葉樹林帯のシイノキやツバキやカシ類みたいに、葉の表面がテカテカと光沢があってもちろん常緑樹です。で、“シャクナゲは本来は低地の照葉樹林帯の樹木であったのだけれども、標高の高い冷温帯(ブナ帯)や亜高山帯にまで分布をひろげたのである。ところが、本来の分布域であった照葉樹林帯のシャクナゲが何らかの要因で衰退してしまい、現在は標高の高い所にだけ残っているのである” というふうな説もあるようです。なるほどそうかもしれません。西日本 (九州は除く、九州本土はツクシシャクナゲ) のホンシャクナゲは概ねブナ帯か暖温帯上部の深山にあるわけですが、点々と標高の低い所にもあります。一番良く知られるのは志摩半島の伊勢シャクナゲです。南伊勢町の人里近くの200mほどの里山の尾根にあります。むかし私も見に行って志摩半島をあちこち歩き回ったのですが、海岸の標高10mに自生しているシャクナゲを見てビックリ仰天。徳島県では、植物調査をしている人に聞いたら県南部に海抜50mにシャクナゲの自生があるそうです。ブナ帯や深山に自生するシャクナゲが何で海岸近くにあるんや? というのは不思議ですが、先の説では簡単に説明がついてしまいます。本来の照葉樹林帯のシャクナゲが遺存しているのだ、ということか? つまり、かつて氷期に寒冷地の植物が南下あるいは下山したのち、後氷期になって寒冷地植物が後退しても、暖地の北斜面の谷筋に氷期の植物が遺存することがありますが、その逆パターンみたいなものでしょうかね?

淡路島のシャクナゲは標高が低い所にある

淡路島のシャクナゲは標高が300mとか400mあたりにありますが、最低では200mちょっとの所にもあります。ウバメガシなどカシ類の林床にあります。光環境が不良で生育はかんばしくありません。遷移の進行で山の樹が大きくなっています。林床が暗過ぎます。今後シャクナゲが消えて行く可能性があります。自生シャクナゲを見るのは今のうちかも? じゃあ、シャクナゲの生育を良くするために樹を伐ったらいいのでは? という考えもあるかもしれません。しかしながら遷移の進行は自然の摂理であり法則です。シャクナゲの生育を助けるために他の樹木を伐採するのは、それも自然破壊といえましょう。希少な植物を残すためにという大義名分は正当なものなのか? 淡路島南部のみならず、いま日本中の山でレッドデータの植物が衰退していますが、遷移の進行が大きな要因のひとつです。レッドデータ種を残すために森林破壊するのが自然保護といえるのか? レッドデータ種の生育する草原を維持するために、あえて草刈りをして遷移の進行を無理やりに停めるのは、ほんまに自然保護なんやろか? 研究者や自然保護団体の人々がやっている活動にも大きな疑問がつきまといます。私は自然の摂理に逆らうこと自体が自然破壊だと考えますが、ここに自然保護の難しい問題があります。



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