雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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石のお花見をもう一度 (その1)
沼島の鞘形褶曲の下見に行ってまいりました!

4月9日に諭鶴羽山に登山したおりに、毎年シャクナゲ山にきてくれているおばちゃん、もとい、お姉さまのMさんにバッタリ出くわしました。話をしていると、沼島の観光漁船に乗って鞘形褶曲を見学にいったが全然見られへんかったわ、ということです。案内・解説者に南あわじ地学の会の会長さんが同行していたのに、見られなくて残念だったということです。実は、このたび兵庫県の天然記念物に指定されて話題となっているらしい。で、実際に実物を間近で見たいということでありまして、「山のキノコさん、沼島の鞘形褶曲の観察会を企画してくれへんやろか?」 ということです。で、観察会などという大袈裟なものではなく、単なる 「石のお花見」 つまり 「お花見」 や 「お月見」や 「雪見」 のような感覚の企画ならば、ということでO君 (おおくん) と下見に行ってまいりました。 やはり、大潮干潮で海面が下がったときでないとダメですわねえ。よって、「石のお花見 in 沼島」 の予定としては、5月28日(日曜)がよさそうです。



4月23日、「石のお花見」 下見写真ギャラリー

↓ 紀伊水道に浮かぶ宝島、沼島 (ぬしま) であります。 「ぬましま」 ではありません。 「ぬしま」 と読みます。
紀伊水道に浮かぶ宝島、沼島(ぬしま)

↓ マリンブルーの美しさ、蒼穹 (そうきゅう) のまぶしさに目をみはります。内海離島のハズなのに、遥か1000キロの外洋島の小笠原みたいです!
マリンブルーの美しさ、蒼穹のまぶしさ、小笠原みたい


小笠原のような派手な歓迎はなし

↓ 小笠原と違うのは、お出迎えの太鼓も踊りも何もありません。そりゃあ連絡船が1日10便も来れば、そういちいちお出迎えの儀式などやっていられるか! ということでしょうね。1週間に1便しかなかったならば、島をあげての観光客歓迎のお祭り騒ぎがあるのかも?
お出迎えはありません

↓ 船着き場にある観光案内看板です。沼島は独特の形をしていて、勾玉 (まがたま) のようだと比喩されます。そうでしょうかねえ? 吾輩にはお母様のお腹のなかにいる胎児のように見えますね! あるいはショウガとか何かの植物の塊根みたいに見えなくもないです。
観光案内地図


視線は淡路本島のほうへ向く

他者を知ることは、他者を鏡として、物差しとして、自己を知ることか?
外国語を知らない者は、自国語について何ひとつ知らない、とは文豪ゲーテの言葉。


↓ さっそく防潮堤の上から淡路本島を眺めます。沼島に来たのに、視線は自分の島のほうに向いています。日本列島は海に囲繞される海洋国家なのに、住民の視線は海に向くのではなく内陸方向に向けられています。それと同じです。他所の土地に行くのは、もしかしたら自分の土地を、視点を変えて客観視するためなのかも? 外から自分のところを眺めると、自分の所がどういう所かよく分かるということでしょう。
防潮堤の上から淡路本島を望む

↓ 沼島から眺めると、標高がたった608mしかない低い山の諭鶴羽山が1000m以上の高い山に見えるのが不思議です。
諭鶴羽山が実際以上に高く見える

↓ 対岸が吾輩の出身地であります。前が海、後ろが山で、子供のころ学校が引けると木登りしてヤマモモを採ったり、崖をよじ登ってアキグミを食べたり、自然薯掘り、磯が引けばタコやサザエ獲りしたり、谷でカジカ (海のカサゴに似た魚で、兵庫県レッドリストBランク) 獲りしたり、ウナギもいましたね! 日が暮れるまで海や山で遊んでいました。日々の暮らしや日常が今風に申せばアウトドアそのものでした。そういう所の出身なんで、アウトドアブームなんて、アウトドアグッズを売りたい商売人に踊らされている都会人のままごと遊びに、どうしても見えてしまいます。500Pというのは、標高500mのピークの意味で、山名が付けられていません。で、何々山と書けないのでこういう表現になります。
吾輩の出身地だ


沼島の周遊路を行く

ここ(+マークのところ)からまいります。 ここが沼島周遊路の時計回り入り口です。沼島を小さな島とあなどってはいけません。沼島を大周回すれば距離もかなりあり、完全に半日コースです。1時間や2時間でチョイチョイと回れるコースではありません。
ここからまいります。

↓ これは第一級の山菜のミツバです。野菜だと言ってもいいかもしれません。八百屋に売っているミツバと全く同じものですが、水耕栽培のやや軟白化したものと比べると歯ごたえはしっかりとあります。細かく刻んでスープの薬味にしたり、湯がいて三杯酢で和え物にすると上等な一品になります。周遊道路の際に沢山あります。沼島の人も観光客もミツバを採らないみたいです。ていうか、これを食べられると知らないのかも?
これは第一級の山菜

↓ これはわが南あわじ市が北限地になる植物であります。分布の本拠地は東南アジアなど遥か亜熱帯です。熱帯要素の植物でやや耐寒性があるので、西日本太平洋沿岸から紀伊水道を北上して淡路島南部まで分布を広げているということであります。名前にランとつくのですがラン科ではなくユリ科で5月~6月頃に紫色の小さな花を咲かせます。
南あわじ市が北限地の植物

↓ 資産家の別荘? 企業の福利厚生施設? のようなものがあります。隠れ家のような雰囲気です。芝生の庭のすぐ前は磯のようですが、プライベート磯でしょうか?
途中、企業の保養所? みたいなものがある

↓ 山中にミカンの木があります。実がなっています。夏ミカン? 甘夏? ナルトオレンジ? 小林ミカン? 品種は遠目ではわかりません。小林ミカンというのは見た目は全くの夏ミカンですけど、皮をむいたらビックリ中身が温州ミカンという非常に珍しいものです。吾輩も庭先果樹に1本植えようとして苗木を探したけど入手できませんでした。昔は田舎や離島では食べるものは自給自足が原則で、今のように何でもかんでも店で買うなんてことはありませんでした。で、大昔に吾輩が小学生のころ遠足で沼島に来たとき、島山を開墾した段々畑がたくさんあった記憶があります。その頃に栽培されていたミカンの名残でしょうか?
山中にミカンの木がある


南あわじ市は地質的には魅力的なエリア

↓ 展望が利く場所があります。ここから淡路本島をながめましたが、淡路島の南岸にそって中央構造線が東西走向にあります。中央構造線などと言っても1本の長大な断層ではなく、長短さまざまな複数の断層群であって、淡路島と沼島の間には5本も6本も断層が走っています。そのうちの1本だけが淡路島の陸上にかかっています。その断層が淡路島に這い上がっているのは3キロほどの間です。中央構造線を境として両側で地質が大きくことなり、海成砂岩や泥岩ばかり見ている淡路南部の者には沼島の結晶片岩類は非常に珍しいものに見えます。逆に沼島の住民が淡路本島に渡ったら道端に転がっている堆積岩が珍しいものに見えるハズです。ということで南あわじ市は地質学や岩石学に少しでも興味があれば、非常に魅力的なエリアであります。残念なのは、南あわじ市内を中央構造線が貫通しているのに地表を覆う大阪層群が邪魔して破砕帯が観察できないことです。
展望が利く場所があります

↓ 淡路アルプスと名付けたらいいかも? あるいは瀬戸内アルプスとか? 尾根伝いに縦走路を整備したら、標高の低いわりに眺望が利くので人気のコースになるかも?
淡路アルプスと名付けたらいいかも?

ここから海岸まで降りていきます。 ここで標高80mあまりだと思われます。登山道 (下山道?) は踏み分け道程度のものです。道があるのかないのかハッキリしませんが、黄色のロープが張ってあるので、それを辿って降ります。傾斜があるし落葉ですべりやすいので注意が要ります。
ここから降りて行きます


開拓者精神を燃やして、モウソウチクの密林を突破!

↓ しばらく降りて行くと竹藪です。モウソウチクであります。青タケはそれほど密生しているわけじゃありませんけど、枯れた竹がたくさん倒れて道を塞いでおります。こりゃあ、行かれへんわ! ま、こんなの想定済みであります。鉈やノコギリを携行しております。われわれは田舎のおっさんでありまして、野良仕事は得意で年季が入っております。ヤブ漕ぎなど何のへのカッパ、お手の物です。ただしジャケツイバラの茂みだけは手が出せませんが、それ以外は素早く切り開いて進軍しますね! 開拓者精神を発揮し、進軍ラッパを吹き鳴らして、登山道を塞ぐ枯れタケをノコギリで素早く切って排除します。
モウソウチクの密林
モウソウチクの密林

↓ 倒れた横倒しの枯タケを除いて通れるようになりました。勝手に下山道を掃除してもいいのかどうか? 分かりませんが、南あわじ市当局もぜひ見に行ってくれと推奨していますし、沼島の人々も観光資源にならないかと模索しているようなので、いいんちゃうか? たぶん観光漁船で見学するのがメインなんでしょうけど、浜に上陸しないかぎり実際には何も見られないし、波が高くて船が出せないこともありましょう。その場合の代替手段として陸上コースの整備は大いに意義があると思われます。という自己弁護ですが、もし不都合があるならばお許しを賜りたいと存じます。
登山道を掃除した


やはり、大潮干潮じゃないとダメだわ!

↓ 鞘形褶曲が見られる問題の岩が見えてきました。やはり、大潮の干潮でなければ観察できないみたい。だいぶん海水に浸かっています。
鞘型褶曲の見られる岩

↓ 難行苦行、悪戦苦闘の結果、無事に海岸へ降りてきました。ここは沼島の北端の黒崎というところですが、地名はその場所の地誌や人事を表すという命名原則から推定して、黒っぽい岩が多い御崎という意味でしょうか? たしかに原岩が泥が固まり炭素を含む岩が変成作用を受けてできたのか? と思われる黒っぽい岩が多いです。もし白い岩が多ければ白崎という地名になったハズですよね?
海岸へ降りてきた


結局、老人の遠足だ、お弁当が美味いね!

↓ ヨットと漁船が競走をやっております。鳴門ボートレースを観戦するように見ながら、ここで昼めしであります。弁当を紙袋に縦にいれて持ってきたのでおかずが片よりました。ところで、向こう岸に 南あわじ地学の会 の会長さんのご自宅が見えているではありませんか! 吾輩の実家は山の陰で見えませんわ。
ヨットと漁船が競走か?
先ず腹ごしらえ




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