雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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コクモンジの大調査 (予報)
コクモンジの大調査の結果 (予報)

正月元旦の拙記事 で予告しておりましたコクモンジ (標準和名はシマサルナシ) の大調査でありますが、正月明けの2017年1月4日の午前11時 ~ 午後4時の間にとりあえず9個体の果実の味を調べました。たった1回だけ調べただけで、大調査はおろか、とても 「調べた」 などと言えるものではありません。そもそも 「調査」 とか 「調べる」 というのは生易しいものではなく、大変な努力と情熱や執念がいるハナシでありまして、半日ちょっこっと歩き回ったぐらいで大調査と称するのはおこがましい限りで、これは何べんも調査に入り南淡路に自生するコクモンジの全個体に当った (=悉皆調査) あかつきに 「本報」 ということにして、とりあえず今回は 「予報」 ということにしておきます。 ちなみに、ネットでググって “調べた” などという向きもありますが、それは調べたのではありません。ネットで検索して出てきたものを 「閲覧した」 だけにすぎません。他が調べたことを閲覧しただけであって、自らの足で歩いて調べるのとは全く異なります。

コクモンジの果実

コクモンジの果実調査個体の自生場所
↑ ここが何処なのか? これでは分かりにくいのですが、兵庫県版 レッドデータリスト2010では、コクモンジ (シマサルナシ) の自生地の詳細は非公開 となっております。で、淡路島南部の山中でありますが、残念ながら土地勘がなければここがどこなのか分かりません。


9個の個体の果実の味を調べた

●ワインのテイスティングではないけど、食用的価値があるのかどうか? 味覚による官能判定を行いました。調べるにあたり、未熟でも過熟でもダメですから適熟な果実を1個手に取ります。まず、果実の大きさ・形状・果皮の斑点の有無等を検分し、その果実をぐるりと回して表と裏に違いはないか? なども見ます。裏と表の果皮の状態があまり違うと栽培に当たって袋掛けなども要ると思われます。次に、香りも嗅いでみました。特段の香りはなさそうです。

さて、いよいよ試食でありますが、糖度とか酸度ならば糖度計など器具による定量的な数値計測も可能でしょうが、美味いとかマズイとかはそんな単純なものではなく、主観も入りますし、定量評価は困難です。

そこで、たとえば、味にうるさい、あるいは舌の感覚が鋭い (?) ソムリエとか洋食シェフなど10人を集めます。で、非常に美味い(3点) 美味い(2点) まあまあ(1点) マズイ(0点) など食味階級に点数を付与して、10人に9本の樹の実を試食判定してもらいます。そして加算した点数で判定するというのはかなり説得力のある一法でありましょう。しかし、実際にはそれは難しいですわ。だいいち知り合いにソムリエやシェフがいませんわ。しかたがないから、O君と吾輩で、「おお、これは美味いなあ!」 「まあまあやな」 「こりゃあアカンわ」 などと協議して判定しました。
(なお、実際は果実を採取するごとに味見をしました。)


調査結果


個体により (樹により) 果実の大きさや味にかなりの違いがある!

果実の味は文章では示せませんが、大きさは写真で一目瞭然です。南あわじ市の山中にあるコクモンジの集団の中だけでも、果実の大きさにかなりの個体差があります。若干、日当たりの良い悪いとか、尾根筋か谷筋かによる土壌水分の多寡とか、微妙な環境の差によるところもあるかもしれませんが、至近距離にある2本の樹でも果実にかなりの違いがあります。
樹によって果実の大きさや味に違いがある


鬱蒼と茂った照葉樹林の中にコクモンジが自生する

●コクモンジ自生地は、自然度8の自然林に近い二次林という植生のところです。樹高20mとかそれ以上のシイ等の高木の樹冠の上までコクモンジの蔓が這い登っています。高いところで果実をつけています。で、果実の採取は難航を極めました。結局、果実を採取できなかった樹のほうが多いです。コクモンジの個体数は予想外に多いことも分かりました。調査地を洲本市側に拡張すれば、淡路島南部に自生するコクモンジの個体数はかなりの数になるハズです。おそらく、たぶん、未調査の樹のなかに抜群の美味い実がなる樹が隠れているのではないか? さらなる調査が望まれます。

↓ 自然度8の自然林に近い二次林です。画像で茶色っぽくなっている部分がコクモンジです・
自然度8の自然林に近い二次林

↓ コクモンジの太い蔓が3本、太陽光を求めて樹冠を目指して登っています。
樹上たかくコクモンジのつるが這い登る

↓ 双眼鏡で見ると、はるか20mぐらい上で実をつけています。これでは採れません。モンキーセンターから猿を借りて調教して採らせたらいいかな? お猿さんを仕込んで、 「コクモンジの実を採ってきたら、ご褒美にバナナをあげよう」 ということですが、ならばバナナのほうが魅力的でなければならないことになりそうじゃわ!
地上20mぐらいのところに実をつける」

↓ 鬱蒼と茂ったシイ林です。谷を挟んだ反対側の尾根から眺めました。シマサルナシが沢山あるのが分かります。
シイ林に生育するコクモンジ

↓ 双眼鏡で見ると、シイ林の林冠の上でコクモンジは実を結んでいます。やはり鳥類かサルしか取れません。
林冠の上で実をつける



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