雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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冬の風物詩
冬の風物詩 南淡路版その1 接地逆転層の可視化

“冬の風物詩” などと言っても、その地方その土地によって異なるわけです。それは当たり前のことであって、普通ダイヤモンドダストといえば北海道の内陸部あたりの冬の風物詩とされていますが、去年の1月下旬に九州地方を記録的な寒波が襲来し、鹿児島県アメダス大口で25日に氷点下15.2度を記録しました。そのさいにダイヤモンドダストが見られたと話題になりました。けれども、その大口で見られたダイヤモンドダストが鹿児島県の冬の風物詩といえるかどうかは、言えません。冬の風物詩と申せば、冬になれば頻繁に見られる、あるいは必ず見られるというふうな意味合いを含んでいます。めったに見られないものは風物詩とはいえません。地方により気候も景色も暮らしもみな違うわけで、同じ地方でも都市部と田舎ではまた景色がことなります。で、風物詩もみな違うわけです。たとえば、南淡路では諭鶴羽山でまれに霧氷が見られますが、めったに見られないから風物詩とは言えませんが、徳島県祖谷地方の山間部ではそれは日常見られる現象だから冬の風物詩といえましょう。

放射冷却で冷える朝に見られる接地逆転層

●淡路島は小さな島なのですが地形はかなり複雑で、南部の平野部の三原平野や洲本平野では三方を山に囲まれて、やや盆地性を帯びています。そのため冬期に大陸からの高気圧の中心が西日本にやってきたときは、強い放射冷却が起こって意外に冷え込みます。そういうときには、三熊山という小高い山の上にある洲本特別地域気象観測所 (旧洲本測候所) よりも、平野部にあるアメダス南淡のほうが、気温が6~7度下がります。これは山腹温暖帯よりも平地のほうが冷えこんでいることを表わしています。そういうときに見られるのが下に掲げた光景であります。 “接地逆転層の可視化” であります。

●われわれのヒトの眼は精巧なカメラ眼ではありますが、一部の動物たちが持つような赤外線カメラじゃありません。で、物体の温度の高低を眼で見て視認することはできませんが、その景色から間接的に見ることはできます。たとえば、富士山を眺めて中腹から上に雪をいただいておれば、雪線当りの高度がほぼ零度であり、それより上では気温はマイナス圏、下ではプラス圏であることが見えます。同じようなことが煙 (かすみ) のたなびきかたでも見えてしまいます。

なお、“接地逆転” とは地表付近が上空よりも気温が低い状態ですが、通常の逆です。秋田地方気象台 「接地逆転(放射性逆転)」 とは何か? 参照。 三原平野は規模が小さいし、内陸部でもないから接地逆転層の厚みは薄いハズです。秋田地方気象台が言うほど厚さ数百mもなくせいぜい数十mとか100mの厚みしかないでしょう。正確にはそんな調査観測は南淡路では存在していないから分かりませんが、これは中学生や高校生でも出来る調査で、地元の中学や高校の理科クラブがやるべきではないか? 日本気象学会の会誌 「天気」 にそんな調査報文がたまに載りますね!接地逆転層の上に突き抜けた山、先山(448m) 南辺寺山(273m) 諭鶴羽山(608m) などがあり調査環境は整っています。あとは島内の理科の先生の指導しだいか? もしかして、島内の学校の生徒が調べたレポートが日本気象学会の会誌に掲載されるかも? 査読を通るかどうかしりませんけど、そこはやはり理科の先生方の指導しだいでしょうかね?


2016年12月29日8時47分 南あわじ市にて
フタが出来ている


↓ 2016年12月29日8時53分、南あわじ市にて “接地逆転層のふた” から上には煙が昇っていきません。地を這うように横に広がるだけです。少し小高いところから眺めると雲海みたいに見えます。なお、接地逆転層が発生していても、空気が清澄で煙もかすみもなければこの光景はありません。その点は三原平野では農家の人が早朝から畑で野焼をすることが接地逆転層の可視化に貢献しています。天下の悪法の廃棄物処理法を打破しよう! 田舎じゃ野焼をせにゃ生きて行かれませんわ! どんどん野焼をして淡路島を煙の雲海の名所にしましょう!
2016年12月29日8時53分 南あわじ市にて


放射冷却で冷える朝には、平野部のほうが気温が6~7度低くなる。

↓ 気象庁観測データから作成。2つの観測所間の距離は十数キロありますが、洲本測候所は小高い山の上にあり、アメダス南淡は平野部にあります。両者の気温の出方は全く異なります。洲本測候所は気温の日較差が小さいです。アメダス南淡は日中は暖かく朝は冷えます。この気温差が地表付近で煙が滞留する原因であります。それにしても、困ったことに、洲本測候所の気温が淡路島の気温を代表しているわけではないのです。洲本測候所のデータを見る限りでは、特に夏場では淡路島が涼しい島かと勘違いされてしまいます!
2017年1月1日~2日の淡路島の気温変化

↓ これは上のグラフで洲本測候所とアメダス南淡で6度の気温差が生じた朝の三原平野の一画です。あさ08時5分です。地表付近に煙やカスミが滞留しています。まるで浮世絵みたいな景色です。
2017年1月2日08時05分

↓ 2時間半が経過して10時35分になりました。日が昇って太陽光で地表があたたまり、接地逆転が破壊されました。すると地表に滞留していた煙は拡散して消えてしまいました。
2017年1月2日10時35分


すこし余談、あまりドンドンと書くとやられる危惧があります!
●以前に、PM2.5 (径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質) による大気汚染問題で、中国のある都市の大気汚染が殺人的な濃度で大変なことになると、マスゴミどもが毎日煽りたてました。もちろん大気汚染はヒドイのですけれども、マスゴミどもは常に “絵になる光景” を追いかけます! で、こういう接地逆転が起こって地表にスモッグが濃密に滞留しているところを捜して映すわけです。常時そういう状態であるわけではないから、騙されないことです。NHK・民間テレビ・大新聞は視聴者や読者をだますプロであると認識する必要があります。なぜ、やつらは我々国民をだますのか? はハッキリしています。やつらは安倍政権の手下であり走狗となっているからです。政治的に中立でもないし、権力の乱用や暴走を監視する役目を完全に放棄しています。マスゴミどもの常套手段は、政治的に隠したいことがある場合に、何か問題を作りだして絵になる画像を映して、連日煽りたてます。国民はシッカリとしたメディアリテラシーを持つ必要があります。


【追記】
近畿地方のアメダス気温分布では、兎和野高原と生駒山に注目。
下図のエリアで、強い放射冷却が発生しているかどうかは、洲本のほかに大阪府・奈良県境の生駒山、兵庫県北部の兎和野高原もチェックします。

●生駒山 (観測所の標高626m、黄色で枠取りした箇所) では、3.1度です。大阪平野側の八尾 (標高10m) で2.9度、奈良盆地側の奈良 (標高104m) で1.7度です。500m以上生駒山のほうが高いのに、山麓の平野部のほうが気温が低くなっています。通常は生駒山のほうが4~5度低いです。

●兎和野高原 (青で枠取りした箇所、標高540m) は氷ノ山の中腹といって差し支えないところですが、2.3度です。すこし距離がありますが麓の豊岡 (標高3m) では1.0度です。大きな標高差があるのに平地の豊岡のほうが冷えこんでいます。

なお、アメダス高野山はダメです。高野山は標高800m台の山上の盆地です。平地での放射冷却の強度をチェックするのには使えません。ここは、低気圧の前面で上空に南からの暖気が吹き上げているかどうかのチェックができます。温暖前線が北上してくるとき紀伊水道の上空に暖気が吹き上がって、麓のアメダスかつらぎよりも高野山のほうが800mの山の上なのに気温が上がります。 1枚の図から色々なことが読みとれます。

2017年1月2日05時の近畿地方の気温分布



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