雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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剣山スーパー林道走り納め (その4)
剣山スーパー林道走り納め、ならびに高城山登り納め。写真ギャラリー (その4)


来るのが遅かったので、霧氷は落下したあと!
11月30日の高城山登り納めでは、淡路島の雑想庵を07時55分に出発したので、高城山の山頂にきたのは11時46分になってしまいました。昼前であります。今朝はたぶん標高1400~1500m以上では霧氷だったようですが、すでに霧氷は落ちてしまっています。わずかにウラジロモミの枝に残っているだけです。
霧氷はほとんど落下したあと
霧氷はほとんど落下したあと

↓ 霧氷は日中に気温が上がると、あるいは強風で木々の枝がゆすぶられると落ちてしまいます。雲 (霧) が濃密で霧氷の生成が多かったならば、地面に落ちた霧氷がまるで雪が積もっているかのように見えます。
落ちた霧氷は雪が積もっているように見える
落ちた霧氷は雪が積もっているように見える

雪のように見えるけど、雪が積もっているわけではない。
↓ 雪のように見えるけれども、クローズアップして観察すると、明らかに雪ではありません。いわゆる “エビの尻尾” を形成していたところの “針状の結晶” が見られます。よって、この雪のように見えるものは樹木の枝に付着した霧氷が落下して地面に積もったものであります。似てはいますが雪が積もっているのではありません。 積もっている状態は、均一に積もっているのではなく極端にムラがあります。厚いところでは5センチありますが、地面の落ち葉が見えているところもあります。
針状の結晶が見られる
針状の結晶が見られる
↓ 帰りしなに、剣山スーパー林道の標高1400m地点から高城山の山頂を見上げました。雪が積もっているように見えます。
積雪があるように見える


霧氷による積雪量 (降水量) はどの程度になるのだろうか??
樹木の枝に付着した霧氷が地表に落下すれば、それは積雪とほとんど区別がつきません。気温が上がってそれが溶ければ水となり、山の土壌を潤し水源を涵養します。標高の高い山岳の霧氷も、まぎれもなく積雪と同等であり、貴重な水資源であります。では、その霧氷による降水量はいったいどの程度になるのか? 通常の雪や雨としての降水量に対して、霧氷による降水はどの程度の割合なのでしょうかね? 気象庁はそんな観測はやっていないので全く不明でありますが、参考になりそうな研究ならば僅かですが存在しています。それらによると、霧氷 (気温がプラス圏では樹雨・きさめ) による降水はかなり多そうな感じ!

森林樹冠にもたらされる酸性沈着の影響評価 ―樹冠通過雨測定による乾性沈着・霧水沈着の定量と土壌溶液の測定―
という素敵な報告がありますが、筆頭著者の小林禧樹 (こばやしとみき) 先生は、兵庫県のフロラ (植物相) を徹底的に調査されている方で、『淡路島の植物誌』 の著者でもあります。 勝手にリンクした小林先生の報告では 「酸性沈着」 など一般には見たこともない珍しい用語が頻出するので、もし読むのであれば、気象庁サイトの酸性雨に関するさらに詳しい知識 とか 酸性雨に関する用語解説 などを参考にすればよいでしょう。

●リンクの報告は調査フィールドとして神戸市の裏山の六甲山でおこなわれたものですが、私の興味は森林を通して林床に沈着する大気汚染物質などではなく、ま、そういう酸性雨等には興味がありません。そもそも、日本列島は火山噴出物が広く覆っている国で土壌は酸性に傾いていますし、生育する日本の植物は酸性土壌に強いわけです。そもそも、一発、火山が大噴火すれば酸性雨の原因物質の硫黄酸化物がわんさかと出るわけです! 一時はマスゴミどもがあれほど騒いだ “酸性雨で日本の森林が全部枯れるぞ” と言わんばかりの大騒ぎも鎮静化して、最近ではぜんぜん言わなくなったのは何でやろか? ま、環境省の調査利権も若干あるのかな、という受け止め方です。 興味はそんなのじゃなくて、樹雨 (きさめ) による降水量はどれくらいなのか? ということです。報告の中に、具体的な観測例が挙げられています。 9頁の 11)樹雨現象の解明 から引用します。

引用開始】 山地では濃霧が森林に流れ込み樹木の枝葉に沈着すると、やがて大粒の水滴となって樹冠下に滴下する。これは樹雨といわれる現象で、海岸に近い森林ではこれが無視できない量に及ぶといわれている。しかし、森林の樹雨現象について年間を通したデータにより定量的に扱った報告はこれまでなかった。 (中略) 六甲山の霧水沈着の多くは降雨を伴ったが、年間に12~22%、暖候期には14~32%が降雨を伴わない樹雨型で、樹雨量は年間193mmであった。最長の樹雨イベントは1999年7月20~25日に発生し、58時間継続し、総樹雨量は70mmに達した。【引用終了

●淡路島でも暖候期には、島の南部に東西走向の柏原―諭鶴羽山地の中腹から上には、たいてい雲がかかっています。特に午後になると雲がかかりやすいです。これは紀伊水道を吹き上がった暖湿気流が、屏風のように横たわる山地で強制上昇させられるためです。で、たとえば諭鶴羽神社の大杉の下に行けば、雨が降っているわけじゃないのに滴がポタポタと落ちてきます。これが樹雨 (きさめ) です。六甲山は大阪湾から吹く暖湿気流が樹雨の原料と考えられ、諭鶴羽山と発生要因が似ています。小林先生のグループの観測で、樹雨の降水強度というのを考えてみるとせいぜい1~2ミリ/時といったところでしょうか? 気象庁の地上気象観測指針でいう “弱い雨(時間降水量3ミリ未満)” のレベルでありますが、霧 (雲) が濃密で時間が継続すれば1日20ミリぐらいに達することもありそうな感じです。それだけ降れば土壌はしっかりと潤いましょう。



写真の霧氷による降水量は、たぶん数ミリ程度ではないか?
↓ 気温が氷点下の寒冷での樹雨が霧氷ということでありますが、2016年11月30日の高城山山頂で見られた霧氷の積雪を再度観察すると、2~3センチ積もっています。深いところは5センチ、地面の落ち葉が露出しているところもあって、ムラがあります。均すと1センチの積雪かな? 霧氷といっても氷っぽく「粗氷」という感じです。(霧氷には「樹霜」「粗氷」「樹氷」の3種がある) 写真のものは氷っぽく比重は大きそう。0.5ぐらいか? と仮定するならば、この霧氷の積雪の降水量は5ミリぐらい (数ミリ程度) か?? というふうに直感的に見えます。
落ちた霧氷は雪が積もっているように見える


淡路島に帰島後、南西方向を遠望すると高城山のネギ坊主が見えた。
↓ 高城山1532というのは間違いです。正しくは標高1632mです。南あわじ市福良の南淡路ロイヤルホテル付近から眺めた写真です。この場所から高城山のネギ坊主まで直線距離は57.7キロです。意外に近いです。淡路島の南北の長さ53.0キロと同じ程度です。
鳴門海峡の向こうに高城山のネギ坊主が見える
鳴門海峡の向こうに高城山のネギ坊主が見える
鳴門海峡の向こうに高城山のネギ坊主が見える



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