雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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剣山スーパー林道走り納め
本日は2016年12月1日 (木曜日) であります。月が替わって師走ということになります。

●昨日の11月30日に、剣山スーパー林道の走り納めに行ってまいりました。剣山スーパー林道は全長87キロにおよび、全行程すべて未舗装の悪路、泥まみれ石ころ累々のすさまじいダート・ロードであります。いっぺん来たらたいていの人は懲りるわけです。最低地上高の低い車は腹をするのは必定、車が傷むので二度と来ないわけです。で、30年ほど前に全線開通したときには、珍しい山岳観光道路が出来たということで話題になり、マイクロバスまでわんさかと押し寄せましたが、今となっては往昔の賑わいはありません。いまでは、剣山スーパー林道に来るのは、泥んこ遊び大好きなクロカン趣味の連中か、山登りということになります。吾輩は泥んこ遊びに興味はなく、またそういう車でもないし、山登りでもありませんが、分類するならば広義の自然観察派ということでありましょう。標高の高いところの冷温帯~亜高山帯には平地では絶対に見ることが出来ない自然があり、それを見にきているのでありましょう。

剣山スーパー林道は、基本的には12月1日から3月31日まで4か月間閉鎖されます。南国四国といえ積雪で通行困難になるためです。以前は閉鎖ではなかったかと記憶していますが、積雪期に不用意にスーパー林道に進入してスタックし、安易に救助を要請するのが後をたたず、警察や消防が 「こりゃあ、かなわんわ、迷惑千万だ!」 と怒って積雪期は閉鎖することになった、でしたよね。ま、日本海側豪雪地でもないし、北日本でもないわけだから、積雪期のスーパー林道に進入するヤカラも装備不十分ですし、救助する側も雪や氷に対する資材も経験もありません。たとえば、ちょうど2年前に高越山 (1133m) で高越寺の住職と寺男が乗っていた車が積雪でスタック、携帯で救助を求めたのですが、救助隊は現場に行くことすらできませんでした。なお、積雪は推定で30~40センチだったと思われます。翌朝には現場に到着したものの遺体収容作業となりました。これが、信州や北海道ならば助けられたのではないか? で、剣山スーパー林道は冬期は閉鎖もやむを得ないでしょう。ということで、通行可能最終日に走り納めですが、納めるというほど回数は来ていないですが‥。



剣山スーパー林道走り納め、ならびに高城山登り納め。写真ギャラリー (その1)

↓ 大鳴門橋をわたり、徳島自動車道に進入、松茂パーキングエリアで小潔斎 (隠語・意味は分からんでいい) 南西方向のお山を遠望するも雲に隠れて見えません。
松茂PAからお山を見るも、雲に隠れている

↓ 藍住インターチェンジで一般道へ降り、吉野川をわたり、吉野川の支流の鮎喰川をわたり、その鮎喰川にそって南下、神山町へとまいります。
神山に向かいます。

↓ 神山町役場を通過して2キロ、砥石権現 (標高1375m) を見上げるビューポイントに来ましたが、お山には層積雲状のベターっとした雲がかかっています。山々の地形から判読して雲底高度は1100mです。高城山頂では雲海が見られる可能性が大なり。
お山には雲がかかります

↓ 神山町から那賀町へ抜ける雲早トンネルです。標高は地形図から判読して約980mぐらい。正確には標高点なく不明。このトンネルの上の尾根にはシャクナゲの見事な大群落があります。ここのはホンシャクナゲともツクシシャクナゲともつかないものがあって、両種は画然と別種ではなく、連続的に形質変化するのが分かります。
雲早トンネル

↓ トンネルを抜けてからは標高差で150mほどくだります。途中、高城山の雄姿があらわれましたが雲が消えているではないか。雪もねえじゃないか!
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↓ 剣山スーパー林道の入り口であります。ここで標高は約860m。付近に生育する樹木を観察すると、既にブナは出現しています。よって、ブナ帯 (冷温帯) だと言って誤りではないでしょう。ところがブナに混在してアカガシがあります。アカガシは樫類の中で最も耐寒性のある樫の木ですが、樫の木はシイとならんで暖温帯 (照葉樹林帯) を標徴する樹木です。よって、ここは暖温帯の最上部といって誤りではないでしょう。つまり、徳島県ではこのあたりが暖温帯と冷温帯の境界 (移行帯) ということです。徳島県の山歩きに必携の名著 『徳島県植物誌』 を著した阿部近一先生は中間温帯だとしています。標高500―1000mのエリアが中間温帯。 写真の大きな岩のむこうに関所があって、12月1日に鋼鉄の横バーが架けられ施錠されます。解錠されるのは4月1日ですが、道路の荒れ状態では遅れることもあります。一般の者は冬期に高城山に登るにはここから10キロ歩くしかありません。(ただし、地元の関係者は冬期でも車で進入しているみたいです)
スーパー林道入口
↓ 剣山スーパー林道入り口付近のアカガシの木です。常緑の青々としている木です。葉や堅果のアップ写真がないと分かりづらいですが、樫類の中で葉が一番大きい、葉の縁にギザギザがない(全縁)、標高の高いところにある(淡路島では標高400m以上、平地には全くない) などで見分けられます。
剣山スーパー林道入り口付近のアカガシ


↓ これは、「出るぞ、出るぞ」 という脅迫でしょうかね? 熊よけの鈴とか、熊よけスプレーを買いなさいということですが、あんまり利権にはならないよね。手法は地球温暖化の脅迫と同じです。「二酸化炭素を削減しないと大変なことになりますよ」 というのに少し似ています。カネを奪う方法のひとつが 「脅迫」 です。二酸化炭素は植物の生育に不可欠なものです。削減ではなく、どんどんと二酸化炭素を出さなくっちゃ! 農業関係では温室の中で油を焚いて二酸化炭素を1000ppmとか1500にしますね。なお、大気中の二酸化炭素濃度は約400ppmですが、2倍とか3倍にするわけです。すると、作物の収量はグーンとアップです。つまり、農業生産では二酸化炭素は肥料なのです。地球の歴史において、古生代石炭紀にロボクやフウインボクの木性シダが大繁茂し石炭となりましたが、この植物の大繁茂の要因のひとつは高い二酸化炭素濃度です。その見積もりは文献により色々な数値が挙げられますが、おおむね現在の地球大気の5倍から10倍。でも地球は破滅などしていません。いいかげん庶民も地球温暖化なんて利権がらみのカネ盗り脅迫だと気付け! ま、気付いているでしょうけど。われわれ庶民が汗水たらして働いたものから税金を巻き上げられ、温暖化対策費用として国会予算から数兆円が盗られています! なお、どこまでが温暖化対策かの境界はあいまいで、少なく見積ると2兆円、関連予算まで温暖化対策だと解するならば3―4兆円ぐらいでしょうかね?
出るぞ出るぞという脅迫
余談はさておき、クマは出るときには出るんですわね。私も1回だけですが高城山で目撃しています。でもさあ、四国のクマは小さいんです。四国や紀伊半島のクマは体格が小さく30キロとか50キロとかせいぜいヒトの体格程度です。そりゃあ、クマとレスリングをやりゃ怪我はするでしょうが喰い殺されるほどではありません。北海道のヒグマは大きくて立派ですし、本州のツキノワグマも東北地方のものは比較的大きいです。生物の分布で言う 「ベルクマンの法則」 は、日本列島に棲息するクマに関しては良く当っています。


↓ ファガスの森に11時53分に到着しました。雑想庵を出たのは07時55分ですので、4時間もかかっていますが、道の駅 「温泉の里 神山」 で飯を喰うなど寄り道ばかりしていたためです。ファガスの森は店じまいのようです。本日 (11月30日) は定休日でもあります。ただし、山頂のレーダー雨量観測所の作業員の宿泊はあったみたいです。
ファガスの森
ファガスの森 のファガスと言うのはブナ科ブナ属のことで属名です。種名のブナそのものじゃありません。分類階級として、「科」 と 「種」 の中間が 「属」 であります。ということで、日本列島に自生するファガスには 「ブナ」 と 「イヌブナ」 の2種あります。イヌブナは徳島県版レッドデータでは絶滅危惧指定されていて、なかなかお目にかかれません。 リンクサイトの表紙に、「剣山スーパー林道ぞい。ブナやシイ、ナラが青々と茂る森の中だ」 と挨拶で言っていますが、ナラはミズナラがあるのでいいとしても、シイはなんとかならんものでしょうかね? スーパー林道は全長87キロもあるから、基点の上勝町の低所にはシイはありますが、シイの分布上限は徳島県では標高600mまでです。それより上にはありません。標高1300mのファガスの森周辺は暖温帯域ではないのだからシイはあろう筈がありません。これは、なんとかならんものでしょうかね? 地下足袋王子様は自然観察指導員でもあるのだから、シイは消去したほうがよさそうです。シイをウラジロモミに入れ替えるのがいいのでは? それはそれとして、何回か立ち寄りごちそうさまでした。また雪の消える来年4月にまいります。
ファガスの森

雪がねえじゃないか!
↓ 剣山スーパー林道です。ここは路面の状態がいいところです。海抜1400m地点。なんと雪が全くありません。スタッドレスタイヤに履き替え、場合によっては4輪チェーン巻き、バッテリーは寒冷地仕様に交換、スコップから牽引ロープ・防寒着・万一に備えて1週間分の非常食、と完全雪山装備で初すべり、もとい、初スリップを楽しもうと来たのに肩透かしです。
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つららはあります!
↓ 美味そうな 「つらら」 ですわね。高城山の天然つららです。魔法瓶に「入れて持ち帰り、水割りに入れたら美味いのではないか? 水分が凍るさいに不純物はみな除去されますね。高城山のミネラル分はしっかりと保持しています。値段をつければ1キロ千円ぐらいか? 高級品です。
つららはある
つららはある

↓ いい眺めです。j北東方向、つまりわが淡路島の方向であります。
いい眺めだ

↓ 砥石権現 (標高1375m) の向こう側に雲海の名残の、小さな綿雲がぷかぷかと浮かんでいます。来るのがもう2時間早かったならば見事な雲海だったのではないか?
砥石権現の向こう側に雲海の名残が見える

↓ 徳島のヘソまでやってまいりました。ここで標高は1490―1500mですが、標高点がないので正確には分かりません。
徳島のへそ

↓ ブナは冬枯れた状態です。こうして落葉すればよく分かるんですが、四国のブナはむかしコハブナ (小葉ブナ) と変種扱いされかけた経緯があるのでも分かるんですが、本州とくに日本海側や東北地方北部のブナとだいぶん違いがあります。日本海側や北日本のブナは幹の肌が白くてスラと真っ直ぐで貴婦人みたいな上品さがあるのに対して、四国のブナは肌が黒くて、幹も曲がりゴツゴツとして野武士みたいな粗野な感じがします。
冬枯れたブナ林

↓ やはり雪はありません。次の寒波に期待したいところですが、スーパー林道は12月1日から閉鎖です。ここへ来るには10キロを歩くしかありませんが、半年前からソロバン上手な悪徳医者と縁を切るために、生活習慣病の元凶の肥満と運動不足を克服しようと頑張っております。92キロあった体重を現在78キロまで落とし、日々10キロの駆け足です。で、標高差770m距離10キロ (往復20キロ) ぐらいならば行けそうな感じです。もちろん積雪が多くてラッセル状態ならば無理ですが、積雪が少なかったら行けるのではないか? なお、少しでも積雪が多いと高城山の北東斜面で雪崩の危険性があるので安易な入山は出来ません。
スーパー林道走り納め

↓ 高城山の南側の登山口です。ここで標高は1540mぐらいです。高城山のピークは1632mなので登るのは標高差で100m弱です。子供でも老人でも登れます。
高城山登山口

↓ 高城山のネギ坊主です。国土交通省のレーダー雨量観測所でありますが、山登りたちは高城山のネギ坊主などと呼んでいます。遠くから見るとそう見えるからです。これは、まさに高城山のアイデンティティー (存在証明) と言うべきもので、遠くの他山から遠望してあれは高城山だと同定する切り札であります。双眼鏡で見ると淡路島からでもこのネギ坊主は確認できます。 山頂まで這い登る線路はネギ坊主補修点検用のラックピニオン方式のモノレールです。ササ原は徳島県の高所に多いミヤマクマザサではなくスズタケの矮生化したものです。30年前にはここのスズタケは背丈を越え2―2.5mの大きさでしたが、何故か0.5―1mと小さくなってしまいました。シカの被食圧が強くなった?? 理由はよく分かりません。地形は変わらないから風あたりが強くなったとは考えにくいです。
高城山のネギ坊主

剣山頂上ヒュッテが見えます。
↓ 剣山方面を遠望しましたが、まだ雪がありません。11月末ともなれば普通は山頂北斜面には雪があるのに、異様な感じがします。今年は上空の太平洋高気圧が強すぎました。11月の中頃だったか、500hPa高層天気図でアムール川河口付近上空で早々と-50度以下を観測していました。シベリア奥地の寒気は平年並みあるいは平年以上にシッカリと涵養されています。つまり、低緯度の西日本にまで降りてこないだけです。しかしながら、昨年来の強いエルニーニョは夏ごろに終息して、いまはラニーニャが発生しています。ラニーニャが発生しているときの西日本の冬の気温の統計的な傾向は、平年よりも低いは46%、平年並みは39%、平年よりも高いは15%であります。つまり厳冬傾向だということであります。で、まもなく上空の太平洋高気圧は後退して北極圏の寒気が低緯度まで降りてくるのではないか? このことに基づくのか、あるいは別の要素を考えているのかは分かりませんけど、気象庁はこの冬の西日本の低温予想を出していますね! 次の寒波襲来以降は山々の姿は一変するのではないか?
剣山遠望
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↓ 剣山頂上ヒュッテが見えています!
剣山頂上ヒュッテが見える



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