雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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錦秋の剣山は、紅葉の発色がさえないけれども見事な雲海だった! (その1)
●昨日の2016年10月21日 (金曜日) に、また剣山 (徳島県・標高1955m) に登ってまいりました。西日本では今秋は気温が平年値よりも高めで推移し、冷え込みが緩いので紅葉や黄葉の発色がイマイチでしたが、見事な雲海を見ることができて、紅葉の失望を帳消しにしてくれました。

寒気が東北地方中部までしか降りてこず、剣山は初雪ならず。
南国四国といえども2000m近い山です。かつての剣山測候所の観測データでは、10月中の初雪が頻繁で積雪観測も何回もあります。で、10月下旬になりましたから、いつ風花が舞ってもおかしくはありません。剣山で風花が舞う条件はおおむね、寒気が偏西風の大蛇行に乗って西回りで大きく南下、瀬戸内地方平地で10度まで冷え込み、かつ山陰地方で冷たい時雨がパラつくという状況でありましょうか? 残念ながら、今回の寒気は東北地方中部までしか降りてきませんでしたが、地球温暖化の妄想をあざ笑うかのように、シベリア奥地上空の気温低下には目を見張るものがあります。なんと8月中に500hPa高度で-38.7度が観測されています。冬将軍は着々と戦力を涵養していますから、次回に期待したいところ‥。


気象庁HP 船舶向け天気図提供ページ から、850hPa高度・気温・風・湿数図 を1枚借用します。日本付近をトリミングして若干の着色。約1500m上空の実況図でありますが、この850hPa面の高度というのは、ほぼ剣山登山口の見ノ越の高さです。剣山で降水があれば雪となるかどうかはこの図で見当をつけます。高い山で降水があれば雪となる目安の零度の等温線が東北地方中部までしか降りてきませんでした。残念! なお、10時前に見ノ越の剣神社の物置小屋に掛けてある温度計は10度、12時ごろ頂上ヒュッテの建物外壁に掛けてある温度計は12度を指していました。気象庁検定済みの温度計でなく測り方にも問題がありますが、この温度帯では初雪は望むべくもありません。なお、吾輩が検定合格証書付きの温度計 (測器) を購入して 「どうぞこれを使って下さい」 とヒュッテに寄贈したいのですが、高価すぎて買えません。
2016年10月21日09時の850hPa高度・気温等
2016年10月21日09時の各地の850hPa高度の気温
・平年値とは、1981―2010年の30年間の観測値の平均である。
・松江*は2010年3月1日より観測開始したが、2010年2月末をもって観測終了した米子からの移転である。
 両観測所は至近距離にあるので、平年値は米子のデータを用いた。
・同様に、2010年3月15日より観測開始した釧路は、2010年3月14日をもって観測終了した根室からの移転である。
 この両者も至近距離にあり、平年値は根室のデータを用いた。



2016年10月21日、剣山山行写真ギャラリー
↓ 06時04分に淡路島南部の雑想庵を出発して、08時31分に、旧 一宇村漆野瀬の電光標識の所まで来ました。ここは標高520mぐらいです。今の時期としては気温がかなり高めのようです。ひと山越えた西側のアメダス京上はここと似た標高で、谷間という環境も似ていますが、10月21日の最低気温平年値は7.5度であります。
8時31分、旧一宇村漆野瀬の電光標識

↓ 09時15分に剣山登山口の見ノ越に到着。淡路島の雑想庵を出たのは06時04分でしたから3時間11分もかかっています。見ノ越には鞍部の尾根の向こう側 (木屋平側から) 雲が流れ落ちる滝雲という現象が見られました。実際は雲が落ちるのではなく、尾根のこちら側が下降気流となっていて100mほど空気塊が下降して温度が上がって雲粒が消えるのでしょうから、「落ちる」 のではなく 「消える」 と言うべきかも?
09時15分に見ノ越に到着

↓ 紅葉 (黄葉) はイマイチであります。例年ならば真っ黄色に色づく野生化したカラマツも茶色くなっています。
紅葉(黄葉)はイマイチだ

標高が低い剣山で、雲海が見られるのは運しだい?
剣山 (1955m) は富士山 (3776m) の僅か半分しか標高がないので、登れば高頻度で雲海が見られるというわけではありません。雲海が見られるのはかなり僥倖の部類に入ります。気象条件をチェックして、ある程度それを狙うということは可能でありますが、当るも八卦、当たらぬも八卦であります。ま、2000mを越える山が1座もない西日本の山で、雲海を見るのはなかなか難しいものです。 ちなみに、わが兵庫県の朝来市の竹田城の雲海といえば今や全国区の知名度になっていますが、あんなものは雲海ではありません。秋の急激な冷え込みで谷底に放射霧が溜まっているだけです。定義上、地表に接しているものは霧であって雲とは言いませんわ。雲であるためには空中に浮かんでいるという条件をクリアしなければいけません。

↓ 剣山登山リフトの西島駅の少し上 (1750m) から矢筈山を見ました。貞光川流域の上に雲海が広がります。

西島駅の少し上から矢筈山方向
↓ 赤帽子山 (1620mほど・標高点なく正確な標高は不明) のなだらかな山頂部分が雲の上に出ています。よって、雲海の雲表高度は1500~1550mあたりだと思われます。朝に徳島自動車道から雲を地表から観察しましたところ、高越山 (1133m) や友内山 (1073m) の山頂部分が雲に隠れていました。よって雲底高度は1000mあたりだと思われます。本日午前に剣山地の北東部に広がった対流圏下層の層積雲の垂直厚さは500~600mほどであろうかと推定出来ます。
赤帽子山が頭を出している
↓ 画面左のやや尖った山は丸笹山 (1712m) であります。
丸笹山も画面に入れてみた
↓ 東方向の高城山を遠望しました。剣山地の東側に並ぶ峰々の山頂部分が、雲海に浮かぶ島みたい。
高城山方向を見る
↓ 拡大して観察すると、連山の南側には雲がありません。ダムに雲海が溜まって決壊寸前というふうな感じ。
拡大して観察

標高があがると雲海の見映えがいい
下の方では雲表高度と自分の位置との標高差が少ないので、雲海の見映えがイマイチですが、山頂近くまで登ってきて標高1900mを越えると雲海を見下ろすような格好になり、雲海の景色が一段と映えてきました。ただし、急速に雲海が消え始めた。

↓ 標高1900m辺りから矢筈山を眺めた。
標高1900mあたりから
↓ 頂上ヒュッテの手前の鳥居から、地震で揺れる鳥取県の伯耆大山 (ほうきだいせん・1729m) を遠望しましたが、今日はカスミが多くいくら目をこらしても大山は見えません。それにしても鳥取県、大分県と連日の大揺れで、アムールプレート南縁に棲むナマズさんはよく暴れますわね。
頂上ヒュッテの手前の鳥居から

余談
ところで、登山者の携帯が一斉に 「緊急地震速報だ」 と叫んでおりましたが、あんな馬鹿げたこと、糞みたいなこと、まだやっていたんか? とビックリです。なぜ馬鹿げているかと申せば、

●内陸部で発生する地殻内地震の場合は、地面のすぐ直下で起こるので、揺れの激しい震央付近ではP波 (初期微動) も後に来るS波 (大揺れ) もほとんど時間差がなく来ますよね! だから震央付近では緊急地震速報なんて間に合わない。揺れが終ってから、倒壊した建物の下敷きになってから、速報をきいても何の意味もないわけです。 震央から200キロとか300キロとか離れれば速報が多少は間に合うかもしれませんが、内陸地震でそれだけ離れれば別に何事も起こらない。ちょっと揺れたかなあ? どこで地震なんやろか? という程度です。つまり、速報が間に合う地域では地震のゆれは小さいということであります。

●南海地震のような海溝型の地震ではどうか? ですが、震源から距離があるから理論的には速報は間に合いましょう。ところが、モーメント・マグニチュードが9.0の東方地方太平洋沖地震がまさにそうでしたが、巨大地震では初期微動と言われるP波自体が大きな揺れで、それは初期微動なんかじゃなく、初期大揺れであって、あとに本揺れが来て、初期も後も大した違いじゃないですわ。これは気象庁のサイトの地震観測データのページで地震波形を閲覧すりゃ一目瞭然です。結局、緊急地震速報などというものは役立たずです。2011年の東北地方の地震のさいに、緊急地震速報のお陰で命拾いしたわ! という例がもしあるのならば、ご教示を賜りたい。

ということであると思うんですけれども、何故、緊急地震速報なる馬鹿げたものに貴重な税金を流し込むのか? 私には理解ができません。たぶん、おそらく、関係する地震研究者や、関係省庁のお役人や、色々な形で仕事を得ることができる業者たちの利権じゃないのか?



↓ 余談はさておき、頂上ヒュッテの前のテラスから見た雲海のある景色です。急激に雲海が消えています。これは東方向。
頂上ヒュッテのテラスから
↓ こちらは北方向。
頂上ヒュッテのテラスから

↓ 剣山の頂上の隆起準平原の東端にある頂上ヒュッテです。
剣山頂上ヒュッテ
↓ ヒュッテで喰った昼めしです。普通盛りは700円、大盛りはプラス100円。写真では同じに見えますがめしの量が5割増しです。お品書きに大盛りなどというのはありませんが、吾輩がめしを少し大盛りにしてくれと頼みました。体重を減らしている最中なので、2皿喰うのは多すぎるから‥。普通盛りは同級生のO君 (おおくん) です。
本日の昼飯



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