雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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白滝山 弾丸登山? (その2)
白滝山北東の大惣谷川源流の岩石の観察

先ず、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 / 地質調査総合センターが運営している 地質表示システム 地質図Navi から白滝山周辺の地質図を取得し引用します。観察場所の標高は940mです。背景地図のレイヤ透過度を20パーセントとしました。

●なお、大惣谷源流の渓谷は急傾斜の谷・斜面で、激甚崩壊危険渓谷 (うろ覚え、正確な名称は今度行ったときに確認します) の指定を受けているようですね? 山馴れた方であっても、みだりに立ち入らないほうがいいようです。でも、少し植物調査にも関わっている観点から申すと、こういう危険なところにこそ魅力があるものなのです。なぜならば、こんな深山・奥山の危険なところまではなかなか専門家たちの調査の手が及ばないからです。こういう危険なところを調べたら、たとえ素人であっても、県新産植物を見つけられるからです。その可能性はかなり高いです。つまり、調査されつくした手垢が付いたところは新産植物を見つけられる可能性は低く、未調査地域は新産植物を見つけられる可能性が高いという単純なハナシ。 (吾輩がここを調べるという意味ではない。吾輩は徳島県人じゃありません)


白滝山周辺の地質図

【凡例】
①、三波川変成岩類の泥質片岩 (弱変成相)
  約1億2000万年前~6000万年前に地下深くのやや強い圧力で形成された泥
  岩起源の三波川変成岩類

②、三波川変成岩類の苦鉄質片岩 (弱変成相)
  約1億2000万年前~6000万年前に地下深くのやや強い圧力で形成された玄
  武岩起源の三波川変成岩類

③、三波川変成岩類の珪質片岩 (弱変成相)
  約1億2000万年前~6000万年前に地下深くのやや強い圧力で形成されたチ
  ャート起源の三波川変成岩類

④、三波川変成岩類の砂質片岩 (弱変成相)
  約1億2000万年前~6000万年前に地下深くのやや強い圧力で形成された砂
  岩起源の三波川変成岩類

●ようするに、図のエリアは、地質的には淡路島の南に浮かぶ付属島の沼島と同じで、東西に延々とのびる三波川変成帯であります。フィリピンプレートの上の、深海底に積もったケイ酸塩物質(放散虫の遺骸)や、大陸から運ばれた泥や、海底火山の噴出物や、海山の山頂で形成されたサンゴ礁など、色々な岩石・物質がフィリピンプレートというベルトコンベアーに載って西日本の岩盤に付け加わって(付加体)、あるいは海溝で沈み込んだものが西日本岩盤の底にくっつき(底付け)、地の底で高圧・低温の変成作用をうけて、億年・万年の時間オーダーの後に隆起し眼前にあらわれた、ということでありましょう。一帯では広く結晶片岩類がみられますが、変成作用を受ける元の原岩がさまざまなので、いろいろな石が見られるということでありましょう。
 

岩石累々の非常に恐い谷だ
標高940m地点から白滝山を見上げました。写真では全然恐く見えませんが、実際は谷の勾配がきつく、上方の標高差600mに及ぶ斜面には至る所に断崖絶壁があり、いつ落石があるかわかりません。この谷に入っているときに、万一地震がきたら非常に危ないと思われます。この谷には立ち入らないほうがよさそうです。
恐い谷だ
岩石累々

沼島の結晶片岩は太陽が当ったら石の中に無数の星があるかのようにキラキラと輝いて観賞価値があるのですけれども、ここの岩石は受けた変成作用が緩いのかあまり輝きませんね。でも、様々な原岩から成るためか石の色合い(緑や赤の石が多い)などさまざまです。どうも写真に撮るには難しそう。なかなか、て言うか全然、実物の色合いが出ませんわ‥。こりゃあ、写真修行が要りそうです。

↓ これは色が黒っぽく炭素を多く含むのでしょうか? 泥岩が変成作用を受けたものでしょうか?
石の表情はさまざま
↓ これは赤鉄鉱を含んでいるのでしょうかね? かなり赤っぽいのですが写真ではうまく色が出ません。
石の表情はさまざま
↓ これは俗に阿波の青石と呼ばれ庭石に珍重される緑色片岩でしょうが、含む鉱物の種類や多寡で何種もあるようで正式な岩石名はよく分かりません。植物の観察には同時に岩石の観察も不可欠なようで、典型的な例では石灰岩の山や超塩基性の蛇紋岩の山では特異な植物相が見られるのを見ても分かる通り、植物の分布や生育は土壌 (その母岩の種類) に大きな影響を受けますよね。たとえば、波田先生の 蛇紋岩と蛇紋岩を基盤とする地域に生育する植物 を参照。石灰岩地帯の植物については、剣山の行場を見ればヒメフウロやチョウセンナニワズなど稀産植物の宝庫で、参照サイトを挙げるまでもありません。植物の観察をする者はたとえ素人であっても岩石の勉強が要るのですが、とても、あれもこれも手が回りません。実物は見事に青い (緑色) のに、写真ではうまく発色しませんわ。ま、夕方になっているので、写真を撮るには時刻も宜しくないです。
石の表情はさまざま


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