雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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ススキの開花は秋の訪れを知らせる指標だろうか?
本日は2016年9月10日 (土曜日) であります。

●暑い8月が終って、本業がテンテコ舞いで管内を走り回っているうちに早や10日が過ぎ去りました。9月に入ってから気温も僅かながら下がっているようで、少し涼しくなっています。淡路島の平地でも、ススキの開花が始まりました。ただし、たくさんのススキの株があれば、開花の早晩に個体により遺伝的な差があるためなのか? 気の早い株はもう満開状態です。しかしながら、大多数の株にはいまだ開花の気配すら認められません。 春のサクラ、とりわけソメイヨシノというサクラの品種ならば、作出の経緯というか来歴がハッキリしていて、日本全国の気象官署でサクラ開花観測に供する標本木の遺伝子はみな同じです。みな同一の原木から採取した接ぎ穂で育成されたものです。 一方、各地の気象官署で開花が観測されるススキの標本は (標本草? 標本個体群?) 遺伝的なものにバラツキがありはしないか? 大きな疑問がぬぐえません。

●本来ならば、1株のススキの原木 (原草) から株分けで苗草を採り分けて、多数の苗株を育てて、それを各地の気象官署に植栽したうえでススキの開花観察・観測をしなければ、観測地点同士のススキ開花の早遅の厳密な比較はできないハズです。そういうふうに、遺伝的に同じの栄養繁殖で殖やした標本株でなければ、すくなくとも、各地の開花日の早い遅いに “その観測標本の遺伝的な差異によるところのノイズ” のようなものが混入してしまうハズです。理化学的な測器による厳密な観測をする機関が、そのようなノイズの混入する可能性のある非科学的な観測をしていいものだろうか? という単純素朴な疑問を、以前に気象庁宛てにメールを送って質問したことがありますが、何の返事もありませんでした。で、返事がなかったので、気象庁の発表する各地気象台等のススキ開花情報には、観測するススキの標本の遺伝的なバラツキに起因するノイズが混ざっていると、吾輩は理解しています。


論より証拠、ススキの開花は個体によるバラツキが顕著!
↓ 撮影日は2016年9月7日、場所は兵庫県南あわじ市 (淡路島南部) 神代 浦壁大池 の土手です。刈り取って牛にやれば喜びそうな草が生えています。ススキも沢山生育しています。
2016年9月7日 兵庫県南あわじ市神代浦壁大池の土手
2016年9月7日 兵庫県南あわじ市神代浦壁大池の土手

●浦壁大池の堰堤上に道路があり、数百mを歩いて観察。大部分のススキの株はまだ開花の気配すらありませんが、しかしながら一部の株ではすでに咲き誇っている株も見られます。ススキの開花判定の基準はサクラなど他と大きく異なり、 “葉鞘から突き出た花捕の数が、花穂が出ると予想される全体の2割に達したと日” でしたかか? そんなの、どの株を見るか、群落のどこを見るかで随分とかわります。写真で分かるとおり、株によって開花の早遅はあまりにばらついています。その群落全体では早い個体もあれば遅い個体もあり、群落全体を観察するならば遺伝的な差異など帳消しにできるでしょうが、各地の気象台はたいてい県庁所在都市のど真ん中にあり、市街地にそう広大なススキ群落があるとも思えないし‥。気象庁が発表する生物季節観測情報にはいろいろと疑問が多いところです。

それから、ススキといっても北海道から沖縄まで日本全国に分布していますが、みな同じじゃありません。品種までいかなくても系統分化みたいなことは起こっているわけで、各地のススキは微妙に性質が異なるハズです。一般的に言って、草木は同じ種でも北に自生するものほどより低温でも出芽や開葉や開花が起こりますね。たとえば、南に自生するブナは10度にならないと出芽しないのに、北に自生するものは5度になったら出芽するとか。ウメの開花なんてのもそうです。気温の低い北方や高標高地では、平地や南と異なる温度で開花や結実等が起こりますわ。これは遺伝的レベルでの差なのか、単に短い夏という条件下での環境適応なのかよく分かりませんが、つまり、“物差しがかなりいい加減なんです。で、厳密な意味で、ススキの開花を秋の到来の指標 (ものさし) とするのは無理があるのではないか?

●ちなみに、気象庁が発表した今秋で一番ススキの開花が早かったのは北陸の富山で7月19日です。秋どころか、さあこれから夏本番ですよという時にススキ開花です! 平年よりも40日早かったらしい。北海道の函館では8月9日で平年よりも12日早かった。つまり、ススキの開花というのは必ずしも北から南へと南下していくわけじゃないです。四国島内でも一番暖かいと思われる高知がひとりススキ開花平年日は8月中です。傾向としてはススキ開花前線は北から南へ南下していくのでしょうけれども、色々な要因で南の地方のススキが突如早く咲くという番狂わせは起こります。


南海道地方のススキ開花情報 (気象庁の生物季節観測による)
なんで、高知のススキ開花平年日が他よりも3週間も4週間も早いんやろか? それに、日本列島では比較的に南部に位置するわが南海道地方でも、咲くときには7月中にススキが咲くわけです。こういうことがあるから、ススキは秋の花じゃないわけです。中秋の名月に、お三方に団子を積み上げてお供えし、横に飾る花はススキの活花であります。そういうイメージからススキは秋の花だとなっていますが、そういうイメージは捨てる必要がありそうです。あちこち回って、捜してきて、お盆の仏壇の仏様にススキの花をお供えしてもいいわけです。
南海道地方のススキ開花状況について
【以下の出典サイトから表を作成】
和歌山地方気象台 生物季節観測結果
徳島地方気象台 生物季節観測
高松地方気象台 生物季節観測(植物)
松山地方気象台 生物季節観測(植物)、 生物季節累年表1953-2010年
高知地方気象台 生物季節観測 (植物)


↓ 松山地方気象台の 「生物季節累年表(植物)1953-2010年」 からススキの開花を抜き出してグラフ化してみました。ときどき、ススキ開花が非常に速い年があることがわかります。ススキの開花が早い年と遅い年では、2か月もの差があることに驚かされます。
松山におけるススキ開花の経年変化


とは言うものの、高標高地の秋はやはり早い!
平地でもススキ開花が非常に早い年があるといっても、あくまでも、冷夏などで時々そういうこともあるというだけで、しょっちゅうではありません。やはり、山の上のほうが断然早いわけです。
8月25日、剣山スキー場はススキ満開
8月25日、剣山スキー場はススキ満開
↑ 2016年8月25日の 剣山スキー場 (経営難による閉鎖中) です。ゲレンデは草ぼうぼうで、ススキが満開、ススキの穂が風でゆらゆらと揺れています。紛れもなく秋の風景ですが、こんなのは淡路島南部じゃ10月下旬頃の風情です。やはり標高1300~1400mでは平地よりも1ヶ月も2か月も季節の進みが早いです。もうずいぶんと前 (30年ぐらい前だったか) のことですが、ここに10月下旬に沢山雪が積もって、チェーンを巻いて見に来た記憶がありますわ!



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