雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
201710<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201712
7月に藪陰で咲く清楚なこの花は、ウバユリ (ユリ科ウバユリ属)
●この国は古くから中央集権の国で、エジプトのピラミッドよろしくヒエラルキーのてっぺんに居座る者どもが支配する国です。頂上で君臨するヤカラはそのときどきで豪族であったり武士であったり天皇であったり色々ですが、今はさしずめ政官財複合体か? もちろん米帝もそうで日米地位協定という不平等協定で日本を支配しています。一見して安倍ジョンイルが支配しているように見えますが、それは錯覚です。じつは安倍ジョンイルは飾りでしかありません。天皇が象徴であるように安倍ジョンイルはお飾りです。ほんまの支配者は黒子であって表には出てきません。人形浄瑠璃と同じでパペット安倍を背後であやつっている黒子どもがほんまの支配者です。

●この国の社会の構造はピラミッド型で、県は国に支配され、市は県に支配され、町内会は、市が勝手に自分らの下部組織として (法的根拠はないのに!) 支配しています。ああしろ、こうしろ、と上から降りてくるものに下は逆らえず、まったく上意下達・上命下服の世の中です。ところで、そうであるならば、何事も頂点が決め下層は従うだけならば、社会は同質で均一などこを切って観察しても金太郎飴みたいになってしまいそうです。しかしながら実際は社会には多様性がそれなりにあるようです。たとえば言葉であります。明治期の富国強兵の軍国主義時代に各地から集めた兵員がそれぞれ方言をしゃべるから、意思疎通に障害があったようで、標準語を整備しました。国家政策として言語の国内統一を図ろうとしましたが、どっこい100年以上たっても方言は生き残っています。近年では、方言は地域のアイデンティティーであり好ましいものという風潮になっています。それはそれでいいのですが、沖縄の人や東北地方の人らが方言まるだしにしゃべられたら、何を言っているのかサッパリ分かりません。とくに、沖縄語 (琉球語は絶滅危惧言語) は確かに日本語とはいえ変異が非常に大きく、系統分類的には 「変種」 ぐらいになるのでは?

●さて、全く同じ生物種(植物や動物)が、地方によって話者によって言い方が異なるのは具合が悪いことで、物の名称ぐらいは全国共通のものを人為的にでも作りましょうよ (決めましょうよ) という趣旨が 「標準和名」 であります。はじめから標準和名があったのではなく、色々な方言のなかから広く使われている言い方を標準和名に採用したことが多いようです。珍奇で誰も認識していなかった動植物は方言が存在していなくて、その場合は分類学者がふさわしい標準和名を考案しているようです。たとえばナルトサワギク。そもそもマダガスカル島原産の外来種だから、この植物を言う方言は存在していません。そこで、暖帯上部~ブナ帯の谷筋などに見られるサワギクに良く似ていて、徳島県鳴門市で一番最初に見つかっているからナルトサワギク (鳴門沢菊) と言おうということです。

植物方言が混乱・間違いを起こした実際例
下記に観察したウバユリの事例では、淡路島では 「ウバユリ」 を 「カタクリ」 と呼んでいます。これは非常に混乱する典型例です。 「ヤブニッケイ」 を淡路島では 「ベンド」 と呼びますが、これはベンドという標準和名の植物がないから混乱は起こりません。しかしながら、カタクリではそういう標準和名の植物が存在するから、間違いの元になってしまいます。淡路島に自生していないカタクリが淡路島にあるという間違いが起こります。 『兵庫県植物目録』 紅谷進二、 六月社書房1971年 には淡路島産の植物が508種記録されていますが、先山 (448m) にカタクリがあることになってしまっています。標本の裏付けがない植物目録なので、淡路島民がカタクリといっているのを聞いて、あるとしたのではないか?


これは標準和名で 「ウバユリ」 です。
なお、淡路地方名は 「カタクリ」 です。

↓ 2016年7月22日、南あわじ市賀集牛内ダムにて観察。写真のもので草丈はちょうど1mです。付近には ウバユリ が群生していて、大きなものでは草丈が吾輩の背ぐらいのものもあった。
ウバユリ
↓ 花は白ですが緑色がうっすらと入っています。薄暗い藪陰で白い花が浮き上がり、なかなか清楚で美しいものです。
ウバユリ
↓ ウバユリの語源は、開花期には葉が枯れて無い → 歯が無い → 歯が無い姥(うば)のようだ、という連想からとされます。が、真偽はどうかな? たしかにウバユリは開花期には葉が傷みかけていますが、葉が全くないということはありません。たいていは、葉がまだ残っています。
ウバユリ
↓ ウバユリの花はケバケバしさがなく、半開きという感じです。たとえばオニユリが花被片が強く反りかえって咲くのと比べると、しおらしいというか白花の色合いと併せると日本庭園向きの花です。
ウバユリ
↓ 6枚ある花被片のうち、上側の3枚をめくって花の内部構造を観察。花被片の内側には紫褐色の斑点が帯状にあります。6枚とも全部に斑点がありますが、多い少ないはあります。おしべは6本あって、長さの長短があり、めしべの花柱に寄り添うように粉袋が並んでいます。
ウバユリ

●このウバユリですが、上等な山菜でもあります。早春のごく若い芽や、地下のユリ根みたいな鱗茎が食べられます。ただし若干の苦みがあります。関東以西ではこのウバユリが分布し、東北・北海道には大型で花が20個ほどつく変種の オオウバユリ となり棲み分けていますが、物の本によると昔アイヌ人はオオウバユリの鱗茎を貴重な澱粉質の食料としていたらしい。ウバユリの鱗茎 (つまりユリ根) を掘るのは初冬ぐらいで、茶碗蒸しの実にするのがいいのではないか? まだやってみたことがないのですが、ウバユリのユリ根で茶碗蒸しをこしらえみましょう。

標準和名でいう 「カタクリ」 は淡路島には分布していない。
以下に、本家の標準和名のカタクリの写真を陳列します。手前味噌ですが、2015年5月10日付け記事の一部を再掲しました。淡路島の人はよくご覧ください。いいかげんな情報に振り回されて、私もさんざんカタクリを捜しましたが、これは淡路島に無いですよね! だいいち淡路島にはカタクリが生存できるような下草のない夏緑樹林がありませんわ! 環境的にカタクリガ生存できる可能性は希薄です。ただし淡路島に絶対にカタクリガ自生しないことの証明は、そんなの、いわば悪魔の証明みたいなものであって不可能です。で、万一、億一、ありましたらご一報下さい。


       ***********************************


ようやく砥石権現のカタクリ自生地にたどり着いた。
この場所がどこなのか国土地理院の地形図には載っていません。残念ながら詳細は盗掘防止の観点から非公開です。剣山スーパー林道に車を置いて1時間ほどハアハア言いながら登ってきましたわ。途中、トリカブト (シコクブシ、花は秋9月10月) やヤマシャクヤクの見事な群落があって目を楽しませてくれます。
カタクリ自生地看板
↑ この看板は 岳人の森のレストハウス 観月茶屋 の経営者さんが設置されたものです。土地の方が護っている自生地です。カタクリを踏んではいけないのはもちろん、盗るのはもってのほか。花を愛する登山者や観察者の合言葉は 「取ってもいいのは写真だけ、残していいのは思い出だけ」 であります。


以下写真は、2015年5月5日、砥石権現のカタクリです。
四国のカタクリは分布の南限地帯であります。北海道や信州のような見渡すかぎりのカタクリ大群落はありません。それは、まあ、しかたがありませんわ。カタクリは有名な山菜でもありますが、大群落ではないからみだりに採って試食するなどしてはいけません。
カタクリ

カタクリ

カタクリ

カタクリの花のアップ

まだ反りかえっていない花

↓ これは未開花株ですが、株が成熟していないと葉は1枚ですか? やや幅広の葉ですが、斑紋入りの特徴のある葉です。
斑紋のある独特な葉

↓ すでに花が終って果実が着く個体もあります。早い花はすでに果実をつけ、遅い花はまだ咲いているという状況は、自然観察にはとても都合がいいです。花と果実が一度に観察できて、再訪問する手間が省けます。
果実の出来ている個体もある




スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.