雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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剣山のハクサンシャクナゲが見頃! (その3)
このあいだの7月10日の剣山山行記録を書いておきます。

山の朝はものすごく早い
おめえが早いだけじゃねえのか! 自分の個別例を一般化して言うな! と揶揄されそうですが、必ずしもそうじゃないんです。夏場の山では、日本列島の上空に寒気 (500hPa高度で-9度以下) が入っていたら午後にほぼ間違いなく雷雲が発生します! 寒気が入っていない場合でも、下層に暖湿気が侵入していたならばこれも雷雲発生の要因です。つまり午後が天気が悪い可能性が高いのです。で、午前中に全行程を終えるぐらいのつもりが合理的なのです。それから万一の場合に日没まで時間が十分にあれば善処できます。何かあって日が暮れれば心細いし危険です。で、山の朝は漁師さんや新聞屋さん並みに早いわけです。

↓ 漆野瀬 (最初のチェーン着脱場) の電光標識です。午前01時ちょうどに淡路島南あわじ市の雑想庵を出発して、高速道路と国道438号線を突っ走って、02時56分にきました。今日はあまり気温が低くありません。このあたりはすでに標高も高く、夏でも全くクーラー要らずでいわば徳島県の北海道とでも言えましょう。でもまあ、冬は積雪と寒さで厳しいところです。
漆野瀬 電光標識 02時56分
↓ 剣山の登山口の見ノ越に到着。03時57分。まだ漆黒の闇です。標高は1400mちょうど。剣神社の物置小屋に掛けてある温度計は17度でした。
見ノ越 03時57分
↓ 登山リフト終点の西島駅に来ました。標高は1720mぐらい。04時49分です。夜が明けてきましたが、雲が多いようです。
登山リフト終点 西島駅 04時49分


ガスが濃くてご来光はダメじゃ
↓ 尾根を少し登って見晴しのいいところに出ました。04時58分。旧 木屋平村、穴吹川上流域を俯瞰しましたが谷底に霧が溜まっています。
木屋平村を俯瞰する 04時58分
↓ 高城山 (1632m) 方面を眺めてもガスが多くて、こりゃあご来光を拝めません。
高城山方向 (東方) ガスが多くご来光はダメ
↓ 頂上ヒュッテに到着、05時53分です。見ノ越からちょうど2時間かかりました。むかし若いころは、いくらスポーツ劣等児でも1時間で登れたけどなあ‥。おじいさんになってしまったということです。それに体重も多すぎ。山小屋はすでに開いていて商売をしています。
頂上ヒュッテ到着 05時53分 15度か16度

ノアザミ変種トゲアザミに、帯化現象が見られた
山小屋で朝飯をと思いましたが、泊まり客が多くごった返しているので先にシャクナゲ自生地にまいります。とちゅうで、ノアザミの変種でトゲアザミの花を観察。トゲだらけでうっかり触るとヒドイ目にあいますが花は綺麗です。四国山地の固有種です。平地ではノアザミ、標高1500m以上ではトゲアザミと棲み分けている感じですが、標高1000mぐらいの山ではどちらともいえないような中間型がでてきますね。標高が上がるほどにトゲがものすごくなるという印象がします。
ノアザミ変種トゲアザミ 06時21分
写真では分かりづらいかもしれませんが、このトゲアザミに明瞭な帯化現象(たいかげんしょう) が観察できます。茎が帯状に平べったくなり、数個分の花が癒合したような感じで長細くなっています。石化 (せっか、いしか) とも呼ばれ、茎の先端の分裂組織に突然変異が起こったりウイルスや細菌に感染するなどで発生する奇形で、多くの植物に横断的に発生し、農業ではこれが起こったものを “オバケ” などと言っていますよね! オバケ水仙とかオバケ菊とか、これは花卉栽培では頭痛のタネで商品価値が下がるので嫌われますよね。写真はオバケトゲアザミでありますが、これはこれで面白いと思います。
ノアザミ変種トゲアザミ
↓ 帯化が発生すると茎が平べったくなり、茎の断面は円形ではなく長楕円形となります。
ノアザミ変種トゲアザミ

↓ 風衝地に生育するトゲアザミは特にトゲが多く背も低いようです。
トゲアザミ


剣山のハクサンシャクナゲを観察
写真再掲。なんべん見ても剣山のハクサンシャクナゲは色が濃く綺麗です。06時40分~07時50分まで1時間しっかりと観察・お花見をしました。
剣山のハクサンシャクナゲ
剣山のハクサンシャクナゲ

↓ これは何でしょうか?? 晩のおかずでしょうか?? これから取り調べます。容疑者が口を割らなかったら、晩のおかずはあきらめです。
晩のおかずか??

↓ 右が赤帽子山(1620m)、左側が丸笹山(1712m)です。
右が赤帽子山(1620m)、左側が丸笹山(1712m)

↓ 雲間に赤帽子山が見えます。
雲間に赤帽子山が見える

↓ 頂上ヒュッテまで戻ってきました。09時27分です。
頂上ヒュッテまで戻ってきた

↓ 頂上ヒュッテで半田そうめん (トッピングは鳴門ワカメ) をいただきました。写真は前にきたときのものです。注文するときに、二代目の奥さんに 「おまはん、このあいだ来たよね?」 と言われました。その通り! 来ましたよ。登山者は大勢なのに、山小屋の人に顔を覚えられたというのは、なんと光栄なことか! 長年この山に来ながら前を素通りばかりしていましたが、今後は素通りできなくなりました。
半田そうめん トッピングは鳴門ワカメ


7月17日が大祭、神輿は11時かららしい
山頂の頂上ヒュッテ横にある剣山本宮宝蔵石神社の大祭は7月17日、山頂の平家の馬場を神輿が練るのは11時からとか。2時間ほどとか。天気次第で、天気が悪いとヒュッテの中で神事をしてヒュッテ前の広場をすこしだけ神輿が出るとか、と言うてましたわ。
剣山本宮宝蔵石神社
7月17日が大祭
↓ もともと神道というのは素朴な自然崇拝です。自然は恵みであると同時に脅威でもあります。自然物や自然現象の中に神性を見出し、その恵みを祈り、怒りの鎮静を願ったのですが、そういう自然神から人を祀る人格神への変容のすえに、明治政府の国家神道になってしまいました。安倍ジョンイルを陰から支配する極右団体の日本会議は、明治政府が政治的にこしらえた国家神道の復活を目指しているようにみえますが、間違っています。神社というのは本来は自然崇拝なのです。人を祀るのは後になってからのことです。人が人を神と崇拝するのは間違いです。この宝蔵石は巨大な層状チャートですが、この巨岩そのものが御神体だと思われます。
宝蔵石
↓ 板を重ねたような構造です。地質的には層状チャートと呼ばれる岩石ですよね。写真のものでは、1つの層は厚みが3センチ前後で、深海 (深度5000m以上) の海底に堆積したプランクトンの化石の堆積ですね。堅い殻をもつある種のプランクトンは、その殻は炭酸塩や珪酸塩からできていて、その珪質が堆積して固まったのがチャートという岩石です。写真のものでは、チャートはやや透明感がある蝋 (ロウ) みたいですが、層と層の間は黒っぽくて粘土が固まったような感じです。この黒っぽい層が形成されるときにはチャートができなかったわけで、考えたら何故なのか? 不思議です。なぜこんな板を重ねたような層状になるのか? 諸説あるみたいです。1つのチャートの層が深海底で形成される時間スケールは数千年~数万年のオーダーだと言われていますね。そして1億年か2億年かけてここへ来たわけです。このような岩石ひとつとっても万年・億年の歴史があり、日本会議がいう日本の歴史や伝統を守ろうといっても、たった千年ちょっとの歴史でしかなく、薄っぺらいものなんです。自然の営みの悠久さの前には、人の知恵も行為もしょせんは浅はかなものかも? 原発利権なんかは特にそう‥。
層状チャート

↓ 山頂に登山者がほとんどみえません。ガスってしまい眺望もなく日曜日なのに登山者は少ないです。何にも見えれへんので10時すぎには下山です。今日は天気が悪かったけど、植物の写真を撮るにはこういう天気のほうがいいです。太陽がさんさんと輝いていたら明暗がどぎつすぎて写真が撮りづらいですね。
日曜日なのに登山者はあまりいない


本日観察した植物
↓ これがほんまのコメツツジです。四国では標高1500m以上で見られます。石灰岩地帯の岩場などところによっては1200mまで降りていますが、低い所にはありません。風が強すぎて樹木が良く育たない尾根筋とか、岩場などがコメツツジの生息地です。花はもう終盤ですがまだ咲き残っていました。なお、淡路島の人がコメツツジと呼んでいるのはシロバナウンゼンツツジです。
コメツツジ
コメツツジ
コメツツジ

↓ バイカウツギです。漢字ではたぶん梅花宇津木だと思います。ウメの花のような香りがある、あるいは梅の花に似た花のウツギだということです。剣山地の標高の高い所で見られます。
バイカウツギ
バイカウツギ



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