雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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2016年5月21日 高城山(1632m)シャクナゲのお花見 (その2)
高城山の花の写真ギャラリー
高城山の花をすべて網羅するのは不可能です。自然史の調査や、写真による記録は網羅主義が大事なのでありましょう。しかしながら、高城山に自生する花を漏れなく写真におさめ陳列するには、高城山に小屋を建てて住むか、最低でも毎週1回は来て数年間の観察が必要でしょう。それは不可能です。そもそも顕花植物はみな花が咲きます。華やかか地味かの違いで、高城山の花を網羅するということは、高城山のフロラ (その地域に自生する全ての植物) 調査になってしまいます。1500種とか2000種ぐらいあるのではないか? そうさいさい来れない他府県の者が調べられるハズがありません。自分で同定できない植物もたくさん出てきますし、それがために専門家の指導や協力も必要となります。徳島県の植物調査会の人々が調査されていますが、その報告を閲覧しても全てを網羅しているとは言い難く、おそらく調査漏れは多数にのぼるのではないか? とにかく全ての花を網羅する ≒ その地域のフロラ調査は途方もないことです。で、特に目立った華やかな花をいくつか陳列してお茶を濁します。ということで、何何の写真はないのか? というお叱りを機先を制して封じ込めたいと存じます。


シャクナゲ(ツクシシャクナゲ、ホンシャクナゲ、両種の中間型)
葉の裏に赤褐色の毛がびっしりとあるのがツクシで、毛が少ないのがホンシャクですが、山中には中間のものが多数みられます。ツクシはむしろ雲早山周辺のほうが多いような気がします。
高城山のシャクナゲ
高城山のシャクナゲ
高城山のシャクナゲ

ミヤマザクラ (深山に生じる桜の意味)
ちょうど満開のピークに当たりました。花があればよく分かります。あそこにもある、こっちにもある、っていう感じでけっこう個体数は多いようです。花がないと何の木なのか自体も分からんのですが、なかなか上手く開花のピークに当たらないものです。よい解説があった。 → シリーズ 自然を読む ミヤマザクラ  
高城山のミヤマザクラ
高城山のミヤマザクラ
高城山のミヤマザクラ
高城山のミヤマザクラ


オンツツジ  (ムラサキオンツツジではありません)
オンツツジです。雄(オス)のように大きくてたくましいツツジの意味で、この間の高越山ツツジ公園で見て来たように、古木になると見上げるような大木になります。雲早山~ファガスの森までのスーパー林道沿いに点々とみられますが、みなせいぜい2mほどで小さいです。伐採された跡地や林道の法面に生じています。写真は帰りしなに撮ったので夕方になっていたのでムラサキオンツツジみたいな写真になってしまいました。しかしながら品種のムラサキじゃなくて、母種のオンツツジです。花は朱色で、紫味は入っていません。
オンツツジ
オンツツジ
オンツツジ

ツルギミツバツツジ
枝の先に3枚の葉が輪生するミツバツツジの仲間 (ミツバツツジ節) は種類が多くて細かく分けるのが大好きな分類学者によって、非常に複雑に分類されていますが、幸いなことに種類は多くても地域ごとに棲み分けがかなりハッキリしています。剣山地に見られる主なものは低地に多いコバノミツバツツジ、山地に多いトサノミツバツツジ(アワノミツバツツジ)、標高の高い所のツルギミツバツツジであろうかと思われますが、見分けるポイントはいろいろありましょうが、花期が微妙にづれることもポイントでしょうね。枝が比較的がっちりとして葉も若干厚く、花の基部が粘らないツルギミツバツツジは一番花期が遅いですよね。いよいよツルギミツバツツジのお花見シーズンがやってきました。剣山や矢筈山で風の強い風衝地にあるものは盆栽みたいにがっちりと枝が締まって大変美しいものです。近々、落合峠にまいりたいと思います。写真のものは風あたりが弱いため、枝がだらしなく伸びて見映えがしません。シャクナゲでもやや強光下で枝ががっちりと締まったもののほうが綺麗です。
ツルギミツバツツジ
ツルギミツバツツジ
ツルギミツバツツジ

ナツツバキ(ウスベニナツツバキ)
これは高城山ではなく、帰りしなに神山町の最終人家のあるあたりの谷のほとりにありました。場所が場所だけに、栽培品起源の逸出? の可能性もあります。しかしながら、一帯のブナ林中に、花の小さいヒメシャラ、花の中ぐらいのヒコサンヒメシャラ、花の大きなナツツバキが一式みな分布しています。で、標高の高い所に自生するナツツバキの種子が谷の水流で中流域に落ちてきて谷のほとりで成育している可能性? も考えられます。というのは、たとえばヤマブドウは剣山地では千m以上でみられますが、ときには500m以下の谷筋で出てきたりするからです。写真のものは花びらの一部にうっすらとピンク色がさしガクが赤っぽいウスベニナツツバキと呼ばれるタイプのものです。
ウスベニナツツバキ
ウスベニナツツバキ
ウスベニナツツバキ

ヤマブドウの新芽
これは日本原産の野生ブドウですが、東北地方の北部では山中の自生品から糖度の高い優良系統を選抜して畑で栽培し、生食用やワイン用に販売されていますよね。顕花植物なので当然花は咲きます。写真のものはともかく、すこし新芽が長く伸びたものにはツボミがついています。これは秋の紅葉は紅葉狩りの対象ですが、お花見にはなりません。新芽を掻き取って天ぷらにして食べます。つまり、本日の山菜です。
↓ こちらは2016年5月21日、高城山 (1632m) にて。
ヤマブドウの新芽
↓ こちらは2015年5月5日、砥石権現 (標高1375m) にて。蕾があり若葉はビロードみたいな毛が多くて綺麗です。
ヤマブドウの新芽

持ち帰って、さっそく試食! 先ずは定番の天ぷらで‥
ヤマブドウの新芽の天ぷら
↑ 地下足袋王子様もびっくり? の高城山のヤマブドウの新芽のてんぷらです。吾輩、山のキノコの作品。ヤマブドウの左のものは紀伊水道 (わが淡路島の南、和歌山県と徳島県の間の海です) で獲れたイカナゴです。南の風にのって潮がかおり、南国四国といえども冬は積雪を見る山上の遅い春をたたえる一品です。けっこういけますね。晩酌のお酒が進みます。自画自賛するわけじゃないのですが、ヤマブドウの新芽は美味いです。ちょっぴり酸味がありますが、梅のような爽やかな酸味です。山菜として賞味できます。

●ヤマブドウが四国東アルプスのブナ帯に自生することは40年前から知っていましたが、この新芽が山菜だとは全く知りませんでした。実は、北海道の外遊び様の 「北海道の山菜採り」 で教わったのですが、やはり北国や豪雪地は山菜の聖地であり、何が喰えるのか? どう料理すればいいのか? その山菜利用の技術や知恵は深いですね。四国山地でも標高の高いブナ帯~亜高山帯へ行けば北日本と共通する植物が少なからず出てきます。ここは率直に北日本の山菜ファンの知恵に学びたいと思います。

●ただ、採取時期がちょっと遅かったかな? という気はします。高城山や天神丸などスーパー林道沿いの山々の標高1200~1400mあたりを中心にしてヤマブドウが自生しています。この山域での採り頃は5月上旬~5月中旬であろうかと思います。できるだけ太い枝先のぼっちゃりとボリュームのある若い芽がいいのではないか? と思われます。 

特別に大サービスで四国東アルプスでの自生場所を公開しますと、アクセスしやすい所では、剣山登山口の見ノ越から旧東祖谷山村へ降りて行ってもあるし、反対側の旧木屋平村へ降りて行ってもあります。標高1000~1400mあたりにありますわ。旧一宇村の剣山スキー場周辺にも沢山あります。それから旧三加茂町から深淵を通って、徳島県最高所の峠、落合峠に行ってもヤマブドウが沢山自生しています。落合峠手前標高1000~1500mあたり。ようするに、けっこうあちこちにあります。今年はもう長けてしまったので、来年5月の連休頃にどうぞ。




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