雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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性懲りもなく、またシャクナゲを見に行った。(その1)
●昨日の5月8日は大安でしたが暇だったので、性懲りもなく、再度シャクナゲを別の自生地に見にいきました。ほんまにシャクナゲが好きですわねえ! ていうか、それほどにシャクナゲは魅惑的な花なのです。5月5日のシャクナゲお花見会は参加者を募って団体でいったのですが、昨日は単独行です。それぞれ一長一短があって、団体で行けば一応は計画を立てなければいけないし、また行動の制約がどうしても生じます。たとえそのお花見会の主催者・呼びかけ人であっても勝手な行動は許されないわけです。その点、単独行には制約がありません。たとえば珍しい植物が出てきたら、急きょ予定を変更して納得がいくまで観察をしたり写真を撮ったりもできます。シャクナゲを見に行くつもりであったのを変更してもいいわけです。ただ、単独行の場合は事故があった場合には自力脱出となるので、危険性は高くなります。自分の体力・健康状態をわきまえ、安全率を十二分に掛け、慎重な行動をする必要があります。 

●ついでに申せば団体だから安全とも全く言えないわけで、リーダーの判断ミスひとつでそのパーティーが遭難することはよくあります。この連休には中部山岳での遭難が相次ぎましたが、完全に気象を読み違えています。高層天気図を見れば北アの稜線では吹雪になるのは100%予測がつく高層図でした。徳島県・剣山でも、頂上ヒュッテの若主人が 「荒れ模様だ登山を控えたほうがいい」 と注意を発信しているのに、暴風の中を登山決行する人がかなりいたみたいです。一つ間違えたら剣山でも遭難はあり得る気象情況でした。ま、無理して登ろうとするのは、勤めの都合等でその日しかないという制約が大きいのでしょうけど、多くの人が山での気象激変を甘く見ているようです。われわれ一般のアウトドアズマンも、身を守るために、気象予報士受験テキストぐらいの勉強は絶対に必要だと思います。



シャクナゲを見に行く新道路は、山菜ロードかな?
↓ シャクナゲを見にいくのに立派な道路ができました! よろしかったら4Kでご覧くださいませ。10分07秒、BGMはなし。なかなか素敵な道路で、道は広いし、対向車がめったに来ません。10分走って対向車は軽トラ1台と、前を別の1台が横切っただけです。この島は無人島なのかよ、と思うほどです。それから、島には珍しいトンネルまであります! フィトンチッドがあふれる新緑の樹林の中、窓を全開にすれば心身ともにリフレッシュできるかも? 小さな島の中なのに、まるで阿蘇高原のやまなみハイウェイを走っているような錯覚がします。そういえば5月5日のシャクナゲお花見会に来てくれた女性の方に、阿蘇地方から淡路島に嫁に来た人がおられましたが、親戚や知人が大勢被災されたとか。それにしても安倍下痢野郎の震災対応のなんと冷淡なことか! 救援物資運搬にオスプレイを使う悪辣さ、激甚災害指定を選挙の都合で遅らせた滅茶苦茶さ、7月の参議院選挙は安倍独裁政権に怒りの鉄拳をくだそう!



●このロードには山菜が多いです。タラノキ、サンショウが特に多く、ワラビやゼンマイも結構みられます。タラノキが多いのにはハッキリ理由があります。タラノキはいわゆる先駆種 (パイオニア種) であって、植生が破壊された跡地にいちはやく侵入してくる樹木であります。遷移の初期の段階で侵入してくる樹木なのです。山裾の森林を破壊して道路をつくるということは、道路両側の法面や、斜面を削ったところや、掘削した残土を捨てた場所に、タラノキの格好の生育場所を提供したということなんです。これが、このあたらしいシャクナゲお花見に行く道路沿いにタラノキが非常に多い理由であります。 つまり、森林がよく茂ったところにはタラノキはありません。森林を破壊したところにタラノキがあるわけで、タラノキが沢山あることは森林破壊の証拠! なのですわ。自然が豊かだから山菜があるわけではなく、自然が破壊がされたから山菜があるわけです。この逆説を多くの人が勘違いしていますね。


タラノ葉の収穫
前エントリーで申した通り、タラノ芽はもうありませんが、長けた葉の、輪生状に見える葉のまん中にある若い葉の先を摘み取ります。タラノ葉ならば、まだまだ梅雨ごろまで食べられますわ! 今日は携帯冷蔵庫? があるのでシャクナゲを見るまえに山菜採りです。
タラノ葉の収穫

↓ タラノ葉の調理の一例です。タラノ葉の酢味噌山椒和えです。結構いけますね。
材料はタラノ葉100グラム、鳴門海峡で釣ってきたハリイカ100グラム、タラノ葉を採るついでにサンショウの葉も少々。 調味料は、味噌大匙1・酢大匙1・砂糖小匙1・サンショウの葉をすり鉢ですります。材料と調味料をよく合わせます。タラノ葉はやや強めに茹でます。 タラノ葉は長けているのでやや “ぼそぼそ” とした食感で、海岸の山菜ツルナになんとなく似ています。調味料を増やしてやや濃い味付けにするといいかも? けっこう美味いし栄養価も高く、タラノ葉は昔から和薬とされいろいろと効能が言われています。ただし、日本薬局方には載っていませんので、どこまで効果があるのか疑問ですが? → タラノキは 「ソウ木皮・ソウボクヒ」 等の名称のある生薬

調理の一例


先日のお花見会とは別のシャクナゲ自生地
昨日たづねたシャクナゲ自生地は、5日のシャクナゲお花見会の場所とは違う所です。鮎屋川の源流地帯の岩場でありますが、大城池のずうーっと奥です。詳細は盗掘防止のために残念ながら非公開であります。この林道の向こうに見える尾根の岩場にシャクナゲが自生しています。林道の終点からは植林など山仕事の人々が付けた細い道を行きます。
林道の向こうの尾根がシャクナゲ自生地

↓ むこうに見える三角形の山の裾にもシャクナゲ自生地があります。とくにここは実生の後継樹が育っているために絶対に非公開です。
むこうの三角山の麓にもシャクナゲが自生

↓ 林道と、山仕事をする人がつけた杣道 (そまみち) を1時間あまり歩き継いでシャクナゲ自生地にたどりつきました。
シャクナゲの花
↓ 深山の麗花とか、花木の女王などと称されるシャクナゲです。
深山の麗花とか、花木の女王などと称されるシャクナゲ
↓ 淡路島のシャクナゲは、暖帯照葉樹林の林内に生育する低木ですが日当たりが悪いので花着きは今一つです。
暖帯照葉樹林の林床に生育する低木
↓ もともと花色の薄い個体のものが、満開後に褪色すると白シャクナゲっぽくなります。白いのもこれはこれで綺麗だ。
花色の薄いものが、満開後に褪色すると白シャクナゲっぽい

ホンシャクナゲの花の観察
単独行の時には、ルーペ、ときには携帯顕微鏡まで持ち出して花の構造を微に入り細にわたり観察します。観察結果を野帳に記録。でないと種名が決められません。きちんと観察せずに、文献の写真と適当に絵合わせで名前を決めるのは間違いの元!です。何べんでも申しますが、淡路島南部の山にある葉が非常に小さなツツジですが、シロバナウンゼンツツジ(白花雲仙躑躅)です。コメツツジじゃありません。きちんと観察すれば、べつに植物分類学者じゃなくてもじきに気が付きます。 コメツツジは、主に西南日本外帯の冷温帯上部~亜高山帯 (例えば大峰の山頂部とか、剣や三嶺など) にあるツツジで、淡路島のような低標高の丘陵帯にはございません!

花の観察

観察のポイント
・花びら全体は下部が合着していて、上部 (花冠) は7つに浅く切れ込んでいます。花冠が5裂か7裂かは何シャクナゲか見分ける重要なポイントです。(ホンシャク・ツクシシャクは7裂、剣山にあるハクサンシャクナゲは5裂)
・切れ込みの深さは漏斗状の花びら全体の3分の1ほどです。
・裂片の形は写真のものは楕円形ですが、個体によってかなり変異があります。裂片の先端が尖っているものも出てきます。
おしべは14本。おしべの数も重要。ただし、何らかの要因で欠落して数が足らない場合も多い。12本とか13本のこともあるのです。
・花は枝先に手まりのように咲きますが、10~15個ぐらい。表年で、ある程度日当たりが良く、栄養状態のいい樹では20個ほど着く場合もあります。当たり前ですが樹の生育が悪いと花の数も少ない。
・シャクナゲやツツジの花には、花冠の上側にたいてい花蜜標識 (ネクターガイド) という斑点があります。昆虫はヒトの目には見えない可視光線の紫よりも波長の短い紫外線領域まで見えると言われ、花蜜標識が特に目だって見えるらしい。訪花昆虫をおびき寄せて花粉を運ばせる戦略とされます。 とても分かりやすい解説→ 「見える世界と見えない世界」


早くも落花して、花ガラになっている
花ガラの観察
早い花はすでに落花しています。花冠と雄しべが落ちているので子房が観察できます。子房には白い長毛がびっしりとありますが、子房はモチツツジほどではないのですが少しべたつきます。子房が発育した果実 (さく果) も粘着性があるのですが、粘液を分泌する腺毛もあるのかな? とルーペで観察しましたがよく分かりませんでした。


この自生地に関しては、今年は花の裏年。
花が少ない木
花が少ない木
↑ ご覧のように今年は花がほとんどない樹が多いです。すくなくともこの自生地に関するかぎり、花はウラ年です。そもそもシャクナゲの花はウラとオモテを繰り返す傾向が強いのですが、来年に期待したいと思います。来年の花着状態がよければ、来年のお花見会はここへ来てもいいですわね!




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