雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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オオイタビが生えている詳しい場所と、その生育状況について
●2011年6月14日付けの拙記事 この 「オオイタビ」 はどこから来たのか? で、明らかに自生ではないけれども、さりとて、わざわざ植えられたとも考えにくいオオイタビを観察しました。5年近く経ってどうなっているのか見にいきました。山中や海岸に明らかな自生とみなせるものを見たことはないのですが、人家の周囲に何箇所か生育しています。なんらかの要因で広がっているのではないか? と思われるふしがあります。周辺地域のどこかに植栽あるいは自生の親株といえる個体が存在していて、その種子が鳥散布等により拡散しているのか? との推測も可能です。

●このたび、兵庫県の植物のフロラや分布を克明に調査している団体のK先生から問い合わせを頂戴しました。オオイタビは綺麗な花が咲くわけでもありませんし、結構たくましく、生命力がかなり強そうな豪壮なツル植物です。植物愛好マニアの傍若無人きわまる採集圧にもびくともしないような強靭さが感じられるツル植物です。場所を公開しても破壊や消滅の危惧は少ないと判断、本エントリーに観察結果を記録します。失われていく地域の自然を認識する意味から、淡路島南部の住民はオオイタビとはどんな植物なのか大いに見に行きましょう! もし、身の回りで同様なツル植物をご覧になったならば、ぜひともお知らせくださいませ。


オオイタビを見た場所
地点1  南あわじ市阿万  海水浴場の植栽ヤシ林の中 2年ほど前に伐採されました。
地点2  南あわじ市阿万  海水浴場の植栽ヤシ林の中 宿主のヤシの樹をしめ枯らす勢いの見事な生育ぶり。
地点3  南あわじ市福良  倒壊寸前の平屋木造建物の土壁にあったが、その建物が最近解体されました。
地点4  南あわじ市賀集  旧家か? と思われる屋敷の、放棄された立派な庭園の土塀にあります。
地点5  南あわじ市神代  完全に倒壊した小屋を覆うが、匍匐した茎の小さな葉ばかりです。

いづれも人家の周辺にあり、とても自生とは思われませんが、さりとて植栽とも思われない状況です。



とりあえず、地点1と地点2の詳細な場所
地点1と地点2は公有地と思われ、気兼ねなしに観察できます。しかしながら、3、4、5は個人宅の横あるいは敷地内ですので観察や撮影に許可が要りそうです。3、4、5も植えられたものではなく何らかの要因で種子がもたらされ勝手に生じたという感じが濃厚で、調べる必要がありそうですが後ほどに‥‥。

国土地理院地形図 を借用します。
地点1及び2の詳細な場所
阿万海水浴場に、正確な種名はわかりませんが南国情緒をかもし出すためにヤシの樹がたくさん植栽されています。そのヤシ林公園の東端と西端にオオイタビがあります。地点1と地点2の間の直線距離は約500mです。生育環境は、土質はベースが海岸の砂のようですが、他の客土が入っているかもわかりません。光環境はヤシの樹が疎らに植えられているのですこぶる良好です。風当たりは潮風の吹きさらされる強風環境だと思われます。飛砂防止のためのフェンスが設置されています。


地点1の生育状況 2016.3.21の様子
↓ 生育地を海側から見ました。
海側から見た地点1

↓ オオイタビがあった場所です。4年前の写真はここのものでした。」
オオイタビがあった場所
オオイタビがあった場所

↓ このヤシの樹にのぼっていました。
この樹にのぼっていた

↓ 伐採されたオオイタビの株元です。根元で、茎の径は約4センチです。伐採されたのは2年ぐらい前だったと記憶しています。公園管理者によってここのオオイタビを伐採して除去したということは、オオイタビが植栽品ではなく、他所からの侵入であった証拠とも言えるのでは? また、ここにヤシの樹が植えられたのは相当古く、それに比べるとオオイタビの根元は細いです。時系列から考えて、ここのオオイタビはヤシの植栽時に付随して来たというよりも、後に鳥散布で南から種子が運ばれた可能性が高いのでは?
伐採されたオオイタビの株元
茎の径は約4センチ

↓ 地面に残る匍匐茎の残骸であります。地面の丸い赤いものはソテツの種子です。
地面に残る匍匐茎の残骸

↓ 完全に消滅したのではなく、生き残った根株からの萌芽があります。地面にたくさんある丸いものはヤシの樹の種子です。種名不明なここのヤシは夏に鈴なりの実がなりますが、果実の径は3センチほどありまして、結構果肉があります。ほんのりと甘みがあって食べられなくもありませんが、あまり美味いものではありません。植えるのであれば、中東で栽培され重要な食品とされるナツメヤシを植えてほしいものです。
生き残った根株からの萌芽はある

↓ ソテツの根元にもオオイタビが萌芽再生中です。
ソテツの根元にも萌芽再生中

↓ 復活を目指して、よいしょとソテツの幹によじのぼっています。
復活を目指している

↓ 海側にトベラの生垣があります。この生垣の中にオオイタビがあります。
海側にトベラの生垣がある

↓ 公園管理者の生垣の手入れが悪く、本来はトベラの生垣なのでしょうが、他のものがいろいろと侵入しています。手入れがわるいからこそ、オオイタビが生き残ったとも言えます。
生垣の手入れが悪く、色々なものが侵入している

↓ 生垣の下部にオオイタビがありますが、ヤシに登っていた個体と地面を這う茎でつながっていたのか、あるいは全く別の個体なのかは不明です。
これがオオイタビ

↓ 地面や岩・塀を這うときは、葉が小さくなって別物みたいです。
地面や岩・塀をはうときは、葉が小さくなる



次に、地点2の生育状況 2016.3.21の様子
↓ 4K動画です。海水浴場の公園西端にあって、ヤシの樹を覆い尽くすオオイタビです。もちろん自生ではないのですが、これがどのようなルートでここに侵入してきたのか? 気になります。2年か3年ほど前に、公園管理の作業員がこのオオイタビの太い主幹のツルを地上から胸高の高さで切断して、退治しようとしました。ところが、切断部分の上部も気根から雨水を得たのか? さらに切断下部と気根同士が合着?? 枯れることなど全くなく、わずかな期間で見事に盛り返しました。そして切断以前よりも樹冠は更に大きくなったように思います。樹勢のたくましさ、生命力の旺盛さには目を見張らされます。逆から考えたら、もしこれが住宅地や田畑の周辺などあちこちに侵入したら、土壁や石垣などは既存植物がいないニッチの空白になっているので、大繁茂して厄介な植物になるかもしれません。退治するのに四苦八苦するかも?




↓ ヤシ林の公園の西端にあります。
公園の西端にある

↓ 大変見事な生育ぶりです。巨大なクリスマスツリーみたいです。
見事な生育ぶり

↓ 茂っている中を覗きこみました。典型的なしめ殺し植物のようです。このヤシの樹の場合は幹の頂上までオオイタビに取りつかれてしまいました。まもなく葉まで覆い尽くされ、やがて枯らされるのでは?
典型的なしめ殺し植物

↓ 地面を這っていった先で、水飲み場に這いあがって繁茂するも、葉が小さいです。これだけ見たら、別物に見えます。ヒメイタビと間違われるのでは?
地面を這っていった先で繁茂するも、葉が小さい

↓ 匍匐茎の小さな葉と、斜上する茎の大きな葉はあまりに異なりますが、どちらも同一個体のものです。
匍匐茎の小さな葉と、斜上する茎の大きな葉

↓ 生育はすこぶる良好です。花のうも沢山ついています。しかしながら、まだ3月です。オオイタビの新梢もまだ出ていません。この花のうは熟していませんが、いったい何時から出来ているんでしょうか? 真冬からある?? 去年の秋から??
良く育っています。花のうもたくさん。

↓ 2個ならんで仲良くツイン花のう? たまたま近接しているだけで、1つの果柄に2個着いているのではありません。
2個ならんで仲良くツイン花のう?
こちらもダブル花のう

↓ 目通りの高さ付近のものを順に30個まで定規で花のうの横幅を測りました。30ミリにピークがあるようです。綺麗な正規分布の山型になっていませんが、個数が足らないのと、測り方がいい加減だったようです。まだ未熟なので、熟期の夏にはもう少し大きくなるのかも?
花のうの大きさ(横幅)

↓ ひと枝だけ持ち帰って、花のうをカットし内部の構造を観察しようとしましたが、まだ未熟な状態で観察不能です。よってこのオオイタビの樹がメス木なのか、オス木なのか不明です。
持ち帰って花のうの内部を観察

↓ 葉の裏面では、葉脈は明瞭に盛り上がっています。
葉の裏面では、葉脈は明瞭に盛り上がっている
葉の裏面では、葉脈は明瞭に盛り上がっている

↓ 葉は光沢があって厚く、いかにも海岸近くの植物という感じです。托葉の脱落した跡がリング状になっています。
葉は厚く光沢がある



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