雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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2016年3月14日の四国山地での降雪について
2016年3月14日に四国山地で春の大雪
3月13日夕刻~14日午前中にかけて四国東部や淡路島では冷たい雨が降りました。大雨ではないにしろ洲本で28.5ミリの降水量でした。アメダス南淡で26ミリ、徳島で28ミリ、日和佐で28ミリ、池田で17.5ミリのしっかりとした雨でした。この雨は四国山地の標高が高いところでは雪になって、標高500~600m以上では雪、標高700~800mあたりでは10センチ程度、標高が上がるにつれ積雪量は増加、登山者 徳島県在住の nfosdk さんの情報 によると、剣山 (1955m) の登山道では30センチ、吹き溜まりでは60センチの積雪でラッセルを余儀なくされたらしい。 3月15日に徳島県の 高越山 に、また性懲りもなく雪を見に行った。病膏肓に入ると言うか、ほとんどビョーキか?




四国山地で雪になる条件
●西高東低の冬型気圧配置による降雪ではなく、南岸低気圧による降雪の条件を考えてみます。まず前提として四国沖を低気圧が東進する場合に、あるていど低気圧が沖合を通ることはもちろんです。300キロぐらい沖がいいか? 陸地に近づきすぎると低気圧前面の暖気が吹き上がってきて、剣山の山頂でも雨になってしまいます。かといって低気圧が陸地から離れ過ぎてもダメで、その低気圧による降水帯が陸地にかからないことになってしまいます。どの程度の距離がいいかは、その低気圧の発達程度や北から移流してくる寒気の強度など、様々な条件で微妙なところですね。 本エントリーでいう雪になる条件とは、われわれ剣山地ファンが剣山地の山に、雪を見に行くための実用的な観点から申しています。

2016年3月14日09時の四国周辺の降水分布
【条件1】 ↑ 2016年3月14日09時の四国周辺の降水分布です。気象庁サイト アメダス:四国地方 から借用。(リンクは過去のものは表示されない) 先ず、降水がなければ山で雪もありません。当たり前のことですが、上空の雪が落下する途中で気温がプラス圏に落ちてきて溶けたものが雨です。本質的な違いはありません。溶けるかどうかは地上近くの湿度も大きく関係し、湿度が40%とか50%など低い場合には気温がプラス5度でも溶けずに雪のままで落ちてきますね。

それから重要なことは、降水量から山での積雪量がほぼ確実に推定できることです。まず剣山周辺のアメダス降水量を調べて、山では降水量はふつうは5割とか7割増しです。気温が氷点下ならば積雪量は降水量の10倍です。(つまりフワフワの新雪の比重は0.1です) 今回の降雪で剣山の積雪を、最寄りのアメダス京上の降水量18.5ミリ、から、30センチ程度と予想しましたが、登山者からの情報と一致しました。ていうか、登山者の情報の確度が非常に高いということです。また、30センチ予想が剣山へ向かわずに標高の低い高越山に変更した理由です。吾輩の装備・体力では、降雪直後に入山すると立ち往生して徳島県警のお世話になる危惧があります。



2016年3月14日09時の四国地方の気温分布
【条件2】 ↑ 2016年3月14日09時の四国地方の気温分布ですが、この気温分布ではほぼ確実に山じゃ雪です。おおむね、瀬戸内海沿岸部の高松や徳島などで5~6度のときは標高1000m以上では雪になっています。10度でも剣山の山頂では雪です。 ただし、瀬戸内側がそういう低温であっても、高知県太平洋沿岸部が10度以上になっていたらダメです。四国太平洋沿岸部が10度以上になっているということは、低気圧前面から暖気が吹き上がっている証拠です。

2016年3月14日09時の850hPa面の気温
【条件3】 ↑ 2016年3月14日09時の850hPa面の気温です。気象庁サイト 850hPa高度と気温図 から日本付近を抜粋トリミング一部改変して借用します。(リンクは最新の図しか表示されません)  いくら地上の気温が冷え冷えとしていても上空の気温がさらに低くなければ雪にはなりません。で、実用的には850hPa面の気温をみます。850hPa面での零度の等温線が、四国沖にまで南下していたらOKです。剣山に雪を見にいきましょう。借用した図では、14日09時に、零度の等温線が四国の上を通っています。図では剣山あたりの850hPa高度は1460mです。ちょうど見の越の高さです。もう少し気温が低いほうがいいのですが、瀬戸内地方は北東気流場にあり、低気圧後面の北からの寒気が引き込まれたようです。標高が500~1000mあたりでは最初は雨であったのが、気温が低下するとともに雪に変わった可能性が濃厚です。降雪とともに1500m辺りにあった冷気が1000m以下にまで引きづり降ろされたことも少しあるのかもわかりません。

昨年の剣山地の最終積雪は4月15日だったようですが、まだまだ雪が見られそうです。まだスタッドレスタイヤを夏タイヤに交換するわけにはいきません。北日本の方から 「夏タイヤに替えるかどうか悩んでいる、今年は寡雪でタイヤをすり減らしただけだ」 というボヤキが聞こえてきましたが、そもそも無降雪地帯に棲息する吾輩は、すり減らすためにタイヤを替えています。で、いくらすり減ってもいいわけです。すり減らせばすり減らすほどに、商売上手のタイヤ屋さんは喜びます。タイヤ交換にいったら 「よう、すり減ってますね、こりゃあ来冬は使えれへんで、処分しときますわ」 と没収されるでしょう‥。



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高越山雪見写真ギャラリー 2016年3月15日
吉野川から見た高越山(標高1133m)
↑ 吉野川から見た高越山 (標高1133m) です。成層火山かと見紛う秀麗な山容です。このシンメトリーな均整のとれた山容が阿波富士と讃えられる所以です。吉野川ぞいの平野部を走っていると車窓からよく見え、ひときわ目立つ山です。阿波一の修験道の山であります。

標高500以上で積雪が見られた
↑ 596mの標高点ピークが、ちょうど淡路島最高峰の諭鶴羽山の高さです。したがって、諭鶴羽山の上にもうひとつ諭鶴羽山があるような感じです。しょせん淡路島は瀬戸内海の小島です。淡路最高何々などと言よいったら本土の人に笑われますね。夜郎自大にならないように‥。とくに市長と行政は。 残雪などの状況から、標高500mから上で雪だった模様です。

山頂付近が銀白にお化粧
↑ 山頂付近が銀白にお化粧しました。積雪は中腹の標高550メートルあたりからありましたが、登るにつれて雪が増え、標高800mから上にはシッカリと積雪があり路面は凍結していました。

山頂付近が銀白にお化粧
↑ 尾根筋の林道から高越山の山頂を見ました。



海抜1060メートルにある船窪オンツツジ公園の様子
船窪オンツツジ公園
船窪オンツツジ公園
船窪オンツツジ公園
船窪オンツツジ公園
↑ もたもたとして夜が明けてから06時06分に淡路島を出発、船窪オンツツジ公園には08時10分に着いた。やはり、ここが最短距離・時間で雪を見に来ることが出来る所です。

オンツツジ公園で積雪は10~15センチ程度
↑ オンツツジ公園で積雪は10~15センチ程度、吹き溜まりでは20~25センチ。

気温は09時ちょうどで-2度
09時ちょうどでマイナス2度です。(気象庁検定合格の正式な温度計じゃないので、誤差があるでしょうけど) この09時正時に高越山の山麓にあるアメダス穴吹では6度でした。8度も低いわけで、やはり山の上は大変に涼しいですわね。


高越寺へは尾根伝いの林道を行く
高越寺へ向かう林道
高越寺へ向かう林道
高越寺へ向かう林道
↑ 高越寺へと向かう林道です。標高1100m前後の尾根伝いを行く林道です。この程度の積雪ならば大丈夫ですが、積雪が多くなったならば進入禁止です。この林道で2014年12月はじめに、高越寺の住職さんと寺男がスタックした車を乗り捨てて、寺へと徒歩で行く途中でたおれ不帰の客となりました。


駐車場から先は徒歩で行きます
しかしながら、表参道は狭く、滑るところもあり、参道というよりも登山道です。剣山の登山道のほうが歩きやすいですわ。この状態ならばアイゼンがあったほうがいいでしょう。あるいは、スパイク長靴ならばいいが、普通の長靴ならば滑って危ないです。吾輩は今回は高越寺に参詣しませんでした。昼過ぎまでに淡路島に戻って仕事をしなきゃならんので。
表参道の入り口
徒歩20分


尾根筋には樹々に霧氷の花が咲いていた
霧氷とは申すまでもなく、氷点下の条件下で過冷却の雲粒 (霧粒) が枝などに次々にぶつかって凍りついたものです。氷点下であることと、雲 (霧) がかかっていることの2点が生成の条件です。この条件から平地ではまず起こらない現象です。しかし、1000m超の山では西日本でも冬には普通に日常茶飯事です。まるで満開のユキヤナギのようで、青空を背景にした霧氷は非常に美しいものです。高越山は阿波国で一番アプローチしやすい霧氷が見られる山とされます。

樹々に霧氷の花が咲く
満開のユキヤナギのようだ
霧氷は過冷却の雲粒が枝に当たって凍りついたもの
いわゆるエビの尻尾




 
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