雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
201706<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201708
いちおう記録的なるも、きわめて地方限定の要素が強い
2枚の図を観察すると、下層寒気が強烈だったことが明瞭
●逆読みすれば、予測は糞よ予想は嘘よであります。スパコンで計算し予想するさいには、初期値の不確実性と計算モデルの不完全性があるから、ある程度の幅をもったアンサンブル予想とせざるを得ないようで、予想値と観測値は違うわけですよね。予想値を過大に信じて大騒ぎするのはいかがなものかと思うのですけれども、結局、二酸化炭素地球温暖化説の弱点はこれです。‥だろう、‥かもしれない、‥という可能性がある、というフワフワした頼りないハナシなのです。にもかかわらず大変なことになるぞという脅迫の異様さ! 頼りないハナシなので苦し紛れに考え出されたのが 「予防原則」 なるまやかしです。それはさておき、実際の観測値が確定しました。確定した観測値でもって、今回の西日本・南西諸島を襲った寒波が記録的だったかどうか考察してみます。


高層での雪を降らせる寒気は瀬戸内~九州北部まで
↓ 2016年1月24日21時 500hPa面の高度と気温
5000mあまり上空の気温です。降水があれば地上で雪になる目安の-30度線を水色に、大雪になる目安の-36度線を青色で強調しました。気象庁サイト 船舶向け天気図提供ページ から適当に借用、トリミング着色しました。

20165年1月24日21時 500hPa面の高度と気温

下層での雪を降らせる寒気は奄美大島~台湾まで
↓ 2016年1月24日21時 850hPa面の高度と気温
およそ1500mの高さの気温です。降水があれば条件が良ければ地上で雪になる目安の-6度線を水色に、しっかりと積もるサラサラの雪になる目安の-12度線を青に着色。
20165年1月24日21時 850hPa面の高度と気温

●この2枚の図を観察すると、5000mの高層の寒気の南下はいまいちでした。ところが、下層の寒気は亜熱帯域まで流れ落ちたことが分ります。北極圏で涵養された寒気が、偏西風の蛇行に乗って日本列島近くまでやってきて、高層の重い寒冷な空気塊がその持つ位置エネルギーで下層の方に崩れ落ち、崩れ落ちた寒気が地を這うようにして南シナ海~中国東岸方向に流れ降ったという感じですね。イメージとしては、寒気の溶岩流が広大な山の裾野をはるか先まで延々と流れ進んだみたいな感じか?


観測データを比べるとさらに明瞭
下表は西日本各地の高層気象観測データです。500hPa面 (上空5000m余り) の気温の低い順です。今回の観測値は上位群にまったく遠く及びません。とても記録的などとは言えません。
今回の寒波の観測値
 *気象庁の高層観測統計から抽出したが、09時と21時の両方の観測データから作表。
 *前夜21時と翌09時の両方が上位に入る場合が見受けられたが、しかし、明らかにこれらは同じ
  寒波によるものなので、低い値のみ1個だけ掲げた。
 *観測統計期間は1957年から2016年まで。ただし米子は2010年に観測終了。(松江に継承?)



↓ 850hPa面 (上空約1500m) の気温の低い順です。
今回の寒波の観測値
こちらは下層の寒気の気温の低い番付けですが、今回の観測値はシッカリと上位に喰い込みました。米子 (松江) は2位に浮上、福岡は7位タイ記録、潮岬は10位、鹿児島は4位に浮上しています。とりわけ注目されるのが、
奄美大島の名瀬は堂々の記録更新!

ただ、そうは言っても、やはり1981年2月26日~27日に西日本に襲来した寒波は凄かったです。表に赤字で強調したように、西日本各地の第一位記録に君臨し続けています。比べると今回の寒波は一回り弱かったかなあ、という印象は否めません。1981年の大寒波では、西日本各地の少なからぬ気象官署で、観測史上の最低気温記録を出しています。1981年は、たとえば富士山で-38.0度の最低記録ですが、今回-32.1で、生ぬるい記録です。 今回気象官署で最低気温の観測史上の低い記録を更新したのは、熊本県人吉と鹿児島県沖永良部のたった2箇所だけです。

●確定した観測結果の考察の結論として、マスゴミどもが記録的な寒波だと騒いだのは、やや過剰な煽りであったかと考えられます。よしんば、記録的だったとしても下層寒気の強さにおいて、それも九州から南西諸島方面における地方限定の “記録的” だったと思われます。



       ***********************************


今回の寒波で、最低気温の記録を更新した地点
温暖化を望んでいる温暖化利権亡者も震えあがりそう!
気象庁サイト 観測史上1位の値 更新状況 より借用したが、リンクは最新のリストしか表示されません。なお、統計期間が30年に満たない短いものは、たとえ記録更新したとしてもあまり意味がないから除外しました。また、タイ記録というのも、記録を更新したわけじゃないから除外しました。

沢山あるように見えますが、九州と沖縄県に集中しています。つまりきわめて地域限定なのです。それから九州地方では4年前に記録更新ラッシュがありました。何十年ぶりというわけじゃない地点がかなりあることを見落としてはいけません。それに、観測歴史の浅いアメダスばかりで、観測統計期間が100年前後と長い気象官署がほとんどありません。2箇所だけで、それも観測統計期間が比較的短い。


2016年1月24日 最低気温記録更新地点
2016年1月24日に最低気温の記録を更新した地点
 太字は気象官署。 翌日の25日にも連続して記録更新した地点は除いています。

2016年1月25日 最低気温記録更新地点
2016年1月25日に最低気温の記録を更新した地点


スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.