雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
201708<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201710
日本列島、赤一色! えらいこっちゃ!
前エントリーの続きです。

●更新された異常天候早期警戒情報を閲覧したら、ビックリ仰天です。日本列島が赤一色です。驚きモモの木こんなの見たことがありませんワ。すべての11の予報区がみんな真っ赤です。前代未聞、空前絶後、冬将軍様もタジタジで、兜を脱いで、尻尾を巻いてシベリアの未開の奥地にご退却のようです。なんと、北の果ての北海道地区から、南の果ての沖縄地区まで全部赤一色とは珍しいです。普通は、どんなに赤く染まっても、どこか1つか2つかの予報区が染まらないものです。こりゃあ、日本全国北の最果てから南の最果てまで、中間もすべてポカポカのお目出度いお正月のようです。



11予報区のすべてが真っ赤だね!
気象庁ホームページ 異常天候早期警戒情報 より借用。
日本列島赤一色

●こりゃあ、スキー場が大ピンチですね。まともに稼働できるスキー場は北海道だけか? アメダス 全国 積雪深 を閲覧したら、青森県以南の積雪はほぼ全滅です。25日01時の時点で、北海道以外で積雪深がゼロでないのは僅か4か所! 正月が迫ってこんなのも見たことがありません。こりゃあスキー場がピンチだけじゃなく、年内にもう一度 四国の林道をよじ登って雪を見に行こうと思っていたのですけれども、吾輩の雪見も大ピンチです。まさか、剣山 (1955m) で雪のないお正月か?

長野県 アメダス開田高原 (かいだこうげん・標高1130m) 積雪深2センチ
新潟県 アメダス守門 (すもん・標高222m)  積雪深 2センチ
山形県 アメダス肘折 (ひじおり・標高330m) 積雪深 9センチ
青森県 アメダス酸ヶ湯(すかゆ・標高890m)  積雪深 61センチ 

●ちなみに、酸ヶ湯 は別格です。なんせあの有名な八甲田山の一角にありますよね。新田次郎の小説 『八甲田山 死の彷徨』 で描かれたように、明治時代に日本陸軍の雪中行軍訓練で199名の凍死者を出した所です。ちょうどそのときに気象官署における日本の最低気温の記録、旭川で-41度が観測されたということもあって、未曾有の大寒波に見舞われたというタイミングでの事件だったのでしょうが、そもそも八甲田山は寒いところなのでしょう。八甲田山を除くとあとは1日ポカポカだったら消えそうな積雪です。つまり、別格の八甲田山を除いて、事実上 本州の積雪観測は全滅ということになります。27日~28日に北日本を中心に降雪がありそうですが、これも正月のポカポカでじきに消えそう‥。


●おたけさんが指摘してくださった通り、淡路島南部の野菜栽培も確かにピンチですね。野菜の生育が早まっています。暖かいだけでなく雨も多すぎますね。生産過剰で価格低迷だけでなく、鍋物需要が盛んになる厳冬期に出荷するモノがないという事態になりそう‥。圃場によっては高温多湿のためか病害も発生している模様です。とくにレタスが畑の中でやられていますね。レタスの葉がしおれたり、茶色く腐っているのをあちこちで見ました。

でもさァ、野菜によっては素晴らしい出来栄えです。寒さに弱い野菜のよくできることには、驚かされます。吾輩が自給自足用に植えてあるエンドウ豆の出来栄えにはほれぼれとします。エンドウは寒さに弱く、寒い地方では春に種まきするぐらいで、淡路島じゃいちおう秋まきですが、冬の寒波襲来で育った枝や葉がやられます。寒害全くナシで作れるのはやはり九州南部あたりで、淡路島はエンドウには寒すぎますね。冬場にはあまり実 (み) が成らないのですが、ところが今年はいま実が沢山なっています。 「さやエンドウ」 ではなく、「実エンドウ」 が年内に出来るなんて初めてです。異常な暖かさの賜物といえましょう。ま、思うんですが農業には気象災害がつきものです。で、寒さに強い作物、暖かい方がいい作物、複数の作物をいろいろ栽培すれば、一方は沈んでももう一方は浮かびます。そういう一種の保険をかけるべきでは? 投資と全く同じで、タマゴは一つの籠に盛るな、です。一つの籠に全部を盛ると (単一作物大面積栽培をやると) 当るといいんですが、思惑違いになると目もあてられません。なお、これは非農家の勝手な放言であります。



ポカポカ陽気で、なんと年内に実エンドウが出来た!
兵庫県南あわじ市 (淡路島南部) にて、播種は8月の終り、10月終りごろからさやエンドウの収穫、ちぎり損ねたものが実になっています。実は溜めておいて分量がまとまったら煮て食べます。
年内に実エンドウが出来た
↑ 吾輩が自給自足用に栽培しているものなのですが、年内に早くも 「実エンドウ」 ができています。暖冬のおかげです。収量が少ないのですが、それは、あくまでも 「さやエンドウ」 で収穫しているからで、葉陰で隠れていて見落として、収穫しそこなったさやエンドウが日数を経て実になっているということです。実にして収穫しているのではないので少ないわけです。とにかく、年内に実エンドウが出来るなんて初めての経験で、今年の暖秋・暖冬の程度が窺われますね。暖冬が全ての野菜にマイナスというわけじゃ絶対にないわけです。暖冬のほうがいい野菜もたくさんあるわけです。

●さて、異常天候早期警戒情報でポカポカ陽気が予想されたとしても、スキー場や農家は何か打つ手はあるのか? と申せば何もありません。対症療法的な小手先の対策はできるかもしれません。造雪機をフル稼働させるとか、野菜を栽培しているビニールトンネルのビニールをまくりあげるとか、暖かいとどうしても雨が多い傾向なので畑の排水を良くするために暗渠排水 (明渠排水) 工事をしておくとか、いろいろ小手先は考えられるのですが、それらは日々の天候を見ながら常にしていることであって、何か抜本的な新たな手はありません。そもそも気象をコントロールすることは不可能です。人工的に雪を降らせたり、気温を下げたり出来ないわけです。莫大な資材やエネルギーを投入すれば局所的には可能かもしれませんが、経済的に収支計算が全く合わないだろうし、広い範囲では絶対に不可能です。自然というのは揺らめく炎のように常にゆらぎがあり、動あれば静、明あれば暗ありのように、寒暖の大きな振幅を繰り返すわけで、変化や変動が自然の本質です。大きく変化するのが異常なのではなく、もし平年値の通りに推移してほとんど変化しなければそのほうが異常です。ま、気温の派手な乱高下は当たり前といえば当たり前であって、これはどうしようもなく、受け入れるしかありません。気象庁はそんな当たり前のことを、実用的には何の役にも立たないのに、気温がかなり高くて異常だ! 気温がかなり低くて異常だ! と常に叫ぶのは、たんなる統計的な興味からか、あるいは、おそらく、国民から “税金という みかじめ料” をとって運営している手前です。たぶん。あれもしている、これもしている、国民の皆様方の生命や財産を、凶暴で恐ろしい気象現象からお護りするために頑張っているんですよ、と言える為だろうと考えられます。



       *************************************

おたけさんのコメント

>暖冬が全ての野菜にマイナスというわけじゃ絶対にないわけです

うまく天候を利用できる人と出来ない人、結果的にうまくいった人が言うのに、7月ごろにスイートコーンを出荷するのですが、6月になって出荷している人が居たのでお話を聞いたら、普通4月に種まきするのを2カ月早く野菜用培土を使ってセルトレイに種を落とし野菜トンネルの空きスペースで苗を育てたそうです。そして彼岸頃に田んぼへ定植それで6月に取れたそうです。

絶対無理が何かの拍子で 「上手くできた!」 運がよかったと言うだけですが聞いて驚くばかりです。



山のキノコの返信
たしかに、運が良かっただけと言わざるを得ないですね。苗は温室で育てることもできるから可能だとしても、問題は田んぼや本畑に定植したあとでの低温や霜ですね。三原平野は意外に冷えるところです。阿万塩屋にある アメダス南淡の観測データ を調べてみました。アメダス南淡は2004年に福良の水源地の近くから移転しているので、2005年以降の11年間の観測統計では‥、

3月下旬、彼岸の23日以降に、なんと6回も氷点下を記録しています。氷点下じゃ、せっかく植えた苗は一発でやられますね。

2005年 3月26日 -0.2度
2010年 3月27日 -1.7度
2011年 3月25日 -1.9度
2011年 3月28日 -1.4度
2015年 3月26日 -0.6度
2015年 3月27日 -0.2度

次に、4月の低温を調べてみました。年ごとの4月の最低記録です。さすがに氷点下はありませんが、4月中旬や下旬でも3度や4度が観測されています。無風ならば4度以下になると霜が降りる危険性があります。気温は地上1.2とか1.5mで測るのですが、上空に寒気が侵入して無風で放射冷却で冷えるときには、胸高の位置よりも地表付近のほうが温度が5~6度下がるのが普通です。これが気温が4度でも霜が降りる理由です。

2004年 4月1日 2.7度    2010年 4月25日   2.5度 
2005年 4月5日 2.3度    2011年 4月5日/6日 1.3度
2006年 4月1日 0.7度    2012年 4月8日    0.9度
2007年 4月5日 1.9度    2013年 4月13日   2.1度
2008年 4月4日 4.1度    2014年 4月7日    0.6度
2009年 4月3日 0.2度    2015年 4月18日   3.5度

これらは完全に霜が降りる気温です。霜に当たればスイートコーンの苗は一発でやられますね。5月になればなかなか10度以下にはならないので、4月種まき、5月に入ってから発芽では大丈夫でしょうが、彼岸に田んぼに苗を定植して6月に収穫できたというのは、運が良かったと気象観測データから言えますね。

たぶん、(現在の状況みたいに) 非常に顕著なエルニーニョ現象が発生して、日本付近が平年値を大幅に上回る高温域に入り、しかも、ちょうど3月下旬から4月末に平年値からの高温偏差のピークが重なったのではないか? と想像します。さらに考えたのですが、三原平野といっても冷気が溜まりにくい小高い丘の斜面にその田んぼがあったとか? ファームパークあたりはそんな地形です。西淡の山裾とかも。ひょっとしたら灘地区のような山の南側の斜面では地形的に無霜地帯になっているから、行けるかも?


ところで、野菜ではなくミカン類やビワなど果樹では、ポカポカ陽気でなきゃダメですわ。ちょっとした寒波でじきにやられてしまいますわ。わたしが自給栽培しているスイートスプリングという品種の柑橘類ですが、去年12月~今年1月の寒波でメタメタにやられましたわ! 今回は収穫はゼロです。やっぱり、暖冬が困るのか、暖冬のほうがありがたいのか、同じ農業でも栽培する作物によりますね。


スポンサーサイト
コメント
コメント
>暖冬が全ての野菜にマイナスというわけじゃ絶対にないわけです

うまく天候を利用できる人と出来ない人、結果的にうまくいった人が言うのに
7月ごろにスイートコーンを出荷するのですが、6月になって出荷している人が居たので
お話を聞いたら、普通4月に種まきするのを2カ月早く野菜用培土を使ってセルトレイに
種を落とし野菜トンネルの空きスペースで苗を育てたそうです、そして彼岸頃に田んぼへ定植それで6月に取れたそうです。
絶対無理が何かの拍子で「上手くできた!」運がよかったと言うだけですが聞いて驚くばかりです。


2015/12/25(金) 21:08:32 | URL | おたけ #oKUqqsRc [ 編集 ]
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.