雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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四国の山に雪を見に行こう! (その2)


待ちに待った天然雪での初すべり!
剣山スキー場に朝8時に到着したのですが、先客が1台来ていました。 衣装を着用したり板を出したりと、スノーボーディングの準備をされています。待ちに待った初すべりなのでしょうか? 吾輩はスキーもスノーボードもしないし、したことも全くありませんが、こよなく雪を愛する (?) という点では共通性があり、登山道で他の登山者と出会ったときの挨拶の感覚で、話しかけてみた。
先客がスノーボーディングの準備

「おはようございます。降りましたねえ」
「やっと降ったけど、ちょっと少ない感じです」
「10センチぐらいですか? あるいは20センチ?」
「そう、20センチぐらいですね。もうちょっと期待したんだけどね‥」
「滑るには、50センチ欲しいところでしょうね」
「お宅は雪を見にこられたのですか?」
「ええ、そうなんですわ。淡路島からです。大鳴門橋を渡って、徳島自動車道を素っ飛ばしてきました。淡路島じゃ雪なんて見られへんから、よくここへ来ています。剣山はいい山ですわね。地元の方ですか?」
「はい、土地の者ですよ。森林の中をトレッキングするというイベントをやってまして、今日は下見にきました。もうちょっと降っているかと思ったんですが、ちょっと少なくて残念です。これからゲレンデを登って上のほうを見てきますわ」
「じゃあ、どうも、どうも、お気を付けて‥」



↓ ロッジ横のテラスのようなところから、北西方向にある矢筈山 (1849m) を眺めたところです。矢筈山は地形的な要因で、四国山地東部で一番積雪が多い山です。山頂近くの陽の当らない谷では5月まで軽々と雪が残ります。
北西方向の矢筈山のほうが積雪は多いはず
↓ 棒杭の周りだけ積雪がくぼんでいますね。春になって樹木の周りが真っ先に雪が溶けますが (いわゆる根開き)、木の肌は黒っぽいから陽光で暖まるからだとか、樹木の幹は春の生命力で熱をだし温度が高くなるためだとか、妄説がこともなげに流布しています。しかしながら、棒杭や電柱や樹木の幹などは、空気の流れに竿さす障害物です。で、風の流れは棒杭などの周りでは回転運動となり、雪が積もりにくくなりますね。単純にそれだけのことであるのに、変な妄説を信じる人が多いのにはビックリです。多くの人は観察などしないようです。
棒杭の周囲がくぼむ

●さて、スノーボードの板を担いだその方がゲレンデの上のほうに登って行ったあと、吾輩はロッジの周りで写真を撮ったり、気温や積雪を測ったり、雪景色を観賞したりで小一時間おりましたが、そのスノーボーダーさんがきれいな雪煙りをあげ、雪面にあざやかなシュプールを描いて颯爽と滑り下りてきました。勝手に動画を撮るわけにはいかないから動画はありませんが、かなりのベテランのようです。やはり世の中には体力や運動神経の優れた人がいるものだと思います。もし吾輩がまねをしたら間違いなく大怪我をするのがオチでありましょう。ちなみに、むかし山岳会に入会しようと見学に入ったことがあるのですが、もし入っていたらほぼ間違いなく今生きてはいないでしょう。おそらく殺されています。

「積雪20センチでも滑れるんですね。上の方はもっと積もっているんですか?」
「同じぐらいです。降りてくるのは一瞬ですわ」
「そうですわね。リフトなしで歩いて行くのは大変ですね。そう何回も滑れませんね。スキー場が再開したらいいのにね」
「そうなんだけど、リフトも施設もみな錆付いています。もはや再開は無理なんです」
「そりゃあ残念だ。スキー場があったころは、スキーをしない私らでも昼飯だけは食べられたんで便利でしたけど、残念ですね」



クロマツに着いた霧氷の観察
↓ ゲレンデを少し登ったところにあったクロマツの木です。霧氷が付着しています。雪じゃありません。樹上に積もった雪は強風ではたき落とされたようです。その後、はだかになった葉や枝に霧氷が付着したのでしょう。
クロマツに付着した霧氷
↓ 雪の残った枝がありました。これを見ると、積雪と霧氷は別物、その形成過程は全くちがうことが分かります。
霧氷と積雪は別物
↓ 雲 (その中に入れば霧と同じ) の過冷却の小さな水滴が次々に風で飛んできて、葉にぶつかって凍りつきます。次々に風で極微の水滴が飛んでくるので、風上側にどんどん付着成長します。いわゆるエビの尻尾です。
風上方向に成長する


剣山の北東斜面の美しい霧氷
↓ これはスキー場ではなく、剣山登山口の見ノ越に移動して、トンネルをくぐって木屋平村側から剣山北東斜面を望遠で眺めたものです。標高1700m辺りだろうと思います。樹木のシルエットから野生化したカラマツのようなものが見えています。カラマツ (落葉松) の霧氷は非常に美しいものです。その場所まで行って撮ると非常に綺麗な写真になると思います。今日は軽アイゼンならば持っていますので、この積雪の状態ならば行けなくもないのですが、見上げただけでしんどそうだわ‥。やっぱり、吾輩は山登りじゃありません。 それから逆光気味であるだけでなく、今日は大気の水蒸気が多く青空が白っぽくシャープではありません。写真の条件としては良くありません。
陽光を受けた霧氷が美しい
陽光を受けた霧氷が美しい

↓ 霧氷を被写体として見た場合、とにかく抜けるような青空を背景にすることですよね。霧氷に陽光があたって白銀色にまぶしいばかりに輝き、しかも青空は青く澄み切っているほどいいのです。意外にシャッターチャンスは少ないです。霧氷ができるには雲がかからなければならず、雲があれば陽光も青空もありません。つまり条件としては矛盾します。しっかりと霧氷がが形成された後に一挙に晴れたらいいのですが、晴れて陽光があたると霧氷が溶けたり蒸発します。シャッターチャンスの時間幅は非常に短いです。で、多くの写真家たちが足しげく山登りをしますよね。 下の写真は薄い雲があってダメです。いくら待っても完全に雲が消えませんでした。また、この日は大気の水蒸気が多すぎで大空が白っぽい感じ。足しげく来れない場合は、気象庁の水蒸気衛星画像をチェックですわ。 とにかく、これはわが淡路島では絶対に撮れない写真です。
霧氷は青空を背景にすると際立つ
霧氷は青空を背景にすると際立つ





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