雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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ブナの原生林を観察する (その2)
ウラジロモミの巨樹はないが、ツガの巨樹ならばある
という感じです。海抜1300mともなればモミの仲間の樹木ではモミが完全に消え、あるのはウラジロモミばかりです。ウラジロモミはそこかしこに沢山ありますが巨樹と言えるようなものは全く見当たりません。剣山でも同じで、夫婦池のまわりはウラジロモミの純林が広がっていますが大木はありません。やはり、その種としての性質でモミは大きくウラジロモミは小さいという感じです。それから、ウラジロモミは谷筋や土壌の厚そうなところ、つまり乾燥しないところを好む傾向がありそうです。

一方、ツガならば幹周3~4mの巨樹が点々とみられます。ウラジロモミとツガは画然と棲み分けているのではないにしても、ツガは尾根筋に多い印象がします。急傾斜地にツガが多く、断崖絶壁みたいなところにツガが張り付いているのもよく見ます。乾燥に強く水はけの良いところを好むのでしょう。砥石権現~西砥石権現の尾根筋には場所によってはツガの純林が見られます。


↓ 尾根筋にツガが多く、ツガの純林になっているところもあります。ときにはこういうところにマッタケ (ツガマッタケ) が出てきます。
ツガ林
ツガの大木の根元
標準和名では 「ツガ」 ですが、林業や建築関係者では 「トガ」 と呼ぶことのほうが多いようで、用材の価値はかなり高く評価されていますね。アメリカ産の米ツガが安く入ってくるのですが、安物ではない国産ツガは高級品らしい。用材としては高く評価されるのに人工的な植林がまったくありません。スギに比べると生長が遅く資本投下しても利益回収に年数がかかりすぎるのか? 尾根筋で生育がいいから造林・育林に手間がかかるためでしょうか? 多分ツガの植林事業は商売にならんのでしょうね。ヒトは商売にならんことはやらない動物です。

ちなみに、そういう視点からは、悪徳政権が圧倒的多数の世論を蹂躙してまでこの国を戦争ができる国に何故したのか? 簡単です。戦争がビジネスであり、戦争が公共事業である人々がいるためです。米国の軍産複合体だけではなく、我が国にもいます。日本経団連は日本の武器輸出に諸手を上げて歓迎しました。自衛隊が国防軍になって軍需がふえれば喜ぶ重工がありますよね。そういうところが自民党に政治献金をして事実上の政治買収をしています。やはり小沢一郎さんが主張した 「企業・団体の政治献金全面禁止」 は正しいです。これはカネで政治を買収することを禁止するということです。カネで政治が買収され、民主主義が骨抜き・形骸化しています。かつて政治とカネの問題が声高にいわれましたが、本当の政治とカネの問題とは、このカネで政治が買収されている実態です。とにかく軍需産業が政治を買収しているのが根本問題です。カネだけでなく地位でも買収できます。軍需産業が天下りを受け入れるのは地位を餌にして政策買収 (政策買収による事後賄賂ということ) です。原子力村も同じ構図。世界中の国民・庶民は仲良くやりたいのに、各国の権力者どもは、マスゴミを使って庶民の憎悪や敵愾心やナショナリズムをあおって火種を熾 (おこ) しています。背後に戦争商売でメシを喰ってる連中がいるから、地球上から戦争がなくなればよっぽっど困るのでしょう‥。

ツガの大木
幹周は314cmもあります。これならば立派な用材になりそうです。
幹周は314cm


ウコギ科のハリギリの大木が目立つ!
これは 既出の写真 で前に申し述べましたが、砥石権現~高城山のブナ原生林ではハリギリの巨樹が点々と見られます。で、もう一度よく観察します。同じブナ帯であっても山によって巨樹が見られる樹種に微妙な違いがあって、高城山周辺ではカエデ類の巨樹、オオイタヤメイゲツとかイタヤカエデなどはあまり見当たりません。
ハリギリの大木
ハリギリの大木
ハリギリの大木の根元
なんと幹周は331cmもあります。
幹周は331cm


樹種不明の大木の根株
西砥石権現(標高1457m)の南斜面のブナ原生林には巨木の根株がたくさんあります。人為的に伐採されたものでは全くなく、自然に枯損して朽ち果て根株が残ったものです。写真のものはうっかり測り忘れましたが目測で幹周350-400cmのかなり大きなものです。腐朽化が進んでいるため樹種は不明ですが、樹皮が残っていてその樹皮の肌の感じではヨグソミネバリの可能性が80%とみます。ヨグソミネバリという樹種は別名が多く、ミズメとかアズサといえば名を知る人も多いかと思います。ダケカンバやシラカンバと親戚の樹ですが、剣山系のブナ帯では巨樹になる木です。でも、まあ、やっぱり幹周3~4m止まりです。ビックリするような巨木になるわけではありません。ビックリするような巨木になる前に色々な要因で枯れてしまうようです。
樹種不明の大木の根株


これも樹種不明の巨樹、付近は立ち枯れの樹が多い!
巨樹の立ち枯れが目立ちます。あたり一帯にはブナの立ち枯れも非常に多いです。この立ち枯れ樹がなんの木であるのか、かなり腐朽していますから判別困難ですが、立ち枯れの上の方に僅かに残る樹皮からミズメか? あるいはツガかな? という感じはします。幹周は405cmもあります。本日見た巨樹では最大のものです。
樹種不明
上の方にまとわりついているカズラはツルアジサイであると思われます。ただし、ブナ帯でも近縁種のイワガラミがあるのでその可能性は若干あります。飾り花が4枚ならばツルアジサイ、飾り花が1枚ならばイワガラミ。花の残骸を観察したいところですが、10m近い上なので手が届きません。
樹種不明
立ち枯れではありますが、幹周はなんと405cmもあります。枯れ木なので幹の材が乾燥委縮し、樹皮も剥がれています。よって生木だったころには幹周はもう少し大きく410~415cmぐらいだったのではないかな?
幹周は405cm


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ブナ帯の華麗な植物たち
↓ ラン科のツチアケビの果実です。地上部には全く葉がない無葉ランで (ただし地下茎には葉が退化した鱗片葉がある)、葉緑素をもっていません。葉緑素がないから自分で光合成して炭素化合物をこしらえることができず、菌類から栄養を奪っている 「菌従属栄養植物」 といわれる植物のひとつです。これは必ずしもブナ帯の植物ではなく分布は広く、淡路島の諭鶴羽山でもむかし沢山ありましたが、淡路島では最近では見なくなりました。 光合成をやめたラン科植物ツチアケビにおける鳥による種子散布 参照。
ツチアケビの果実
食べられるのか? 研究者の研究でツチアケビの果実は鳥類に食べられることによって種子散布をしているということが明らかになったようですが、ラン科の植物の種子はケシ粒みたいに小さく風散布だと思っていた常識を修正する必要がありそうです。動物被食種子散布であるならば、動物たちに食べていただくために毒を盛る必要がありません。逆で、糖分を盛って甘く魅惑的にしたり、よい香りで動物たちを誘引しなければなりませんが、ヒトが食べて美味いかどうかはまた別でしょうね。鳥類とヒトでは味覚等が異なるでしょうから。どんな味なんでしょうかね。
ウインナーソーセージみたい

↓ ミカン科のミヤマシキミの果実です。ミヤマシキミは深山に生えるシキミの意味と思われますが、徳島県では1000m以上のところに多いようです。むかしわが淡路島の諭鶴羽山の山頂付近に僅かにありましたが、最近では見なくなりました。これは有毒植物と言われています。シカの不嗜好植物なので、あちこちの山で広がる傾向があるように思います。赤く綺麗な実ですが有毒なので絶対に食べないように。
ミヤマシキミの果実

↓ トリカブトの一種のシコクブシです。有毒植物です。美しい花にはトゲがあるといいますが、これは毒があります。かなりの強毒のよう。これはブナ帯の植物なので瀬戸内地方の平地にはありません。花が美しいので岳人やハイカーの間ではお花見の対象です。 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:トリカブト 参照。トリカブト類を食べて死亡例もあるみたいだ。絶対に食べないように。
シコクブシの花




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