雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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神山町で2番目に大きなスギの木
●スギは吾輩の考えによると語源的には 「直ぐ」 という形容詞が名詞に単純に転用されたものであって、真っ直ぐなという意味であります。意味は同じであっても 「直ぐ木」 という説は間違っている。林業上もっとも重要な樹種なので広く植林され、このヒトの手で植えられることによって分布が撹乱され、本来の自然分布域がどのあたりか分からなくなっていますが、本州北部から九州・屋久島に至るブナ帯下部あたりが本来の分布域ではないかといわれていますね。ひょっとしたら暖帯上部 (中間温帯) あたりにもあったのかもしれません。ま、全島ほとんどが暖帯下部に当たる淡路島には真の自生のスギはないだろうと吾輩は思います。淡路島にあるのはヒトが植えたものか、それらが種子を散布して野生化したものであろうかと思います。 スギの特徴の一つは日本で一番大きくなる木であります。抜群の樹高を誇るのがスギで、まえに高野山に参詣したら、参道に沿って樹高50m超のスギが並ぶのは壮観でした。日本で一番高い木はみなスギで、70m前後の記録がいくつかあるようですが、いちおう、実測されたもので現存する最も高いスギの木は高知県の大豊町の 「杉の大スギ」 の68mか? 環境省の巨樹・巨木林データベースで検索すると、樹高80mが4本、72mが1本、70mが6本ヒットしますが胡散臭い感じ。80とか70などというキリがいい数字は実測じゃなくて目測だ。ようするにテキトーな数字です。幹周305センチで樹高80mちゅうのは嘘だ。モミが80m、イチョウが70mちゅうのもインチキ臭いよね。環境省のデータベースはときどき変なデータが混ざっているから注意がいります。

環境省の巨樹・巨木林データベースは、あれこれと抽出条件設定して検索して調べてみると、データの信頼性にやや不確かな面がありそうな感じです。同一の巨樹が二重に登録されているんじゃないか? というケースがかなりありそうです。いまでも巨樹の報告を受けつけているというから、以前報告された巨樹が後から来た人が調査して重複して報告するとか? そういうチェックはちゃんとしているのだろうか? それから、樹木は高いところで枝を広げ葉をつけます。樹木の同定には、分類学専攻の専門家でもてこづる場合があるようです。小学生でも、誰でも、調査できて報告が出来るということにすると、樹種の同定という肝心かなめの部分を誰がどうチェックしているんだろうか? 種の同定に疑問が生じた場合に備えて 「標本の提出」 の義務付けが必要じゃないか?

●むかし、もう40年ぐらい前ですが、三重県の伊勢の神宮の宮域林で1泊2日の研修を受けたことがあります。山小屋みたいな研修施設があってそこで集団で寝泊まりし、スギ植林の枝打ちをするという研修です。伊勢の神宮は広大な山林を所有していて、200年がかりで造林・育林事業に取り組んでいるのですが、身分は宗教法人の職員であっても実際は林業の専門家が事にあたっています。で、研修生が神宮司庁営林部長という肩書の担当官に 「伊勢神宮で一番大きなスギは何mぐらいの高さですか?」 と質問しましたところ、「100m近いものがあります」 という返答です。40年前のハナシですがハッキリとそう記憶しています。林業の専門家がそう言うのだから、まんざら嘘ではなく、伊勢神宮の背後の神域には100m近い巨樹があるのでしょう。90mとか、95mとかでしょうかね? ただ、学術調査隊でもそう簡単に入れない聖域の杜 (もり) なので実態は神秘のベールに包まれていますね。


都道府県別のスギ巨樹数

都道府県別のスギ巨樹の階級分布

奈良県の面積、3690平方キロ、スギ巨樹数 806本
滋賀県の面積、4017平方キロ、スギ巨樹数 725本
両県面積合計、7707平方キロ、スギ巨樹数1531本 10平方キロあたり1.99本

新潟県の面積12584平方キロ、スギ巨樹数1323本 10平方キロあたり1.05本

各府県の面積差を考慮すると、新潟県が多いわけではなく、むしろ少ないぐらい。



神山町で幹周第8位のスギの巨樹を観察
神山町で一番大きなスギの巨樹は、焼山寺から続く尾根の峠にあります。険しいお遍路道の峠なのですが行くのが大変なところなので、替わりに神山町で2番目のスギを観察しました。一番大きなスギは今度焼山寺に参詣したときに、焼山寺のスギ巨木林と併せて観察したいと思います。 で、とりあえず2番目のスギの自生地をめざして斜面を登ってきました。やや高地性集落の神山町阿野宮分という集落の鎮守のお宮にあります。見下ろした景色の中を流れる川は鮎喰川 (あくいがわ) ですが、ここでアユ釣りをするのは徳島市の人で、地元の神山町の人らはアユなど釣らないそうな。川の水量が少ないし、アユの稚魚の放流が少ないので面白くないとか‥。アユ釣りは吉野川本流がいいということか?
鮎喰川を見下ろす山の斜面に登ってきた
↓ 何本かのスギの巨木があります。モミの木の巨木もあります。石垣が丁寧に積まれているのが目を引きます。わずか20軒か30軒と思われる集落のお宮ですが、手入れや管理が行き届いて立派な鎮守のお宮です。
鎮守のお宮にスギ巨樹林がある
↓ 左手宮八幡宮といういわくありげな名前のお宮です。なんて読むのか地元の人に聞いたら、「さでみやはちまん」 と読むそうだ。なお、環境省の巨樹・巨木林データベースでは 「右手宮八幡神社」 と誤記しています。
左手宮八幡宮といういわくありげな名前
↓ 高さ10mぐらいの階段を上がるとすぐ右にそのスギ巨樹があります。地面は平で、幹はまっすぐで、同じ太さで立ち上がっています。これは幹周の計測は簡単です。
巨大スギ
↓ 真っ直ぐに太い幹が立ち昇っています。これを用材としたら長尺の材木が沢山取れそうですが、枝があるので節が多いかも? 何百年かむかしこれを植えたと思われますが、お宮の森厳さを出す風致林として植えたことも考えられるし、将来のご本殿建て直しの用材が目的だったことも考えられます。どちらだろうか?
見上げると首が痛い

幹周は6m25センチだ。環境省の1988年調査では6m01センチ。
幹周は6m25センチ

このスギ巨樹の生長速度は、幹周1センチ/年程度か?
環境省による1988年の調査でこのスギ巨樹の幹周は601センチです。吾輩が2015年に測ったら625センチです。27年間で24センチ幹周が増えています。年0.89センチの生長で、大雑把に年1センチだと言っていいのではないか? この樹のいいところは写真を見ても分かる通り根上がりでもないし、傾いているわけでもないし、異常なふくらみがあるわけでもありません。また地面そのものが平らでどこをどう測るか、ああでもない、こうでもない、と悩む必要がありません。地面から130センチの高さがどこか全く明瞭です。で、誰が測っても測定数値にほとんど違いがないと思われます。で、年およそ1センチの幹周生長量だというのは信憑性が高いです。 さすればこの樹の樹齢は約600年となってしまいますが、やや過大な感じがします。で、若い時には生長が早かったが、巨樹になってから生長速度が落ちているのではないか?



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