雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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徳島県神山町、峯長瀬の大ケヤキ (その2)
峯長瀬(みねながせ)への入り口は分かりにくく、道は狭い
徳島市から鮎喰川に沿って神山町の方へ向かう県道21号線を来るのが分かりやすいです。とにかく鮎喰川に沿ってくるのが分かりやすいのです。有名な徳島県立神山森林公園イルローザの森の入口から3キロ弱進むと写真の橋がみえてきます。この橋を渡ると信号で、農協支所やガソリンスタンドなどがあります。峯長瀬に登ってゆく道はその近くにあるのですが、とても狭い道なので大きな車で来るとたぶん立ち往生します。一番いいのは軽トラ農繁仕様が理想的です。そういう道です。長い距離を自在にバックできる自信がなければ行かない方がよろしい。
峯長瀬への入り口
↓ この農協支所を目印にします。三差路の交差点になります。道の反対側にガソリンスタンドあり。地図上の場所は → 神山町阿野五反地(あのごたんじ) 
この農協支所を目印にする
↓ 20分ほど細い山道を登ると大ケヤキにたどり着いた。峯長瀬の集落の一番上の家の横にあります。この家の方はよそへ行ったそうです。別の住民の方に挨拶をして、いろいろと話を伺いましたところ、昔はこのケヤキが御神木であって集落でお祀りしていたそうです。しかし軒数が減るにつれていつのまにかお祀りはやまったそうです。このケヤキ巨樹は根元や幹が巨大なだけでなく、大枝や樹冠に欠損が少ないので非常に巨大にみえます。
峯長瀬の大ケヤキ
↓ 剣山系東部の盟主、高城山(1632m)~雲早山(1496m)~旭ヶ丸(1020m)などの連山が指呼の間に迫って見えます。神山町の鮎喰川沿いの集落ではどこでも、高城山は前衛の砥石権現の背後に隠れて全く見えないのですが、大ケヤキのある地点は海抜420mの高台です。徳島市の市街地や紀伊水道もみえているし素晴らしい眺望です。
雲早山や高城山がよく見える
↓ 山は見る方向によって姿を変えます。山座同定を試みましたが、たぶん間違いはないと思います。ズームアップすると高城山のネギ坊主 (建設省のレーダー雨量観測所) が見えています。このネギ坊主が高城山のアイデンティティーになった感があります。
山座同定をした


巨大なケヤキで、目前にすると迫力があります。
最近、Sonyの4Kムービーを写真兼用としているので、写真が横長です。で、あまりにも巨大なケヤキなので3枚の写真を継ぎ合わせないと迫力が出ません。でもまあ、一番は目の前で実物を見ることです。うわああぁ! と言葉にならないほどの迫力です。

ところで、木と草の違いは何か? とよく自然愛好者の間で話題になりますが、植物学的には本質的な違いはなく、木には樹皮と木質部の間に形成層という組織があって、その形成層の働きで木質部が年々太るが、草には形成層がないという僅かな違いです。では、樹齢30年の小さな木と樹齢1000年の天然記念物級の巨樹との違いは何かと考えると、何の違いもありません。形成層の働きには若木も巨樹も関係なく、終りがないということなのでしょう。形成層の働きに終りがないからこそ巨樹になれたともいえそうです。土壌が深くて無機養分がたくさんあったとか、周囲に競争相手がなく太陽光を独り占めできたとか、樹齢数百年間には室戸台風級の暴風に何回も遭ったハズだが倒されずに無事だったとか、ま、運が良かったから巨樹になれたのでしょう‥。それから、木にとっては本来は天敵の筈のヒトが御神木にして崇めてくれた、というのも巨樹になれた大きな理由か?

峯長瀬の大ケヤキ
峯長瀬の大ケヤキ
峯長瀬の大ケヤキ

徳島県の天然記念物


幹周の計測が非常にむずかしいケースではないか
巨樹・巨木林の基本的な計測マニュアル の8ページでいう “その巨樹の中心線を想定し、その中心線が地面に接するところから130センチを決め、その中心線に対して直交するように測る” というのが一番該当しそうですが、微妙なところがあって計測者によって意見や解釈が大きく分かれそうな樹です。
生えているところは水平ではない
まず平地ではない斜面にあります。しかし斜面と言いきれない部分もあります。上側は竹林があり、下側はむかし畑だったのか? という土地の形状ですが、山の斜面かもしれないし、上の畑と下の畑との間の段差かもしれません。斜面ではなく小さな崖かもしれません。非常に複雑で微妙なところにあります。
下側から見ると3mの高さになる
樹の下側から見ればこれで3mの高さを測っています。足もとまでこの樹の裾は広がっているから高すぎる位置を測っているように見えてしまいます。ところが樹の上 (山手側) から見るとあまりにも巻尺を下に回しすぎているように見えてしまいます。これは測る人によって大きく数値が変わりそうです。吾輩の解釈・測定ではいちおう11m17センチです。これは概ね10mか11m程度という段階的表示にとどめて、細かな数字は言わないほうがよさそうな樹です。また細かな数字を言っても意味がなさそうです。
幹周は11mあまり

●それにしても高城山でも雲早山でも、ブナ原生林にはこんなとてつもない巨樹は全くありません。やはり天然記念物級の巨樹というのは、奥山の原生林にあるのではなく人里にあります。なお、ここは海抜420mの山の中のようですけれども、徳島県特有の高地性集落という人里であります。












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