雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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巨樹・巨木というのは、その多くが平野部や人里にあるのであって、深山のブナの原生林にあるのでは決してない。 (その3)
【考察の方法】

「巨樹・巨木というのは、その多くが平野部や人里にあるのであって、深山のブナの原生林にあるのでは決してない。」

両者の比較観察
本エントリは、上記の命題が正しいのか、間違っているのかを考察して、これが当っているということを明らかにしようとするものであります。その考察方法ですが、まず、平地の人里の巨樹巨木の実態を観察します。次に、深山の原生林を観察します。その後に両者を比較します。2つの物を比較するということは、片方をもう片方のモノサシや基準にすることであります。そうすることによってそれぞれの性質とか相違がハッキリと浮かび上がります。
作業仮説の設定と、その検証
それから、とりあえず、二つの作業仮説を設定します。この作業仮説は、当っているかもしれないし、外れているかもわかりません。真偽は不明です。これを実際の観察、現地での計測、文献調査から真偽を考えたいと思います。

作業仮説 ①、そもそも、人里には巨樹になる樹種があるが、深山の原生林には
         それがない。
作業仮説 ②、人里では巨樹になるまで生長可能であるが、深山の原生林では
         巨樹になる以前に枯れてします。


●調査フィールドとして選んだのは、申すまでもなく深山の原生林は高城山~砥石権現のブナ林です。これは林野庁のブナ林退治の悪政から免れた原生林で、徳島県内ではまとまった面積の良いブナ原生林です。人里の調査地としては高城山の北側山麓にあたる徳島県 神山町 (かみやまちょう) の巨樹・巨木林を調べます。


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剣山地の主稜線の北側、鮎喰川に沿った神山町
神山町は森林率が高く (スギ植林ばかりだが) 自然が豊かな良いところです。
剣山地の主稜線の北側の神山町
↓ 神山町役場を表敬訪問しましたが祭日なので誰もいません。前庭にスダチの巨木があります。神山町は山間部になるので冬は意外に冷え込み、冬の低温のため温州ミカンが栽培できず、低温に強いスダチが盛んに栽培されています。神山町の特産品です。ちなみに、剣山方面に峠を超えて木屋平村へ入るとさらに気温が下がりスダチ栽培も難しくなってユズが栽培されています。
神山町役場の前庭のスダチ古木
根元はミカン類としては大変太い

ありふれた鎮守のお宮に、ビックリの巨木がある!
神山町は巨樹・巨木の多い里です。鮎喰川にそって走るとあちこちに社叢林があるので立ち寄ってみると、どこにもビックリの巨樹があります。神山町で最大の巨樹は幹周13mのイチョウの木です。幹周5m超がズラリとある巨樹の村です。神山町役場から鮎喰川上流の方にむかって3.7キロにある 宇佐八幡神社という所 にやってきました。こんもりと茂る社叢林が見えたので立ち寄ったのですがビックリ仰天です。神社の入り口の近くに民家がありおばあちゃんが庭先にいたので聞いたら、そのあたりの集落の鎮守のお宮さんです。特別に崇敬範囲が広いとか、巨大な氏子を擁するとかではありません。ただの村の鎮守のお宮さんですが、巨木がズラリとあるのに仰天です。
宇佐八幡神社の社叢林
鳥居に架かる社号額
↓ 手水舎で手を洗うと、横にいきなり巨大クスノキがあるではないか! 目測で手前のが幹周4m50くらいか? 奥のものは5~6mクラスですね。
手洗鉢の横にいきなり巨大クスノキ
↓ 徳島県指定であるが天然記念物の巨樹があるらしい。でも、こんな説明看板の樹齢なんていい加減なものです。適当にハッタリを書くものです。
県指定の天然記念物があるらしい
↓ 鳥居をくぐり神門を通り抜けて鏡内に進むと仰天です。写真ではその臨場感は全くないのですが、これは巨大です。巨大なクスノキが2本もあります。
鏡内には巨大クスノキが2本ある!


手前の巨大クスノキは、幹周6m18センチ
唖然とする大きさです。見事すぎて声もでません。
神門のはるか上に大枝を広げる
見上げる
巨大な幹が立ち上がる
手前の方 (神門に近い方)
幹周6m18センチ


奥の巨大クスノキは、幹周6m87センチ
御神体はこのクスノキそのものではないか? と思えてきます。思わず手をあわせて願い事をしたくなるような巨大なクスノキです。ただし、畏敬の念を起こすような巨樹ですが、ただの大木であって願い事などしても叶いませんが‥。それにしても、高城山のブナ原生林にはこれほどの大木は全くありません。
本殿高く聳える巨樹
見上げる
太い幹が立ち上がる
奥の方のクスノキ巨樹
幹周6m87センチ


巨大スギ、幹周4m23センチ
この大きさはわが南あわじ市旧南淡町灘の諭鶴羽神社の大スギとほぼ同じですが、主幹や大枝に欠損がないから非常に大きく見えます。
巨大スギ
巨大スギ
幹周は4m23センチ


巨大スギ、幹周3m34センチ
スギは語源が 「直ぎ」 です。真っ直ぐな木という意味です。幹周3mちょっとでも太さがあまり変わらない幹が天空に向かってそそり立つので、幹周以上に非常に巨木に見えます。
スギは幹周3mでも物凄く巨大
幹周は3m34センチ


このウラジロガシでも幹周3mはありそう
巨大クスノキを見たらなんともかわいいものに見えますが、目測で3mありそうです。高いところで葉を茂らせているのでハッキリわかりませんが、樹皮等からウラジロガシと思われます。コジイの可能性もありそうですが、樹皮がコジイじゃないです。
ウラジロガシの巨樹


少し離れてみると、宇佐八幡神社の社叢林は巨樹・巨木ばかりであることが分かります。樹高はクスノキよりもスギの方が高いですが、ここのクスノキは樹高があります。仮に拝殿の階段の下から屋根のてっぺんまで高さ8mとすると、(それぐらいだと思います)一番高い木の樹高は37mぐらいか? 拝殿の屋根の高さを実測するとスギの樹高がほぼ正確に出てきそうです。案外もっと高いかも? 特別な神社ではなく、どこにでもあるという鎮守のお宮さんにこれだけの巨樹があるということは、巨樹は里にあることを雄弁に物語っています。
離れて見ると、巨樹ばかりの社叢林であることが分かる



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