雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その9)
環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル9
ブナ科 シイノキ 幹周3m83cm
南あわじ市 (旧 三原町) 八木馬回 (やぎうままわり) 地区の入り口にあります。成相寺の手前、国道28号線の方へ200mあまりです。何をお祀りしているのか分かりませんが、山門 (神門かも?) のような建物があり、奥に小さな石の祠のようなものがあります。その背後に巨大なシイノキがあります。ご神木? であるならば注連縄を張るハズですが、注連縄を張っていないからご神木ではないでしょう。
馬回地区入り口のシイノキ巨樹
このシイノキは幹周の実測値以上に巨大に見えます。数mの崖の上にあるので、測定基準では崖の上側から地上130センチを測ることになります。しかしながら幹は崖の斜面に生えていて巨大であるがゆえに崖の上部まで幹が達したようです。結果、幹のかなり上部を計測することになってしまいました。幹の裏側を覗くと幹周5~6mクラスの巨大さに見えます。幹の下部・生え際は八の字状の元広がりで、板根状の発達もみられ壮観です。マイタケでも出てきそうな巨木ですが、マイタケは出ません。以前に カンゾウタケ が出ていました。カンゾウタケは欧米では 「貧者のビーフステーキ」 とか 「牛の舌」 などと称し、盛んに食用にされるらしいですけれども、気持わるそうで吾輩は試食したことはありません。
馬回地区入り口のシイノキ巨木
幹周は3m83センチ
幹周3m83センチ



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル10
ブナ科 シイノキ 幹周3m60cm
南あわじ市 (旧 三原町) 八木馬回 (やぎうままわり) にある 成相寺 の奥、一段高い所に天野神社があります。ご本殿の裏はシイノキが優占する社叢林ですが鬱蒼と茂っています。こういう鬱蒼と茂る所のシイノキの巨木にマイタケが出ます。で、毎年秋にはここに来て森の中を徘徊するのですがまだ見つかりません。たぶん、ここにはマイタケはないようです。マイタケの発生木がもしあっても、数年に1回しか出ないことも多いです。この森にマイタケが無いと確信するには何年か通いつめる必要があります。じつは天然マイタケを見つけるには、ほとんど執念で足しげく森を探索するしかありません。簡単にあきらめないことです。マイタケに関するコメントを戴いたので、以上がささやかですがアドバイスです。なお、マイタケはサクラの木やカシ類 (シラカシ・アカガシ等)、クリの大木にも出ます。標高の高いブナ帯 (冷温帯) ではミズナラに出ます。まず、樹木の名前を覚えましょう!
天野神社のシイノキ
社叢林の中にある
このシイノキは天野神社のご本殿の裏の急斜面にあります。斜面の傾斜面から、幹の主軸線方向へ130センチのところを計測しました。若干根上がりなので、図中の「ひこばえ」の生え際から130センチです。ちょうど130センチのちょっと下で大枝が分岐しています。で、主幹のみ測りました。
図のように130センチの所を測った
幹周は3m60センチです。
主幹の周囲は3m60センチ




環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル11
ブナ科 シイノキ 幹周3m82cm
国分寺のシイノキ巨木

南あわじ市八木国分の 国分寺 の庫裏の横のシイノキの巨木です。住職さんに調査の許可をお願いしたら 「うちにはヒノキの大木があって、いわれのある銘木だ」 という意味を匂わす口ぶりです。ひと目見て幹周3mに足りません。250センチか260センチにしか見えません。念のために巻尺を回してみましたが280センチです。目測はちょっと過小評価でしたがやはり3mに足りません。環境省の巨樹・巨木林調査の基準に達していません。住職さんは残念そうでしたわ。 ところが、奥のシイノキです。ひと目見て360センチはありそうです。巻尺で実測すると382センチです。堂々たる大木です。 でも、やっぱり住職さんは不服そうでヒノキにご執心です。

「あと何年でヒノキが3mに達しますか?」
「年輪幅は1年分が最大1センチ、普通は2~3ミリとか3~4ミリとか、樹種によるし、若木か老木でも違うし、土壌水分とか肥沃度とか日照などさまざまな条件で、ケースバイケースでしょうが、良く育って年輪幅5ミリで左右両側で1センチ、円周率を掛けて幹周3センチですかねえ? 育ちが悪いと2センチでしょうか?」
「なるほどそういう算用ですか。じゃあ、あと10年かあぁ‥‥」
「実際は生育条件で様々なんですけど、多分、それぐらいじゃないですかね」

環境省基準をクリアした巨木がシイノキであって、ヒノキじゃなかったのが残念そうでした。どうやら、たとえば、むかし有名な僧侶が来て手植えしたヒノキであるとか、相当ないわれがありそうな感じです。しかし基準に達しない木はどんないわれがあっても取り上げることは出来ません。で、そのヒノキの写真はなしです。

建物側の枝を昨日伐ったそうだ

幹や大枝に欠損がある
幹や大枝にかなりの欠損があります。台風の暴風で幹がバッサリと折れたような痕跡がみられ、幹に空洞が出来かかっています。あまり健康な木じゃなさそうです。建物の屋根に障害になるため最近枝打ちしたそうです。建物の横に大木があると建物が傷みやすいです。大木も建物も両方同時に護るのは難しく、どちらをとるか選択を迫られます。
幹や大枝に欠損がある
幹周は3m82センチ。堂々たる巨樹です。
幹周は3m82センチ



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コメント
コメント
>巨木探し、結構、面白いでしょ?

実を申せば、全然探してないんですよ。

確か、あそこに大きな木があったよな、ここにもあったハズだ、という感じで仕事を片付けた夕方に巻尺を持って確認に行っているだけ、というのが実際のところです。探し回っているわけじゃないんですわ。というのは元々植物の観察や調査をするのが趣味でして、南あわじ市や洲本市ならば山・尾根・谷・海岸・池などほとんどのところは踏破しています。津名郡は津名郡の人らに任せて私はあまり津名郡には立ち入らないのですが、淡路島南部ならばどこにどんな植物があるのか、大木があるのかということでしたらおおよそ見当がつきます。30年間山でも平地でも歩きまわっていますから、別に探し回る必要もないのですが、確認に行く必要はあります。巻尺で実測しないと数字は示せませんから。
http://www.kankyo.pref.hyogo.jp/JPN/apr/hyogoshizen/reddata2010/rdb2010/syokubutusenmon.pdf
この兵庫県版レッドデータブックの関係者の名簿に中に私の名前もあります。植物の観察・調査をしています。巨樹の観察というのは植物調査の副産物みたいなものです。私は環境省の色々な政策に批判的な考えを持っています。で、巨樹が三原郡でたった20本とはいくらなんでもダメだ、調査するんだったらもっと気合いを入れて調査せんかい! という環境省を激励する目的です。自然史の調査は網羅主義、悉皆調査・全数調査です。適当に標本を抜きとるような調査でお茶を濁すようではダメだということを示そうとしています。

残念ですが、私は巨樹・巨木林ファンじゃ全くありません。ファンであるとすればキノコファンです。食べられる天然キノコ探しはとても面白いものです。16日まで忙しいのですが、17日以降に四国の山に腰籠をさげてキノコ探しに行きますわ。キノコ探しほど面白いものはありません。晩のおかずにもなりますし。
2015/09/14(月) 07:29:20 | URL | 山のキノコ #- [ 編集 ]
住職さんも人の子ですね~
当たりまえなんだけど、ちょっと笑っちゃいました。

崖の巨木、気をつけてください。
巨木探し、結構、面白いでしょ?
(*^.^*)
2015/09/14(月) 02:09:42 | URL | 淡路島情報館 #mQop/nM. [ 編集 ]
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