雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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高城山の来年のシャクナゲの花付きを検分したところ、不可ではないが良でもなさそう‥
徳島県・高城山 (標高1632m) のツクシシャクナゲ
写真はみな8月19日撮影。天気が悪いので十分な観察ができませんでしたが、シャクナゲの来年の花付きを検分しました。写真の場所では来年はそこそこの花が期待できますが、高城山や周辺の山全体ではよく観察しないとなんとも言えません。今年は全くダメだったのは昨年の見事な開花の反動ですが、昨年は爆発するような見事さで10年に1度の絢爛だったので、反動は2~3年尾を引くのではないか
ツクシシャクナゲの自生
↓ これをみれば紛れもなく常緑の照葉樹そのものです。葉の表面のクチクラ層が発達しているのかテカテカと光沢があります。ツバキやヒメユズリハの葉みたいに光沢があります。どうみても温帯の落葉広葉樹とはかけ離れた姿をしています。で、シャクナゲは本来は暖帯の樹木であったものが、耐寒性を獲得して温帯の山の上にまで分布を広げたものだという見方があります。確かに、志摩半島でも徳島県南部でも淡路島でも各地の暖帯のシイやヤブツバキの照葉樹林の中にシャクナゲ群落が点々と存在していますね。そういうことであるから、シャクナゲが温帯 (ブナ帯) の植物だと言いきれません。
葉は光沢があって照葉樹そのものだ

↓ これは剣山で2月28日撮影。シャクナゲの冬の姿です。葉を巻きこんで葉が外気に触れる面積を極小にしています。蒸散作用で水分が奪われるのを避ける防御反応です。ここは-10度は当たり前、-15度とか-20度もあり得る厳寒地です。地表の土壌は凍結し、根が浅く横に広がるシャクナゲは土中から水分を吸い上げることはできません。で、この厳しい環境を耐える為に葉を巻きこんでいるものと思われます。寒さに弱い常緑照葉樹でありながら厳寒を凌ぐ戦術を身につけたので、山上の温帯上部さらには亜高山帯にまで分布を拡大できたのであろうかと思われます。
葉を巻きこんで厳しい寒さに耐える

↓ 西日本にあるシャクナゲで、花冠が7裂していて、葉の裏面に赤褐色の毛がびっしりとあるのがツクシシャクナゲ、毛がないか少ないのをホンシャクナゲとしていますが、大した違いではありません。九州本島のものはみなツクシシャクナゲですし、四国西部でもツクシシャクナゲが多いです。四国東部では両種がみられます。中間型のものも非常に多く、どちらとも言えない、あるいはどちらでもある、というものが沢山でてきます。剣山系や紀伊半島の大峰山系では標高が低い所ではホンシャクナゲ、標高が高い所ではツクシシャクナゲの傾向がハッキリあります
葉の裏は赤褐色の毛がびっしり

↓ ツクシもホンシャクナゲも花芽分化の時期は夏前で早く、夏の終わりには既に翌年の花の蕾が出来ています。蕾は大変に大きいので、尾根ごとに自生するシャクナゲの蕾を調べれば来年の花付きの予想が完全にできます。来年のシャクナゲの花見はどうでしょうかね? この写真を撮った群落では花の多寡は “平年並み” だと思います。
既に来年の花のつぼみが出来ている


ヒカゲノカズラとマンネンスギ
↓ ツクシシャクナゲの林床に、ヒカゲノカズラマンネンスギ が仲良く生えている珍しい光景です。ヒカゲノカズラは暖帯~温帯にかけて分布が広く吾輩の自宅の近くにも剣山の山頂にもあります。マンネンスギはどちらかと言えば温帯のシダ植物で平地にはありません。(淡路島でも諭鶴羽山系の上部の岩場など希にあります)
ヒカゲノカズアとマンネンスギ

↓ ヒカゲノカズラの胞子嚢穂 (ほうしのうすい) です。淡路島の柏原山のシカ (鹿) はこのヒカゲノカズラの胞子嚢穂の味を覚えて盛んに食べています。一般にシカはシダ植物を食べないのですが、食べる事例も出てきました。高城山のシカたちはこれを食べないのでしょうかね?
ヒカゲノカズラの胞子嚢穂

↓ 地中の浅い所に横に走る針金みたいな茎があります。その茎のところどころから地上に枝葉を出しています。つまり、写真に見えているものは複数の個体ではなく、地中ではみな繋がっている1個体である可能性が濃厚です。ひょっとすると複数個体かもわかりませんが、全部掘り上げてみないと分かりません。
マンネンスギ

↓ スギ (杉) の小さな苗木そっくりの姿をしています。で、マンネンスギ(万年杉)というのでしょうが、万年とは常緑性という意味であり、スギは冬でも青々として常緑です。ならば万年などと言うまでもなく、スギシダとでも言えばいいのですが、このマンネンとは常緑性の万年ではなく 苔のマンネングサ の意味ではなかろうか、という説が有力。確かにスギ(杉)の苗木みたい


オオカメノキの赤い果実
↓ 剣山地のブナ帯では非常に多いです。 オオカメノキ の真っ赤な美しい果実です。黒いのも混じっています。食べられるのでしょうかねえ? 赤くて美味しそうに見えます。低地や丘陵帯に多いガマズミの近縁種ですが、ガマズミの実は甘酸っぱくて食べられますし、ごく一部の地方では薬用にガマズミを栽培しているほどです。そのガマズミの親戚の木なので、オオカメノキの実も食べられる可能性は高いと思われます。どなたか試食してみてはいかが? ただし、吾輩は安易な試食など絶対にしません。そもそもがキノコファンなのですが、日本列島には食べて命を落とす致死量がキノコ1本の猛毒菌が10種ほどあります。中毒菌・弱毒菌なら多数。安易な試食などしていたらやがて名前がかわりますわ。で、吾輩は絶対に試食はしない主義です。
オオカメノキの果実 喰えるのかな?
↓ こちらはオオカメノキの花です。美しい花です。同じ高城山ですが5月5日の写真です。装飾花 (かざり花) が立派ですが、ヒトにもいるんですね。ほんまの中身は貧相なのにやたらと着飾ってミエを張る人が‥。
オオカメノキの花

ハリギリの葉
↓ 一瞬、何の木か分かりませんでしたが、目をこらして観察すると ハリギリ だと気がつきました。春の新芽は上等な山菜です。高城山山頂付近では5月上旬が採り頃。人の顔は十人十色ですが、植物でも同じです。葉の形状にかなりの変異があって極端なものでは別種に見えてしまいます。写真のハリギリの葉はまるでヤツデの葉みたいです。リンクの波田先生の写真の葉とずいぶん違います。
ヤツデみたいな葉のハリギリ







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