雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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トンビマイタケは、全国区の食用菌になれるか?
●高越山 (標高1133m) の山頂付近にある高越寺で盛大に修せられた柴燈護摩法要を見学したのち、尾根伝いの林道を通って徳島のヘソまで来ましたが、草木も眠る午前2時になっていました。結局、剣山へは向かわずに高城山 (標高1632m) にやってきました。夜が明けるまで車中で仮眠しましたが、午前5時に起きたが天気がかんばしくありません。ご来光が拝めないどころか、山々は雲が (霧が) かかっています。こりゃあ、アカンわね。眺望も何も見えれへんわ。残念! ま、眺望はダメですがキノコ狩りがあります。なんせ海抜1500mを越える山の上じゃ既に秋のきのこシーズンは始まっています。天気が悪く、雨も降ってきましたが腹ごしらえをしたら、いざキノコ狩りですわ!
徳島のヘソ
国土地理院の地形図上で、徳島のヘソの位置はここ (+マークのところ) ですが、標高は1490-1500mです。(正確にはわかりません) 何か説明看板みたいなものがありますが、何が書いてあるかというと、
高城山風致探勝林(釜ヶ谷国有林) の説明看板
ということです。高城山の標高が1627.9mとしてあるのは、旧版の地形図の三角点標高です。現行版では1628.0mに改訂されています。現行版の標高点では1632mとなっています。現地 (高城山の山頂付近) を観察しても三角点よりも100mほど東のピークのほうが目で見ても明らかに高いです。よって、高城山の標高は1632mとすべきであります。三角点標高をその山の標高とする思い込みは、いくらなんでももう卒業すべきです。
天気が悪く、眺望はない。
朝飯は携帯コンロで湯を沸かしてチキンラーメンと、昨夕に買っておいた巻寿司だ。チキンラーメンといえば世界最初の即席麺であり、鳥がらスープの元祖であり、日清食品の創業者が発明したものです。吾輩が子供のころはこれしかありませんでしたし、これが爆発的な人気でした。(そのご模倣品が雨後のタケノコのように出てきた)
本日の朝めし
チキンラーメンの発明で立身出世をなしとげた日清食品の創業者の 安藤 百福 (あんどう ももふく) 氏が偉いのは、96歳で亡くなる前日まで毎日昼めしにチキンラーメンを食べていたということであります。大変に立派です。自分が発明し会社の屋台骨を支えるヒット商品に絶対の自信をもち、誰よりも自らがその商品の一番のファンであるというのは考えさせられますね。誠実に生きるための世の中のお手本、鑑 (かがみ) です。 さて、「食べて応援」 などと言っている連中、お役人どもは食べているんでしょうかねえ? 非常に疑わしいです。お役人たちの庁舎内の食堂では、かの地の食材を使っているような宣伝をしていますが胡散臭すぎます。食べているような格好をしているだけです。おそらく言行不一致だろうと見ます。そういう口先だけの者どもは、安藤百福氏のツメのあかを煎じて服用しなければなりません。

高城山登山口の道標
↑ 高城山への登山口です。道標や注意書きなどにぎやかに立っています。まるで小学生に向かって 「こうしましょう」 「ああしましょう」 と言っているみたいです。お役人から見たら、しもじもの国民は無知蒙昧で品性もモラルもなく、噛んで含めて指導してあげなければいけない愚者どもなのである、という見降ろす視線です。 それはともかく、登山口といっても標高は1530-1540mで、山頂まで標高差でたった100mしかありません。せいぜい洲本市の三熊山を登る程度です。


きのこ狩りシーズンの幕開けは、トンビマイタケから始まる!
今秋 (つまり立秋以降) 最初のキノコ狩りであります。いよいよきのこファン待望の秋になりました。下界はまだ残暑の猛威でくたくたですが、標高1500mの高所は愁色濃くススキの穂が出ていましたね。持参した温度計を出して測ったら徳島のヘソで8月19日午前6時で16度です。同時刻に徳島地方気象台では24.9度、アメダス穴吹で23.2でした。下界よりも7~9度ぐらい低くなっています。きのこシーズンの幕開けを飾るのは何といってもトンビマイタケですが、毒茸のツキヨタケはわずかに幼菌がちらほらという感じです。ブナハリタケの発生も早いのですが、探したがまだ見つかりませんでした。これから9月に入ってくると、食用キノコの宝庫のブナ帯では、様々なキノコたちの絢爛が始まります。

↓ こちらはヒラタケですが、ウスヒラタケっぽいです。ひだが見える裏側です。味噌汁の具によく合うキノコです。ブナの立ち枯れに出ていました。

ヒラタケ裏側
↓ こちらはヒラタケ (ウスヒラタケ) の傘の表側です。これは秋のキノコというよりも、晩春や初夏などによく出てきます。梅雨期にもよく出ます。上手く当たれば立ち枯れ樹にびっしりと生え収量が多いキノコですが、写真の物しか出ていませんでした。残念!
ヒラタケ表側

↓ トンビマイタケです。徳島県高城山産です。発生時期は高城山でも8月で、お盆前後です。他のキノコに先駆けて出てきます。 東北地方の一部、秋田県と山形県で珍重するキノコとして有名ですが、全国区的にはキノコ狩り対象外です。秋田・山形県以外のところでは見向きもしないキノコです。納豆に似ています。関東人は 「こんな美味いものはないのよ」 と毎日食べるようですが、関西では 「これはクソみたいな腐敗物や、喰えれへんわ」 と、食い倒れの下品な大阪人でも納豆は喰わんですわね。
トンビマイタケ
↓ トンビマイタケはブナの大木の枯れ木の根際に出ます。健康なブナの樹には出ません。一見健康そうに見えてもどこか傷んでいる樹や、立ち枯れに出るのですが、腐朽が進んだ切り株などにも出てきます。ブナの樹のみに出るキノコで、マイタケのようにミズナラやアカガシやシイには出てきません。しばしばブナの大木には大きな塊が5個も10個も出て、花が咲いたような壮観さには声も出ません。天気が悪く断続的に雨が降ったので十分に探せませんでしたが、高城山~西砥石権現一帯のブナ林でトンビマイタケの発生木を7本見つけました。別に珍しい物ではありません。
トンビマイタケはブナの大木の枯れ木の根際に出る

↓ 本日 (2015年8月19日) の収穫。トロ箱一杯の大収獲です。秋田県や山形県の人たちは 「トンビマイタケは、天然品は奥山のブナの樹に出る珍しいきのこで、なかなか手に入らない」 というふうに言っていますが、そうなんでしょうか? 写真の物を採取するのに30分もかかっていません。徳島県のブナ林ではトンビマイタケはありふれた普通種で、その発生頻度は非常に高く簡単に採れます。 でもこれは秋田・山形県よりも発生頻度が高い? というわけではなく、徳島県では本菌を採る人など全くいないから、自分によく当たるということかも分かりません。その点は調査しないとハッキリ分かりませんが、キノコ狩りの競争相手が皆無? ということか。
本日の収獲


調理の一例 (吾輩のこしらえた作品)
↓ トンビマイタケごはん。エビごはんじゃねえか? と言われそうでありますが、ちゃんとトンビマイタケが入っています。トンビマイタケはマイタケの近縁種であるから、穏やかな香り、ほのかな旨味、滑らかな口当たりなどは酷似しています。本菌の特徴から先ず第一に炊き込みご飯で賞味するのが良いキノコといえましょう。作り方のコツは、トンビマイタケのカットのしかたにありそうです。トンビマイタケはやや繊維質の強いキノコで、キノコの繊維にそって縦に手で裂くよりも、その繊維を分断するように横に薄く短冊状に切ったほうが、遥かに舌触りがよくなります。ギョーザの皮みたいになって、ぺろんぺろんとした食感で美味いです。
トンビマイタケご飯
↓ トンビマイタケとなすびの炒め煮。作り方は単純で、フライパンにサラダ油を垂らし熱します。トンビマイタケとなすびを適当にカットしたものを放り込んで炒めます。調味料は砂糖・醤油・唐辛子を投入して、汁気がなくなるまで煮ます。トンビマイタケはなすびと相性がいいとされます。
トンビマイタケとなすびの炒め煮


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秋田・山形県ではトンビマイタケは高級キノコ!
●トンビマイタケをキーワードにして検索すると、山に行ってトンビマイタケを採ったとか、山菜業者が販売しているなどのハナシは、ほとんどが秋田県と山形県やごく近隣地域の関係者です。他府県ではトンビマイタケのハナシはほとんど見当たりません。秋田・山形県では、「トビタケ」 「ブナマイタケ」 「ナツマイタケ」 「ドヨウマイタケ」 など様々な別名が存在するようです。じゃあ、徳島県の剣山地での地方名は? そんなものありません。誰もそんなもの採らないからです。その対象物に関心がなければ名前など存在しません。剣山地東部でトンビマイタケを採るのは高城山の主 地下足袋王子 さんと、吾輩、長靴王子 (長靴で剣山から下山するときに、登ってくる登山パーティーから称号を頂戴した) ぐらいかも? ところで地下足袋王子さんはプロの料理人です。お客さんの女性とかかえ持っているトンビマイタケをどのように料理したのでしょうか? ネットに情報をアップしたら筒抜けですね。隠せません。元の職場の 四季美谷温泉 へ持って行って 天麩羅 にしたみたいです。一皿400円で限定販売。味わってみたい方は急いで徳島県那賀町へ! それにしてもなるほどプロの知恵ですね。天麩羅では衣をつけるから黒く変色したのも隠せますね! 

●さて、トンビマイタケ販売で検索して出てきた業者をリストアップしてみました。秋田・山形県の地域限定ながらトンビマイタケのビックリの高価さには驚かされます。相場は1キロ4000円~7000円ぐらいか? なんと法外な値段であろうか! みちのく北部ではスーパーの店頭でも売られているらしいのですが、値段が高くてなかなか買えないとか‥。剣山スーパー林道の沿線ブナ林じゃごろごろと転がっているしタダです。採りにいらっしゃいと言っても、来るのにかかる交通費のほうが高そうじゃわ。

庄内の恵み屋 (山形県鶴岡市東原町)  500グラム3780円
山物屋 さんぶつや (山形県小国町) 500グラム3000円
真室川きのこ本舗 (山形県最上郡真室川町) 1キロ4000円
朝摘み屋 (山形県西村山郡朝日町) 1キロ4800円
山形産松嶽販売 きのこや (山形県東置賜郡高畠町)  値段不明 非売品?
直売所 ほっといん鳥海 (秋田県由利本荘市鳥海町) 値段不明
「トンビ舞茸」と「とんび祭り」 直売所 (秋田県仙北市白岩地域) 値段不明
山菜、きのこ 直売所 ちいくろ (宮城県大崎市古川柏崎) 300グラム2400円



トンビマイタケの人気が全国区にならない理由
トンビマイタケはブナ林に産する真夏のキノコですが、ブナの北限地は北海道の渡島半島の蘭越町 (有名なニセコの隣) の ツバメの沢川 の上流あたりでしたか? 南限地は鹿児島県の桜島の火山灰が飛んできそうな 高隈山 です。で、トンビマイタケは本州を中心に広範囲に分布しているものと思われますが、食用キノコとしてもてはやすのは東北地方の一部だけです。それは何故なのか申すまでもなく、トンビマイタケは触ると黒変するという性質があるためです。山で見つけた時は白くて美しいキノコですが、家に帰る頃にはあちこち黒変して薄汚くなっています。料理していたら手も包丁も黒くなりますわね! 山形・秋田県の人々はそんなの当たり前のことで気にもとめていないようですが、他府県の人ならば 「なんじゃ、こりゃあ」 と驚いて、せっかくの美味なトンビマイタケも黒く薄汚くなっては捨ててしまうのではないか? 一部で盛んに栽培もされているようですが、全国区の人気食用キノコにするにはかなり難しいそう‥‥。



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コウタケですが、淡路島にはない可能性が高いのでは?
どちらかと言えば、信州~北関東~東北~北海道で採られるキノコかと‥。
その方面では道路の青空市で、目玉が飛び出る高値で売られるみたいですね。

西日本では深山~ミズナラ・ブナ帯ではあるみたいです。
各地のキノコの会が地域キノコ図鑑を出版していますが、

『徳島県きのこ図鑑』ではコウタケの記載なしです。
『岡山県のキノコ』 蒜山で採取した写真が載っています。
『広島県のキノコ』 芸北町での採集品が掲載されています。

ネット文献では
http://www.pref.shimane.lg.jp/admin/region/kikan/chusankan/syoseki/research/No6_kenkyuhoukoku.data/kenkyuhoukokudai6gou09.pdf
『島根県東部地域におけるコウタケ発生要因』 が大変参考になります。
西日本じゃ、比較的に中国山地や日本海側での発生が多いみたいですね。
島根県東部では平地近くでもあるみたいですが、
乾燥の著しい瀬戸内気候の支配下の淡路島と環境が異なりますね。

そもそも照葉樹林帯の淡路島は大面積のコナラ林もクヌギ林もないし、
もちろんブナやミズナラは淡路島には分布していない樹木です。
淡路島では、キノコはあまり期待できないですよね。
2015/09/18(金) 21:27:44 | URL | 山のキノコ #- [ 編集 ]
淡路島でもそろそろ舞茸のシーズンでしょうか?
今年は早いと踏んで、10月2日に探しに行こうと休みをとってみました。

先日は中川原の山を登るついでにコウタケ探しをしておりました。
淡路島では出るか聞いたことはありますか?
雨も多く、涼しくなってきたのでいろんなキノコが生えてますね!

2015/09/18(金) 17:12:56 | URL | はさみ #- [ 編集 ]
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