雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
201708<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201710
剣山にハクサンシャクナゲを見にいこう! (その2)
見ノ越を5時15分に出発して登山道を登ってきました。国民的作家の吉川英治の長編小説の 『鳴門秘帖』 (なるとひちょう) には剣山が舞台の一部になっていますが、 主人公の法月源之丞の父、世阿弥がとらわれていた剣山の石牢があったのはここか? (剣山北東斜面の行場だという説もある) という西島神社にたどりつきました。ちょうど6時00分で、標高は1660mです。丘陵帯~山地帯に生育する針葉樹のツガの樹が、一斉に亜高山帯に生育するコメツガに変わってきました。
西島神社

↓ よく歩き込まれた登山道のへりにはヒカゲノカズラがありますわね。これは別に高山植物ではなく平地にもあります。吾輩の自宅の近くのワラビ採取地 (海抜100m) にもわんさかとあります。なぜヒカゲノカズラを取り上げるかと申せば、徳島県内の登山愛好家のブログを拝見していたら、「妙なコケがあるが何ですか? 教えてください」 とあったので、吾輩は植物分類学を専攻したわけじゃないのでお答えするにはふさわしくないのですが、お答えします。これはコケじゃなくてシダ植物です。ヒカゲノカズラ なんて言いますが、自生環境を観察したら例外なく陽が良く当たるところにしかありません。周囲の樹が茂って日蔭になるとヒカゲノカズラは消えてしまいますわ。よってヒナタノカズラと言うべきでは? 栽培するのが超困難です。観賞価値が高いので吾輩も何べんも栽培を試みましたが、ことごとく失敗でした。手も足も出ません。これが庭や鉢植えで立派に栽培できたらプロ級の園芸家ですわ。本種は理科の教科書によく登場する植物ですが、大昔の石炭紀に大繁栄した巨大なシダ植物のレピドデンドロンやシギラリア等の末裔です。3億年が経って、みすぼらしいほどにちっちゃくなってしまいましたね。→ 林原自然科学博物館 「石炭紀の庭」 参照。
ヒカゲノカズラ
ヒカゲノカズラ

↓ 剣山登山リフトの西島駅にたどり着きました。6時15ですが、ちょうど1時間かかりましたわ。やはり健脚者の2倍かかります。少々へたばってしまったので、しばし大休止です。海抜は1720mです。国土地理院の地形図ではここ
登山ロフトの西島駅 (山頂側)

↓ 登山リフトの索道敷地の防護柵の中だけお花畑になっています。敷地の外はシカの餌になってしまい、シカの不嗜好植物しか残りません。写真の中で紫色の花はナンゴククガイソウ、白い花はツルギハナウドぽく見えますが、シシウドの可能性も考えられます。柵の中に入って葉や花を詳しく観察したいところ…。(遠目には確定できませんわ) ま、いずれにせよわが南あかじ市の海岸に多いハマウドの近縁種です。
索道の防護柵の中だけお花畑



登山道を彩る花たちだが、昔のようなお花畑はもう無いわね。
↓ ナンゴククガイソウです。中部山岳に多いクガイソウの変種とされますがシカが喰うみたいです。防護柵の中にしかなく、シカの喰わないカニコウモリやテンニンソウやシコクブシ等がはびこる中で僅かに生き延びているって感じですわね。ま、シカさんだって生きるには喰う草がいるわけで、花を護るためにシカを退治せよという議論はいかがなものか? 自然保護というのは色々な考え方があり、一元的な議論で片づけられない難しい問題を内包しています。叱られるのを覚悟で申せば、シカが繁殖して増えるのも、ある意味では自然なのであって花が喰われるのもまた良しですわ。絶滅危惧植物が全部シカに喰われても、よく考えたら別になにも困ることではなく、たとえばダケカンバ (アカカンバ) がシカに皮を剥がされて枯れても、ダケカンバが占めていたところに別の植物が生えるだけです。(こんなことを言よったら、剣山に立ち入り禁止処分になりそう‥)
ナンゴククガイソウ
ナンゴククガイソウ

↓ キレンゲショウマです。剣山の名物植物です。申すまでもなく宮尾登美子の小説 『天涯の花』 で有名になりましたね。夏になるとこの花を見に全国からわんさかと観光客が来ますね。ただ、近年はシカの食害が著しく昔のような見事な群落はもう見られないのと、自生地の行場周辺は急傾斜で危険な個所もあり、観光客が気易く立ち入る場所ではないと思います。5月ごろでしたか行場でねん挫かなんかで動けなくなった登山者があって、徳島県警のヘリコプターが救助するという騒ぎがありましたよね。なお、一の森ヒュッテの管理人さんに聞いたのですが、先日の台風11号の大雨で行場付近の斜面が崩壊して危険な状態とのこと。現在はキレンゲショウマの自生地へ降りて行く登山道は閉鎖されて立ち入り禁止です。
キレンゲショウマ
まもなく開花だ

↓ シコクフロですが登山道や山頂ササ原に沢山あるところを見ればこれはシカが喰わないのでしょうか?
シコクフウロ
シコクフウロ

↓ タカネオトギリですが登山道に沢山見られたから、これもシカが喰わない感じはします。
タカネオトギリ
タカネオトギリ

↓ これはキリンソウですよね。写真の物は西島駅の花壇の中にあったもので植栽品だと思います。登山道では見かけませんでした。この仲間の植物の生育環境から想像すると、剣山の石灰岩やチャートの岩場にあるんですか? 自生品を見てみたいものですが危ない場所にあるのでは?
キリンソウ

↓ これはノアザミの変種のトゲアザミですが、物凄いトゲだらけで屈強のシカもどんなに腹をすかしていても手も足も出せないでしょう。写真を撮ろうとしてしゃがんだらヒドイ目に遭いました。別の個体のトゲアザミの針がお尻に突き刺さりましたわ。罰が当ったのか? 剣山に登ってトゲアザミを観察する際にはお気をつけるように‥。小さな蕾がまだまだ沢山あるので夏中咲いているのではないか?
トゲアザミ

↓ ホソバシュロソウですが、良く見るとけっこう個体数は多いみたいです。一見するとラン科かと思ってしまいますがユリ科のようです。ひょろひょろとした花茎が長く伸びるのでこんなの上手く写真に撮れませんわ。大きな個体は撮りにくいので小さな個体をえらびましたがピンボケ写真です。花にピントを合わせると葉がぼけるし、逆に葉にピントを合わせると花がぼけます。こんなのはどう撮るのでしょうかね? 花と葉を別々に撮って組写真にする??
ホソバシュロソウ


おたけさんから戴いたご指導

>花にピントを合わせると葉がぼけるし、逆に葉にピントを合わせると花がぼけます。こんなのはどう撮るのでしょうかね?

こんにちわ(^^)

お写真で想像すると、レンズの絞り値がF2.8とか大きく開放になってませんか? F値を増やすとピントが奥まで合って来ます。ただカメラの感度(ISO設定)にもよるのですが、暗い場所での撮影にはF値を増やせばシャッター速度が遅くなります、すると手ブレを起こすので写真がブレてしまいますね。

山のキノコさんのカメラには各設定ができるようになっているようなので暗いところでは、ISO感度をISO1600まで自動とかISO3200まで自動とかの感度上限自動設定しておけばカメラが勝手に暗い状態だと調整してくれますよ。 撮影メニューで接写写真(マクロモード)とかを選んでいると、ピントが浅いので前後にボケた感じの撮影になりますね。 カメラのAモード、Sモード、Pモード、Mモードなど色々設定できるので、まずは取扱説明書を見てくださいね。

こうコメント書いてる僕自身も、撮影してから「ピンボケ大量生産」が多々あります、もしかしたら二度と撮れないチャンスに出会うかもしれません、いろんな設定を試しておくのも良い知識になりますよ。

PS、
EXIF情報を公開してしまうと、カメラにGPS機能が付いていたら撮影場所が特定されてしまうので希少植物などは絶滅させたら大変ですから、注意してください。


謝辞
おたけさん、こんばんわ。
毎日暑いですわね。

>まずは取扱説明書を見てくださいね

ハイ、さっそく読みますね。カメラとか写真の知識がゼロなことはおろか、取扱説明書すら読んでいないことがバレてしまいましたわね。ベテランの眼は絶対に誤魔化せないものですね。ご指導ありがとうございました。 できたら、近々、また剣山へ登ってホソバシュロソウの写真を撮り直してきます。ま、剣山じゃなくても高城山とか他山にも自生しています。 今日、写真家の里口さんと会って話をしたのですけど、沼島の立神岩の写真を撮ってきたそうです。写真家の方はこまめにあっちへ行き、こっちへ行きと行動力がありますね。剣山でも重い機材を背負って急登山道をスタスタ平地を歩くように登っている写真家の方をみました。凄いなあと思います。

こちらはセミプロ写真家のおたけさんの写真画廊です。 → なんでも散歩写真です
7月20日撮影の写真は、ギボウシの仲間っぽいですね。たとえば コバギボウシ など。ちなみに淡路島に自生するギボウシ類は、コバギボウシ(諭鶴羽山系に僅か)、ミズギボウシ(旧 東浦町の谷に1か所)、カンザシギボウシ(淡路島北部の山地の谷に点々とある)、の3種ですわ。




スポンサーサイト
コメント
コメント
>花にピントを合わせると葉がぼけるし、逆に葉にピントを合わせると花がぼけます。こんなのはどう撮るのでしょうかね?

こんにちわ(^^)

お写真で想像すると、レンズの絞り値がF2.8とか大きく開放になってませんか?
F値を増やすとピントが奥まで合って来ます。
ただカメラの感度(ISO設定)にもよるのですが、暗い場所での撮影にはF値を増やせば
シャッター速度が遅くなります、すると手ブレを起こすので写真がブレてしまいますね。
山のキノコさんのカメラには各設定ができるようになっているようなので暗いところでは、
ISO感度をISO1600まで自動とかISO3200まで自動とかの感度上限自動設定しておけば
カメラが勝手に暗い状態だと調整してくれますよ。
撮影メニューで接写写真(マクロモード)とかを選んでいると、ピントが浅いので前後にボケた感じの撮影になりますね。
カメラのAモード、Sモード、Pモード、Mモードなど色々設定できるので、まずは取扱説明書を見てくださいね。
こうコメント書いてる僕自身も、撮影してから「ピンボケ大量生産」が多々あります、もしかしたら二度と撮れないチャンスに出会うかもしれません、いろんな設定を試しておくのも良い知識になりますよ。

PS、
EXIF情報を公開してしまうと、カメラにGPS機能が付いていたら撮影場所が特定されてしまうので
希少植物などは絶滅させたら大変ですから、注意してください。
2015/08/01(土) 14:30:08 | URL | おたけ #mQop/nM. [ 編集 ]
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.