雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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雨上がりの雲海を見に行ったが、見ノ越に客がいない。
●昨日 (7月7日) に口腔外科で受けた手術の術後経過を診てもらいに徳大病院に行ってきましたが、診察が終わったのが午前10時です。せっかく徳島市まで来たのだから、このまま淡路島に帰るのは勿体ないです。本降りの雨であったが、気象ファンの吾輩の見立てでは、梅雨前線はいったん北上し天気はいちおう回復に向かう、雨は止む、剣山地の山頂部に暖気が進入してきて雲が取れるが谷間の雲は残る、つまり雲海が見られる可能性が大なり、と予想しました。で、徳島市から神山町を経由し木屋平村を通って剣山登山口の見ノ越 (海抜1400m) までやってきました。以下に写真を陳列します。

●某山小屋の経営者は 「雲海が見られるかどうかは運しだい」 なんて言うのですが、必ずしもそうではありません。剣山地のように標高が低い (富士山や北アルプスよりも低いという意味) 山での雲海の見られるパターンは大別して2つあるようです。強い放射冷却で谷間に放射霧が発生するケースと、降雨の後に谷間に雲が残る間に大気の下層 (1500mあたり) が晴れてきたときです。地上天気図・高層天気図・観天望気・それから双眼鏡で剣山方面を観察、これらを統合して、こういう状態ならばこうなるというふうなパターン類型を積み重ねれば、ある程度の確度で雲海の発生を予想できるんです。「運しだい」 というのは全く偶然に支配される現象の予想についていう言葉です。「雲海」 は偶然現象じゃないんです。気象条件がある特定のパターンになったときに見られるという意味では、「運 = 偶然」 じゃなくて 「必然」 だと思います。



木屋平(こやだいら)まで来ると、雨が上がった。
↓ 旧 木屋平村 (現 徳島県美馬市 の木屋平地区) までやってきました。神山町を通っていた時点ではまだ雨が降っていましたが、途中で昼飯を食ったり一服しているうちに雨はやみました。穴吹川上流に沿って数戸~数十戸の家屋が東西10キロの長細い範囲に点在する山村ですが、吾輩の出身地の淡路島最南部の灘地区に似ています。もちろん剣山地の山間部の山村と島山を背後にした断層海岸の村という違いはありますが、急激な人口減少が止まらない僻地の村という意味では大いに共通点があります。

僻地の村は雑踏や喧騒と無縁で家に鍵をかける必要性もほとんどなく、住むにはなかなかいいところです。ただまあ、① 収入があること、② 自分で車の運転ができること、③ 人づきあいが嫌ではないなど、いくつかの条件付きではありますが‥。都会の勤め人が退職後僻村に移住するというハナシがたくさんありますが、①は年金があってクリアできても、やがて②が大きな障害となってきます。③も問題で、元からいる村民になじむのではなく孤立したり喧嘩になることが非常に多いように思います。たとえば 「都会ではこうしている」 などという言葉は禁句なんですわ!


(あの野郎は、晴耕雨読の田舎暮らしにあこがれて来たけど、結局村民の総スカンをくらって都会へ逃げ帰ったわね。吾輩もあいつと口論になったわ。そりゃあ、僻村というのは一般論ですが因習や迷信にとらわれ、不合理がはばをきかせ、地縁血縁でがんじがらめ、声のでかい者が牛耳っているなどマイナス面はあります。田舎者でも何とかならんかと思うときはあります。そやけど、それを他所者が改革できるハズがありません。それを認識の上で飛びこむのでないかぎり、田舎移住は失敗しますよ! つまり郷に入れば郷に従えだ!)
旧 木屋平村

垢離取 (こりとり) に来ました。海抜は760m。ここから登山車道は勾配がありカーブの連続です。車道のそばにはヤマブドウがたくさん自生していますが、今年は実がなっているだろうか? などとわき見運転していると事故をやります。それから剣山本宮剣神社のへ参拝路は橋を渡った向こう側です。垢離取とは垢離を取るところの意味ですが、神域や霊山とか行場などに踏み込む前の儀として、心身に付着した罪穢れを谷川や滝の水で払拭するというふうな意味合いです。わが出身地の淡路島灘村にもありますね。現 南あわじ市灘来川 (こりかわ) は語源は明らかに 「垢離川」 です。むかし修験道の行場があって水垢離を取っていたことが地名に残ったのでありましょう。
ここから本格的な登山車道
剣山本宮剣神社への参詣登山道入り口


雲海だあぁぁ!
↓ 木屋平村を流れる穴吹川の上空を覆っていた雲 (最初の写真を参照) の上に出ました。海抜800-1300mの間に雲がありました。眺めている場所が雲表高度とそう変わらないので見栄えがしませんが、雲海は雲海です。この時点で剣山の山頂あたりから眺めれば山々の間の谷を埋め尽くす雲海が見られたハズです。向こうの方で雲の上に顔を出している山は天神丸 (1632m) です。
天神丸が雲の上に
雲海と言えば雲海


見ノ越にお客さんはいない。
↓ 剣山の登山口の 見ノ越 にやってまいりました。午後2時になっています。徳大病院を出たのが午前10時なので4時間もかかっていますが、途中で昼飯を食ったり一服や植物観察しながら来たためです。登山リフト前の駐車場はガラガラに空いています。ていうか駐車している車はありません。平日で天気が悪いので仕方がないにしても、これでは商売になりませんね。どうしたらお客さんが来てくれるのだろうか?
登山リフト前の駐車場はガラガラ

↓ 写真の右側の建物の少し向こうが登山口です。剣神社の境内を横切って登っていきます。午後2時ならばちょうど登山者たちが下山して来るころですが、だれもいません。民宿や土産物屋の前はシーンと静まり返っています。
民宿や土産物屋の前に人はいない

↓ 見ノ越銀座は何軒あるのか調べたことはないのですが、見えない森の中にお寺や神社もあり、ひなびた温泉街というふうな印象がします。写真右下の第二駐車場は二階建てですが1台の車も駐車していません。この駐車場を観光客で満車にするにはどうしたらいいのだろうか?
見ノ越銀座と呼ぶべきか?

↓ すこし離れたところから見ノ越銀座をながめました。剣山と丸笹山の鞍部の旧 東祖谷山村側にあります。海抜はちょうど1400m。第二駐車場の二階部分が見えていますが車は1台もありません。冬にここへ来たら、この2階駐車場がよくスケートリンクみたいになっています。冬は-10度など当たり前の場所なので天然スケート場が出来るのではないか? 夫婦池なんかはスケート場に最適だと思うけど‥‥。
第二駐車場にも車は1台もない

●降雪のために11月下旬~4月上旬までほぼ5カ月近く見ノ越銀座は休業ですが、国道438号線は除雪されるので冬タイヤを履けば見ノ越まで来れます。(大雪の後など除雪がまだの場合もありますが) 冬期の営業の可能性もあるのではないか? 雪景色観賞とか夫婦池でスケートとか、盛大に雪合戦とか? 鎌倉を作ってその中で宿泊とか? 鎌倉では寒かろうから寒さの我慢大会とか、雪遊びはスキーだけじゃありませんわ。標高が高いから下界では雨でも見ノ越じゃみな雪になります。降るときは凄くふりますね。吾輩も今冬何回かきましたが、吹き溜まりじゃ2mを軽く超えていましたわ。7年か8年前でしたか? 見ノ越で積雪2m、吹き溜まりで5mってありましたよね。瀬戸内地方平野部じゃ雪は珍しいから、見ノ越の雪が観光資源にならないでしょうかねえ??


↓ お客さんがこないからか? 登山リフトは稼働していません。動いていたら西島駅 (1720mぐらい) のちょっと上まで行って雲海の写真を撮ろうと思いましたが残念です。歩いて登るには時間が遅すぎます。あたいは山登りじゃないから標高差550mを登るのに2時間半かかります。(普通の登山者は1時間コース) 何べんも申す通り、五体満足であっても完全に体力劣等児です。付言するならば自己の弱点を認識するものは遭難しないものです。ちょっとでも不安を感じたらただちに退却するからです。全く逆であるわけですが自信過剰の者が遭難しますね。限界に挑戦したり、無茶をしようとするから…。
登山リフトは稼働していない

↓ 左側の山が剣山 (1955m)、 右側の尖った山がジローギュー (1930m) です。
剣山とジロウギュー

↓ すこし拡大。
剣山

↓ ジローギューは三角錐の特徴的な姿をしています。“山頂現象” の見本みたいな山です。山頂は風が強く、暖められた空気が滞留しないので気温があがりにくいです。また斜面に沿って上昇気流があるときは乾燥断熱減率が1度/100mです。気温が上がりにくいんです。で、山頂の気象条件で植生が大きく影響されます。たとえばその山の標高では考えられない高山植物が生育するなどという現象がおこります。これを山頂現象と呼んでいますが、ジローギューの山頂付近は見事な風衝草原 (風衝ササ原) になっています。
三角錐のジロウギュー

↓ 頂上ヒュッテは今改築中ですが近々新装オープンですね。いま別館の遥雲荘で食事のメニューを簡素化して営業していますね。新装なった頂上ヒュッテで誰が一番乗りで泊まるのでしょう? 一見の登山者か? それとも常連の登山者か? 新装オープンの日には盛大に登山者に餅まきなどするんでしょうか? 餅まきをするのだったら拾いに行きたいところ‥。
雲海荘

↓ 旧 東祖谷山村の谷の上には雲海がありません。写真右上の山は塔丸 (とうのまる、標高1713m) です。写真左上に三嶺 (さんれい、みうね、標高1894m) がありますが雲の中にお隠れになっています。このあたりを日本のチベットと言う人がいますが、このようなところは日本中に沢山あると思うけど‥、日本中チベットだらけか? ま、岩手県は日本のチベットを自称していますね。
三嶺と塔丸


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