雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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樫戸丸 (標高1566m) のオオヤマレンゲを見に行った (その3)
喰える物という基準‥‥
●林道木屋平木沢線を、旧木屋平村側から登ったのですが、その道中で見られた植物たちの写真を陳列します。狭い範囲でも植物は何百種とあるものですが、独断と偏見で喰えるものという基準で選びました。どんなに綺麗な花であっても、見るだけでは腹の足しにはなりません。 

●安保関連法案がもし通ったならば大変です。自衛隊は軍隊となりアメリカ軍の二軍として米国の大義なき侵略戦争に加担させられます。戦闘で戦死者が続出、軍に志願者がいなくなって徴兵制が復活か? しかしまあ、実は、徴兵制など敷かなくて日本軍に志願者はあります。若者の格差をさらにドンドン大きくすればいいのです。実際に政府はそれを着々と進めていますね。喰いつめ生活ができなくなった若者の経済難民が大量に出現、好むと好まざるとにかかわらず、軍に志願してきます。軍しか正規の雇用がありませんから。軍隊に入ればメシは食えます。つまり、経済徴兵です。つまり形式的にはあくまでも志願兵ですが、実質的には弱者をていよく徴兵するということであります。政府の政策は明らかにそれに向かっています。ま、宗主国のアメリカがそんな感じなので、米国のやり方に準拠した政策でしょうね。安倍首相を支持率ゼロ (実は、これがよく効く) にして早く引きずり降ろさないとこの国は大変なことになりそう…。 でもまあ、もはや手遅れかも? 日本軍国主義復活、事実上の経済徴兵の危惧が相当に高まっています。自民党は極右のカルト集団と変わらない狂気の本性を顕しはじめました。 

さて、その軍隊ですが、 「生き残り訓練」 が行われるでしょう。ゲリラ戦で山に隠れて食糧は現地調達 (山中調達) で生き延びる‥。という想定の訓練です。戦場では想定ではなく現実になるかも? この時に役に立つのが食べられる動植物の知識です。食毒の見分けなど身につけていれば必ずや生き残れるハズです。



オニグルミ
↓ オニグルミは野生のクルミです。栽培種のクルミほどは殻の中の身が大きくありませんが、食べられます。味はオニグルミのほうが濃厚で美味いように思います。谷筋に多い樹木で暖温帯でも冷温帯でも見られます。1本の大きなオニグルミの樹を見つけたら、籠に一杯どっさりと拾えますから、ありがたい山の幸だと感謝して拾いましょう。クルミ拾いの適期は秋中盤の10月です。
オニグルミ
オニグルミの果実

●興味深いことは、淡路島の最南部を占める旧南淡町の砂浜海岸で、梅雨から夏に砂浜の中にオニグルミの実生が頻繁に観察できます。四国山地のオニグルミの実が渓谷に落ちて、吉野川支流 → 吉野川本流 → 紀伊水道(鳴門海峡) → 南淡町の砂浜海岸へと流れ降ってくるのでしょう。たぶんほぼ間違いないところです。ただし、波打ち際で芽生えるので台風の大波でやられてしまいます。たとえば漂着したオニグルミの実をカラスがくわえて内陸部に運ぶなど、そうとうな幸運に恵まれないと育ちません。要するにオニグルミの種子散布の様式は水 (水流) 散布であることを示しています。


トチノキ
↓ トチノキの花の後に小さな実ができています。トチノキは必ずしもブナ帯の樹木ではなくかなり標高の低いところにも見られますが、自生しているのはたいていは谷沿いです。尾根筋でもないことはないのですが少ないです。オニグルミと同様に渓畔林に出現する樹木のようであります。よく谷筋にそって上から下まで点々と見られることがあります。 9月になって徳島県の山や渓谷を歩いているとトチノキの実が落ちています。拾って土産に持ち帰りましょう。四国ではトチノキの実など拾う人はいないですが、ちょっと勿体ない。トチ餅などにして食べられるのですけど、作り方は結構むずかしいです。ここは山菜や木の実の利用技術に長けた長野県や新潟県の人に教えてもらいましょう。
トチノキ

●興味深いことは、四国山地起源のオニグルミの実生が淡路島の砂浜海岸で頻繁に見られるのですが、ところがトチノキの実生は全く見たことがありません。トチノキも渓谷に沿って見られることが多いから、種子は水散布で広がると強く推認できます。なぜ四国山地起源のトチノキの実が淡路島に漂着しないのか? 実験したらその理由が簡単に分かりました。オニグルミの実は水に浮かぶのですが、トチノキの実は水に沈みます。これでは紀伊水道 (鳴門海峡) を渡れないわけです。


クリ
↓ クリは栽培される樹木ですが、日本クリの栽培種はもともとは日本の山野に自生していたものです。自生品から実の形質のいいものを選抜育成したものです。野生にあるものは栽培種が野生化したのではありません。クリはもともとが山に自生している樹なので、注意して観察すると意外にたくさんあります。栽培品と変わらないぐらい実の大きなクリも山中にあります。標高の低い里山にもクリはあるし、標高のかなり高いブナ帯の1500mの所でもクリを見ます。秋に籠を持ってクリ拾いに行きましょう!
クリの木
クリの花
クリの果実


ブナ
↓ 今年 (2015年) は徳島県の山ではブナの実の豊作のようです。たいていのブナの木に実がどっさりと成っていますね。ブナの実はソバの実ににて三角形をしています。ソバの実に似ているから信州などでは山ソバと呼んでいるみたいです。実は小さくて食べるところはほんの僅かですが、天然のナッツとしてありがたくいただきましょう。フライパンで炒ってから食べるとよろしい。 ところで以前にブナの実を持って帰り土に播きました。よく発芽して小さな苗は沢山出来るのですが、どうしても夏が越せません。夏が越せずに秋までに枯れてしまいます。瀬戸内地方の平地ではやはりブナを育てるのは難しいです。プロ園芸家があの手この手で夏が涼しくなるように工夫すれば、ひょっとしたら平地でもブナが栽培できるかも? 徳島県植物同好会 『半田町の植物相』 阿波学会研究紀要第38号所収 によれば、旧半田町で、標高約 600m の所の十二社神社の社叢にブナがあり、また、標高約 460m の日浦の石堂神社社叢にもブナが1本あるそうです。山地の北斜面の涼しい所では海抜500m前後でブナの生育が可能か? 淡路島でも諭鶴羽山ならばブナを植栽しても育つかも?
ブナの実の豊作
別名 「山ソバ」 とも言うブナの実


ヤマブドウ
↓ ヤマブドウは徳島県の山では1000m以上で見られます。低いところにはありません。ヤマブドウは酸っぱいというイメージですが、確かにそうですが秋遅くに (初冬に) 霜に当たったものは甘くなるのと、樹によって個体差がありそんなに酸っぱくない個体もありますね。1本1本微妙に味が異なるように思います。これはサルナシでもわが淡路島南部に自生するシマサルナシでも同じです。栽培されている果物はたいてい接ぎ木で苗木が生産されるから果樹園の樹はみな遺伝的には同じです。遺伝的に同じであっても日当たりとか環境が異なれば成った果物が甘かったり酸っぱいかったりと違うわけです。ましてや遺伝的に異なれば成った実の味にはかなりの差がでます。で、秋遅くに籠を持ってヤマブドウの実を採りにいくのですけれども、なによりも味のいい実を成らす樹を見つけることが肝要です。つまり、朝早く真っ暗なうちに家をでて、日の出ごろにヤマブドウ自生地にたどり着き、日がな一日ヤマブドウの実を試食して回る。試食すればするほど格別に味が良い個体が見つかる可能性があります。ブドウ類は挿し木が比較的に簡単ですが、味が良いヤマブドウが見つかったならば栽培可能か? 1000m以上に自生するヤマブドウを挿し木で平地に降ろして育つのでしょうか??
ヤマブドウ
ヤマブドウの大きな葉
ヤマブドウの果実


サルナシ
↓ 別名シラクチヅル。あるいはコクワ。旧 東祖谷山村の有名なかづら橋はこのサルナシの蔓で作っています。暖温帯上部~冷温帯に自生は非常に多いのですが、実をつける個体は意外に少ないようです。樹上で柔らかくなった実はそのまま食べられるが、堅い実ならば採ってリンゴと一緒にカン袋に入れて追熟させますが、これが意外に難しい。写真はタンナサワフタギに覆いかぶさるように茂ったサルナシですが、地上1.5mまでの葉は全部食われています。シカはマタタビ科の蔓植物をたいそう好むようです。
サルナシ
サルナシの果実

淡路島は全域がほぼ暖温帯下部にあたり、サルナシは分布していません。淡路島にあるのはすべてウラジロマタタビであります。両種は酷似していますが、サルナシは葉の裏面が粉白色ではないです。香川大学農学部の片岡教授の サルナシ,ウラジロマタタビ,シマサルナシの見分け方 が詳細で参考になります。
サルナシの葉の裏面は粉白色ではない

●ウラジロマタタビは暖地・低地に、サルナシは冷涼地・高地に、とハッキリと棲み分けている印象がします。なので淡路島にはサルナシがないということでありましょう。たぶん元来はウラジロマタタビが基本種であったが、何らかの要因で倍数性を得たものが形質を変化させ、耐寒性を獲得して、より北方や標高の高いところに分布を広げてサルナシとなったのではないか? ただ耐寒性を得ただけでは山の上にはサルナシ、平地や山裾ではウラジロマタタビとサルナシがあるということになりそうです。しかし実際には標高の高いところしかサルナシが見当たりません。そうなりますとサルナシは耐寒性を得るとともに耐暑性を失った、と考えると合理的な説明がつきそうですが‥‥、どうなんでしょうかね??


ホオノキ
↓ ホオノキは日本本土の樹木の葉では一二を争う大きな葉が特徴です。古代から食品を包む葉として知られています。つまりホオノキの葉は包装紙でありお皿なのであります。収穫した山の幸はホオノキの葉で包みましょう。ホオノキはオオヤマレンゲと同じくモクレン科の樹木。
ホウノキ
ホウノキの葉はお皿の代用


【付録】 バイケイソウ
↓ バイケイソウですが花期には葉がすでにくたびれています。写真のものはまだましなところで、既に枯れる寸前という状態のものもたくさんありました。なんとなくスプリング・エフェメラル (春のはかない植物、カタクリとかイチリンソウやニリンソウなど) に近い感じがします。日のあたるところのバイケイソウも葉がくたびれています。葉が青々としていたら秋口までに地下茎にしっかりと養分を溜められるのに、早期に葉がダメになるのは何故だろうか?
バイケイソウ

↓ バイケイソウの花 (個花) を観察してみましたところ、花弁は6枚です。花弁の周囲は、鋸歯のようで鋸歯ではなく、ちりちりと縮れています。花弁には葉と同様な平行脈模様があります。おしべは6本です。おしべの先端の粉袋は紫というか黒っぽいですが、最初はどういう色だったか? (色は変化すると思われます) めしべの花柱の先っぽは3つに分かれています。
バイケイソウの花

↓ バイケイソウはシカの不嗜好植物でしたが最近はシカが食べるようになったのか? 厚生労働省のホームページにある 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:バイケイソウ が大変詳しくバイケイソウの危険性を注意させています。中毒の実際例を新聞記事などから収集していますが、バイケイソウを誤食して死亡例もあるようです。シカは大丈夫なのだろうか? ヒトと動物では体の仕組みや解毒機構が異なり、ヒトには有毒でも動物の種によっては無毒のものや、逆にヒトには無毒でも動物の種によっては有毒なものの例が色々とあるみたいです。で、動物や虫が食べているキノコや草は安全だと考えるのは危険です。
葉がかじられている


ヒコサンヒメシャラの花 (落花)
↓ 一帯の山系にはナツツバキ属の樹木として、ナツツバキ、ヒコサンヒメシャラ、ヒメシャラの3種とも自生していますが幹や樹皮がみな良く似ていて見分けがつきません。吾輩もよう見分けられません。分類上かけ離れたリョウブなども幹が似ているからよけいに見分けがつきません。しかしながら、花があれば識別は簡単。花の大きさが大・中・小と異なります。ナツツバキは大(花の径6~7cmか)、ヒコサンヒメシャラは中(花の径3~4cmか)、ヒメシャラは小(花の径2.5cmか) ただし数字は個体差があるからある程度の幅がある。花のない時期にこれは何の木? と聞かれたらどうしたらいいのか? 果実の大きさも違うようですが識別は難しく、 「ナツツバキ属の木じゃな」 と返事すればよろしい。種名が分からなくても属名ならば見当つく場合も多いから、属名を言えばいいのです。これが良い誤魔化しかたです。
ヒコサンヒメシャラの花
ヒコサンヒメシャラの花(裏側)



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