雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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ブナ帯では、ツタウルシに気をつけろ!
●淡路島のように全島が暖温帯下部に属しているところでは、かぶれる木 “負ける木” というのは ハゼノキヤマウルシヤマハゼ の3種が要注意です。ときには ヌルデ にも “負ける” 人がいるようです。ただし、人によって症状に個人差が非常に大きいようであります。吾輩のように、これらの木の葉を触ってもなんともない人もあれば、触ればもちろん、触らなくてもその木の側を通っただけでもひどく負ける人もあるみたいです。これらウルシ属の樹木によるアレルギー性皮膚炎は、人によって発症する人と、なんともない人との個人差が大きく、その発症は遅延型であとになってから出てくるのが特徴とされます。ウルシ属植物を触ってすぐに発症するのではなく1日とか2日後になって負ける (かぶれる) のがやっかいです。なので、顔や首や手に赤い発疹などが出てきても何やろうか? と、すぐにはウルシ属植物に負けたことが分からない事例も多いみたいです。

●さて、ブナ帯 (つまり冷温帯のことですが、冷温帯の標徴種であるブナの名をとって言う表現) で気をつけるべき植物は ツタウルシ であります。これはカズラになる植物ですが歴としたウルシ属植物です。かぶれる原因物質はウルシオールやラッコールで、樹種によって含有率が異なるみたいです。一番かぶれる木はツタウルシで、次がヤマウルシですが、ハゼノキはあまりかぶれないようですわ。ウルシ属植物にかぶれやすい人はブナ帯に達する山 (徳島県じゃおおむね1000m以上の山) に登る際には気をつけたほうがよろしい。1000m以下ならば大丈夫かというとそうではなく、暖温帯上部 (徳島県植物誌を著わした阿部近一先生は中間温帯という表現で、海抜500-1000m) でもときには出てきます。淡路島のような低い山でも諭鶴羽山 (608m) の山頂付近でツタウルシの採集記録があります。ただし諭鶴羽山では希産植物。 山登りや花見客は綺麗な花ばかりに目を奪われていて、目だった花のない地味な植物には全然興味を示さないようですが、危険回避のために、ツタウルシは絶対に覚えておかなければいけない植物の一つでしょうね。

島根県公式サイト 『野外における危険な植物 ツタウルシ』 がお奨めです。



ブナ帯の危険な植物 ツタウルシ!
吾輩のように全然へっちゃらな者もいる反面、かぶれる人にはヒドイ症状を起こすみたいなので、危険な植物ということで写真は赤枠扱いといたします。

↓ 写真のものは徳島県の名峰、高城山 (1632m) のスーパー林道沿いの高所 (海抜1530m) にありました。2015年5月23日撮影。気根を出して立ち枯れの太い幹によじ登っています。普通種なので出現率が高く、要注意です。触らないように。人によっては近寄らないほうが無難ですわ。
ツタウルシは気根を出して立ち枯れの幹などに登る

↓ ツタウルシの葉は3出複葉であります。つまり、三つ葉であります。少し離れて見ると ツルアジサイイワガラミ も ツタウルシ も良く似ていて、観察に不慣れな方には同じに見えるようですが、三つ葉になるのはツタウルシです。ブナ帯でカズラになる植物で三つ葉の植物があれば、先ずツタウルシを疑う必要があります。 (ミツバアケビなどもあるので、三つ葉が即ツタウルシとは限らない)
ツタウルシの葉は3小葉から成る

↓ 葉腋 (葉のつけ根) に花序を出して小さな花を多数つけます。写真はまだ小さなつぼみですが、この感じはウルシ属独特のものですわね。
葉腋に小さな花を多数つける

↓ ツタウルシの若葉は赤っぽいことがあります。
ツタウルシの若葉は赤っぽいことがある

↓ こちらは徳島県の雲早山 (1496m) の北斜面を巻く剣山スーパー林道沿い (上勝町から登ってきたところで最高標高地点、1240m) にありました。2015年5月22日撮影。大きな岩に登っていました。気根を出して他物によじ登るのは ツタ みたいな生態ですが、葉が普通は単葉のツタとは異なり3出複葉なので葉を観察すれば見分けられます。ただし、ツタも時には3小葉の場合があるので要注意です。
 ●ツタウルシの葉は、全て3小葉で、けっして単葉にはならない。
 ●ツタの葉は、ふつうは単葉であるが、場合によっては3小葉のこともある。

やや生長した葉



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