雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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高城山のシャクナゲとシロヤシオ (その2)
●さて、徳島のヘソまでやってきました。ここが徳島県の真ん中?? なのですかな。まえから疑問に思っていたんやけど、それをどうやって調べたのでしょう? 素人考えで先ず思い浮かぶのは、板に徳島県の地図をペタリと貼り付け、徳島県の輪郭にそって糸のこぎりで切りぬき (プロに糸のこ盤で正確に徳島県を切り抜いてもらうほうがいいでしょう) 、出来あがった徳島県の形状の板を皿回しのごとくキリで回すのではなく、どの位置で重心がとれるか試行錯誤して調べるとか? この板には徳島県地図が貼りつけていますから徳島県の重心の地点が判明します。地図を貼りつけた側を下にして皿回し(徳島県回し)をするので、重心がわかったならばキリを強く押し付ければ穴があいて重心が確認できますよね。 それとも複雑な計算等で中心を求める方法があるのでせうかね?

徳島のヘソ

↓ 割合新しい看板ですが (2年前には無かったように思う) 、最近変な看板が増えているような気がします。近年剣山系でクマの目撃が増えているみたいです。吾輩も20年近く前ですが高城山で1回だけクマを見ましたわ。クマは出るときには出るでしょう。しかし、紀伊半島や剣山地のクマは比較的小さくそれほど凶暴ではなさそう…。(クマに遭遇して格闘しても大丈夫という意味では全くありません) 恒温動物は、同一種内では北に棲む集団ほど体が大きく、近縁種どうしでは体の大きな種ほど北に棲むというのは有名な 「ベルクマンの法則」 ですが、教科書ではクマを引き合いに出して説明されます。日本列島のクマたちも全く当てはまり、北海道のヒグマは格別に立派で大きく、本州のツキノワグマでも東北地方北部のものは結構大きく、紀伊半島や四国のクマは小さいですわね。 それはともかく、看板をあちこちに沢山立てるよりもスーパー林道の崩壊場所の復旧を急いでいただきたい。早く直さないと山岳観光客が来なくなります。 なお、徳島のヘソは地形図上ではここ。海抜約1490m。 +マークの所です。
新しい看板か?
クマ出没の注意看板

↓ 徳島のヘソから徳島市の方向を見ました。画面右の一番高いところが雲早山 (1496m) です。空気の透明度が高ければ画面中央に淡路島が見えるハズですが、今日は視程がせいぜい20キロほどです。淡路島南部と高城山とは60キロ前後あるので全然ダメですわ。
雲早山の左に淡路島が見える筈

↓ ブナの新緑が美しいのですが、ケチをつけるわけじゃないのですが、やはり四国のブナは主幹の低い位置から太い枝がほうきみたいに出て、むかしコハブナ (小葉ブナ) と区別されかかったように葉が小さいです。地衣類の着生も多く肌があばただらけで綺麗ではありません。やはり、四国のブナは野武士的なゴツゴツさが否めません。特に高城山のブナは武骨です。南高城のブナは格別にゴツゴツしてます。日本海側や北日本のブナがシラカンバと見紛うほど肌が白く、スラと率直に真っ直ぐに伸びあがり、貴婦人のような上品な美しさがあるのとは対照的です。 あまり四国のブナをけなすと四国の岳人に怒られますが、そんな野武士ブナが輝くときがこの5月の新緑の季節であります。
ブナの新緑が美しい


シロヤシオ自生地からの展望
シロヤシオの自生地として有名な南高城山 (標高1570m余り) にたどり着きました。地図上の場所はここ ですが地形図に山名の記載はありません。しかし、地元の人や山登りはこのピークを 「みなみたかしろ」 と呼んでいます。歴史的な由緒のある山名ではなく、たんなる通称なのかもわかりません。先ずは眺望を堪能します。

↓ 南高城山から剣山を眺めました。距離は14.5キロ先であります。ちょうど淡路島内で言えば諭鶴羽山と先山の距離 (14.0キロ) とほぼ同じで、意外に近いという印象がします。
南高城山から剣山お遠望

↓ 少し拡大。一番高いところが剣山 (1955m) です。少し霞んでいますがクッキリ見えています。今日 (2015年5月23日)は 午前9時の地上天気図で梅雨前線は四国のはるか南方海上の北緯27度~28度あたりにあります。で、北緯33度51分にある剣山からは約700キロ南です。(緯度1度の南北差は111キロ) 前線面が北に向かって這い上がるとき、700キロ北では前線面は海抜2500m当たりかな? という感じです。つまり天気が悪いにもかかわらず、山々に雲がかからずに眺望が利くのは梅雨前線から距離があるためですね。
雲底は剣山より高いところにある

↓ 矢筈山 (1849m) を遠望した。約25キロ先にあります。
矢筈山を遠望


シロヤシオの観察 (お花見)
↓ シロヤシオと葱坊主です。葱坊主とは国土交通省のレーダー雨量観測所のことですが、山登りたちがそう呼んでいます。人によってはこけしと言う人もいます。国交省は住民の皆さまの生命や財産を護るために雨量観測をしている施設なのに、「葱坊主」 だの 「こけし」 だのとんでもない。と怒るかもしれませんが吾輩が言っているのではありません。拡散はしているかもしれませんが…。
シロヤシオと葱坊主

↓ 少し拡大。
シロヤシオと葱坊主

↓ 葉の開葉とともに花が咲く上に、白い花なので、シロヤシオの花は葉陰で目立たないです。アケボノツツジやミツバツツジ系統の花のような豪華さはありません。西洋画的なケバケバしさではなく、日本画的な落ち着いた感じの花です。
花は葉の陰で目立たない

↓ 花冠は5裂して、裂片の先端はやや尖っています。花冠の基部 (底) には緑色の斑点があります。写真はやや古くなった花なので茶色いシミが出ています。
花冠は5裂して、裂片の先端はやや尖っている

↓ 葉は枝先に5枚輪生しています。
葉は枝先に5枚輪生する

↓ 幹の径は20センチ以上になり、樹高も5mぐらいになり日本のツツジ属植物ではかなり大木になる。樹皮は亀甲状にひび割れています。
幹の径は20センチ以上になりツツジ属では大木

↓ シロヤシオの集団ですが、見事に根曲がりになっています。ここは南高城の北斜面です。豪雪地帯の樹木が根曲がりになるのは分かるんですが、これって積雪の影響ですか? 高城山の積雪がどの程度なのか観測施設がないから全く不明ですが、太平洋側の山なので日本海側よりも遥かに少ないハズです。かつての剣山測候所のデータで、最深積雪記録は2m90センチですが、ふつうはせいぜい1m前後で吹溜まりで2mといったところ。高城山は剣山より標高が低いのでもうすこし少なめでしょう。ただ、微地形の形状によりそこにどんどんと雪崩た雪が溜まることはありましょう。ひょっとしてこの根曲がりシロヤシオのところに格別に雪が雪崩落ちてくるのかも分かりません…。
根曲がりは積雪の影響??


花と訪花昆虫は双利共生の関係か?
ツツジ属植物の花にはたいてい 「蜜標」 と呼ばれる斑点とか斑紋があります。「ガイドマーク」 とも呼ばれますよね。蜜標はここに蜜がありますよと、花粉を媒介する昆虫など (ポリネーターと言う) に蜜のある場所を告知する標識で、ツツジ属の花にはたいていありますね。ホンシャクナゲやオンツツジやモチツツジなどでは明瞭にあります。高城山のアケボノツツジではあまりハッキリわかりません。ツツジ属でもやや不鮮明な種も一部にはありそうな感じ。ツツジ属の花では普通は花冠の基部の上側にあることがほとんどですが、高城山のシロヤシオでは、花冠の基部の上側にも下側にもあるようです。つまり、花冠の基部にぐるりとあるようです。5裂する裂片の先端は尖っていますし、どうも高城山のシロヤシオは東の方の物と形質が若干異なるのか?

↓ 高城山のシロヤシオでは花冠の基部にぐるりと蜜標があるようです。
シロヤシオの蜜標

↓ 高城山のホンシャクナゲです。花冠が7裂しますが、花の上側の裂片3枚の基部に蜜標があるみたい。
ホンシャクナゲの蜜標

↓ 砥石権現のカタクリの花です。6枚ある花被片の基部~中ほどにギザギザの帯状になった蜜標がありますわね。やや変な形です。
カタクリの蜜標

●ツツジ属の蜜標を観察していると、花と昆虫たちの双利共生の桃源郷に見えてきます。花は昆虫たちに蜜という報酬 (花の立場では代償) を与えるかわりに、花粉を運んでもらうという労苦 (花の立場では利益) を課します。花も昆虫も双方がメリットもデメリットもあるわけで、ご互いさまです。しかしながら双方がトクになる関係です。紛れもなく双利共生の関係にありますわね。 じゃあ、花と昆虫の関係はほのぼのとした良い関係ばかりなのか? といえばそうじゃないみたい。その実例が高城山にもあります。


【付録記事】 花粉媒介昆虫たちの命を奪うヒドイ花!
●高城山の南側登山口 (ソフトバンクの携帯基地局があるところ) のウラジロモミ林の林床に、ミツバテンナンショウが沢山生育しています。テンナンショウ属の植物たちには 「性転換」 するという性質が良く知られています。その株の栄養状態が悪い時には (地下のイモが小さいときは) オス株ですが、栄養状態が良くなると (地下のイモが大きくなると) メス株に転換します。種子から生長していく段階で、無性株 → オス株 → メス株と変化していくのですが、メス株が何らかの要因で葉を失うなどしたら栄養状態が悪くなり (地下のイモが小さくなり) オス株に戻ります。つまり、オス株 → メス株への転換は可逆的であります。

ミツバテンナンショウ
↑ 葉はふつう2枚あって、それぞれは3小葉から成ります。3出複葉がミツバみたいなので、ミツバテンナンショウです。テンナンショウ属植物は変異が大きく中間型が出てくるので同定が難しい植物とされますが、本種は識別が容易なものです。

捉えられた昆虫たち
↑ 仏炎苞を開いてメス株であることを確認しました。写真では分かりにくいのですが、案の定、キノコバエの一種と思われる昆虫が2匹死んでいます。どういうことかと申せば、オス株の花に入りこんだキノコバエは体中に花粉をつけさせられます。テンナンショウ属の花は落とし穴みたいな花で入ったら最後なかなか出られません。なんとか出ようともがくうちに花粉をつけさせられるという寸法です。しかしオス株には仏炎苞の基部に外に出る隙間があります。で、なんとか花の外に出られるのですが、メス株の花に入ったら最後、出る隙間がありません。結局、花粉を運搬させられたあげく送粉昆虫は花の中で死んでしまいます。やがて、食虫植物に捉えられた虫みたいに肥やしになるのでしょうか?? 花粉を運ぶという仕事をさせておきながら、命を奪って肥やしにさせられます。何というヒドイ話であろうか! ま、ヒトの世界にもそんな話は沢山ありますね。原発利権者どもなんかは典型例です。

●淡路島に帰ってから、島に自生しているアオテンナンショウの花を観察しました。花が終ったあとの枯れた仏炎苞をそろっと剥がすと、訪花昆虫の遺骸がありました。遺骸が植物に吸収された形跡は全く確認できません。したがって食虫植物のように虫を肥料にしてやろうという狙いはなさそうです。仏炎苞の中の袋小路で虫たちを、もがき動きまわらせて、100個前後ある本当の花すべてに花粉を付けさせようとしているだけと思われます。しかしながら肥料にしなくても命を奪う結果は同じです。テンナンショウ属植物たちはあくまでも自己の都合や利益のために他者を利用し踏みにじっていることには何ら変わりません。やはり、原発利権者どもも全く同じです。すでに原発ゼロで日本の経済も社会も回っています。原発は要らないことが鮮明に判明しています。電気料金の国際比較を調べたら、原発のない国の電気代は安いです。原発が安いなどという真っ赤な大ウソはとっくにバレていますよね。




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