雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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高城山のシャクナゲとシロヤシオ (その1)
●2015年5月23日 (土曜日) に徳島県の名峰の 高城山 にシャクナゲやシロヤシオのお花見に行ってまいりました。ことしは高城山一帯ではツツジ属植物の多くが花の裏年であります。シャクナゲのみならず、純白無垢の美しいシロヤシオも、目の覚めるような真っ赤なオンツツジも、赤紫色があざやかなミツバツツジ類 (トサノミツバツツジ・アワノミツバツツジ・ツルギミツバツツジ) も花が少ないです。葉ばかりの樹が目立ちます。特に、絢爛豪華に爆発したかのごとく咲き誇った昨年のシャクナゲを 「大宴会の宴たけなわ」 と比喩するならば、今年のシャクナゲの花の不毛は 「飲み食い散らかした宴のあと」 という印象です。花見客が少ないような印象で、ひっそり閑としておりましたわ。


高城山に来たら名物カレーを食べなければいけない、らしい。
●1人で来ようと、複数で来ようと、動植物を解説してくれる先生を先頭にして大名行列で来ようと、また来訪の目的がお花見・写真・山頂で無線・山で野宿する・山の絵を描く・雲海を見る・登山・オフロード走行を楽しむ・マウンテンジョギング?・森林浴・山菜採り・きのこ狩り・岩石標本集め・植物観察・野鳥観察・自然観察・何かの調査・なんとなく山中を徘徊する?・自殺する断崖絶壁を捜す?‥‥、人それぞれ来訪の目的はあまりにも十人十色で列挙しきれませんが、その目的の如何にかかわらず高城山に来たら、レストハウス 「ファガスの森 高城」 に立ち寄って有名な 「シカカレー」 を食べなければいけないらしい。そして管理人の地下足袋王子さんに挨拶をしなければならないらしい。ちょうど、登山道で出会った人に 「こんちわ!」 と元気よく挨拶するようなものであります。

↓ 写真は地下足袋王子さんが直々に皿に盛ってくださった名物のシカカレーです。なかなか美味いカレーです。写真で2皿あるのは吾輩が大食漢ぶりを発揮するのではありません。同級生のオオ君と来たからです。お花見にはいつものおばちゃんら、もとい! お姉さんらを連れ出さなかったのは 「花がないじゃないか!」 と吊るし上げになる危惧があったからです。

ファガスの森の名物「シカカレー」


やはり、シャクナゲの花は顕著な裏年だ!
花が全くないということはないが、非常に少ないです。シャクナゲの樹の下で、花見しながら弁当をたべるという雰囲気じゃありません。かろうじて写真が撮れただけで良しとしなければなりません。来年の花に期待しましょう…。
シャクナゲの花は顕著な裏年

↓ つぼみの色は濃いです。
つぼみは花色が濃い

↓ 満開の花です。綺麗ですわねえ。シャクナゲは花木の女王とか、深山の麗花 (れいか) と讃えられるだけのことはあります。
満開の花

↓ シャクナゲの花の特徴の一つに、開花後しだいに褪色するという性質があります。写真の花は、7裂する花冠の先のほうがやや色が濃く、花冠の下部の合着している部分が色が薄いです。面白い色合いの花ですが、この個体に特有なものか? そもそもシャクナゲの花はみなそうなるのかは不明です。
開花後は褪色して花色が薄くなる

↓ 今年は色々な花の咲くのが早く、お花見には数日~1週間遅かったようです。
花見には1週間ほど遅かった

↓ 林床にはシャクナゲの幼樹が沢山生育しています。親樹が枯れても後継ぎの樹が控えていますから、シャクナゲ群落の維持は大丈夫でしょう。危惧があるとすれば、山採り苗木を販売している園芸業者がいまだにいることです。写真の物ならば掘り盗って植木鉢に移し替え、2000円の札をつければ売れましょう。タチの悪い園芸業者を根絶する決めてはありませんが、山採り苗木を買わないことです。山採り苗木かどうか見抜くのは難しいですが…、
しっかりと後継樹が育つ

悪質園芸業者が盗る恐れがある


高城山のコウヤマキ
↓ シャクナゲ群落の中に コウヤマキ が1本ありました。高木層にブナの大木があり、コウヤマキはブナの大木に被陰されていて生育があまり良くありません。で、枝ぶりが男性的ではなく、やや枝が垂れさがり気味です。葉の着きかたもやや少ないような気がします。コウヤマキは仏さんをを祀るときの花というイメージがありますが、「世界三大美樹」 とか 「世界三大庭園樹」 とか称されています。しかしまあ何を以ってどういう基準で美しさを評価するのか? きわめてあいまいです。まあ、ひねくれずに率直にコウヤマキが世界三大美樹だと認めても、じゃあ庭に植えられるのか? という問題がありますわね。「あの人、変わっているわね。仏さんの木を庭に植えてるわよ!」 と陰口を叩かれるのがオチです。 「いや、これは世界三大美樹なんだよ。こんなに美しい木はほかにはあれへんのよ」 と抗弁しても一般には通用しないのではないか?

高城山ではあまり見かけない樹木ですが、シャクナゲとセットで出てくる場合が多く、つまりシャクナゲと同様に岩場を好む傾向がハッキリ見られます。リンクの記述にあるように、「環境条件に対する要求度が低いので、他の競争者が少ない場所に土地的極相として生育している」 ということですが、敷衍するならば、コウヤマキは本来はどんな条件であっても生育出来る樹木だということです。生育可能な環境条件の範囲が広いということであり、つまり土質を選ばないし、乾燥地でも湿潤地でも、少々気温が高かろうが低かろうが結構どんなところでも生育できるのです。しかしながら、条件のいい最適地の場所では他の広葉樹のほうが生育が良く、コウヤマキは簡単に競争に破れます。で、結局、他の広葉樹では生育しにくい岩場とか痩せ尾根ならば生きられる、あるいは、そういうところでしか生きられないのがコウヤマキという樹木なのでありましょう。本来はどこでも生育出来る性質があるので、人が少し世話をしてやれば夏が暑い平地の庭や寺でも良く育ち立派な大木になりますよね。

コウヤマキ


こちらは砥石権現のコウヤマキ
↓ こちらは砥石権現 (といしごんげん) (標高1375m) の山頂直下の岩場にシャクナゲと共に生育するコウヤマキです。個体数は10本か20本か数えないと分かりませんが、ひとかたまりの集団になって自生しています。尖った円錐形の樹形のものがコウヤマキです。葉が濃緑なので黒々と見えます。向こうの山が高城山です。写真は2015年5月5日に撮影
砥石権現のコウヤマキ

↓ 少し離れて見ると、クロマツの枝や葉のように見えなくもないのですが、近づいて見ればひとめで違いが識別します。葉は太く1節に30本も40本もたくさん輪生しています。節間が短いのでマツみたいに見えてしまいますが、葉の形状や葉の枝に着きかたはマツとは全く異なります。
こちらは砥石権現のコウヤマキ

葉は極太のマツの葉みたい


5月5日に既に開花したシャクナゲがあった
↓ 5月5日の時点で、このコウヤマキ自生地の海抜1300mの高所で、既に開花したシャクナゲがありました。今年は3月中旬以降は急激に暖かくなり、気温は平年値を上回る状態が続いています。芽出し・開花・展葉・結実などが何時起こるか? という生物季節現象が平年よりも1週間とか1旬早いようですわ。 しかしながら、気温の高い状態がそういつまでも続くハズがないのも通例です。陽あれば陰もあり、動あれば反動もあるのが自然なのであって、こりゃあ、今年の夏は冷夏だよね。原発利権者どもには厳しい夏になるのではないか? (冷夏で電力需要が伸びず、原発を再稼働しないと停電するぞと脅迫ができなくなる)
5月5日の時点ですでに咲いていた



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