雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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高越山の植物。網羅するのではなく、思い付きでとりあげる。
●海抜880m辺りの所から吉野川を俯瞰しました。けれども天気が悪いのでよく見えません。よく見えませんが雲のすきまから薄らと平野部が窺えます。やはり淡路島の低い山とはちがって高さを感じますね。淡路島の低い山などいくら観察しても面白くありません。やはり1000mを越える山に来ると、淡路島にはない樹木や草が沢山観察できて初夏の日長といえども時間が足りません。本土や四国の山の植物を観察すると、多様性が豊かでたいへん素晴らしく、比すれば、島の自然の単調さや貧弱さが思い知らされます。

井の中のカワズの島の行政の人や観光業者の人たちは、とりわけ、南あかじ市のカワズどもが、「島の豊かな自然」 などと恥ずかしいことを言うのですが、“めんどい” と思えへんのやろか? 本土の人々や四国の人々に笑われているのを認識すべきですね。


海抜880m付近から吉野川を俯瞰する


イチリンソウ であります。葉の間から花茎が1本立ち上がって1個の花が咲きます。で、一輪草。 (二本の花茎が立ちあがるのはニリンソウ) これもカタクリやフクジュソウなどと並ぶ有名な スプリング・エフェメラル (春植物) ですね。雪解けころに芽を出し一挙に生長、すぐに開花・結実して夏までに枯れてしまいます。あとは地下茎などでひたすら翌春を待ちます。夏緑樹林の林床の環境に適応した生活史の植物ですね。
イチリンソウの花

イチリンソウの葉


↓ 有名な ナナカマド です。山登りでこの樹木の名前を知らない者はほとんどいないのではないか。秋の紅葉も非常に美しい樹木であります。中部山岳での紅葉の筆頭はこれですね。標高の低い西日本の山でもナナカマドは普通にあって、海抜1000m前後から上で見られますね。この樹をみたら 「ああ、山に来たわね」 という感慨が湧いてきます。
ナナカマドの花

ナナカマドの花のアップ


コガクウツギ です。今年は表年 (当り年) なのでしょうか? 写真の個体はお見事な咲きっぷりです。この株の樹冠を埋め尽くさんばかりの見事さです。これだけ咲いたら実をつけるのに樹勢を消耗してしまい、来年はあまり咲かないかも? どうなんでしょうか?
コガクウツギの見事な花

↓ まるで白いチョウ (蝶) がたくさん止まっているようにみえます。スギの植林の林床や林縁にたくさんあるのですが、薄暗い中に白いチョウはよく目立ちます。
白いチョウがとまっているように見える

↓ 装飾花 (飾り花) をよく観察すると、白い飾り花の真ん中に葉脈のようなものがあり側脈も見られます。周りには葉にある鋸歯のようなビザギザもあります。この飾り花を見ると、花は葉が変形したものという意味が直感的によく分かります。
装飾花 (飾り花) を良く見れば白化した葉だ


↓ 登山車道の側に マタタビ がありました。葉が展開してそう日数が経ってはないと思うんですが、マタタビの白化葉は早い段階から白化するようですわね。いったん緑の葉として成葉したのちに白化するのではなく、白化葉は最初から白いのかも? コガクウツギの白い装飾花もマタタビの白化葉も、ともに訪花昆虫を誘引するための仕掛けでありましょうが、マタタビの白化葉というのは装飾花の前段階のものなのかも??
マタタビの葉は、葉の展葉と同時に白化するみたい


↓ これが本当のトチノキだ!
などと強調するのはワケがあって、実は淡路島ではクヌギの樹をふつう 「とちの木」 と呼んでいます。どんぐりを 「とちの実」 と言うことが多いです。クヌギを 「とちのき」 と称するのは地方名として完全に定着しています。 この事情を知らないと、本土の人が淡路島に植物調査に訪問して、島民の人と話をすると齟齬 (そご) が生じます。島民が 「○○の谷にはとちのきが沢山あるわ」 などと言うのを真に受けたら、ありもしないトチノキを捜す徒労を強いられます。淡路島には標準和名でいう トチノキ は分布していませんわ。
トチノキの若木
日本列島に自生する広葉樹で一番葉が大きいのは、トチノキか? ホオノキ か? よく議論になるところですが、吾輩はトチノキだと思います。なぜならば、1枚の葉という場合には、トチノキは20センチ程度の葉柄の先に5枚とか7枚の “大きな小葉” がついていますが、その全体を1枚の葉と解するべきだからです。そうしますと、ホウノキの葉よりも一回り大きくなりそうですわ。 登山車道には若木しか見当たらなかったのですが、お高越山には探せばトチノキの大木もありそう。初秋にトチの実を拾って、トチ餅を作ってみたいところ…。
トチノキの葉


ノイバラ の白い花の間から、ヤブウツギ の紅色のつぼみが見えています。白と赤の対比が際立っていてとても綺麗です。近くに建物があり、登山車道の側にヤブウツギがあったので逸出か? とも思ったのですが、徳島県の山ではときどきヤブウツギを見かけるし、奥野井谷川にそって点々とあるようなので自然分布なのでしょう。
ヤブウツギの赤いつぼみ



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ちごゆり嘉子 さん

お久しぶりです。

おっしゃる通り、高越山はとても素晴らしい山ですね。
私も、ブナ帯の植物を観察するために、よく高越山に行っています。
ひょっとすると、山でお目にかかることがあるかも?
神戸ナンバーで、有名な山の高さと同じ数字の車がいたら私です。
淡路島の南あかじ市の私の自宅からだと、寄り道をしなければ1時間50分です。

私は、冬場も雪を見に高越山に良く行っています。
降るときは1m積もる山でして、雪景色や霧氷がとても綺麗ですよ。
山で一番美しい花は、もしかしたら霧氷の花かもしれません。
ただし、それなりの装備が要るので冬期に入山しないほうがいいかもしれません。
昨年12月の初めに、高越寺の住職さんら2人が遭難死されました。
県西部で大雪(井川スキー場で1m30センチの積雪)があったときに、
つつじ公園を少し行ったところで脱輪、歩いて寺に向かおうとして凍死したようです。
3月まで高越寺は閉山されていたのですが、4月から寺を開けています。

実は、昨日の5月19日に高越寺にお参りしました。ちょうど寺守りの方がいたので、
話をいろいろと伺いました。住職さんがいなくなって法灯が消えるのではないかと心配しましたが、
8月18日の午前10時ころから、従来通り盛大に護摩法要を行うそうです。
必ず見に行こうと思っています。
高越山の山頂付近は、モミ・ツガ・ブナなどの見事な原生林で、ウスバヒョウタンボクの基準産地であり、
有名な絶滅危惧種のシコクカッコソウの自生が残るなど、植物の宝庫です。
高越山が高越寺の聖域として護られているからこそ、豊かな自然が残ったと思います。
木々の間から垣間見る眺望は素晴らしく、もしお寺が存在していなければ、
観光開発業者がロープウェーをつけるなど開発の餌食になっていた可能性があります。
開発の魔手を防ぐという意味でも、高越寺の存在は非常に大きいと思います。

という観点から、私は高越山に行ったならば、お寺にもお参りするようにしています。
2015/05/20(水) 19:06:19 | URL | 山のキノコ #js83eNAU [ 編集 ]
晴れてますから・・いい気分でしょう。
素晴らしい高越山にようこそ! わたしの住む鳴門市大麻町からは、高越山まで一時間ぐらいです。
冬以外は、よく花を見に登っていま~す。 
2015/05/20(水) 13:55:09 | URL | ちごゆり嘉子 #h/LGstSw [ 編集 ]
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