雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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淡路島の自生シャクナゲは、裏年ながらも、それなりに花見が出来たわ!
本日は2015年5月7日 (木曜日) であります。

●昨日 (5月6日) に淡路島南部の山岳地帯のホンシャクナゲのお花見をおこないました。下見をしていなかったので、開花状況は全く予想できず行き当たりばったりのお花見会でした。花が見られてもよし、見られなくてもよしで、たとえ花がなくてもお許しを賜るというお花見会でしたが、幸いにシャクナゲの花を見ることができましたわ。 


淡路島の自生ホンシャクナゲ 2015年5月6日
淡路島の自生ホンシャクナゲ

裏年で花は少なめ

光環境の悪化から着花数は少なめ

●淡路島のシャクナゲの大きな特徴は、極めて標高が低いところ (暖温帯下部) にあると言えましょう。で、高木層や亜高木層に照葉樹が茂っていて、その低木層としてホンシャクナゲが自生しています。この自生地はウバメガシが優占していて林冠が鬱閉 (うっぺい) しています。陽光がさえぎられて林床は割合に暗いです。シャクナゲは光を求めてひょろひょろと樹高ばかりが高く、裾の枝ははげあがっています。林床には後継樹となるシャクナゲの実生が全く見られません。つまり、このシャクナゲ群落の衰退がハッキリと見えています。おそらく数十年後には淡路島から自生のホンシャクナゲは消えるでしょう…。

↓ 裏年で花は少なめですが、ホンシャクナゲの華麗な花に魅入るお花見客たち。
シャクナゲの花に魅入る花見客


「お前がシャクナゲのお花見をしようというから、わざわざ予定を変更してきたのに、花が1つもないじゃねえか!」

というふうな責任糾弾の袋叩きは、なんとか回避することができました。徳島県の剣山地東部 (雲早山~高城山一帯) の今年のシャクナゲの花の大凶作を見たあとだけに、正直いって冷や汗ものでありました。そもそも、あらゆる自然の現象は 「ゆらぎ」 があり変動するものであります。毎年同じ日に同じ場所に行って同じ現象が見られるワケではありません。行くのが早すぎたり、あるいは遅すぎたり、その現象が起こらなかったり、ということは普通です。とりわけ、シャクナゲはもともと隔年開花の性質を持つ花木なので、年毎の開花状況の変動は極端に振れが大きく、必ず花が見られる保証などありません。必ず花が見られる保証など請け負うならば、お花見会など出来ないわけです。

1本の枝に着目して経年観察すると‥‥、
【1年目】 その春に花が咲いた枝先には、花後に新梢が出ない。
      新梢の替わりに、秋になると果実が出来て、種子散布をする。
【2年目】 その枝には前年に新梢が出来ていないので、花が咲くことはない。
      花の残骸が残るだけ。春遅くに新梢が出るが弱々しい。
      前秋に果実をつけて種子散布をするのに、精魂使い果たした感じ。
【3年目】 前年に新梢が出ているので、花が咲くことはある。
      ただし、前年の新梢は充実不足で花が咲かない場合が多い。
【4年目】 前年に出た新梢で開花しなかった枝には、見事な花が着く。
      つまり、2年掛けて枝の充実を回復したのである。

●これがシャクナゲの花に表年と裏年が発生する理由でしょうが、単純な表・裏の繰り返しではなく、10年に1回ていどの見事な開花がありますし、その反動で大凶作もあるのが普通です。見事な開花の後には樹勢の回復に2~3年かかるように思われます。それはそれでいいとしても、考えたら不思議なのですけど、では、その自生地にシャクナゲの樹が100本あるとして、50本が花の大豊作、50本は花の大凶作にうまく分かれれば (個体ごとのバラツキが起これば) 毎年同じようにお花見が出来ますわね。しかしながら、現実には、たいてい100本全部が表か裏かに足並みをそろえてしまいます。これが困るところ、です。この理由ですが一番考えられるのは気象の影響か? 気象の影響であるならば100本すべてが影響を受けそうです。

たとえば、シャクナゲの花芽分化の起こる大切な夏場に、その自生地が大干ばつに襲われるとか? 大干ばつで樹が枯れそうになる危機的状況では花芽を作るどころではないとか? 干ばつの影響というのは、数千キロの水平方向の広がりの総観スケールではなく、狭い範囲の数十~数百キロの水平方向の広がりのメソスケールの現象という感じです。例えば四国東部で干ばつだが、淡路島では平年並みの降水量とかは普通に起こります。6日に淡路島のシャクナゲを観察したら、裏年のようですけれども花は結構ありましたわ。高城山のファガスの森の平井さんが断言するような 「今年のシャクナゲの花はゼロじゃ!」 というふうな状況じゃなかったです。淡路島のシャクナゲ自生地と高城山の山頂の水平距離は73キロです。この水平距離差はメソスケールであって、この距離があれば片や干ばつ片や平年並降水量はあり得ます。その結果でシャクナゲ開花状況の地域差が生じるという、現実との一致があるわけです。ただし、これは未検証の思いつきの仮説でしかありません。

その自生地のシャクナゲのほとんどの個体が足並みをそろえる理由は何なのか? 専門家の講釈を聞きたいところですが、ホンシャクナゲという種だけでも長野県以西の西日本全域 (ただし九州は分類母種のツクシシャクナゲ) に分布域が広がるから、各地の開花状況がどうなっているのか? 気象や気候・植物の生理・植物の分布・生物季節学など多方面の協働が要る調査になりそうなハナシで、色々捜してみましたがそういう論文とかは見つかりませんでした。 (よう見つけられなかったのかも分かりませんが) 



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黄色の蛍火が明滅するような不思議な現象!
淡路島洲本市猪鼻谷、まん中の谷の、さらに支谷にて。2015年5月6日。
緑の蛍火の点滅のような不思議な現象
↑ セミプロ級の写真の腕の おたけさん(のサイト) が撮影したものです。原板写真はこちら です。黄色い小さなランプが点いたり消えたりしています。静止写真では分かりずらいかもしれませんが、お花見参加者7名はだれもビデオカメラを持っていなかったので残念ながら写真しかありません。でもまあ、おたけさんの写真技術があったからこそ、何とか不思議な現象を写し撮ることができました。

●なんとも不思議な現象でありましたが、そこは小さな沢です。沢の水が伏流水になって湧きだす岩場に地衣類のようなものが生育しています。そこに水がしたたり落ちています。半球形~紡錘形の小さな水のしずくに、周囲の新緑の景色が映し出されているのか? というふうな感じですが、黄色く光ったり消えたり繰り返しています。しばらく観察すると、小さなしずくに新緑の景色が単に映っているのではなく、キラリと光らせる何らかの光学現象のようでありますが、よう分かりませんわ。 吾輩は過去20年間に年3回はこの沢を遡行しています。60回ぐらいは来ているハズです。いつも沢には少し水がありますが、こんなの初めてみましたわ。沢の水量や周囲の景色や光量など絶妙な条件下でしか見られない現象ではないか? 物理 (光学) に詳しい方の解説が聞きたいところ…。



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