雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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高城山の植物、珍奇なものではなく普通に見られるもの。 「バイケイソウ」
四国のブナ帯に普通に自生するバイケイソウ
●登山道を登る道すがら、高度を増すにつれて樹木の種類が変わってゆき、渓谷の源頭のじめじめしたところまで来ると現れるのが、バイケイソウ であります。バイケイソウが現われると 「ああ、山に来たんだなあ」 という感慨が湧いてきます。身は四国の山地にあるのに、中部山岳の高原に来たような錯覚が起こる植物です。植物図鑑など紙媒体の文献でも、バイケイソウの分布は北海道・本州と記述され、なぜか四国が抜け落ちています。しかしながらバイケイソウは四国山地のブナ帯で普通に見られる植物であります。海抜1000m以上で、渓谷の源頭地帯の湿地や、明るい夏緑樹林の林床に見られ、単独ではなくたいてい群落になっています。 雲早山でも高城山でも有るところでは見事な大群落になっています。

●剣山スーパー林道を車で行くだけならば見ることは無いのですが、車を降りて随所にある谷をちょっと遡行して尾根筋に近ずくと、バイケイソウに出会うことができます。バイケイソウの分布の中心はやはり山国や北国であるので、瀬戸内南岸地方の住民の目には異国情緒のある植物です。ごく近縁のコバイケイソウは四国には分布いていないのですが、バイケイソウは点々と自生しているので、四国の山に登ったならばぜひ観察したい植物の一つであります。でも、有名な毒草であり、公的機関がバイケイソウを誤食するなといくら呼びかけても、毎春必ず各地でオオバギボウシの若芽と見誤ってバイケイソウの若芽を食べる中毒事件が頻発しているようです。で、注意喚起のために写真は赤枠付きであります。


↓2015年5月2日、 高城山 (1632m) の北斜面1450m付近にて。谷の源頭で湿りが多そうな感じで、樹木が比較的にまばらな場所です。斜面を覆う大群落です。花期にはさぞ見事でありましょう。
バイケイソウの大群落
バイケイソウは単独で生えることは少ない

公的機関が危険情報を発して警戒を呼び掛けるバイケイソウ

厚生労働省 「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:バイケイソウ 概要版」

公益財団法人 日本中毒情報センター 「保健士・薬剤師・看護士向け中毒情報 バイケイソウ」

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 「バイケイソウ」


●バイケイソウはかなりの強毒のようであります。オオバギボウシの若い芽と間違えて誤食するらしいのですけど、西日本じゃギボウシ類をあまり山菜として食べないのではないか? 吾輩の住む淡路島に分布するギボウシ類は、カンザシギボウシコバギボウシミズギボウシの3種ですが、カンザシギボウシは淡路島北部の山地に点々とかなり自生しています。他の2種は標本程度で個体数は少ないです。東北地方で オオバギボウシ を 「うるい」 などと言って上等な山菜としていますが、淡路島にこそないだけで、海を隔てて隣接する和歌山県の紀ノ川に面した700mほどの某山の高原にはオオバギボウシの有名な大群落があります。吾輩もむかしこっそりと盗りにいったことがありますわ。オオバギボウシは徳島県の山にもありますから、山菜ファンで採る人は採っているのではないか? 野生品をちょうど採り頃にドンピシャリと採るのは意外に難しいです。で、吾輩はもっぱら住職のいない某寺に沢山植えてあるものを失敬していますわ。(なんとバチ当たりな!) もし野生品を見つけても、バイケイソウと見分け、確実な同定が出来ないかぎり、興味本位で試食などしないようにしましょう…。



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