雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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徳島県高越山 (海抜1133m) 遭難事故は何故起きたのか?(その12) 
高越寺駐車場に着いたのち、さらに高越寺までの1.1キロの登山道を歩いた。

表参道の入り口
↑ 表参道の入り口にあるのですが、右側に高越大権現をお祀りし、左側に三面大黒天をお祀りしているということなのか? よく分かりません。三面大黒天とは身体は一つであるのにお顔が三面あります。すなわち正面のお顔は大黒天、右側のお顔が毘沙門天、左側のお顔が弁財天であります。これは大変にありがたいお神様であります。大変に御利益のあるありがたいお神様であると言っても、お顔が3つあるのはある意味では奇形ではないのか? 

動物でもヒトでも出現率は低いのですが、双頭の出産例 (お顔が2つある) は知られていますが、三頭の結合性双生児の事例は存在するのでしょうか? ていうか、これは強欲なヒトが産み出したバケモノかもしれません…。つまり、沢山の御利益を授かりたいヒトが、3柱のお神様の3種類の御利益を一度に授かろうとして、無理やりに合体させてしまったお姿なのかも…。などと書くとバチが当たるか? ちなみに、メルトダウン・メルトスルーして地中で核燃料がくすぶっていてフクイチ原発が解決もしていないのに、再稼働をたくらむ “原子力ムラの政官財癒着構造” はバケモノそのものです。ホントは世に怪物などいないのに、バケモノを産み出すのは他ならぬヒトでありますね。 

それから、「権現」 などというのも、考えたらおかしなハナシです。仏教の仏様が仮のお姿で現れたものが日本の神々であるという 本地垂迹説 (ほんじすいじゃくせつ) から来ているのは申すまでもありません。仏教が我が国に伝来し、時の権力者たちの庇護のもと勢力分布を広げるなかで、更に膨張するための方便として日本古来の信仰を取り込んだという感じです。「じつは、日本の神々というのは仏教の仏様なのだ!」 と主張しているワケで変な話です。また、日本古来の神道側からみても、膨張する外来種の仏教の脅威に対処するために、繁殖力の優勢な仏教にスリ寄った面があるのかも? と解釈できそうです。宗教とか真摯な信仰の背後にも、ご都合主義や権力闘争がシッカリと横たわっているように見えますわね…。



表参道と言っても、狭い登山道
参道といっても山道

雪が積もる

つららもある

積雪が多い
↑ ただの山道というか登山道でしかありません。幅はせいぜい1mほどで、水がしみ出す斜面ではつららが垂れさがり、ツガやモミの樹林の中では20-30センチの積雪が残っています。ここは歩くしかなくアイゼンなど滑り止めが要りそうです。駐車場から高越寺まで1.1キロあります。もし住職らが無事に駐車場までたどり着けたとしても、この登山道でへたばってしまったかもしれません。表参道というからには裏参道もありそうな感じで、確かに国土地理院の地図を見ると裏道があるみたいです。ところがいくら探してもそれらしいものは見当たりません。廃道になったのだろうか? 国土地理院の地形図は大変な優れ物でありますが、最大の欠点は 「道」 です。平野部でも山間部でも次々に新しい道路が作られます。一方で廃道になるのも多いです。で、地理院地図は調査・修正が追いつかないのでしょう。で、平野部ではう回路がありますが山では要注意です。地理院地図に林道が載っているから行くと、現地では道など跡形もなく消えていることはよくあります。


このシャクナゲは植栽品か?
↑ 表参道を行くとシャクナゲが出てきました。葉の裏の毛が少ないホンシャクナゲのようです。しかし、この山のシャクナゲは参道に沿ってだけにあります。参道から離れた斜面には見当たりませんから、これは明らかに植栽品です。おそらく高越寺が植えたものでありましょう。一般的な傾向として、何故か寺院はやたらと花を植えたがります。花の名所廻りはお寺巡りになってしまいます。徳島県の寺をあちこちお参りすると、よくシャクナゲを植えていますね。神山町の 十二番焼山寺 とか、三好市と香川県の県境にある 六十六番雲辺寺 とか、徳島市の奥座敷の 徳円寺 とか…。関西で有名なシャクナゲ寺は室生寺ですわね。長谷寺はボタンであったり、何故寺が花を植えたがるのだろうか? と考えてみたら “極楽の演出” じゃなかろうか? 「地獄」 とか 「極楽」 とは仏教の概念であって、ハスの花が咲き乱れ、シャクナゲやボタンなど美しい百花繚乱のところが 「極楽」 ということです。お遍路さんが難行苦行の末にたどり着いたのが山上のシャクナゲが咲き乱れる 「極楽」 というつもりなのでしょう…。これは吾輩の勝手な解釈なのですが、実際のところ何故お寺が花を植えたがるのか? 寺にお参りして住職に聞かないとわかりません。


なんと標高千m超にタケが生育
↑ なんと標高1080mあたりにタケがあるのはビックリ仰天です。何タケなのか分かりませんが、吉野川河岸に多いマダケでもないし、次に多いハチクでもなければモウソウでもありません。タケやササの仲間はめったに花が咲かないうえに特徴が捉えにくく、なかなかの難物です。素人には代表的な種しか見分けられません。なんせ、分類の専門家でも同じタケが専門家によって同定が違ったりするほどです。以前に植物調査のおり植物分類学の専門家 (某大学の教授) が来てくれたので、吾輩が自分でどうしても同定できなかったタケをこの先生に聞きました。しかし先生は肝心のそのタケの種名は言わずに、こういうタケの標本の作り方はこうして、ああして…、という感じで吾輩が聞きもしないことを一生懸命に説明してくださります。結局そのタケが何と言う種名なのか教えてくれませんでした。ま、そんなものです。

高越山の山頂のこのタケが何タケなのかの詮索はともかく、こんな高海抜のところにタケが生育しているのにはビックリです。ま、スズタケやミヤコザサ等は亜高山帯の寸前まで分布していますが、そんな茎 (稈) が細いものではなく太くしっかりしたものでは西日本では海抜1000mが分布の上限ではなかろうか? 西日本でも海抜1000mを越えると東北地方北部ぐらいの気温になってしまいますが、マダケやハチクなどの水平分布はほぼ本州の最北端までです。ただし、北海道の渡島半島南部に局地的に僅かに生育はするらしい。タケの水平分布の北限地帯に対応する垂直分布の上限は、四国の海抜1000mというのは言えそうです。


由緒書きの看板
↑ 表参道の終点近くに高越寺の由来書の看板があります。べつにけなすわけでも、批判するつもりはないのですが、どこか胡散臭い文面です。海抜1122mというのは三角点の標高です。山頂に標高点があり1133mです。御本尊には蔵王権現がおまつりしてあって、御本尊の脇には千手観音をおまつりしてあるとか、吉野川流域の住民がオコーツアンと呼んで信仰しているというのはいいのですが、胡散臭いのは役行者 (えんのぎょうじゃ) の小角 (おづの) が開基したと謳っているくだりです。

役 小角 (えん の おづの) は修験道の開祖といわれ大変な神通力を持つ超人ですが、もともと紀伊半島 (近畿中部~近畿南部) の山岳を根城にして跋渉・修業を積んだ人のハズです。ところが紀伊半島以外の各地に、うちの寺も役小角が開祖だという縁起を主張する寺院のなんと多いことか! 役小角が生きた飛鳥~奈良時代には、当時の中央政府が 古代の道路網 を次々に整備していって、現代の高速道路網に匹敵するほどの立派な道路だったことが明らかにされています。中央の都から四国へは 「南海道」 路線で、奈良~和歌山県紀ノ川沿い~紀淡海峡(海路)~淡路由良~淡路福良~鳴門市撫養~吉野川沿いというルートも、発掘調査が進んでかなりハッキリしてきましたね。古代のニッポンには想像以上に立派な道路が建設されたのですが、しかしまあ現在のように自動車があるわけではありません。歩くか馬に乗るしか移動手段がありません。それか舟で海路を行くかです。土佐日記で分かる通り、高知から京都まで50日もかかるんです。つまり、役小角がいかに超人であったとしても、交通の不便な古代に各地を片っぱしからまわって、寺院を開基などできるものか! という疑問が払拭できません。ようするに役小角の人気・名声にあやかろうとして、「うちも役小角が開いたんだ」 と言っているだけと吾輩は見ます。 これは弘法大師についても言えます。あまりにも各地に弘法大師の名が出過ぎます。これこれは弘法大師様が作ってくださったものだ、なんてハナシが多すぎますね。



阿波修験道のメッカ、高越寺 (こうつじ) に到着!
船窪つつじ公園駐車場に車を置いて、徒歩でここまで歩いて来ました。距離は約3.9キロです。ちょうど1時間で来れました。

立派な山門

阿波修験道の聖地、高越寺

参拝者が結構あったみたい
↑ 麓のふいご温泉付近の登山口に香川ナンバーの車が何台か停まっていました。団体で高越山に登山したのでしょうか? けっこう大勢がお参りしたのか足跡が沢山あります。それにしても徒歩でしか行けない山頂付近に立派なお寺です。信心の不足している吾輩もいくばくかのお賽銭をあげてお参りしましたが、素朴な疑問が湧いてきました。ここまで車では全く来れないのです。歩いて来るしかないところに、立派な山門があり、御本堂や庫裏があります。寄附玉垣の石も多数が並んでいます。で、むかしこのお寺を建立した際に建設資材をどのようにして山上に運んだのでしょうかね???


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