雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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四国には小規模だがスキー場がたくさんある。 (その1)
●3月弥生の声を聞くと、短い冬ももう終わりです。雪が見られるのもあともうしばらくであります。せいぜい3月一杯か、標高の高い所に行ってもせいぜい4月中旬までです。四国の山間部は南国ではないといくら強弁したところで、北陸の立山のようにはまいりません。積雪の絶対量が少ないので、融雪が始まったらアッというまに山々の雪帽は消えてしまいます。いま、足しげく雪を見にいかないとまた来年という感じです。で、2月28日に剣山スキー場 (休業中) へ行ってまいりました。雑想庵の写真ギャラリーに撮ってきた写真を陳列します。沢山の写真を撮り、また冬のブナ帯の植物観察も行ったので、何回かに分けて写真を並べます。なお、拙写真が欲しい方には連絡いただいたらメールにて写真の原版をさしあげます。もちろん無料。たとえ商業使用であってもOKです。 (でも、まあ、素人のバカチョン写真など誰も要らんでしょうけど…)

●ネットの掲示板で議論をしていると、北日本の人らが四国は南国だ、南国の住民は雪の恐さを知らないと言うのですが、でもね、四国には実はスキー場が沢山あるんですよ。規模は小さいのですがスキー場はスキー場です。結構雪も降りますわ。吾輩はややしつこく鳥モチのように粘着質なのでありますが、論より証拠、四国のスキー場の写真を陳列します。ただし、30年ほど前はスキーブームで湧いたのですが、ボーリングなども凋落したように、スキーブームもしぼんでしまいました。スキー人口は最盛期の10分の1になったとさえ言われています。で、全国でスキー場倒産が相次ぎましたよね。今回写真レポートする 剣山スキー場 も倒産しちゃいましたわ。ただまあ、このスキー場の現在の経営主体は徳島県の つるぎ町 です。つるぎ町が財政破綻したわけではないので、「倒産」 という言葉は不適切であり町営施設の一時的な 「休業」 ということでありましょう。しかしまあ、実際は倒産ですよね。剣山スキー場の営業再開など夢のまた夢。100%絶望的です…。

「他所者がああだ、こうだと言わんといてくれ」 と怒られそうですが、吾輩のところ兵庫県の南あわじ市も、市営施設や第三セクター方式のいい加減なビジネスで大赤字垂れ流し、市の財政の持ち出しになっているものが幾つもあります。吾輩の住む所の別名は 「南あかじ市、(南赤字市)」 です。この別名って誰が考えたんですか? 前畠さんですか? つまり、ご互いさまなんですわ。全国田舎の市町村はどこも似た状態です。遠い北の端にある夕張市は人ごとじゃありません。我が町の将来なのかもわかりません。国だって危ういし…。ま、そもそも、この国は大丈夫なんでしょうかねえ?


未明に登山道路の入り口に着いた
↑ 2015年2月28日06時14分。徳島県つるぎ町一宇地区の剣橋から少し山のほうに行ったところです。海抜約500mです。最終日とはいえまだ2月です。ここに雪がないとはやはり今年の四国の山は降雪量 (積雪量) が非常に少ないようです。南赤字市を出たのは03時10分ですから、約3時間かかっています。ただし、途中でコンビニによって弁当を買ったりコーヒーを飲んで一服30分をしています。2時間半で十分来れます。飛ばし屋ならば2時間か? タイヤチェーン必携と電光掲示が出ていますが、いまどきチェーンを巻く人は少数派です。南国四国でも山に来る人は8割がスタッドレスタイヤを履いています。もちろん吾輩も。チェーンはスタック脱出用か、新雪の深雪用です。四輪駆動+スタッドレスでだいたい行けますわ。さきに参考動画に登場した阿波泥暴さんらみたいな スノーアタック (註) をするのでないかぎり、チェーン無しでも大丈夫です。ただし、二駆だとカーブでかなり滑ります。山では気温が低いのでアイスバーンがいたるところに出来ていますし、勾配がきついから、スピード控えめじゃないと谷底に転落かも? (ありましたよね) で、山登りや雪見物の者には、車を買うとき四駆しか選択肢がありません。できればスタック脱出用にデフロック付きが望ましいです。

(註) 何回見ても素晴らしいですね。BGMの選曲も素晴らしい。軽快なリズムの曲が動画に躍動感を与えていますね。でも、人によっては 「これって何の意味があるの?」 とか 「何でこんなアホウなことするのかしら?」 という人もあるかもしれません。しかし、この面白さや素晴らしさが理解出来ない人は、失礼ながら年寄りです。たとえ実年齢が若くても精神は年寄りですわ。逆に年が70でも80でもこれを面白いと思う感性の持ち主はまだ年寄りではありません。ところで、これがどこなのか? ですが直感的に旧 三加茂町から落合峠へ向かう林道か? と思うんですが違うかもしれません。吾輩も徳島県の林道をかなり走りまわっていますが、これはハッキリわかりませんわ。

第一ヘアピンあたりで雪が出てきた
↑ 剣山登山道路の第一ヘアピンカーブです。海抜は750-760m。ようやく雪が出てきました。この直前まで集落 (旧 一宇村桑平) があり人が定住しています。西高東低の気圧配置のときにはこのあたり一帯は終日雪雲が覆い、青空は見えません。1mぐらいの積雪は珍しくなく、住民の意識は絶対に南国じゃないハズです。ようするに、太平洋側の日本海側です。それにしても今年は雪が少ない印象です。

海抜900mあたりから雪が多くなる
↑ 海抜900mぐらいから雪らしいものが出てきました。路面はバリバリに凍結しています。凍結した氷のうえに僅かの1センチ程度の新雪が乗っている状態です。

除雪されているが路面は凍結状態
↑ スキー場の手前1キロのところまで来ました。海抜は約1300mです。スキー場が営業していたころのような丁寧な除雪ではないにしても、一応除雪してあります。除雪幅が広く対向車が来ても大丈夫です。路肩に積んでいる排雪の山の高さから分かるとおり、今年は積雪がかなり少ないです。


剣山スキー場の様子 (2015年2月28日朝)
まず、国土地理院のネット地形図 を埋め込み借用します。


剣山スキー場に到着!
↑ 朝7時12分にスキー場に到着。淡路島南部の南赤字市の雑想庵をでてちょうど4時間です。途中、一服や寄り道ばかりしていたので一路スッ飛ばして来ると3時間かも?

スキー場の施設は全部閉鎖状態
↑ ロッジ (食堂棟や、スキー道具・衣装のレンタル室) は閉鎖されています。2007年度から休業しています。(2007年の冬はやっていた) 休業してもう8年です。再開は絶望的でしょう…。もともと、このスキー場は1976年に徳島県が開発した県営スキー場でした。その後、1995年に徳島県から旧 一宇村に無償移管され、村営スキー場として運営されました。さらに、平成の市町村合併で一宇村と貞光町と半田町が合併して、2005年3月1日につるぎ町が誕生しました。で、一宇村営スキー場から自動的につるぎ町営スキー場となりました。 剣山スキー場の休業の理由は、早く言えば赤字の垂れ流しです。最盛期の1995年度には34500人の利用者があったのですが、閉鎖のちょっと前の2004年度には15400人と半減です。さらに閉鎖前年には1万人割れ! これではどうにもなりませんわね。収入がへるのに施設老朽化で維持管理費が増えるし、暖冬で雪が少ない年には造雪機での造雪費用が膨らんだみたいです。ま、昔はスキーブームというのがあって南国でもスキーをしたことがないなんて恥ずかしくて言えない雰囲気でした。実は、吾輩は雪を見にスキー場に過去頻繁に行っていますし、日本海側にもよく行きましたわ。しかしながら、スキーをしたことがないんです。今なら告白できます。それどころか、いま 「スキーをやっている」 なんて言おうものなら、「あんた、まだスキーみたいなことやってんの?」 と笑われますわね。吾輩は、過去数十回このスキー場の前を通っているハズですが、たまに昼飯を食べただけでカネを落とさない悪い客でしたわ。今となっては吾輩も雪滑りをしてお金を落としてあげたらよかったなあと思うんですが、焼け石に水。

●それから見落としてはいけない背景に、10代~30代の若い世代の人口激減が影響しているのでは? 70や80の老人にスキーをしなさいと言っても無理で、お客さんのターゲットは若い世代です。団塊の世代が30代くらいのときは賑わったのですが、あとの世代はジリ貧で世代人口が減っています。一時、子団塊の世代で賑わいを取り戻しても、もう子団塊も40代です。

●ようするに、大変失礼な言い方になるのですが、俄かブームに乗った (乗せられた) 末路の姿が倒産したスキー場なんしょう。ボーリング場でもゴルフ場でも同じで倒産したところが沢山ありますよね。生き残るのは立地条件がいいところだけです。沢山の潜在的利用者がいる人口密集地帯の近郊とか、よほど知名度があり市場訴求力を持つところだけなんでしょう。ブームの中盤までは誰でもそれなりに儲けられるのでしょうけど、終盤はみんな共倒れです。そういえば我が南赤字市では葬儀場ブームで沸いていますが危ういですね。次々に新しい葬儀場が出来ていますがブームの末路は既に見えています。いくら高齢化が進んで葬式が多いといえ異常な状況です。ようするに、皆が皆このビジネスは儲かって良いんだよというものはダメ (合成の誤謬) ということなんでしょう。一番いいのは、誰も目をつけていないときに創業し、ブームに陰りがみえはじめたらサッと店じまいでしょう。でも、それは難しいことです。なんとか赤字転落から経営を立て直そうと足掻くと、ドンドンと傷が深くなるだけですよね。


レストハウスにはつららが垂れさがるだけ…
↑ ロッジの軒先につららの花が咲いています。つららなんてめったに見られないところの住民には珍しいし綺麗なんですが、これって危険なんですよね。すこし気温が上がるとヤリのように落ちてきますわね。下を通るときに落ちてきたら場合によってはケガをします。誰の作品だったか、むかし読んだ推理小説で公衆の風呂場で殺人事件がありました。推理の結果、熱い風呂で冷たい飲み物を楽しむために魔法瓶にツララを入れて持ち込みました。そのツララでぐさりと突き刺して殺人です。しかしながら、熱いふろ場ですから物的証拠のツララのナイフ (ヤリかも) は溶けて証拠完全隠滅です。そういうハナシでしたが、松本清張だったか? 横溝 正史だったか? 忘れたわ。

サビ付いたリフトはもう動かない…
↑ 動かなくなってもう8年です。すでにリフトは錆ついています。どんな機械類でも定期的に動かさないとアッという間に調子がわるくなりますわね。このリフトは老朽化しているでしょうし、もうダメでしょうね。で、このスキー場を再営業するにはリフトを作りなおす必要があるのではないか? というふうに考えると、もはや再営業は不可能でしょう…。 営業していないのにリフトが存在するがために鉄道事業法の規定により 安全報告書 の提出が求められているのでしょうか? よく知りませんが、施設が事実上破綻して営業もしていないのに、異様な報告書ですね。

剣山スキー場 (休業中) のゲレンデの様子
ゲレンデを下から見上げた
↑ 休業中なので誰一人いません。朝早いだけではありませんね。登山車道を登ってくるときに吾輩が今朝の剣山一番乗りではなく、前に車の通った跡が3台分ほどありました。しかし、先客は剣山登山口の見ノ越へ行ったようです。写真はロッジ付近から上を眺めたところです。

説明看板があるが、なんだかせつない感じ
↑ コースの説明看板がありますが空しいですわね。まだ廃墟というには早いのですが、このまま管理がされなければ、やがてゲレンデに樹が生え生長していくでしょう。そう遠くない将来にゲレンデは森に還っていくでしょう…。今後、このゲレンデは 「植生の遷移」 の実験場 (観察場) です。ロッジの建物がブナやウラジロモミの森に埋まるとき、本当の廃墟になります。 自然観察の目でみれば、こういう森林破壊跡がどのように森に還るか大きな観察ポイントなんです。それから、注目点がもう一つあります。このような開けた草原は雪が積もります。積雪が植生の回復を妨げる可能性があります。その点も観察の注目どころです。

上から眺めたところ
↑ 雪上を歩いて上の方に来ました。で下を見降ろした。一面の雪原ですが今年は雪がかなり少ないように思います。積雪はたぶん50センチ~1mのレベルでしょう。遥か向こうの方に矢筈山 (1848.8m) の裾が見えていますが、山頂は雲の中です。つるぎ町は 公式ホームページ で次のように言っています。

「平成26年度の剣山スキー場は、平成26年12月13日から平成27年2月28日までの土・日・祝祭日 (ただし、年末年始を除く) に限り、一部無料開放とし、雪のない日は閉鎖いたします。ただし、ロッジ (食堂・レンタルなど) 利用できません。なお、リフトや造雪機などは稼働せず、自然雪のみとなります。」

けれども、今日は土曜日ですけど、管理人も見張りもいるようではありません。遊びたかったら勝手にどうぞって感じです。閉鎖とか開放とか言っているけど、現場にはそういう看板もありません。普通、行政が心配するのは事故があった場合の責任の所在です。ならば、このスキー場は閉鎖していますと看板を立てて、ロープを張り立ち入り禁止の措置をするハズです。そうしておけば、もしここで事故があっても 「お前が勝手に閉鎖しているところに入るのが悪いんだよ」 と主張できます。そういうふうに考えたら、矛盾があるところで、このスキー場を再営業したい未練があるのか? あるいはスパっと廃止・閉鎖できない何か裏事情でもあるのか??

つるぎ町議会だより 第2号 (平成19年4月27日) 9ページから引用します。(3月9日開催の産業建設常任委員会、剣山スキー場事業特別会計予算の質疑から)

田村昭二委員 十九年度休業ということだが、休業後の臨時職員について雇用対策は。
兼西町長 職場の余裕もなく、町財政にも余裕はない。町での雇用は大変難しいというのが現状である。
田村昭二委員 過去の経緯も踏まえ、スキー場経営の見通しは非常に暗い。本事業の継続は、町財政圧迫要因の一つになると考える。今後、事業廃止の方向での検討を要望する。


霧氷がきれいだね
↑ 剣山スキー場 (ロッジの近くに海抜1366.1mの三角点がある) から少し上方は霧氷の花が咲いています。綺麗ですわね。これを見ると冬の山に来たという感じがします。四国には1500m超の山は沢山ありますし、1000m以上の山ならば無数にあります。冬には霧氷はごく当たり前に見られます。で、霧氷が当たり前に見られるところは南国じゃないんですわ。ちなみに、淡路島の山など山ではなく標高が低すぎるのでめったに見られない風景です。諭鶴羽山 (608.0m) 山頂で過去30年間でたった2回だけですが霧氷 (エビの尻尾) を確認しただけです。

気温は氷点下6度ぐらい
↑ 2015年2月28日07時39分ですが、剣山スキー場のゲレンデ海抜1400m地点です。目通りの高さで-6度ぐらいです。気象庁の検定済みの温度計じゃなく、おもちゃみたいなものですから誤差があるでしょうが目安にはなります。-10度ぐらいを見たかったのですが、昨日からの寒波は弱くあまり気温が下がりませんでした。麓の徳島地方気象台で07時に+2.5度、アメダス池田では放射冷却が作用して-2.2度でしたから、気温減率はあまり大きくありません。同日同時間の北日本では暖かい朝を迎えたようで、山形で+0.6度、秋田で+1.9度、青森で+1.4度、札幌で+0.2度、旭川で-2.9度と、剣山スキー場の方が寒くなっています。


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