雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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スイートスプリングは、ジュースにすれば極上の美味さ (続編)
スイートスプリングの生産・出荷の累年統計
農林水産省の特産果樹生産動態等調査 長期累年統計表一覧〔Excel:e-Stat〕 からグラフを作成。長期累年 (長期累年統計表一覧〔Excel:e-Stat〕) → 表番号2-1 の上から40番目であります。

スイートスプリングの生産統計グラフ

●このグラフは農林水産省のエクセルデータを単純にグラフ化しただけでありますが、良く見ると2000年の数字が抜けていますわね。何でやろか?? 農水省に問い合わせないと分かりません。それから、2005年以降のデータがありません。統計データを集計するのに暇がかかるのやろか? でもまあ、10年もかかれへんやろな。多分、統計データを取ることをやめたんとちゃうか? これも農水省に聞かないと分かりません。 

●スイートスプリングは品種登録された翌年から苗木が供給されたのか、栽培が始まったようでありますが、結局、栽培面積は横ばいでほとんど増えませんでしたわね。栽培面積が増えないのに生産量が増えていったのは、単純に樹が成長したためでしょう。生産高がなめらかな上昇ではなく増減の凹凸があるのは、多分、表年と裏年 (=隔年結果) が起こっているからでしょう。2004年以降の状況は不明ですが、2004年時点で樹齢20年に達し成木です。栽培面積にそう大きな変化がないとすれば、生産高も600トンか700トンあたりを出没していて横ばいのはずです。ま、やはり、生産量は極めて少ないです。



スイートスプリングやネーブルの、栽培可能エリアは?
スイートスプリングの果汁に落果ネーブル果汁をミックスすれば、極上の美味いジュースになると申して、店に売っていないのでなかなか手に入りません。ネーブルならば市販されてはいますが、国産ネーブルは法外な値段! が付けられています。で、自分で栽培する必要があります。アパートとかマンション住まいならば困難ですが、一戸建てに庭がついていたらしめたもの。何の腹の足しにもならない庭木など早く伐って、これらの柑橘類の苗を植えましょう! 栽培は意外に簡単です。

亜熱帯柑橘のネーブルは特に寒さに弱く、スイートスプリングも寒さに強くありません。強烈な寒波が襲来したならば、ひどい寒害にやられますし、あまり気温が低いと樹が枯らされます。文献等では耐寒限界が-2度としている文献が多いですが、瞬間的な低温ではギリギリの限界が-5度か-6度あたりです。その低温が何日も連続したら非常に厳しいですが、寒冷紗かコモを樹に巻き、樹冠の下に厚い敷きわらをするなど防寒対策をしっかりとすれば、一晩くらいならば何とか持ちこたえます。


↓ 気象庁の観測データから、栽培可能な地点をプロット
-6度以下にならない地点

↑ 上掲の地点分布図は、気温的に栽培可能な地点を示しています。アメダスの運用は1974年から始まりましたが、多くのアメダス観測所の観測統計は1977年からのものが多いです。統計期間は39年目に入っています。図には気象台や旧測候所のいわゆる 「気象官署」 も加えていますが、気象官署は観測の歴史が100年超のものが多く、アメダス観測統計と同質ではありませんから、1976年以前のデータは除外しました。

●たとえば東京での最低気温の最も低い記録は-9.2度ですが、100年前には-8度以下の低温が頻発しています。この低温に見舞われると耐寒性の低いカンキツは一発でやられます。ところが、都市膨張につれて冬の気温上昇がめだちます。1977年以降に限ると最低気温は-3.8度まで上がります。なんと5.4度も上昇です。特にここ20~30年は-1度か-2度までしか下がりません。なんと東京は鹿児島県指宿か枕崎と同等の冬の暖かさです。このために東京はスイートスプリングやネーブル栽培可能地点となりました。ただ、高度な土地利用をする東京の中心に果樹を栽培できる土の場所があるのか? ということですが、江戸城跡の森の中の広大な屋敷に住まわれる天皇陛下は植物学者であられ (とくに昭和天皇は。『那須の植物誌』というご著書があります) 園芸をお好みらしいです。で、皇居に植えているかも?? 観測統計期間のながい気象官署では古い記録では強烈に冷え込んでいるのに、近年は都市温暖化で亜熱帯カンキツ栽培可能地点がいくつかあります。(愛媛県松山など) 丹念に調べていくと地球温暖化の実態は明らかに 「都市温暖化」 と 「冬の気温上昇」 です。夏の最高気温はそれほど上がっていないのです。なぜならば、気象官署の古い記録や、昔の区内観測所のデータに40度超の観測事例が多数あるからです。虚心に気象観測データを見れば、温暖化は憂うべきことなどでは決してなく、むしろ歓迎すべき好ましいことであります。ま、申せば、温暖化が危機だとするのは、そうした方が利権をむさぼれるからなのです。


実際の庭先栽培では、徹底的な寒風害対策を!
●上の図は実際の温州ミカンの栽培分布とほぼ一致しています。で、温州ミカンよりも耐寒性が劣るスイートスプリングやネーブルの庭先栽培にあたって一番気をつけることは冬の寒さ対策です。植えるのは家屋の東側あるいは南側です。冬の北西季節風を避けなければなりません。あるいは屋敷に塀や生け垣を巡らせて風を防ぎます。これが先ず第一に重要で、整枝や剪定、施肥や病虫害防除などの栽培技術よりも重要です。なぜならば寒風害で樹を枯らされたらおしまいだからです。


付記、日本海側のカンキツ限界栽培】  なお、栽培適地は図の通りで関東南部以西の太平洋沿岸です。あくまでも沿海地です。無理して内陸部で栽培しようとしても寒害との戦いになりますわ。海岸から20~30キロも内陸に入ると四国や九州でも最低気温が-8度とか、-10度とかになります。例えば 鹿児島県アメダス大口 では-10.2度。高知県アメダス中村 では-10.4度。 さしあたって栽培出来たとしても数年とか数十年に一度の強い寒波や、強烈な放射冷却でやられますわ。

上掲の図では、驚くべきことに日本海側で観測統計上-6度以下にならなかった地点が3箇所あります。 京都府アメダス間人(タイザ) の-5.9度、福井県アメダス越廼(コシノ) の-4.7度、新潟県アメダス糸魚川(イトイガワ) の-5.3度です。 それらアメダス観測所の立地環境を地形図で調べたら、アメダス間人は港町集落のはずれで小高い山のすそ、アメダス越廼は海岸集落にあり背後は屏風のような山、アメダス糸魚川は糸魚川市の市街の外れで背後は丘陵地帯のようであります。以上から考察すると、

①、海岸のすぐそばにある (海洋の影響で冷えづらい)
②、冬に日本海から風が吹き付けるところ (海を渡る風は極端な低温にならない)
③、市街や集落の中にある、(わずかでもヒートアイランド現象が起こる) 
④、背後に山がある (内陸部で冷えて海岸に流れ出す冷気をブロックする)

このような条件がうまく重なるところでは、日本海側でもスイートスプリングやネーブルが栽培できそうな地点が点々とありそうな気がします。もちろん厳重な防寒対策は必要です。そういえば、温州ミカンですが若狭湾沿岸で僅かですが栽培 (自家消費と地元消費ですが) されています。隠岐島の西の島でかつて温州ミカンがつくられていました。隠岐の島では現在地域おこしの一環でミカンの復活を目指しているみたいです。それから、佐渡島南部でも温州ミカンが僅かですが作られ佐渡島が温州ミカンの栽培北限です。温州は瞬間的には-7~8度までならギリギリいけます。糸魚川市にはかつて 上刈ミカン(うえかりミカン) が存在していたのは知る人は知るハナシです。



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