雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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寒波による農業被害が出ている! 野菜の値段がウナギ登り!
本日は2014年1月7日であります。

●まだ松の内であり (本来は正月のマツ飾りは1月15日まで飾る)、お屠蘇 (おとそ) のほろ酔い気分も抜けないのでありまして、形式的には大変に目出度い時期であります。しかしながら、内憂外患の諸問題が山積し、天変地異の兆しが予感されるわけです。とても、のんきに 「おめでとう」 などと言える状況じゃありません。いま危惧される天変地異の筆頭はもちろん南海地震であります。これが襲来すると我が南海道 (阿波・讃岐・伊予・土佐・淡路・紀伊の6ヵ国を範囲とする古代の広域行政区画) はワヤクチャでありましょう。生き残ることが出来るだろうか? もし、南海・東南海・東海の3地震連動の巨大地震ならばモーメントマグニチュードで9.0~9.5ぐらいか? 人口が密集する太平洋ベルト地帯が襲われるから犠牲者の数はオーダーで数十万人か? できたら南海地震は吾輩がいなくなってからにしてほしいものです。それから天変地異で危惧されるのが地球寒冷化です。温暖化じゃありませんよ。温暖化は自然科学のハナシではなく政治的な権力闘争にすぎません。ここ10年ほど前から気象観測データは一斉に地球寒冷化を示唆しています。政治的な圧力であまり語られないだけです。地球の気温低下で恐いのは、食糧生産に危険信号が点くことです。それから北半球の中緯度~高緯度で低気圧が台風並みに猛烈に発達して気象が荒っぽくなることです。とにかく、地球の気温がちょっとでも下がってきたら、温暖化よりも遥かに恐ろしいことを思い知らされるでしょう…。



直近の1か月は物凄く寒かった!
↓ 下図は気象庁のホームページから 天候の状況 気温30日間平均 を借用しました。この図は平年値からの偏差で表わされています。おおむね、直近の1か月は全国的に平年値よりも1度~2度低かったことが分かります。プラス偏差のところは北海道の道央地方に僅かに見られるだけです。

直近1か月の気温の平年値からの偏差

次に、同じく気象庁のホームページから 洲本特別地域気象観測所の観測統計 を閲覧して、気温の推移をグラフ化してみました。わが淡路島の旧洲本測候所なのですが、12月に入ってから気温が激烈に下がったことがよくわかります。

こういうグラフを読むコツは、平年値 (1981年~2010年の30年平均) の推移も記入しましたから、その平年値線よりも上に出ている日数と、下に落ちている日数を数えて比べるのも一法です。グラフ内に説明を記入したように、平年値の下に落ちた寒い日が、平年値の上に突き出た暖かい日の約3倍もあります。


洲本特別地域気象観測所での気温推移


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生鮮野菜が寒さで生育の遅れ、値段高騰が始まった!

というのは申すまでもなく周知のことですが、レタス1個が小売り価格300円程度になってきましたわね。これから消費者の台所を直撃しそうです。ただし、吾輩の周囲の農家の人は高く売れて喜んでいるみたいですが…。消費者と生産者は利益相反関係。でも、まあ、高値だと言ってもモノが少ないから必ずしも良いわけじゃありませんが。政府の悪政で日本売りの円安が進んでいます。外国からモノを買いにくくなっていますよね。食糧を輸入に依存するニッポンの家庭の台所で悲鳴があがりつつあります。そこに輪をかけて寒波で生鮮野菜が育たず、国民の野菜不足による健康障害が懸念されますね。そういう状況は今は顕著ではありませんが、これから深刻になってくるでしょう…。 えらいこっちゃあァ!


吾輩の自給栽培のネーブルが、寒風害でやられたあァ!

↓ 見事に落果しました。実際はもっと落ちていたのですが、半分拾ってから、そうだ、写真を撮ろうと思いついたので少なくなっています。一旦拾ったものをまた並べるというのは不自然な落ち方になるのでは? と思い、そうしませんでした。この状況は30年ぶりでしょうかねえ? しのびよる地球寒冷化でこのような果樹の寒風害が今後頻発するのではないか? 気温自体は極端に低いわけではなく最寄りのアメダス南淡で今冬の最低気温はまだー2.0度です。寒さに弱い柑橘類のネーブルやレモンなどでも何とかギリギリ持ちこたえる範囲内です。問題は強烈な風です。零度近い20mの強い寒風には抵抗性がありませんでした。寒冷化が恐いのは、亜熱帯と高緯度の気温差が大きくなることです。その温度差を均そうとして温帯低気圧が猛烈に発達し、強い寒風にさらされます。果樹栽培だけでなく農業全般にとって大きな懸念材料です。
果実が寒風害で落果した

↓ 風上側の枝の葉がほとんど落ちてしまいました。最寄りの観測所の アメダス南淡 の観測データを閲覧すると、12月1日~1月6日の間に最大瞬間風速が20mを越えた日が9日もありました。元旦や2日には零度近い冷たい25mの強風が吹き荒れています。この強い寒風にやられました。これだけ葉が落ちると、今時分が花芽分化の時期ですが影響が避けられません。1年後の実は少なく品質も悪くなります。隔年結果の原因になってしまいますわ。もし営業栽培だったら死活問題です。
葉も寒風害で落葉した

↓ 風裏側の枝には多少は葉が残りました。風上側の葉がほとんど落ちたことから、どちらかと言うと低温そのものの害ではなく、冷たい強風にさらされて激しい蒸散作用によって樹がいわば 「脱水症状」 になったという感じです。 “寒害 = 干害” に近いです。この状態では果実の 「す上がり」 が懸念されるところ。12月の気象状況はヤバイなとは思っていたのですが、防風ネットを張ったり、樹冠の下に厚い敷きわらや、樹に寒冷紗やコモを巻くなど対策を打たなかったのが不覚です。
風裏側の枝には多少葉が残った

↓ 落ちた実を拾い集めました。落果はヘタが取れてしまうし、傷がついていることが多いから、もし営業栽培ならば商品価値はゼロです。夜逃げか首つりするところです。しかしながら、自給栽培ならば、自分が食べるに関しては何ら問題ありません。暖かい所に2~3週間置いて酸を抜いてから食べます。完全無農薬・有機栽培のネーブルです。消毒をしないし袋かけをしないから、見てくれは悪いけど美味いですよ。
落果を拾い集めた


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山形県の柑橘類栽培トライアルはどうなったのか?

飛島でスダチ60個初収穫 県が試験栽培、「北限のかんきつ類」へ(荘内日報社)
年が変わったから一昨年のことになりますが、2013年10月中旬に全国紙でも鳴り物入りで報じられたハナシです。山形県が酒田市と飛島で2011年に苗木を植えて柑橘類の試験栽培をおこなったところ、2013年10月に僅かだが収獲できたというニュースです。苗木が年々急速に大きくなるから、もし栽培が上手くいっていたならば収獲が急増するハズです。山形県知事が誇らしげに発表するハズです。しかし、その後の情報が非常に乏しいです。山形県の 2014年10月20日の知事記者会見 で少し言及していますので、借用します。

抜粋引用開始
それでは、今日飾っておりますのは 「すだち」 であります。それと、大キャベツについてご紹介申し上げます。
 
両方とも県内で試験栽培をしているものであります。まずこの 「すだち」 なのですけれども、最近の地球温暖化の進展に対応して、これまで寒冷地では育てることが難しいとされているかんきつ類の栽培が可能かどうかを検討するために、県内でも比較的温暖な酒田市の庄内総合支庁産地研究室と飛島の2ヶ所で、平成22年から試験栽培を実施してまいりました。私が知事になった時に、果物はなんでも採れるが、かんきつ類だけは採れないと言われました。でも温暖化ですから、かんきつ類も採れるのではないかというふうに申し上げて、試験栽培をしております。
 
この研究室では、酒田ですけれども、研究室では今年、6本の樹から昨年より200個多い1200個、昨年1000個でしたが、今年は1200個もの実が採れました。飛島では、3本の樹から昨年は60個だったのかな、その約3倍の170個の実を収穫することができました。
 
これらの 「すだち」 は、庄内総合支庁が中心となって、管内の飲食店・旅館、飛島の民宿などに提供し、今後の活用に関するアンケート調査を実施する予定であります。また、地元JAと連携して、鶴岡と酒田市内の2ヶ所で88本の 「すだち」 を実証栽培しております。こちらも順調に生育していると報告を受けているところです。さらに、来月には、「温州みかん」、「ゆず」、「レモン」 なども収穫できる予定であります。
 
今後も、これらかんきつ類の品質や管理方法を調査しながら、地域づくりや観光などに活用できないか、庄内地域の皆さんと一緒になって検討してまいりたいと考えております。北限のすだちということになるかと思います。後ほど皆さんにも配らせていただきます。切って見ると、本当に香りが良いです。大変美味しいというか、いろいろ活用できるのではないかと考えております。 
引用終了



●スダチが出来たようです。しかし騙されてはいけません。もともとスダチはユズの近縁種であって、耐寒性が非常に強い品種です。実際に東北地方南部沿岸部であれば栽培可能です。スダチを植えてチョウを呼ぶ 参照。スダチという品種はその来歴はハッキリしませんが、徳島県で江戸時代から栽培されている香酸柑橘です。吾輩が秋にキノコ狩りにいく高城山 (1632m) や雲早山 (1496m) の北側山麓の神山町あたりが原産地であり、神山町がスダチの日本一の産地です。今は枯れたけど樹齢300年のスダチの古木がありました。徳島県の柑橘栽培は、沿海地ではウンシュウミカンや耐寒性の弱い雑柑類が栽培され、冷え込む内陸山間部でユズとスダチが栽培されています。その土地の気温に応じて 「栽培分け」 されています。スダチを植物として観察すると、冬に半分の葉を落とす 「半落葉性」 です。常緑樹の柑橘類であるにもかかわらず落葉樹の性質を兼ね持っていて、寒冷な気候に耐えられるようになっています。神山町では海抜500mを越える高所まで人家が点々とあり、庭先にスダチが植えられています。厳冬期に本当に気温が下がったら-10度を割り込むような山間高冷地でもスダチが立派に生育していますね。神山町はこういうところ 

ユズにいたっては耐寒性は最強です。-10度に十分耐えます。(本当はカラタチが耐寒性最強ですが食用になりません。) 気温が下がりにくい沿岸部ならば実際に青森県でも栽培されていますね。日本大百科全書 (ニッポニカ) の解説 ユズ 参照。ようするに、酢ミカン類ならば、山形県酒田市や飛島で栽培出来て何ら不思議ではないのです。

●問題は、耐寒性の中程度のウンシュウミカンや、耐寒性の弱いレモンが栽培できるのか? 仮に出来たとしても商品価値がある良品が生産できるのか? 商業生産につなげられなければ税金を流し込んで行う試験栽培など、税金の穀潰しということになりましょう。 飛島の2014年2月の気象観測データ を見ると一日中氷点下で最大瞬間風速30m近く、耐寒性の高くない柑橘にはあまりにも過酷な気象条件です。仮に栽培できたとしても防寒対策に大変な苦労を強いられますし、苦労の割に良品生産など望むべくもない筈です。おそらく、10年に1回の大寒波で樹が枯らされるのがオチでしょう。そのように考えると、国でも地方でも温暖化にからめて研究費 (税金) のかすめ盗りをしているだけという正体が透けて見えていますね…。



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