雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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投票する前に、財務省の資料を閲覧して、よく考えよう!
本日は2014年11月19日であります。

●昨日に、公式に衆議院の解散が表明されました。ステロイド剤の副作用と思われるムーンフェイス (満月のようにむくんだ顔) の宰相が言うには、選挙の争点は 「消費税増税の延期」 を国民に信を問うのだと言っています。えっ?!?!? であります。意味不明、かなり、しどろもどろ。明快さが全くありません。消費税再増税を1年半延期しようが再増税であることは規定路線です。早かれ遅かれ消費税を10%に上げるということであります。延期するのか延期しないのかでは双方ともに消費税10%を容認していることには何ら変わりありません。国民・有権者の立場から申せば、これは選択肢などではありません。この消費税10%の再増税は既に法律として成立しているので、施行する日が早いか遅いかの違いでしかありません。結局は同じことです。 したがって、争点というのであれば、既に法律となっている消費税10%を是とするのか? あるいは10%再増税に対して廃止法案をぶつけて中止させるのか? これを有権者に信を問うのでなければ支離滅裂なハナシであります。争点というのは陰と陽、正と負、白と黒、など対立する要素があってこそ争点であります。第一、消費税再増税は全部の政党が反対しているのだから争点になりようがないではないか! 一国の宰相が支離滅裂を言うようでは、こりゃあダメやな。

日本丸は、船頭の交替が必要ですわな。機関長も甲板員も全員入れ替えだ!!

●で、消費税10%を是とするのか? 消費税10%への再増税を中止 (8%で打ち止め) するのか? あるいは元の5%に戻せ! これらを争点と考えて、諸外国との比較において、10%に大義があるのかどうか財務省の資料にあたって論点を整理してみました。以下に引用する図表は全て財務省 (1枚は内閣府) のホームページに掲載されているものです。「日本の消費税5%で、諸外国と比較して、そんなに変わらない消費税負担となっている。したがって消費税再増税はダメだ。」 そう財務省は暗黙のうちに言っています。税率で見ると、日本の消費税率は低いように見えますが、税収 (つまり金額) でみると諸外国と大して変わりません。


消費税は8%で打ち止め。場合によっては5%に戻せ!

財務省は意外に正直です。首相を背後から人形浄瑠璃みたいに操って、色々なプロパガンダを流すけれども、ホームページにはちゃんと本当のことを発表しています。思うに、財務省の高級お役人は優秀で頭がよいので、嘘ばかり言っていたらマズイ、本当のことを発表しておかないと優秀な自分らに傷がついてしまう、と考えているのでしょう。嘘ばかり並べていると後で優秀なのにそんなことにも気付かなかったのかと批判されるから、本当のことも発表しておきましょう、ということです。



法人税率をどんどん下げ、消費税率を上げる
財務省HP 税制 > わが国の税制の概要 > 法人税など(法人課税) > 「法人税率の推移」 より借用。

法人税率の推移


さらなる大企業減税をたくらむ税制調査会
内閣府HP 第10回 税制調査会(2014年6月27日)資料一覧 を閲覧すると、この2014年6月27日の第10回税制調査会で、さらなる法人税の軽減化が議論され目論まれています。 会議において承認され成案となった 2014年6月 「法人税の改革について」 税制調査会 文書をみると、大企業の利益優先政策がハッキリ謳われています。重要なくだりを引用します。

「課税ベースを拡大し、税率を引き下げることで、法人課税を “広く薄く” 負担を求める構造にすることにより、利益を上げている企業の再投資余力を増大させるとともに、収益力改善に向けた企業の取り組みを後押しするという成長志向の構造に変革していくことである」

●ひらたく言えば、これは儲かっている企業がさらに儲かるようにしましょう! という意味です。この議論はGDP (国内総生産) の6割もが個人消費であることを完全に無視しています。大企業がいくら儲かったところで、大株主になっている米国系ファンドが配当金をよこせと企業利益を持っていくだけであります。大企業の従業員とて多くが次々に非正規労働者に格下げされています。大企業の従業員も国民であり、労働者でありますが、労働者に利益が還元されるわけでは決してありません。再投資だの、成長志向だの言っても誰のためなのか? けっして労働者や国民のためではありません。税制調査会は大企業経営者および米国系ファンドの傀儡調査会のようです。結局、大企業優先偏重政策で大企業のみ栄えたところで、個人 (広く一般大衆) がやせ細れば、個人消費が氷河期のように冷え込みGDPはマイナス成長です。実際に 2014年7~9月期の実質GDPは年率に換算して-1.6%の成長率 になったではないか。マクロ経済学がいう合成の誤謬です。成長しようとしたらマイナス成長になり、税収を増やそうとしたら税収を減らすのです。

GDP = 個人消費 + 民間投資 + 政府支出 + 純輸出 + 在庫品

上の等式で、GDPの構成要素で個人消費が60%を占めるのだから、GDPを増やそうとすれば個人消費を増やすのが一番効果があるのは自明のことです。大企業ばかり減税しても個人の財布の紐が固く縛られたら、GDPがマイナス成長になるのは当たり前ですわね。



税収額では、法人税収よりも消費税収が上回ったよ!
財務省HP 税制 > わが国の税制の概要 > わが国税制・財政の現状全般 > 「主要税目の税収 (一般会計分) の推移」 より借用。
消費税率を 3 → 5 に上げた平成9年以降の17年間、消費税額は毎年10兆円程度でした。(ただしこれは地方消費税率1%分は除く) 本年4月に消費税率が8%に上げられたので平成26年度の消費税額は15.3兆円が見込まれています。法人税額10.0兆円とでは大きく逆転しました。(逆転する見込み)


主要税目の税収(一般会計分)の推移


●大企業は法人税をどんどん下げてほしい、財務省官僚は景気変動に左右されない安定財源の消費税を上げてほしい、という両者の思惑が見事に一致。法人税収の減収を、消費税額の増収でカバーするのを狙っているのであろうということが透けて見えています。


税収全体に占める消費税収の比率は、日本は米国より重い
財務省HP 「所得・消費・資産等の税収構成比の国際比較(国税+地方税)」 から借用。税収全体に占める消費税収の比率は、米国の24.2%よりも日本の31.7%のほうが大きいです。これは2010年の統計で日本の消費税は5%です。今年度から日本の消費税は8%になったから、税収全体に占める割合は40%超になるでしょう。もはやイギリスやフランスなどヨーロッパ諸国と全く変わりません。この一点だけでも消費税10%は 「非」 でありましょう。 ヨーロッパ諸国の消費税 (付加価値税) は、たしかに20%とか30%などと非常に高率です。しかしながら、基礎的食料品は非課税など日本の消費税とは別物です。贅沢品に課税した昔の物品税がヨーロッパ諸国の付加価値税に似ていましょうか? たんに税率だけ比べて日本の消費税は低すぎると、権力者たちは国民を世論誘導していますが税収(金額ベース)で見れば嘘は歴然としています。すでに日本の消費税はヨーロッパ並に高く、消費税10%などという担税余力は国民・庶民にはありません。

所得・消費・資産等の税収構成比の国際比較


直間比率の国際比較でも米国よりも間接税負担が重い
財務省HP 「直間比率の国際比較」 から借用。
直間比率の国際比較


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