雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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山へ避暑に行こう!
猛暑というのは稲作にとっては吉、温暖化で米作りが打撃を受けるというのは嘘っぱちだ!

西日本では、梅雨明け後は、今年は昨年よりも気温が高いみたいです。とりわけ瀬戸内沿岸部じゃ夜間になっても気温があまり下がりません。連日連夜、熱帯夜が打ち続いて寝苦しい夜が続き体力を消耗させられます。しかしながら、こういう暑い夏はイネが元気よく生育し、豊作が期待されます。地球温暖化二酸化炭素原因説を採る政府 (文部科学省等) から流れ落ちてくる研究費を当てにしている研究者どもにかかると、温暖化で米作が打撃を受けるなどと戯言を言うわけですが、じつは、研究費を配分してもらうためにはそう言わざるを得ないわけです。ところが実際は全く逆であります。夏が暑ければ暑いほどコメは大豊作なんですわ。ただし、夏暑いのに豊作じゃないケースもありますが、それは台風の被害です。この点、コメの作況指数と気温の相関をみる場合には台風害がなかったかどうかのチェックが要ります。猛暑と大豊作の相関・因果を示す典型的な実例が1993年と1994年のデータです。

1993年は近年まれに見る冷夏の年でありました。梅雨明けがハッキリせず、ていうか梅雨明けがありませんでした。夏中天気が悪く気温が低くかったのですが、低温と日照不足のため戦後最悪の大凶作となりました。北日本じゃ収穫皆無の水田が多かったです。わが兵庫県でも内陸の山間部では実が入らないシイナが多くかなりの不作となりました。 米の全国作況指数は74で稀にみる大凶作で、冷害は北日本や信州のみならず近畿圏や中国地方まで及びました。 

ところが、翌年の1994年は一転して近年まれにみる猛暑の夏となりました。とくに西日本では県ごとに存在する23個の気象台 (管区気象台・地方気象台) のうち17個で最高気温の記録が出ました。そのほとんどは23年経った現在でも破られていません。この記録的猛暑のおかげで、北海道から九州にいたるまで全国都道府県別のイネの作況指数は103~124の見事な大豊作でした! 都道府県別のコメの作況指数は沖縄県の94が唯一の100未満でしたが、本土では最低が石川県と福井県が103でした。軒並みどの県も110前後で、わが兵庫県や徳島県では113。最高が大分県でなんと124でした。

収穫統計と気象統計の相関・因果をちゃんと見れば、猛暑の夏はコメの大豊作というのはハッキリしています。温暖化の恐怖を騙る御用学者やマスゴミどもは何故この重要な事実を無視するのでありましょうか? これが、温暖化恐怖説を煽る連中の言動が信用できない理由の一つです。真実を解き明かそうという学問研究が、カネで支配される政治活動に成り下がっているのは恐いことです。ちなみに、加計疑獄で安倍でんでん嘘つき閣下は崖っぷちに追い詰められていますが、加計学園グループが新設する獣医学部の政治的な影のネライは細菌兵器の研究か? という情報が流れていますがもし本当ならば恐いことです。学問とか研究が軍国主義復活を目指す政治に左右されるというハナシでありまして、恐いなと思います。真実を追求する学問研究が政治圧力に簡単に屈するのは非常に怖いことであります。


熱中症救急搬送リスクは、突出する東京都や大阪府はむしろ小さい。グラフとは逆!

さて、打ち続く猛暑で大勢の人が熱中症で救急搬送されているようです。総務省消防庁 のサイトを閲覧すると熱中症情報というコーナーが特別に作られているほどです。1枚グラフを借用します。


7月17日~7月23日までの全国の熱中症による救急搬送人員

この都道府県別の熱中症による救急搬送人員を見ると、県ごとに救急搬送人数に大きな差がありますが、そもそも各県の人口が全く異なります。人口が100万人に満たない県もある反面、東京都のように1000万人を越えるところもあります。で、人口10万人当たりの熱中症救急搬送者数に換算してグラフを作り直せば、県ごとにそう大きな差はないのではないか? 少ない県と多い県との差はせいぜい2倍程度だと思います。東京都や大阪府の方が逆に少なくなると思われます。むしろ、高齢化が進む田舎の県のほうが多くなると思われ、熱中症救急搬送リスクはこのグラフと逆で、大都市圏のほうがリスクが少なく安全? たぶん、熱中症にやられるのは高齢者が多く大都市圏は高齢者比率が小さいのが要因? とにかく都道府県ごとのデータというのは、県ごとの面積も人口も年齢構成も産業構造も、土台があまりにも不揃いなので、ちょっと注意が要ります。 つまりこの不揃いを悪用すれば、温暖化のキャンペーンと同じで、誤魔化そうとすれば、いかようにも印象操作ができますね。

このようなことを話題にすれば、猛暑は何も問題はない、こんな暑さなど暑いうちに入らない、もっともっと暑くなってほしい、と言っているようにみえるかもわかりませんが、そうではありません。連日の熱帯夜はかなわんですわねえ! 早く秋になってほしいものです。これからまだ2か月は暑いわけで、うんざり。で、山の上に避暑に行ってまいりました。やはり、山の上は別天地の涼しさであります。気候帯が異なる1000キロ北方に水平移動・避暑に行くのは大ごとですが、山の上に1キロ半垂直移動するのはチョイチョイの簡単です。1000キロ北へ行くのと同等な気温低下です。



徳島県上勝町 高丸山に避暑登山に行ってまいりました

午前2時30分に淡路島南部の雑想庵を出発し、徳島市を経由、勝浦川ぞいを上流へとまいりました。午前5時ちょうどに登山口に到着。日の出の時刻ですが雲が多くてご来光は見えません。
ご来光は見えません

徳島県立 高丸山千年の森 の高丸山現地案内所の施設です。普段は施設は閉められています。100台か200台ぐらい駐車できそうな広大な駐車場があります。普段は管理人がいませんが、勝手にテントを張っていいものかどうか?
高丸山千年の森
高丸山千年の森
高丸山千年の森

+マークのところが高丸山千年の森 現地案内所の場所であります。


今日は土曜日なに誰も来ていません。写真は標高差で400mを登って降りてきた時点で、午前9時04分であります。結局、吾輩が滞在した時間内には誰も来なかったのにはビックリです。ここは避暑地にとても良い所なんで、避暑客が10張ぐらいテントを張っているかと思いましたが、なんで誰も来ないんやろか?
誰も来ていません
誰も来ていません

高丸山 (標高1439m) であります。駐車場は標高1045mぐらいです。標高差は約400mですが、淡路島の先山を登る程度であります。山頂はガスっています。この山に登ってまいりました。
高丸山を見上げる
山頂はガスっています


2017年7月29日、高丸山(1439m) 納涼登山写真ギャラリー

登山案内看板
登山案内図

登山道はよく整備されてはいますが、登山者はさほど多くはなさそう。日本100名山のタイトルを持ちシーズンには全国からわんさかと登山者がくる剣山の登山道とは比べるべくもないです。やはり非常にマイナーな山という印象がします。
登山道はよく整備されています

標高1360m地点に展望の利くところがありましたが、何も見えません。いや、「何も見えないということ」 が見えています。本当に何も見えなければ暗黒の闇であります。雲霞がたなびくだけです。
標高1360m地点
何も見えません

山頂直下の胸突き八丁を急登します。ここが最後の踏ん張りどころ。登山道の両側のササはスズタケであります。ここは標高が低いので剣山のようなミヤマクマザサはありません。
山頂直下の胸突き八丁を急登

05時40分に登りはじめて06時36分に山頂にたどりつきました。何やら石碑があります。高丸山開発記念と書いてありますが、この文言に少し違和感があります。これでは土建屋的発想じゃないか? 中部山岳の山じゃよく開山記念碑というのはあります。誰も登れなかった山に登山道を切り拓いたとかいう碑であります。宗教的な山じゃ教祖とか修験者が寺社を建立して山岳信仰の道筋をつけるのも開山と称するようです。ところが高丸山は開山ではなく開発ですか? おおいに違和感がありますけど、それは開発のイメージが乱開発とか自然破壊であるわけで、自然を破壊してでも金儲けをたくらむのが開発であるわけです。これがこの石碑の文言に違和感を覚える要因です。結局、千年の森というのは自然を護るとか育てるとかいうのは表面の建前であって、ホンネ部分では税金を流し込んで色々と土建屋的工事とか事業をやるのが目的? というのが透けているように思います。べつに開発がダメだと申すのではなく、大いに開発したらいいと思うのですが、開発というホンネを美辞麗句で隠しているのがおかしいと感じるわけです。そのホンネがポロリと出てしまった石碑です。
山頂であります
山頂の碑

雲霞の切れ間から標高差400m下の駐車場が見えています。蓮の池のほとりから地獄を覗き込んだらこんな感じでしょうか? 吾輩のオンボロ車が白い点となって見えます。他の車はまだ来ていないようです。
400m下の駐車場

西をみても東をみても何も見えません。しかし上空の雲は薄く、すぐ上は雲がなさそうです。(遥か上空の中層雲や高層雲はありますけど) こりゃあ、剣山にしときゃ雲海が見られたかも? 残念です。
何も見えません
何も見えません

山頂で小一時間、雲が晴れるのを待ちましたがダメでした。ここは西の剣山方面を眺めるにしても、東の紀伊水道を眺めるにしても素晴らしい眺望なのでまた来ます。気温は06時45分に19度です。風もあるし寒いぐらいです。
極楽の涼しさ


ここにテントを張って一週間ぐらいおりたいところですが、下山します。

旗立て? 旗振り通信(旗振り山) のことでしょうか? 江戸時代後期~明治時代に大坂の堂島米会所で米の先物取引が行われましたが、売買で成立したコメの値段という情報が旗の振り方で遠方に通信されました。その旗振り山だという解説をみましたが、それは違うのでは? いわゆる江戸時代におこなわれ明治まで続いた旗振り通信というのは、コメの値段や高下のトレンドをいち早くキャッチすれば売買に有利でおおきな利ザヤが得られるから行われたもので、淡路島も旗振り通信ルートでした。大阪堂島 → 途中に何か所か → 神戸の鉢伏山 (旗振り山) → 津名生穂あたり? → 洲本三熊山 → 南あわじ市南辺寺山 → 鳴門撫養城あたり? → 徳島 というルートで米相場の情報が旗振り連携リレーで伝えられました。結局、情報を欲しがったのは、米相場で金もうけをたくらむ豪商とか、年貢米を有利に売りたい地方大名です。よね? こんな山のなかに旗振りで何の情報を伝える必要があるのか? 誰が、何のために? という疑問が湧きます。
旗立て

一つ考えられるのは狼煙台 (のろしだい) です。徳島県の山間部には山城跡がたくさんあり、山頂もしくは山頂付近の見通しのいいところに見張り台があって、山上から麓を眺めて敵の動向をウォッチ、敵の侵攻をキャッチしたならば狼煙をあげて麓の本城に危急をしらせたとか? 剣山スーパー林道ぞいの天神丸 (1632m) などはまさにそれです。天神丸は山名そのものがそういう名です。つまり天の陣の丸。で、旗を振るのではなく危急をキャッチしたならば旗を立てて遠方もしくは麓の本部に通信したとか? 旗立て通信にしろ狼煙台にしろ大きな組織が人手を投入してやらなきゃできることじゃありません。なんの旗を立てた (振った) のでしょうか? それに、この旗立てというところは標高1230mぐらいで尾根筋の鞍部にあり、たとえ樹林がなくても展望がよろしくなさそうです。狼煙台跡というのも考えにくいです。 ちなみに、阿波藩の狼煙台通信について 海上保安庁が分かりやすく解説しています。


↓ ブナの原生林でありますが、高丸山荘一帯がブナ林です。ただし、樹齢は少ないように感じます。高城山とか西砥石権現のほうがブナの巨木が多いです。すこし観察したところ、ここには環境省巨樹調査基準の地上130センチで幹周300センチ超を満たすと目測できそうなブナ巨樹があまり見当たりません。看板が自画自賛するほどの立派なブナ林には見えないわけですが、立派ではないからこそ将来の立派をめざして保護林にしているのかも?

ブナの原生林

高丸山荘というのだそうですが、山小屋じゃないみたい。少し離れたところにある東照神社の社務所とか参籠所とか? 何なんでしょうか?
高丸山荘

東照神社というのだそうです。岩でこしらえた小詞ですが、前に拝殿のような小屋があります。戸はなく通り門になっていて、コウモリが3匹いて吾輩が来たら大歓迎してバタバタと飛び交ってくれました。
東照神社



【付録写真】 高丸山は遠くから山座同定しやすい山だ!

高丸山は山頂から3方向の斜面が急こう配で浸食されて、山頂付近が三角錐の山容をしています。見事な氷河地形 (氷食尖峰) で日本屈指の名峰の槍ヶ岳をすこし思わせるような尖った山容であります。で、遠くからでも、あれは高丸山じゃなと山座同定が容易です。山名の起こりは高くて丸く見えるということらしいのですが、それは高丸山周辺でのハナシであって、淡路島から遠望すると連山のなかでひときわ尖った山に見えます。剣山よりも500m標高が低いのに距離的には近いので、淡路島南部からでは高丸山のほうが高く見えます。ということで、吾輩は若いころは高丸山を剣山だと勘違いしていました。

淡路島南部の海岸から遠望した高丸山
淡路島から眺める高丸山
淡路島から眺める高丸山

剣山の山頂から眺めた高丸山
剣山から見る高丸山
剣山から見る高丸山


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本日は2017年7月26日 (水曜日) であります。

昨日の午後に急きょ 山犬嶽 (やまいぬだけ、徳島県上勝町 標高997m) に登ってまいりました。ここは知る人ぞ知るコケの名所であります。梅雨時期になると徳島新聞の記事に出るので徳島県内ではよく知られていますが、他県では山犬嶽などというあまりにもローカルな山は知名度ゼロでありましょう。が、ここのコケ (苔) は見事であります。標高が低いのに亜高山帯の蘚苔林の林床みたいな一面のコケであります。で、わざわざ他県 (いちおう吾輩は兵庫県人) からでも見に行く価値があります。なお、ここは観光地化されているわけじゃないから、村人に迷惑をかけない配慮が要ります。取ってもいいのは写真だけ、持ち帰るのはゴミだけ、残してもいいのは思い出だけ、が迷惑をかけないマナーの基本です。


国土地理院の電子地形図を埋め込み借用します。+記号あたりが水苔の名所です。なぜか地形図に登山道の記載がありませんが、登山道はあります。最終人家から山犬嶽へ行く登山道があって、途中3ルートに分かれますが、やがてまた合流します。地元の方が要所ごとに立てた案内に従って進むと迷うことはありません。



迷惑そうな看板があるね!

ハッキリと迷惑だと言っている看板です。登山者・観光客が地元にお金を落とさないかぎり、迷惑以外の何物でもないわけです。それは当たり前のハナシでありまして、被害だけあって利益がないのは理不尽ということです。お金を落としてくれるのであるならば、少々の迷惑もしかたがありませんが、お金を落としもしないのに迷惑だけ被るのは登山も物見遊山も公害だということであります。で、訪問する側といたしましては、いちばんいい対処法は、村人に出会ったら大きな声で明るく 「こんにちわ!」 と挨拶することであります。いちばんマズイのは黙って村人の前を通ることであります。山村と海辺という違いはありますが吾輩かて僻地指定・離島振興法指定の大変な田舎出身なので、これは自信をもって言えます。大きな声で明るく挨拶さえすれば、田舎ほど山村ほど人は根は親切で人懐こいですわ。いろいろと教えてくれます。 それと、もちろん申すまでもありませんが、可能なかぎり地元にお金を落とすことであります。どうせどこかでガソリンを補給せんとあかんから、ならば、その地元のスタンドでガソリンを補給するとか、道端で農産物を売っていたら土産に買うとか、皆が皆そうすれば、他所から大勢来てくれてありがたいとなるわけです。ようするに地獄の沙汰も金しだいですわ!
迷惑そうな看板

これは余談】 余談を申せば、ようするに、世の中、迷惑だけ受けて何のトクにもならないことは永続しないわけです。安倍デンデン閣下 (註) の支持率が急落してまいりましたが、まさにそれです。安倍デンデンのお友達だけは利益供与を受けますが、われわれ一般国民はどうでしょうか? 安倍デンデンのせいで勤労者の実質所得は下がり続けています。日本は失われた20年が失われた30年になろうとしています。GDP (国内総生産) は横ばいもしくは減少がつづいていますがこの間、世界主要国は軒並み2倍に成長しています。日本だけが安倍デンデンのせいで取り残されています。アベノミクスなどという意味不明な言葉を弄するのは何たる欺瞞か! 欺瞞が見破られたのでアベノミクスなんて言わなくなりました。金銭的なことだけでなく、国民を監視し統制し支配し、文句や反対を言えなくする悪法が次々に作られています。 特定秘密保護法の強行採決、集団的自衛権行使容認の憲法解釈の変更、事実上の戦争法の制定、共謀罪の強行制定などなど。加計疑獄に安倍デンデンが関与しているのは明白なのに、まともに説明しようとしません。安倍デンデンは最近では 「嘘つき安倍」 と揶揄されるようになってまいりましたが、異様な虚言癖があるようです。99パーセントの国民の立場からは安倍政権 (自民政権) では被害ばかりで利益は皆無です。

これでは、山犬嶽の登山口の住民がたまりかねて婉曲に苦言を呈する看板を立てたのと同じです。登山者のマナーが悪ければ 「もう来てくれないほうがいいわ」 と余所者の登山禁止となりましょう。安倍デンデン嘘つき閣下もそろそろご退場願う時期となりましたね! 支持率26パーセントはまだ高すぎます。支持率調査に不正とか恣意があるのかどうかは分かりませんが、ほんまの支持率はたぶん一桁ではないか? もう30年が経ちましたが、圧政に苦しむフィリピンの民衆が立ち上がって、100万人がマラカニアン宮殿を十重二十重に取り囲んで抗議し、独裁者マルコスを倒したのを思い出します。マルコスはハワイに逃れました。日本でも、100万人が、いな人口比率から申すと200万人が首相官邸を取り囲むべきときではないか? 安倍デンデン嘘つき閣下の逃亡先は北朝鮮か? あるいは刑務所かも? あるいは精神病棟?


(註) 安倍デンデンとは、云々 (うんぬん) が読めずに、「でんでん」 と読んだ安倍を揶揄するネット上でのニックネームのことである。

山犬嶽登山口の看板


岩塊流(がんかいりゅう)、あるいは岩塊斜面の礫の上に生育するコケのようだ

山犬嶽の登山道を標高差で200mぐらい登ってまいりました。標高は840mあたりと思われます。水苔の名所というところにやってまいりました。ここはモコモコワールドであります。大小さまざまな岩が堆積した谷のようですけれども、あらゆる岩の上に厚くコケが生育してモコモコとしています。まるで岩の上に緑の雪が積もったかのようです。大昔に日本一の多雨地帯の大台ヶ原山 (奈良・三重県境、1695m) に登ったときに、亜高山帯の針葉樹のトウヒ林の林床に見事なコケのじゅうたんを見ましたが、それを彷彿とするような見事なコケであります。亜高山帯ならばあり得る光景ですが、800mの高度でこれだけのコケが生育するのは、このあたり一帯が非常に湿潤であり、雨量も多く常に雲霞がかかるなどコケの生育環境がいいのでありましょう。

ちなみに、日降水量の日本記録は剣山系のアメダス魚梁瀬の851.5ミリですが、山犬嶽の山麓にあるアメダス福原旭でも641.5ミリと全国ランキングの15位に食い込んでいます。剣山は726ミリで9位です。全国の雨量観測所は1400か所もあるなかで日降水量ランキングで剣山系の観測所が20位以内に何か所もランクインしています。つまり剣山系の南東斜面は全国屈指の豪雨地帯です。多い年には年降水量は軽く5000ミリを超え、この多雨がコケをはぐくんでいるのでありましょう。


山犬嶽 水苔の名所
山犬嶽 水苔の名所
山犬嶽 水苔の名所
山犬嶽 水苔の名所
山犬嶽 水苔の名所


霧のなかに浮かぶ光冠現象 (その3)
2017年7月18日、剣山 山行写真ギャラリー

剣山のハクサンシャクナゲは、今年は花の裏年です。花も生育が悪くみすぼらしいです。
剣山のハクサンシャクナゲ
剣山のハクサンシャクナゲ
剣山のハクサンシャクナゲ
剣山のハクサンシャクナゲ
剣山のハクサンシャクナゲ
剣山のハクサンシャクナゲ
剣山のハクサンシャクナゲ

まだ蕾もあります
まだ蕾もある

裏年なので花の全くない木もあります
裏年なので花の全くない木もある
裏年なので花の全くない木もある

実生苗が沢山ありますけど、
実生苗が沢山あるが
実生苗が沢山あるが

シカの食害? シャクナゲ類は有毒植物であり、シカが食べないという説が有力でしたが、食べ始めた??
シカの食害?
シカの食害?

ハクサンシャクナゲの自生地の近くに、山岳小説家として知られる新田次郎の揮毫した殉職碑があります。
殉職碑がある
殉職碑の裏面

徳島森林管理署の説明看板があります。
徳島森林管理署の説明看板

一の森(標高1880m)であります。
一の森 (標高1880m)

トゲアザミです。ノアザミの変種とされますが、平地にあるノアザミの花期は春ですが、剣山は寒いのでトゲアザミの花期は夏です。
トゲアザミ

剣山の名物のナンゴククガイソウであります。まもなく開花です。シカの食害で残り少なくなりました。大昔、吾輩がまだ紅顔麗しき青年のころにはナンゴククガイソウの見事なお花畑だったと記憶にありますが、近年はシカの不嗜好植物、たとえばテンニンソウとかカニコウモリなどがはびこっています。
ナンゴククガイソウ
ナンゴククガイソウ

剣山の名物のキレンゲショウマの蕾が膨らんでまいりました。今月末には見ごろとなってくるでしょう。お盆頃まで咲いております。この花を見に日本全国から沢山のお客様が見えます。地元や近場の者はいつでも来れるのだから、登山道に行列のできる土日とお盆は避けたほうがいいのではないか?
キレンゲショウマ

下山途中で旧 木屋平村側の谷を覗いたところです。天気が悪化してきました。
木屋平村側の谷

見ノ越まで降りてまいりました。三嶺には雲がかかっています。
見ノ越まで降りてきた

帰途に剣山の山頂を見上げたところですが、現在位置が標高1430mあるので山頂との標高差は500mちょっとです。ゆえに、淡路島の山を見上げる程度にしか見えません。
剣山の山頂に雲がかかる

剣山夫婦池の夏と冬です。ここは南国四国といえども標高が高いので、冬は長く1年の3分の1は雪に埋まっています。春と秋は短く、夏も意外に短く、8月に入るとススキの穂がでてきて秋風が吹き始めます。
剣山夫婦池の夏
剣山夫婦池の春



霧のなかに浮かぶ光冠現象 (その2)
2017年7月18日、剣山 山行写真ギャラリー

↓ 03時17分です。まだ漆黒の闇であります。旧 一宇村漆野瀬の電光標識です。最初のチェーン着脱場です。ここで標高は520mほどです。気温は20.5度となっていますが、調べたら同じころ徳島地方気象台で03時10分に28.5度です。徳島市よりも8度も涼しいことになります。やはり地方都市というても都会は暑いです。郊外で山間部ともなれば夏といえ涼しいわけです。クーラーなんて要りませんね! で、移住するのであればできるだけ郊外・山間部・標高の高いところが夏は過ごしやすいわけです。ただし冬はきびしくなるのは申すまでもありません。
旧 一宇村漆野瀬、03時17分

↓ 剣山の登山口の見ノ越に到着しました。時刻は03時55分ですが、まだ夜が明けていません。真っ暗であります。
見ノ越到着は03時55分

↓ 支度をして04時10分に見ノ越 (標高1400m )を出発、標高差550mを50分かけて登ってまいりました。本日は5時ちょうどが日の出でありますが、東方は雲が多くダメっぽいです。
5時ちょうどが日の出であるが、ダメっぽい

↓ ご来光はダメでしたが、しばらく待っていると気象光学現象のひとつである光冠が見られたのは僥倖であります。
ご来光のかわりに光冠現象が見られた

↓ 気象庁検定合格の温度計ではなく、おもちゃのようなもので正確性はありませんので、あくまでも目安です。14度を示していますが、検定合格温度計ならば15度かもしれないし13度かもしれません。が、3度も5度も違うわけではないので目安にはなります。気温を測るというのは実は簡単ではなく、非常に難しいものです。まずどういう測器で測るかが問題となりますね。今の時代はネットにアップするのは 「公開」 と見なされます。趣味で気温を測っている人々は非常に多いわけですが、日々の 「観測の成果」 を発表するには気象業務法の規制を受けます。検定済みの測器を使うことはもちろん、気象台に観測所開設の届け出をして、観測方法の指導をうけなければいけません。自分で測った日々の気温をブログで発表している人々は多いのですが、せっかく発表してもその観測データには価値がありません。それどころか違法行為なんですわ。ただし、わたしのように、たまに剣山に来て単発的に未検定温度計で気温を測って拙ブログで発表しても、これは気象業務法違反ではありません。 ということです。で、14度ですがあくまでも目安ですわ。
気温は14度、北風が強く寒いぐらいだ
平家の馬場はガスって視界が利かない

↓ 気象庁原図に剣山の14度を書き込んでみました。こうして見ると図のエリアでは剣山がダントツの避暑地であることがよく分かります。山小屋に1週間ほど逗留するといいかも? べつに山頂までこなくても標高1400mの見ノ越で避暑をしてもいいわけです。見ノ越では04時ちょうどに17度でありました。
気象庁原図に剣山を書き込み


↓ 一瞬、ガスが薄らいだが、遠くは見えません。本日は平日であるしお天気も晴朗ではないので登山者が少ないのですが、見ノ越の駐車場に並ぶ車のナンバーをみると、関東とか東北など随分と遠方からでもお客様が来てくれています。せっかく遠方から見えたのに、この天気じゃ御気の毒であります。天気晴朗、空気透明ならば鳥取県大山から紀伊半島大峰まで、つまり西日本の半分近くが見渡せる素晴らしい眺望なのですが、そういうときはめったに当たりません。一瞬、ガスが薄れた
頂上ヒュッテの青い屋根

↓ ササ (笹) とタケ (竹) はどう違うのか? についてですが分類的にはタケノコの皮がいつまでも宿存するのがササ、タケノコの皮がじきに脱落するのが竹とされますが、ヒトの背丈が基準で、背丈ぐらいの高さのものをササ、背丈よりも大きくなるものをタケだという説も有力です。が、ササ・タケ類は素人には分類が難しく、ていうか専門家でも難物みたいで、あまりあーだ、こーだと言わないほうが無難です。四国の高所にあるのは山ごとに棲み分けている傾向が強く、剣山系にはミヤマクマザサ、石鎚山系にはやや大きいイシズチササ、四国南西部の山では枝が分岐しないミヤコザサ、全体的にやや標高が下がったところにあるスズタケ、これらが見分けられたら良しということでありましょう。なお、剣山系にもミヤコザサはわずかに見られます。ミヤマクマザサは深山隈笹で、深山に生え冬の葉には白い隈取りが生じるから言うのであって、動物の熊とは関係がありません。おおくの登山者はクマザサを 「熊笹」 だと勘違いしていますが、そうではなく 「隈笹」 であります。本家のクマザサは京都付近の分布が狭い植物で、四国には自生品はなく、剣山にあるのはミヤマクマザサであります。
ミヤマクマザサは夏の葉に衣替え
ミヤマクマザサは夏の葉に衣替え

↓ 雲霞たなびく山頂一帯を徘徊したのち、頂上ヒュッテで朝飯を喰いました。半田そうめん(温製)700円、カレーライス600円、ホットココア400円。創業3代目おかみさんと話をしていると、しっかりと顔を覚えてくれていたようで、「もうシャクナゲ見てきましたか?」 と言われました。記憶が非常にいい方のようです。そういえば1年前におかみさんと剣山のハクサンシャクナゲの話をしたのを思い出しました。
頂上ヒュッテで朝飯を喰う

↓ 劔山本宮宝蔵石神社であります。剣山の北東斜面、すなわち旧 木屋平村側の標高1180mのところに劔山本宮劔神社がありますが、ここは本宮の奥宮でありましょうか? 本来の山頂大祭は7月17日のようですが、今の時代、日曜日じゃないと神輿かきの奉仕者等が出動できないため、17日以降の日曜日に行うって関係者が言うてはりました。で、今年の大祭は7月23日。西日本一高所の神輿渡御のみならず、神輿渡御では日本一高所かも? もし雲海が出ていたならば雲の上のお神輿さんで一見の見ごたえがあります。
劔山本宮宝蔵石神社
剣山山頂大祭は7月23日

↓ こちらは昨年の剣山雲の上のお神輿渡御であります。


↓ 徳島県の山で一番美しい花、ハクサンシャクナゲを見にまいります。よく踏み込まれた快適な登山道を降りて行きます。標高差で100mほど降りていきます。ふり返るとジロウギューの印象的な山容が見えています。登山者の多い山の登山道は歩きやすいです。ちなみに、阿波矢筈山(標高1849m)もとても良い山なんですが、敬遠しがちな理由は登山道にミヤマクマザサが覆いかぶさっていることです。カッパとかスパッツをしっかりと着用していないとササに降りた夜露でびしょ濡れです。その点は剣山はとてもいいのですが、難点は人がおおいことです。で、暗いうちに登ってリフトが動き出すまえに下山してしまいます。リフトのスピーカーから流される説明と効果音が聞こえたら興ざめであります。気分が悪くなりますね。
ハクサンシャクナゲを見にまいります



霧のなかに浮かぶ光冠現象
2017年7月18日、剣山 (標高1955m) の早朝の光冠(こうかん、コロナ)です。

淡路島南部の雑想庵を午前1時10分に出発、午前3時55分に剣山の登山口の見ノ越 (標高1400m) にやってきました。支度をして4時10分に登山開始、50分かけて標高差550mを登ってまいりました。ご来光を拝むつもりでありましたが、どうもお天気がかんばしくありません。山頂付近はガスっています。こりゃあ、ご来光はダメやなとあきらめておったところ、にわかに雲が薄くなったところからお日様が顔をだしました。ガスもやや薄くなりました。で、思わぬ幻想的な写真が撮れましたので陳列します。ブッロッケン現象の逆バージョンの光冠 (光環とも表記される) と称される気象光学現象であります。

2017年7月18日 剣山の山頂

青い屋根の建物は、剣山頂上ヒュッテであります。巨石は宝蔵石と呼ばれていますが、地質的には層状チャートの巨岩であります。劔山本宮宝蔵石神社のご神体とされているようです。岩の上にちょこんと小詞が祀られています。

2017年7月18日 剣山の山頂
2017年7月18日 剣山の山頂

すぐあとで気が付いたのですが、写真の構図が失敗しています。朝日と小詞を重ねるべきでした。朝日を小詞の背後に隠すべきでした。小詞を影絵のように暗くシルエットにし、背後に後光が差すような写真の構図にしたほうが良かったのではないか? と気付いたんですけど、シャッターチャンスは一瞬だったようで、ガスの濃さとか、雲間の朝日の輝きとか、ちょうどいい条件の再現はありませんでした。写真の技術的なことは全く素人なんでダメですが、せめて珍しい被写体を探し出すことと、アングルや構図を工夫することに力点をおきたいと思っておりますが、写真ってとても難しいですわね! それに、早起きしなくっちゃ! どこにでもよじ登れる屈強の体力もつけなくっちゃ。

2017年7月18日 剣山の山頂
2017年7月18日 剣山の山頂


剣山の山頂はガスっています。何もみえません。

全く何も見えません。ま、性懲りもなくしょっちゅう来ている吾輩としては、これは、これで風情があっていいのですが、剣山は西日本第二の高峰、西日本には数少ない日本百名山のひとつです。東京とか北海道とか遥か遠方からの登山客が見える山です。おそらく生涯二度と来れないであろう遠方からのお客様には、これは少々気の毒でありますが、山登りは自然相手のことで思うようにはまいりません。

剣山の山頂はガスって何も見えません



大鳴門橋のたもとで色々と観察 (2017年7月10日)
2017年7月10日、大鳴門橋の所にやってまいりました。

本日は月曜日であります。いちおう大潮であります。月2回ある大潮のうちの小さいほうです。鳴門海峡での本日の潮は、第五管区海上保安本部の予想計算値によれば、12時35分に南流が8.6ノットです。15時35分に転流、17時03分に北流が9.8ノットであります。南流とは瀬戸内海側 (播磨灘側) から紀伊水道側 (太平洋側) へと流れる潮流のことです。ノットとは毎時1852mの流速です。1852mという数字ですがこれは緯度1分の距離 (北極点から赤道までの子午線弧長の1分距離) です。赤道から北極まで90度でありまして、距離は1万キロです。ていうか、フランスで考案されたメートル法で北極点から赤道までの距離の1000万分の1を1mと定義したから、定義上、北極点~赤道距離は1万キロとなってしまいます。1万を90で割ると約111キロ、1度は60分だから111キロを60で割ると1850mです。ということです。 流速の時速換算は、ノット×1.852であります。本日の鳴門海峡の流速はピーク時で北流時速18キロちょっとであります。

なにを詰まらん講釈を垂れるのかと怒られそうですが、海事関係者以外はノットなんてなじみがないからですが、気象ファンならば常識ですね。気象現象は国境を越えて起こる現象で、気象分野ではノットは使われますよね! 海事・航空・気象など特定の分野でノットなどという国際単位系 (メートル法の後継単位系) ではない単位が使われるのは、それなりの理由があるにしても我々一般の者には非常に分かりにくいです。わが国では明治18年にメートル条約に加入し、日本のメートル法化 完全実施から50年が経ちましたが、まだまだ世界的にはなんとなくメートル法は肩身が狭くないですか? たぶん政治的・軍事的に世界を牛耳るアメリカがメートル法の完全採用に消極的だからでしょうね。この事例が示すのは、アメリカこそが世界の異端分子じゃねえのか? いくらなんでも、もうそろそろ日本はアメリカからの独立を目指すべきです。なお、日本の政策は 「日米合同委員会」 が決め、それを国会で追認するというのが実態です。米国の意向に逆らった政治家は政治力を失うか命を取られていますし、首都圏上空の制空権をいまだに日本は持っていません。これらのことから日本は独立国じゃないのは間違いないところです。

ところで、ここは潮流の早いことでは日本一ですが、世界では何位じゃろか? かなり下位かもね? 世界には上には上があるわけです。潮流の速さ世界一は、たぶんここ → 世界最強の潮流にできる渦潮に乗る! ノルウエイのソルトスロウメン! 動画を見ると、1分30秒あたりの光景は、確かに鳴門海峡よりも潮流はかなり早そうですね。天竜川の激流下りをしているみたいですね! こりゃあ、鳴門の渦潮を世界遺産になどと言よったら、世界基準では恥をかきますね。


鳴門海峡(2017年7月10日)


休日明けの平日に、これだけ観光客が来て下されば良いではないか?

世界遺産を目指してはいけない。世界遺産効果は一時的。必ず裏目にでる!

平日 (月曜日) だというのに他府県ナンバーの車がいっぱい来てくださっております。ありがとうございます。観光バスも入れ替わり立ち替わり来ております。ありがとうございます。吾輩は観光業で飯を喰っているわけじゃありませんが、南淡路の住民の一人として来てくださった観光客様に御礼申し上げます。問題は地元の行政当局でありまして、べつに、世界遺産などというものを目指さなくても、これだけ観光客が来てくださったらいいのではないか? 一般的に申して、ヒトというのは利己的で強欲な動物であります。とにかく欲張るわけです。とりわけ、観光業界や業界を行政指導する役人どもはとくに欲張りなんですわ。いろんな決め事をする政治屋どもの欲張りにも辟易させられますわね! 欲張るとロクなことがないから、欲張らないほうがよろしい

たとえば、株式相場の世界では 「頭と尻尾はくれてやれ」 という相場格言があります。これは江戸時代から伝わる相場格言でありますから、大坂堂島の米相場から生まれた格言だと思います。この意味は、相場で利を得るには価格変動の底値から天井値までの変動差をすくいとるわけですが、頭(天井か?)から尻尾(底値か?)までの全変動差をすくうのは不可能であり、不可能を狙っていると買い場を逃すし、利食いのチャンスも逃すわけです。天井も底も後になってから分かることであって、相場というのはえてして買ったあとに下がり、売ったあとに騰がるものです。頭も尻尾もとることはそもそもできないわけです。それを取ろうとすると失敗して大損! つまり欲張るとロクなことがないわけです。頭も尻尾も人様にあげましょうというふうな、欲張らない姿勢ならばそこそこ利は得ることができるものです。 

観光業であってもまったく同じですわ。世界遺産を目指すというふうな欲張りな心でやっていると、当てにもならない過大な入込予想で過剰な設備投資をやっちゃいますね! そもそも将来の観光客入込予想というのは期待が先走るがゆえに、あるいはそれを推進する口実とするために、過剰な過大数字が打ち出されます! たとえば、瀬戸内海の巨大な架橋群の通行予想がまさにそれでした! なんで人口400万人 (日本国の僅か30分の1) の四国に巨大架橋が3ルートも要るのか? 当初から大いに疑問があったのに、それを推進する政治的背景から通行量の水増し過大予想が示されました。結局巨大な赤字を抱え込んで首が回りません! 世界遺産を目出して運動しても、世界遺産になれなかったらつぎ込んだ運動費がどぶに捨てたも同然です。世界遺産になれたとしても取らぬ狸の皮算用で当て込んだ設備投資で大損です。どっちに転んでもダメだということですわ。以前、観光協会の御仁と議論しましたが、彼は立派な大学を出て頭がいい人なのに、なんでこんな簡単なことがわからないのだろうか? たぶん、利権の端くれに与ろうとする欲張りな心で目が曇っているんでしょう。

平日なのに他府県車がたくさん
平日なのに他府県車がたくさん
観光バスも来ている

道の駅 うずしお であります。写真は人の姿が途切れるのを待ったので誰もいないようですが、土産物屋も食堂も観光客でごったがえしています。先ず腹ごしらえをと食堂で飯を喰おうとしましたが満席です。淡路島バーガーのコーナーも立錐の余地もないと申せば大袈裟ですが人でいっぱいです。で、昼飯はあきらめて海岸へ降りていきました。
道の駅 うずしお


鳴門の渦潮を世界遺産に、などと目指してはいけない理由

①、そもそも世界遺産条約の目的というのは、あくまでも遺産を破壊や消滅の危機から護ることであります。観光振興の箔付けが目的では全くありません。そこのところを業者や役人や政治屋どもは、根本的に勘違いしています。たぶん条約の条文を読んでいないのでしょう。

②、渦潮は景観あるいは現象なのであって、破壊や消滅の危機に瀕してはいません。つまり、護るべき対象ではないわけです。護るべき対象は文化遺産では建物であり、自然遺産では土地・地形であります。つまり不動産だということ。勘違いしてはいけません。

③、鳴門の渦潮は常に見られるわけではありません。潮流という流体の中にできる渦でしかなく、つまり単なる現象なのであって、条件がそろったときにだけ発生する現象です。つまり、建物や地形など不動産が常に見られるのとは、全く質が違います。渦潮を世界遺産になどと主張するのは、台風や雷を世界遺産にと言うのも同然でありまして、噴飯ものですわ。

④、鳴門海峡という地形や、そこで見られる地質・動植物を世界遺産にというのならば、まだ分かりますが、鳴門海峡は破壊や消滅の危機にまったく瀕していません。そもそも、このエリアには護るべき絶滅危惧動物の一大コロニーもないし、絶滅危惧植物の大群落もありません。いったい、何を護ろうというのでしょうかね? 繰り返しますが、世界遺産条約のねらいは護ることです。護るべきものが何もないのに、世界遺産を目指すのは間違っています。つまり世界遺産の対象外なのです。

⑤、よしんば、100歩譲歩して護らななきゃならないと仮定しても、鳴門海峡は日本地質百選とか、日本ジオパークにすら選ばれてませんよ。日本で選ばれもしないものが、なんで世界遺産? という疑問があります。日本で選ばれないものをいきなり世界だというのは順序が違うでしょうが! 世界遺産登録の必須要件に 「顕著な学術的価値」 が必要ですが、日本で選ばれていないことが学術的価値がないことを証明していますね。

⑥、世界遺産を護るためには、世界では観光客入場制限が行われます。世界遺産を護るという観点からは、観光は敵だということです。この点を業者も役人も政治屋もみな全く勘違いしています。条約の条文すら読んでいなことが露呈しています。世界遺産条約が例外的に遺産の観光利用を認めているのは、貧乏な国が遺産を護るための資金を捻出する場合だけです。日本は遺産を護る資金すらない貧乏な情けない国だということでしょうかね? そういうことになってしまいますよ。安倍デンデン閣下の不正・犯罪をただせば遺産を護る資金などいくらでも出てきますわ。

⑦、世界遺産というのは日本では、自然遺産は環境省の利権であり、文化遺産は文部科学省の利権になっています。天下るところも沢山こしらえているようです。各自治体に世界遺産を目指せと煽りまくることを商売としている元外交官も暗躍していますね。日本はなんでもかんでも利権にする程度の低い国で、高邁な理念に忠実な役人や政治家はほとんどいないようです。こんなんで、北朝鮮をバカにできるでしょうかね? 

⑧、観光は必ずしも善ではないことを知るべきです。観光の弊害を全く考えていないようです。「観光公害」 という言葉があるぐらいですわ! 観光振興で潤うのは一部の業者だけです。多くの住民はほとんど関係なく、余計な負担 (税金) を取られるだけです。鳴門の渦潮を世界遺産になどと叫んでいる連中は、それで利権にしようとしているわけであって、石原慎太郎に似ています。かつて石原慎太郎が 「オリンピックは儲かるんだ」 と言いましたが、確かに儲かりますね。それは否定しませんけど、問題はオリンピックで誰が儲けるのか? ということであります。儲ける人もあれば、負担を強いられる人もあるわけでして、オリンピックで庶民・納税者が儲けるのとは決して違います。世界遺産でも同じことです。

⑨、よしんば、観光振興を喜ぶべき善だと仮定しても、世界遺産登録の効果はほとんど一時的でしょう。じきに熱は冷めますわ。冷めるのは早いです。嘘だと思うならば過去の先例を調べたら分かります。世界遺産効果で観光客が増えるのは、せいぜい1年~2年程度です。それに、世界遺産に登録されると、護るべき制限を付けられ不自由になる場合があります。あれこれと制限をつけられ、余計なコストもかかり、こんなハズじゃなかった、世界遺産になるんじゃなかったという嘆き節が結構あるのも事実です。嘆き節は政治的な配慮で報道されないわけです。世界遺産の負の効果をよく考えておかないと、ヒドイ目にあいますよ!

⑩、それから、世界遺産が増えすぎて食傷気味ですわ。増えすぎた世界遺産はもはや観光振興効果は薄いのです。効果があるのは無名観光地だけです。皆が知っている有名観光地は、もともと皆が知っているわけであって、世界遺産登録による宣伝効果は希薄なんです。そもそも、世界遺産を主管するユネスコでさえ早くから世界遺産が増えすぎだと懸念しています。増えすぎた世界遺産は価値逓減、インフレで1万円札が値打ちがなくなるのと同じなんです。世界遺産は数が少ないからこそ価値があるのであって、雨後のタケノコみたいに林立したら魅力はないわけです。



ところで、吾輩はいったい何をしにきたのか?

南淡路の住民の晩のおかずの材料調達場所
南淡路の住民の晩のおかずの材料調達場所

じつは、晩のおかずの材料を調達にまいりました。ここは南淡路の住民専用の釣り堀であります。ローカルオンリーです。恐縮でございますが、余所のお方にはご遠慮していただいております。拙ブログでは釣りの話題はほとんど触れませんけど、しょっちゅう大鳴門橋の橋桁の下に釣り竿をもって来ています。鳴門海峡は水深があり、陸から大物が釣れる場所です。外洋と内海を往来する回遊魚の通り道であります。磯魚も早い潮流に抵抗してよく泳ぐせいか身が引き締まっています。で、南淡路の住民の晩のおかずの調達場所であります。今日は、観光客がごった返す中、真昼間に来たのはベラを釣るためですが、関東じゃ外道とするベラも瀬戸内じゃ釣り対象魚ですし、鳴門海峡のベラは大きくて身が締まっています。ただ、真昼間だと観光客がおる中を、釣り竿を手にした汚いおっさんが歩くのは、竜宮城から帰ってきた浦島太郎みたいで少し気が引けますね。

本日の釣果はベラですが、キュウセンが5尾、ホシササノハベラが10尾で、みなかなり大きく5キロ入りのタマネギ網袋に半分くらいの重量になります。これだけ釣れれば晩のおかずには十分であります。先ずぬかをまぶしてヌメリを取って扱いやすくします。次に、素早くウロコとワタを取りニンジンと一緒に煮て食べます。七輪で焦がさないように焼いて三杯酢に漬け込んで骨を軟化して食べても美味いです。鳴門海峡のベラは大きいので刺身にもなりますわ。瀬戸内じゃベラ (特にキュウセンの大きな雄) は高級魚です。20センチ程度のものなら2尾をパックして魚屋で600~700円で売っていますね。25センチの大物2尾ならば千円です。アユよりも高価で取引されますね。
本日の釣果


大鳴門橋写真ギャラリー (2017年7月10日)

播磨灘側です。今日は視程が悪く10キロほどしかありません。小豆島はまったく見えません。
播磨灘

徳島市方向ですが視程が悪く何も見えません。四国山地の上に雄大積雲が湧いているようです。剣山の少し西方にある高ノ瀬 (標高1741m) へオオヤマレンゲのお花見に行こうと思ったのですが、天気が悪いので断念。で、かわりに晩のおかずの材料を獲りにきました。
徳島市方向

激しい潮流であります。川の流れみたい。
激しい潮流
激しい潮流

クラゲがたくさん湧いております。クラゲは喰えるんでしょうか?
クラゲが沢山

大鳴門橋は1985年にできてから早32年が経ちました。阿那賀からフェリーボートで海峡を渡ったのも遠い過去となりつつあります。海峡は常に強い潮風にさらされ、経年劣化も進んでいるでしょうし、たゆまぬメンテナンスが必要なんでしょうね? いつ来ても何か工事をやっています。恐いような高所で点検作業をしていますが、高所恐怖症の人では絶対に務まらない職場でしょう。この橋を通るときには命がけで裏方で支えている人々に感謝しながら通りましょう。ところで、この橋はいったい何年ぐらいもつんでしょうかね? 100年? 200年? 補修では安全確保ができなくなったら通行止め・閉鎖でしょうが、そのときは必ずやってまいりましょう。そのとき、この国はどうするんでしょうかね? 将来人口は長い下り坂でしょうし、経済も長い下降を続けるでしょう。二度とこんな橋は架け直せないのではないか?
たゆまぬメンテナンスが必要みたい
たゆまぬメンテナンスが必要みたい
たゆまぬメンテナンスが必要みたい

海峡部分は短いのですが、四国側から淡路島に渡ってもしばらく高架部分が続きます。で、明石海峡大橋よりもかなり短いにしても、通行すると実際以上に長い橋に感じます。
海峡部分と変わらないぐらい高架部分がある
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大鳴門橋の淡路島側のたもとの門崎 (鳴門岬ともいう) は、海岸岩場の植物の絶好の観察ポイントです。遊歩道が整備されているので危険なく植物観察ができます。ニッコウキスゲに酷似するユウスゲの写真を撮りたかったのですが、夕方にならないと咲かないのでダメでした。
海岸岩場の植物観察場所
海岸岩場の植物観察場所

ハマナデシコです。別名はフジナデシコです。鳴門海峡の岩場を彩る綺麗な花であります。
ハマナデシコ
ハマナデシコ

ハマナタメメであります。エンドウを巨大にしたような豆果が出来ます。
ハマナタマメ
ハマナタマメ

オオイタビがあります。最近、島内のあちこちにオオイタビがあることがわかってきました。
オオイタビ



温暖化利権で抹殺された42.5度の不都合な大記録!
日本の最高気温の記録は、撫養(むや、現 徳島県鳴門市) の42.5度だ!

梅雨たけなわでありますが、今年の6月は平年よりも気温が低めで推移しました。7月以降は平年よりも高くなると予想されています。梅雨明け後の盛夏はどうなるんでしょうかね? 6月9日に気象庁 地球環境・海洋部から発表されたエルニーニョ監視速報 (No.297) では、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いているということで、今後秋にかけて平常の状態が続く可能性が高い (70%) と予想しています。エルニーニュやラニーニャが日本の夏の気温を決定するわけじゃないにしても、大きな影響を与えるとされる観点からは、特段の猛暑でもなく冷夏でもないといえましょうが、実際は盛夏になってみないと分かりません。予想はあくまでも予想であって、当たるも八卦、当たらぬも八卦でありまして、げたを放りなげて表がでるか裏がでるかで占うのとどうちがうのか? たいして違いはありません。

さて、「地球温暖化説」 および 「温暖化危機説」 (温暖化は本当に危機なのか? 温暖化はむしろ良いことではないか? という疑惑も当然存在します) を煽ることで利権を得ている連中は沢山おるわけです。その連中にとって非常に不都合な気象観測データをお目にかけます。また、これは、温暖化利権によって抹殺されたデータであるといえましょう。気象庁監修、日本気象協会編、大蔵省印刷局発行の政府刊行物でありますが 『気象年鑑1992年版』 の208頁から表を引用します。

前書きで、その表の作成要領が示されています。 「観測所のデータは、すべて公認、公表されているもののみを採用した」 と明確に書かれています。つまり、徳島県鳴門市の42.5度の観測値が日本記録であるということです。ところが、地球温暖化に関する政治的な圧力により、この日本記録は非公式なものとなり、気象年鑑の2008年版以降はこの大記録が完全に抹消されてしまいました! しかしながら、いくら政治的な圧力を弄したところで、42.5度は徳島県の旧 板野郡の郡役所でまさに観測されたものであり、この観測事実を曲げることができません。以前は撫養川の東岸に日本最高気温の碑が確かにありましたけど、最近は、鳴門に行くたびに探しているんですけど、いくら探しても見られなくなりました。温暖化利権者どもが不都合な碑だとして撤去したんでしょうかね??


日本の最高気温の記録は、42.5度


↓ よく見えるように最高気温ランキングを拡大します。

観測所というのは、かつての区内観測所で気象台から観測の委託を受けていたもので、主に市町村役場であるとか学校などが観測の任に当たったようであります。なんと、41度以上の観測例が17個もあるではないか! 高知県アメダス江川崎もタジタジとなる凄いものがズラリと並んでいるのは壮観です! このランキングを子細に観察すると、大正時代の高温観測例が実に多いことと、エリアとしては北陸~東北日本海側が多いことが目立ちます。これはフェーン現象が作用しているのじゃないか? それから関東以西~東海~近畿~四国であります。つまり、北海道以外ではどこでも40度超の可能性があるということです。なお、九州では40度超はほとんど見られません。なお、区内観測所で40度超の観測記録が沢山あるのは、1920年代から1930年代に温暖化したことと、観測所の数がアメダスよりも多いことが理由です。1960年代~1970年代にかけて40度超の記録が激減したのは氷河期が来るぞと騒がれた寒冷化の影響です。


日本の最高気温の記録は、42.5度



現在の気象官署およびアメダス観測所における40度超の観測記録

気象庁ホーム >  各種データ・資料 >  過去の気象データ検索 >  歴代全国ランキング を2017年7月9日に閲覧し、気象官署とアメダス観測所に分けて40度超の観測記録を拾った。

40度超の観測記録



この夏、あなたの町 (地方)は、40℃超の高温に見舞われるでしょうか?

40度超がこんなにあるんだから、41度や42度が出たとしても、ガタガタと騒ぐのはみっともないですわ!


40℃超の観測記録が存在する地点を日本地図上にプロットしました。区内観測所のうち福井県谷口は現在どこなのか不明なので除外。また区内観測所で高知県江戸崎もどこなのか不明で除外しましたが、江川崎の誤植? 1970年代後半以降にアメダスが順次整備されていますが、それまでの区内観測所と同じ場所を引き継いだ地点がかなりあるようです。

下図を見ると40℃超の高温リスクが高い地方は、日本列島の折れ曲がっている部分、福井県~静岡県西部のライン上であることが明瞭です。このあたりは列島の幅が広いので暖まり易のでしょうかね? それから、最近では関東平野の高温リスクが高いですが、これは人口密集・都市の大膨張による熱汚染ではないか?  意外に東北地方日本海側で40℃超が観測されているのは、フェーン現象ではないか? 山形地方気象台の40.8度という古い観測は、2個の台風の影響と言われています。1個目の台風が日本海を通ってフェーンによる昇温がおこり、その気温があまり下がらないうちに2個めの台風が日本海を通過しました。再度のフェーン現象に見舞われた結果だとされています。よね?

北海道と東北地方太平洋側が40度超の記録がないのはわかるんですが、意外に、中国地方は皆無であるし、九州も1個だけです。このエリアは陸地の面積が小さく、瀬戸内海もあって、海洋の影響で高温が緩和されている? 四国の鳴門で42.5度という日本記録は、優勢な上空の太平洋高気圧から吹き下ろす下降気流で、断熱圧縮による昇温に加えて、四国山地越えのフェーンが加味された結果ではないでしょうかね??


40℃超の高温観測記録がある地点の分布


岩石海岸の自然観察 (その4)
観察日は2017年6月27日、観察場所は淡路島最南端の岩石海岸です。

こんな海岸岩場の厳しい環境で、よくまあ生育できるもんだね!

シャリンバイ (バラ科) であります。5月の連休のころに白い花を咲かせます。南淡路の海岸岩場には普通にみられます。樹高は1m内外の低木であります。写真のものは花が終わって若い果実ができています。果実は秋に紫色に熟します。大木にならないので管理しやすく、乾燥にも強いのであちこちによく植えられています。たとえば、南淡路では旧南淡町賀集のららウォークに沢山植栽されています。写真のものは、海にせり出した岩の上に一人生えています。他の植物が全く見られない岩上で孤高のシャリンバイといえましょう。土壌なんて全くない岩の間でどのように根を張っているんでしょうか?  ひょっとしたらクロマツなどと同じように菌根菌との共生?? 菌類の菌糸は維管束植物の毛根よりも更に細く、岩の造岩鉱物の間に伸びて行って水分やミネラル分を吸収すると言われますが、そういう菌類と共生している??
岩場で逞しく生きるシャリンバイ
土壌なんて全くない岩場だ
若い果実ができている


↓ この花の標準和名は ハマナデシコ (ナデシコ科) でありますが、これじゃ浜ナデシコじゃなくて岩ナデシコと言うべきかも? これも岩崖地にポツンと一人咲いています。それにしても土壌のないこんな岩壁にでよく生育しているものです。
断崖に咲く孤高のハマナデシコ
浜ナデシコじゃなく、岩ナデシコというべきか?
花は綺麗です


海岸の岩場に生じる兵庫県の絶滅危惧植物たち

イワタイゲキ (トウダイグサ科) であります。兵庫県版レッドデータではイワタイゲキは絶滅危惧Bランク ですが、他県版の絶滅危惧Ⅱ類に相当します。絶滅危惧選定理由は特殊生育地に自生し、かつ個体数が僅かであるためです。淡路島内での自生地は吾輩が知る限りでは島南部の海岸岩場で、友ヶ島・生石鼻・地野・潮崎・門崎の付根の5か所しかなく、それぞれの自生地で1株~数株しかありません。つまり淡路島の海岸に20株あるかなしかでしょう。兵庫県本土側では家島諸島や西播の海岸に少し。瀬戸内海東部から消えつつある植物ですから、採らないように。採っても鉢植えなどで栽培できる植物じゃありません! ここに見に来るだけならば大いによろしいかと思います。
岩場で逞しく生きるイワタイゲキ
花期は5月、夏には地上部は枯れる
イワタイゲキは冬型多年草です。秋に新芽をだして冬の間は青々と緑の葉が綺麗です。春に花を咲かせ、夏には地上部は枯れて地下茎で休眠します。つまり、庭に植えるチューリップやスイセンと同じです。寒候期に生育し夏には地下茎で休眠。イワタイゲキは普通は夏前に葉が赤く紅葉するのですが、この個体は色がさえないようです。
通常は夏前に美しく紅葉する


キキョウラン (小笠原植物誌) であります。名の語尾にランとつきますがラン科じゃなくてユリ科であります。葉がラン科植物に似ていて、花の色がキキョウ(桔梗)と同じ紫であるということです。東南アジアや琉球諸島や小笠原などが分布の本拠地の亜熱帯要素の植物ですが、九州南岸~四国南岸を経て紀伊水道沿いに分布が北上しています。わが淡路島(正確には西淡伊毘の沖ノ島)が北限地の植物であります。地元の南あわじ市ではもっと話題になってもいい植物ではないか? ですが自生品を見たことがない住民がほとんどでしょう。沼島・灘地野・灘仁頃・灘潮崎・沖ノ島の海岸岩場や岩崖地にあります。兵庫県版レッドデータBランク (他県版の絶滅危惧Ⅱ類に相当) 絶滅危惧選定理由は、特殊生育環境・希少に加えて分布の北限であることです。

栽培は簡単です。鉢植えも可能です。たくさんあるから少しならば採ってもよろしい。写真で分かるようにキキョウランの株は根元で沢山分けつしています。分けつ芽を1芽か2芽を間引くような採取の仕方ならば採ってもよろしい。(なお吾輩は採取の許可をする権限・立場ではありませんけど) 夏に青い実がなって種子を採取して蒔いても簡単に苗ができます。非常に強健で、栽培すると殖えすぎて困るほどです! ただし、元来が亜熱帯要素の植物なので冬の寒風害があるかも? 吾輩が栽培した経験から申すと氷点下4度までは何もしなくても大丈夫です。それ以下の低温では枯れるのかどうかは不明。(南淡路じゃそれ以下の低温はまず起こらないから)

キキョウラン
キキョウラン
キキョウラン
キキョウランの花期は5月中旬~6月上旬ぐらいが見頃ですが、花期は結構幅があるようで、まだ遅い花が残っていました。
キキョウラン


アゼトウナ(キク科) であります。花期は晩秋~初冬で黄色のとても美しい花が咲きます。兵庫県版レッドデータでは絶滅危惧Cランク (他県版の準絶滅危惧に相当) 本種は海岸だけでなくやや内陸の標高100m前後の山裾まで分布を広げています。しかしながら、そういうところでも例外なく海風が吹き込んでくる崖地や道路法面や石垣などにあって、海岸岩場の植物という生態を保っています。やはり海岸の岩場がアゼトウナにとっては安住の地なのであって、内陸では他の植物との競争に脆弱なのでしょう。
アゼトウナ
アゼトウナ


ハマヒサカキ (ツバキ科) であります。リンクの波田先生によると、「海岸に生育する植物の多くは乾燥に対する抵抗性が高く、緑地帯や道路の分離植栽などによく利用される。ハマヒサカキも海岸に生育することから、一時大量に植栽されたことがあったが、期待されたほどの耐乾性はなかったようである。その後の研究によってハマヒサカキの生育立地は、海岸ではあっても持続的な水分供給のある場所であり、期待はずれであった理由が解明された。そのように見ると、ハマヒサカキの生育立地は地形的にはややくぼんだ場所であり、持続的な湧水があるような場所であったり、水道であったりする。」 ということですが、たしかに、写真のものは岩崖地でありますが、岩のくぼ地になっています。岩場がすべて乾燥いちじるしいわけではなく、岩壁の割れ目とか弱線などで水がしみでているところが結構ありますね。写真のものは水分供給のある立地のせいか葉の色がいいです。崖の上のほんまに乾燥するところにもハマヒサカキはありますが、たしかに生育が悪く葉の色もさえないものが多い傾向です。ということでリンクの説明に納得します。 兵庫県版レッドデータでは絶滅危惧Cランク
ハマヒサカキ
ハマヒサカキ
ハマヒサカキ


海岸の岩崖地で逞しく生きる植物たち!

海岸岩崖地で逞しく生きる植物たち

トベラ (トベラ科) であります。南淡路では5月の上旬前後が花期でありまして、ニホンミツバチとかマルハナバチ類が盛んに訪花しています。おそらくニホンミツバチの重要な蜜源植物ではないか? と思われます。
トベラ

ハマボッス (サクラソウ科) であります。海岸岩場の美しい花ですが、花茎の先端に遅い花がわずかに残ってはいますが、花期はもう過ぎてしまいました。若い果実が見えていますが果実が熟すとこの株は枯れてしまします。
ハマボッス
ハマボッス

テリハノイバラ (バラ科) であります。葉には毛がなく、葉の表面はクチクラ層が発達してテカテカと光沢があります。いかにも乾燥に耐える海岸岩場の植物という感じであります。通常は花の色は白ですが、ピンク色の花の個体を見たことがあります。
テリハノイバラ
テリハノイバラ



岩石海岸の自然観察 (その3)
岬の先端付近の海岸は強風地帯!

一般に海岸は風が強いところであります。陸上ならば風が吹きわたるときに、建物や樹木や丘や小さな山など障害物があり風力が減衰されます。しかし、だだっぴろい海上には障害物がありません。で、海上から吹く風は強いです。陸上の風よりも風速は2割とか3割増しです。陸上では暴風警報はなかなか出ませんが、海上風警報は頻繁に出ます。こういう理由で海岸は風が強いのですけれども、とりわけ風が強くなるのは岬の先端とか、海峡部分であるとかですが、気象観測データを調べたらハッキリと裏付けられます。日本本土で最大瞬間風速の記録を持つのは室戸岬 (旧 室戸測候所) の84.5m/sであります。(富士山の91mは山岳観測データなので特殊な例) 全国の観測所で特異的に風が強いのは、愛媛県の佐多岬半島とか、北海道の襟裳岬とか、岬にある観測所はちょっと低気圧が通っただけでじきに30mぐらいの風が吹いています。ということで、淡路島最南端は潮崎という岬でもあり、鳴門海峡に面していますから紛れもなく強風地帯です。風があるときには危険なので行かないように。

気象庁サイト から風向・風速分布図を1枚借用。昨日7月4日に西日本を横断した豆台風3号 (T1703) が襲来したときの風速分布ですが、台風はまだ九州にあるときのものです。台風は豆台風であって、まだ台風による強風は出ていなくて、通常の夏の南東季節風場における風速分布と思われます。図中に示した室戸岬・瀬戸・友ヶ島の3地点はとにかく風が強いところです。立地は岬や海峡です。内陸部では風が弱く、沿岸部で風が強いことがわかります。豆台風3号は四国南部を横断しましたが、台風本体による風では、室戸岬で最大瞬間風速45.0m/sを観測、豆台風でもあなどれないことを示しました。
岬や海峡では風が強い


海岸風衝地の植生は、相観的には疑似的亜高山帯?

↓ 付近一帯の海食崖の上の樹木は、強風のためにまっすぐ伸びることができません。扁形度3~4の強い扁形樹となっております。風当たりが弱いところであっても土壌が未発達なため、シイなどの高木が育たず、せいぜい亜高木や低木ばかりです。
海食崖の上の樹木は強く扁形する

↓ 強風地帯の中にあっても微地形の影響が非常に大きいです。低い山並みがパラボラアンテナみたいな御椀状になっていて、さらに、その御椀の奥の山が低くなっているようなところでは、風が強烈です。天然の〝風レンズ効果″を発生させるような地形では樹木は育ちません。
小さな谷
谷を強風が吹きあがる

潮崎の岬にある小さな谷です。太陽の光をレンズで集めると黒い紙を焦がすように、風を集める (一点に収束させる) 風レンズ地形となっています。この小さな谷を吹き上げる強烈な風は植生を見事に変えています。谷に沿うところでは樹木は上に伸びられません! せいぜい50センチ程度です。トベラもハマヒサカキもシャリンバイもウバメガシもみな盆栽みたいに50センチ程度の高さしかありません。芝生みたいに見える部分はネザサという笹ですが、これは普通は2mほどになる笹ですが、わずか20センチほどしかありません。強い風で草丈が伸びられないのは、四国山地の亜高山帯に似ています。ミヤマクマザサの中にあるコメツツジの光景に酷似しますね。
谷筋では強風のため樹木は矮生化する

海食崖の上に生えるクロマツも、土壌がないことや乾燥など悪条件で生育が悪いことに輪をかけて、強風でまっすぐに伸びられません。岩上を枝が這うように広がります。中部山岳の高山帯のハイマツみたいな姿になってしまいます。老人の繰り言で同じことばかり申すのですが、海岸岩場の風衝地はまさに疑似的亜高山帯であると言えましょう。海岸の岩場を歩いていると、登山をしているような錯覚をしますね!
ハイマツみたいになったクロマツ


岩石海岸の自然観察 (その2)
素敵な磯で、浮石を返すとタニシのようなものが沢山!

写真は2017年6月27日に撮影。

いつもシャクナゲ山に来てくれるお姉さん方をここへ連れてきたら、たぶん、大喜びでしょう! 晩のおかずがどっさりです。海タニシが沢山おりますね。大きくて平べったい石をひっくり返すと10個ぐらい海タニシがいますね! 大きな石は陸に打ちあがっている角材をうまく使って、テコの原理で動かしますね! さらに大きな石はチェーン・ブロックを使うとか? そこまではしませんけど。ここは隠れ穴場みたいな豊穣の磯です。ただし、ここへは歩きにくい砂浜海岸を長い距離を歩き、さらに滑りやすい岩場を相当歩きます。往復何キロあるかわからないほど遠いです。屈強の者でなければ来れないでしょう。じつは吾輩も加齢と体重のせいで久しく来ていませんでした。しかしながら、悪徳算術医者のクスリ漬けカモにされそうになって危機感から一念発奮、体重を15キロ下げ、毎日10キロのクォーターマラソン (? ハーフマラソンの半分) を1年間続けたおかげで、また難なく来ることができるようになりました。で、お土産は? お土産の写真は非公開です。
淡路島最南端の岩石海岸
淡路島最南端の岩石海岸
淡路島最南端の岩石海岸


道具に頼らなくても、ある程度は測れる!

↓ 地層面 (層理面) にたいして垂直に割る露頭を目測すれば、いちいちクリノメーターで測らなくてもこの一帯の地層の傾斜は40度程度であることが分かります。ルートマップ上に調査データを記入して地質図でもこしらえようというのであればキチンと測定しなければいけませんでしょうが、われわれ一般の自然観察はボーイスカウト精神で、道具なしでも自分の身体や目測で行きます。例えば、短距離を測るとき自分の歩幅が70センチならば143歩で100mです。これで測ります! で、アウトドアズマンたるものはご自分の歩幅が何センチであるかを知り、かつ一定の歩幅で歩く訓練が必要です。誤差5パーセント以内ならば合格とされます。ほかにも自分の両腕を広げたときの長さとか、手の指の長さなど知っておくと、巻き尺なんてなくても (忘れても) かなりのところまで測れます。正確な数字を示さなきゃいけない場合はダメですが、オーダーでこれぐらいと言う場合にはこれで行けます。概して、現代人は道具に頼りすぎていないか? 道具を売って金儲けをする道具屋の商魂に踊らされていないか? 地層の走向と傾斜は専用の道具なしでも大雑把には測れます。

いつも思うんだけど、釣り師は高価な道具を揃えすぎです。釣りなんて竹竿を火であぶって油抜きしたものに、糸と針と重りだけつけりゃ釣れますね! 道具よりも魚の生態を熟知するほうが大事です。縄文時代じゃシカの角を削って釣り針をこしらえていました。縄文遺跡から魚の骨が出てくるから、そんな粗末な道具でも釣れたハズです。

傾斜は40°くらい

この写真ではわかりませんが、付近一帯の地層の走向は海岸線の方向とほぼ一致しています。申すまでもなく走向とは層理面と水平面の交線の方向のことでありますが、このあたりでは、ほぼ西南西から東北東の方向です。 (走向N70°E、傾斜S40°) 程度かなというところですが、北側が高く、南側が低くなっています。つまり、約1億年前~6500万年前の後期白亜紀に、和泉内海と呼ばれた海盆で堆積した地層が、その後の地殻変動で40度ほど傾いて、地層の下部の部分が持ち上がり地表にあらわれているいるということです。よって、南あわじ市(沼島を除く)では南から北に向かって次第に地層の堆積年代が古くなっていることを意味します。灘海岸ではアンモナイトの化石がたくさん出ていますが、後期白亜紀のなかでは一番新しいところなのでアンモナイトも絶滅寸前の奇形みたいなものになっていますよね!

淡路島最南端の岩石海岸


海岸の岩場で登山訓練?

荒々しい男性的な岩石海岸です。写真は小さくしてあるので迫力がありませんが、実物はかなり迫力があります。岩の高い所は海面から5m以上あって屋根の上に登るみたいな感じです。こういうところを歩きまわると、登山の訓練になるかも? 岩場ということでは高山の岩石累々の登山道と酷似しています。たとえば沼島の裏側は断崖絶壁ですが、釣り師たちは絶壁にロープを垂らしてロッククライミングさながらの昇降をやっていますよね! 釣り師と写真家どもはある意味では凄いところがあって、登山家もタジタジということです。海岸岩場は登山訓練、体力涵養の道場かも? ただし、浮き石も多いから転倒しないように! ヘルメット着用がいいかも? はるかに見える島影は沼島 (ぬしま) であります。
荒々しい岩石海岸
荒々しい岩石海岸


別荘を建てるのによさそうな素敵な大岩!

少し沖に素敵な岩があります。高さは7~8mぐらいでしょうか。10mあるかも? ここに別荘を建てるといいかも? 強烈な台風では岩全体が波濤を被るでしょうから、鉄柱を打ち込んで土台をしっかりと造る必要がありますね。周囲の水深は浅そうですが魚影が濃い感じです。付近はショア・プラットホーム (以前には波食台と呼ばれたもの) がかなり沖まで続いているため岩礁地帯となっています。で、漁師さんの船は近づけません。また水深がなく、ここへ来るにはかなり歩かなきゃいけないので、磯釣り師も敬遠してあまり来ません。ということで釣り荒れていないわけです。干潮時に膝まで水に入って浮石を返すと、カサゴ等が結構おりますね! ショア・プラットホーム上には深い波食溝があって磯魚が泳いでおります。ということでこの大岩に別荘を建てればリタイアした暁には釣三昧とか? ただし建築費は高いでしょう。マリコン (海洋土木) 実績のある建築会社に依頼する必要がありそうなので。ていう以前に建築許可が下りない?
少し沖の素敵な岩

なんという名の岩か不明です。いちおう、吾輩はこのエリアの出身ですけど、この岩の名は知りません。東西20キロに及ぶ岩石海岸で、洲本市側の3集落を含めると17集落が点在していて他所の集落のことまでいちいち知りませんわ。ですが海岸に点在する岩はみな名がつけられているハズです。名を調べるにはその集落の古老に聞いてもいいのですが、それよりもいいのは江戸時代後期に編纂された淡路島の地誌 『味地草・みちくさ』 をひもとくことです。小字 (こあざ) の中の微小な地名 (畝号とか) にいたるまで克明に記録しています。 『兵庫県地名大辞典』 の淡路島に関する地名は、基本的文献がこの味地草であります。
少し沖の素敵な岩



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