雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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剣山にマイタケはあった。 (その2)
ヌメリスギタケ、これは登る途中にあった。
↓ 時刻は8時10分です。ヌメリスギタケ であります。なかなか美味い食用菌で、徳島県のブナ帯でよく見かけます。登るみちすがら、刀掛け松の少し上の標高1850mあたりのブナに出ていました。湿っているときには傘も柄もヌメリがありますが、ナメコほどの著しいヌメリではありません。良く似たキノコにヌメリスギタケモドキがありますが、それはより大型で柄も太いです。ヌメリスギタケは比較的に小型なキノコ。近縁種のツチスギタケは最近の文献では毒茸とされていますし、以前は見ノ越の駐車場の山手側によく出ていました。で、間違えないように。
ヌメリスギタケ

以下は、下山の行程の話。
↓ 9時12分、下山を始めてしばらくして下のほうからエンジンの音が聞こえてきました。登山道の端に寄って待っていると、頂上ヒュッテの三代目さんが階段状の登山道を巧みに運転して運搬機で荷揚げです。

「お早うございます。ご来光見えましたか?」
「ダメでしたわ。ガスって、何も見えませんわ。荷揚げ、たいへんですね。写真撮ってもいいですか?」
「いいですよ、どうぞ。」

以前は素通りばかりしていましたが、最近は剣山に登ったら必ずヒュッテに立ち寄り飯を喰っているので、しっかりと顔を覚えてくださったようです。運搬機は車輪ではなくゴムのクローラーのようですので、これなら戦車みたいに道なきところでも行けますね!

運搬機で頂上ヒュッテまで荷揚げ

↓ 9時37分、登山リフト山上駅の西島駅から標高差で50mほど降りたところです。西島神社のすこし上あたり。登るときは右のほうから上がってきました。降りは左の遊歩道へとまいります。下山の道すがらキノコの観察をします。なお、その1で申した通り、剣山の北西エリアは四国森林管理局の管轄する特別な保護区で、植物 (キノコも) の採集は法律で禁止されています。で、観察するだけです。採ることはできません。自然をこよなく愛するナチュラリストの合言葉は、取ってもいいのは写真だけ、残していいのは思いでだけであります。ごみは必ず持ち帰る、足跡はあまり残さないように‥。
西島駅から少し降りたところ
左へまいります


スギヒラタケ
↓ 登る道すがらも、降りでも、そこらあたり一面に見られます。スギヒラタケ であります。以前は食用キノコとされ、吾輩も四国の山に来たら土産に採って帰りました。濃厚な良いダシが出るので味噌汁に入れると美味で白く清楚なきのこです。しかしながら、突然に北陸地方を中心に相次いで中毒事件が発生し、今では毒茸とされています。厚生労働省も食べないようにと注意喚起しています。スギの切り株や倒木に出るのですが、今回ヒノキに出ているのを見ました。淡路島にもスギの植林はたくさんあるのに、吾輩は淡路島でスギヒラタケを見たことがありません。なので、スギヒラタケはブナ帯のキノコでしょうか?? 厚生労働省の 自然毒のリスクプロファイル:キノコ:スギヒラタケ を参照。
スギヒラタケ
スギヒラタケ
スギヒラタケの傘裏面はひだがある


ナラタケ
↓ 10時10分、ナラタケ を見つけた。これは東北地方など北のほうでは、身近なところに大量に発生する優秀な食菌として重要視されているキノコですよね! 栽培技術が開発され栽培可能となっているようですが、栽培する人がいなくて、いまだ市販されないキノコです。しかし、身近な、それこそ市街地でも発生するキノコなので栽培するまでもないのかもわかりません。 ナラタケは東北地方では重要視されるのに、西日本ではあまり食べられないキノコです。ていうか、ナラタケなんて知らない人が大部分でしょう。理由はハッキリしています。西日本では発生が非常に少ないキノコだからです。でも、西日本にも、わが淡路島でもナラタケは出ないわけではありません。出ます。吾輩の実家のウバメガシ林に出たナラタケ
ナラタケ
ナラタケ


↓ 本日みつけたマイタケ発生の2本目のミズナラです。さして大きくはないミズナラです。幹周はせいぜい2mぐらいであろうかと思います。
さして大きくないミズナラ

剣山のマイタケ、2か所目!
↓ 11時26分、マイタケの大きな塊が4個でているのを見つけた。採取適期を少し過ぎて若干傷みはじめています。残念ながらここのものは採ってはいけませんが、もし採るとするならば採取適期に上手く採るのは大変に難しいものです。野生キノコは採ろうとしたら、若すぎたり、或いは老菌化していたりと、ちょうどいい採り頃に当たるのはむずかしいものです。
マイタケ
マイタケ

剣山のマイタケ、3か所目!
↓ 11時50分、これは本日見つけたマイタケ発生3本目のミズナラです。大きなものが目白押しに何個も出ていて壮観です。一説によればマイタケの語源は、それを見つけた人が嬉しさのあまり舞い踊ることからいうとか。写真のような見事な物を見つけたら本当に舞い踊るかも?
マイタケ


サンゴハリタケ
↓ 12時14分、サンゴハリタケ を見つけました。ウラジロモミの幹の 「うろ」 に発生していました。なんと別々の木に2つもあるではないか! サンゴハリタケは柄の基部から分岐を樹形状に繰り返し、枝から1~2センチ程度の針状の突起が無数に垂れ下がります。名前の通りサンゴのような特異な形状をしています。写真のものは全体の長さが40センチの大きなものでした。白くて清楚で大変に美しいキノコです。ブナハリタケに似た香りがありますが、ブナハリタケよりも香りは弱いかな、という感じであります。食べられます。
サンゴハリタケ
サンゴハリタケ


エゾハリタケ
↓ 12時52分、ブナの巨樹の上のほうに エゾハリタケ を見つけましたが、巨大なものです。高い所にあるのでよく観察ができません。双眼鏡をとりだして見るとここ半月ぐらい梅雨みたいな天気だったので、強靭なキノコといえ湿気で傷んでいるようにも見えます。が、ハッキリとはわかりません。リンクの天然キノコ販売業者では、エゾハリタケ500グラムがなんと4104円です。なんと高価というか、ビックリの法外な値段です。こんなの、四国東アルプスのブナ帯ではありふれたキノコです。珍しいものでも何でもありません。ただし、この保護区では採ってはいけませんが、木屋平側は保護区じゃありません。
エゾハリタケ
エゾハリタケ


ブナハリタケ
↓ 13時43分、ブナの倒木に ブナハリタケ がびっしりと出ていました。ブナハリタケは新鮮なものは強烈な甘い香りがするキノコですが、人によってはマッタケの香りに似ているという人もいるようです。吾輩はマッタケとは全然異なる香りだと思います。このキノコはいろいろな食べ方があるようですけど、意外にいいのは佃煮です! 砂糖醤油でことことと煮しめると強烈な香りが穏やかになって、ほどよい風味となりますわ。東北地方じゃキノコ狩りといえば本命はマイタケなのですが、マイタケはそう簡単に採れるものではなく、かわりにブナハリタケをどっさりと採って帰って、マイタケのことはおくびにも言わず、ブナハリタケが本命であったかのように誤魔化すそうですわ。
<strong><u>ブナハリタケ</u></strong>
ブナハリタケ



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剣山にマイタケはあった。 (その1)
本日は2016年9月28日 (水曜日) であります。

●9月の前半は商売が忙しく、後半になると梅雨のような天気が続いてしばらく山にいっておりませんでしたが、気象庁の週間予報では今日だけ晴れあとは雨天が続くという予報で、今日を外したら行く日がなくなるということで昨日の27日に徳島県の剣山(標高1955m)に登ってまいりました。時期的に秋のキノコ狩りシーズンとなっておりますので、登る道すがら、かつ下山の道すがらキノコ観察を行いました。本日の自然観察は植物ではなくキノコでありますが、マイタケが出ていました。なんと、マイタケが発生するミズナラの木を3本もみつけたので写真を陳列します。なお、剣山一帯は保護林となっていて植物やキノコの採集は法律で禁止されています。よって、見て観察するだけです。残念ながら採ることはできませんので、発生場所をほぼ特定できる形で公開することができるわけです。

ふつう、キノコハンターの世界では、どこの山のどのあたりでそのキノコを見つけたのか、その発生場所など仲間にはもちろん親兄弟にさえも言わないものなのです。プロキノコハンターは単独行で隠密行動が原則で、キノコ発生地情報の門外流出・拡散を嫌います。採集者がふえて商売ができなくなるからです。その点、吾輩はキノコハンターではなく、ただの素人自然観察者ですので口が軽いわけです。


本日 (9月27日) 剣山はガスって何も見えません。
↓ 4時55分。つるぎ町一宇漆野瀬の電光標識のところまで来ました。朝2時20分に淡路島南部の南あわじ市にある雑想庵を出発して2時間35分もかかっています。これは徳島自動車道を来たら夜間工事中で土成インターで強制的に一般道に排除されて、調子が狂ったためであります。 それにしても17.3度とか気温が高いスね。これじゃ8月のお盆ころの気温です。写真にチェーン着脱場という標識があるように、南国四国といえども山間高標高のこのあたりは冬には雪が積もるは真冬日 (終日氷点下) など当たり前です。 ところで、平地でも山でもいまだに真夏の気温です。富士山の初冠雪のたよりもまだありません。ところが、なぜか最近はマスゴミや温暖化利権者どもが騒がなくなりましたね。以前じゃ少しでも気温が高いと 「温暖化で大変なことになる!」 って大騒ぎしていたのに‥。
つるぎ町一宇漆野瀬の電光標識

↓ 5時33分、夜明けです。登山車道の最高所、つるぎ町と三好市の境界を通過すると剣山が見えてきました。剣山は独立峰じゃありません。重畳する山々のなかでの最高峰というだけで、前衛の山並みが幾重にも取り囲んでいます。で、麓の平野部から剣山を遠望できるところは意外に少ないです。たとえば県都の徳島市からでは市西部の鮎喰川沿いの一部や、眉山の山頂からしか剣山はみえません。むしろ淡路島南部のように遠く離れたところからのほうが剣山の全貌がよく見えます。
夜が明けてしまった

↓  秋雨の中休みの今日しかないと来ましたが、富士山に架かる笠雲みたいなイヤな雲がかかっています。太郎笈 (たろうぎゅう・剣山の古名?) にも次郎笈にも笠雲がかかっています。暖湿気が這いあがっている証拠で、こりゃあ嫌な予感がします。遠路はるばる来た山頂山小屋の宿泊者 (四国島内や近県からの登山者はほとんど日帰り) は、たぶんご来光が拝めず宿泊料を損した気分ではないか?
太郎次郎に笠雲がかかる

↓ 5時41分、見ノ越到着であります。駐車場の奥の方にすこし車が停まっています。平日なので登拝者はあまり多くありません。吾輩は駐車場の入り口の一番目につくところにポンコツ車を置きます。山じゃ、とくに単独行や老人の場合は、とにかく目立つ行動がよろしいかと。つまり遭難した場合の対策です。他の登山者や山岳業者の人の目に、「あの人また来とるわ」 と印象を残しておくことです。 06時05分に登山開始。
5時41分、見ノ越到着

↓ 8時16分、標高1900m地点です。ナナカマドが色づきはじめました。ナナカマドといえば登山者でその名を知らぬひとがないほど有名な植物です。秋の紅葉が美しいことでも有名です。しかし瀬戸内地方では平地にはなく、四国東アルプスではおおむね標高1000m以上の山にあります。ときには600~700mぐらいでも見られます。
ナナカマドの紅葉が始まった

↓ 山頂直下の岩場にあるコメツツジ群落も色づきはじめました。何べんも言うのですが、淡路島の人が言っているコメツツジは 「シロバナノウンゼンツツジ」 です。コメツツジはブナ帯上部~亜高山帯の植物です。西日本では紀伊半島の大峰、四国剣山・四国石鎚、九州祖母傾など1500m以上の高所にあります。淡路島は最高標高608mでコメツツジの分布標高域から外れていますよ。
コメツツジも色づき始めた

↓ 08時30分、山頂の剣山頂上ヒュッテに到着。2時間半もかかったのは登るみちすがらキノコ観察をしていたからです。建物の外壁に掛けてある温度計は17度を表示しています。なぜか封入してあるアルコールの赤色が薄くなっています。そろそろ新しい温度計に替える必要がありそうです。それにしても、真夏のままの気温です。たいてい10月下旬、遅くても11月上旬、早ければ10月中頃に初雪が来るのに、いまだに気温高すぎです。 頂上ヒュッテに入って朝食を喰って一命を取り留めた。ワカメうどん600円とホットココア300円。早朝の06時から営業しているから、ご来光を拝みにきて宿泊登山者に混じって朝定食を食べることもできます。
気温は17度を表示

↓ 09時02分、剣山山頂部の様子です。完全にガスっていて何も見えません。他の登山者と話をすると、今日は遠方からのお客様が多いようです。岩手から見えた方は息子が岡山にいて会いにくるついでに回ってきたとのこと。横浜からのお客様はなんて言っていたっけ? 最近、聞いた話を覚えていられないわ。静岡からのお客様は車で四国一周旅行だとか、今日は剣山下山後は足摺岬に向かい、あしたは日本百名山の石鎚山に登るとか。広島からのお客様は高速道路を6時間も突っ走ったとか、登山道がよく整備できていていいネ! と言っていました。単独行の外国人の方も見えて、韋駄天のごとくビックリの早さで走って登っていて、これは話しかけても吾輩の発音不良で通じません。みなさん遠路はるばる来たのに眺望なしで気の毒でありますが、 「雨が降っていないだけマシよ!」 との返事。なるほど、最悪でなけりゃあラッキーということのようです。
山頂はガスっています
眺望はありません

↓ 山頂部の隆起準平原のミヤマクマザサです。剣山の山頂はなだらかな平坦地ですが、周氷河地形だという説もありますが、私は隆起準平原説を支持します。なぜならば、四国山地東部は中心に一番標高が高い剣山があり、同心円状に外周にいくほど標高が低くなる山々が取り囲んでいるからです。中心が高く周辺ほど低いという東西の圧縮応力で隆起した曲隆山地の性質をよく表わしています。周氷河地形であれば一定の高度以上の山頂部はみななだらかになる筈ですが、次郎笈や矢筈山など平坦じゃない山も多いです。平坦じゃない山は浸食がすすんで準平原が残っていないと考えると説明がつきますよネ!
山頂のミヤマクマザサ

↓ 剣山のササですが、標高1600m以上はミヤマクマザサで、見ノ越周辺など標高の低いところはスズタケです。標高で画然と棲み分けているようです。ミヤマクマザサの葉は冬期には葉の縁が白い隈どりができるのですが、そういえば何時から白い隈ができるのか、何べん来ても何も観察していないようです。で、白い隈がいつ頃から出来るのかと疑問を持ってみると、ぼちぼちと隈ができかかっています。では、冬期に葉の周囲が白くなった隈どり葉は春になったら全部落ちるのか? 落ちる葉もあるでしょうが残って青く戻る (回青する) のでしょうかね? ???長年しょっちゅう来ているのに全く何も観察できていません‥。一般論として、ヒトは目は節穴で、目の前の物を何も見ず、何も観察していないということです。騙すのは簡単です。国民はとことん自民党にだまされるようです。今では自民党は多国籍企業やアメリカ帝国のエージェントです。庶民の味方じゃありません。自分たちに牙をむけているのです。肉屋を支持するブタみたいになるのは悲しいことですが、ヒトの目は節穴だからしかたがないのかもしれません。
葉の縁に白い隈どりが出来はじめた


さて、剣山のマイタケ写真を公開します。
↓ 06時42分、登山道からすこし樹林の中に入って早速にマイタケを見つけました。たぶん標高1560mあたりだと思われます。06時05分に見ノ越を出発して登り始めたから1時間と経っていません。自分で言うのはなんですが、この速攻性は、素人ですが長年植物観察とキノコ観察を積み上げたことが背景にあります。初心者ならばこうはいかないと思います。で、以前マイタケがみつからないというコメントを頂戴したこともあるので、僭越ながらマイタケ探しのコツを伝授したいと思います。
剣山の天然マイタケ、2016.9.27
剣山の天然マイタケ、2016.9.27
このマイタケはかなり小振りです。おそらくこの発生木では裏年だと思われます。マイタケは必ずしも毎年出るわけではなく、隔年で出たり、数年に一度だったり、毎年出る場合であっても大きな物が出た翌年は小さい物がでるなど裏表・大小の差があります。ただし、どういうふうに出るかはケースバイケースで一概には言えません。
剣山の天然マイタケ、2016.9.27

●マイタケが発生する樹種は特定の樹種だけに見られます。淡路島や四国東部の山地では、おおむねその山の標高でマイタケが出る樹種は決定されます。マイタケ探しの要諦はまずマイタケが出る樹種を捜すことです。マイタケが出ない樹をいくら捜しまわってもマイタケは見つかりません。つまり、キノコ探しの出発点は木の名前を覚えることであります。ようするにキノコ観察と植物観察は表裏一体なのです。

平地や里山(暖温帯下部)‥‥シイノキ・サクラ
少し山のほう(暖温帯上部・中間温帯ともいう)‥‥アカガシやシラカシなどの樫類
深山(冷温帯・ブナ帯ともいう)‥‥ミズナラ

●マイタケの分布は非常に広く、知られていないだけで西日本太平洋側にも自生するし、平地から深山まで分布の幅が広いです。ここで注意を要するのは、冷温帯の標徴種のブナそのものには絶対にマイタケが出ないということです。ブナに出るのは品質の落ちるトンビマイタケ (土用マイタケとか、ブナマイタケともいう) です。東北地方の人らが 「ブナマイタケ」 などと言っているのを書物やネットで知って、ブナにマイタケが出るなどと騙されないことです。冷温帯のブナ林にマイタケを探しにいったら、その林分が極相(クライマックス)に達しているか、二次林の最終段階なのか、よく観察します。極相林ならばダメです。どちらかというと陽樹であるミズナラが消えているからです。つまり、かつて100年前か200年前に伐採されて、そのご年月が経って鬱蒼と茂っているけれども、まだ昔の陽樹が大木になってブナ林の中に残っている、というところを狙います。

剣山は標高が高いからブナ林が広がっていますが、ブナ林の中に残存するミズナラを見てまわります。捜すのはとにかく大木です。環境省の巨樹・巨木林調査基準でいう地上1.3mの幹周が3m以上の大木を捜すんですが、もう少し細くても出る場合があります。幹周2m以上はみな見てまわります。ただし、全く健康な樹はマイタケが出ません。菌に感染していないからです。樹にとってマイタケ菌はやがて樹を枯らす害菌です。であるから、そのミズナラの大木が一部分どこか傷んでいるというのを重点的に捜します。東北地方の人に言わせれば、マイタケは山の南東斜面に出るといいますが、こちらではそんなことはありません。淡路島や四国東部では山の南側にも北側にも出ます。実際、写真のものは剣山の北側斜面ですわ。もちろん、剣山の南斜面側のスーパー林道周辺にも出ますわ。


幹周が6mクラスのミズナラ巨樹
この樹の根にでていたのですが、登山用の杖を物差しにすると幹の径は約2m、幹周は6mクラスの巨樹です。低い位置からの大枝が欠損して傷んでいます。 台風の暴風で枝が折れるとそこからマイタケ菌が侵入するものと思われますが、種々の文献によるとマイタケ菌はじつは弱い菌で、健康な樹にはマイタケ菌は感染しないようです。
大きな枝を延ばすが、樹は傷んでいる。

ミズナラとはどのような樹木なのか?
ミズナラ の葉です。コナラとどう違うのか? ですが微妙で初心者ならば見分けられないかも分かりません。(リンクの波田先生の解説をよく参照) ですが、分布域が全く違います。四国東部では標高1000mあたりを境にして、低い所はコナラ、高い所はミズナラと完璧に棲み分けています。両種を見分けられなかったら標高で見当をつけたらいいでしょう。なお、ミズナラは水楢の意味で材に水分が多いから言うのだそうです。
ミズナラの葉

↓ ミズナラのどんぐりです。
ミズナラのどんぐり

↓ ミズナラは幹径30~40センチ程度までの若い樹は、コナラと樹皮が似ています。けれども大木になると樹皮が一変して、まるでクスノキそっくりに見えます。で、このクスノキ似の樹皮をよく覚えておきます。大木の葉は遥か20~30mの頭上にあるので葉の観察が困難だからです。できれば樹皮をひと目見て (幹をみて) 何の木か分かるようになりたいものです。
ミズナラの樹皮はクスノキに似る

↓ マイタケ発生地から丸笹山の頂が見えていました。
マイタケ発生地から丸笹山が見える

↓ 06時58分、マイタケが見つかったのを祝って、虹が出てきました。
虹が出た



いまだに深刻な放射能汚染
5年半が経過しても、全く収まらない放射能汚染

●これを言よったら、「この放射脳めが!」 とまたお叱りのメールをいただくわけです。しかしながら、以下に引用する資料は厚生労働省の報道発表資料です。おかみが発表しているんです。ま、おかみが発表しても、大手マスゴミどもは緘口令を敷かれたかのように口をつぐんで報道しないだけです。わずかに週刊誌などが少し話題にするだけです。“利権の手づる” “ブラックマネーの打ち出の小槌” の原発がなくなったら大変だということで、原子力むらの連中の原発再稼働にかける執念は恐ろしいものがあります。原発再稼働のためには放射能汚染はもはや存在しないかのような風潮ですが、そんなことはありません。汚染は依然として続いていますね。原子力むらだけでなく、関東圏の一般の住民も汚染などないと信じたがっているように見えます。ひとつの理由には、住民は家屋など不動産の所有者でもありますが、汚染などないということにしておかないと、不動産価値の下落が起こります。で、原子力むらだけでなく、みんなで放射能汚染などないということにしておきましょうネ、ということなんでしょう! ヒトという動物は、不都合な真実は見たくない、好都合なウソは信じたい、つくづくそういう動物なんですわ。

●秋のキノコ狩りのシーズンがやってきました。かつて国立がんセンターに所属していた池川哲郎博士が1968年に、マウスにサルコーマ180というガン細胞を移植して、18種のキノコの熱水抽出物を投与、それぞれの抗ガン効用が調べられました。このとき用いられたキノコはほとんど非食用キノコだったようですが、結果はほとんどのキノコには大なり小なり抗癌作用があることを確認されました。その後の研究でほとんどの食用キノコにも抗癌作用があることが分かりましたが、キノコの成分が直接に癌に効くということではなく、どうやら体の免疫力を高めるということが抗癌作用になっているらしい、ということであります。 (キノコと抗がん剤の話) キノコには食物繊維が豊富で、カロリーが非常に低く、健康増進のため積極的に摂取したい食品です。ところが、一面ではキノコは放射性物質を取り込みやすいという性質もあり、あの ホワイトフードさんはシイタケを扱わない です。 「シイタケに関しては、九州産・北海道産も含めて、ホワイトフードの安全基準値である0.5ベクレル/kgを下回るものをみつけることができないため、現時点では取扱いを禁止しております」 と言っています。それほどにキノコは放射性物質を含みやすく、東日本の広い範囲から野生キノコはもちろん栽培品にいたるまで汚染キノコはたくさん報告されています。待望のキノコ狩りシーズンですが、キノコを食べるのはちょっと注意がいります。抗ガン作用のあるキノコも放射性物質で汚染されれば内部被ばくの要因となり、積極的に食べていいものか? 食べないほうがいいのか? ま、よく産地 (原木やおがくずの産地まで) を確認してから考えます。


富士山の周辺から、猛烈な放射性物質汚染キノコが見つかる!

厚生労働省 報道発表資料 2016年9月分 から、9月20日にリリースされた 食品中の放射性物質の検査結果について(第999報) を見ていきます。この報道資料は毎週月曜日に発表されます。秋のキノコ狩りシーズン幕開けの冒頭から汚染キノコが報告されました。福一原発から300キロ離れているにもかかわらず、静岡県東部 (富士山周辺) から深刻な放射能汚染キノコが見つかりました。以下に、該当ページを借用します。なお、放射能汚染が見つかった地点を赤色で強調しました。

【基準値超過(6件)】
 No.1293 :静岡県産野生ヤマイグチ (Cs:130 Bq /kg)
 No.1294 :静岡県産野生ツバアブラシメジ (Cs:120 Bq/kg)
 No.1295,1298 :静岡県産野生ショウゲンジ (Cs:350,290 Bq/kg)
 No.1301 :静岡県産野生ハナイグチ (Cs:130 Bq/kg)
 No.1303 :静岡県産野生キノボリイグチ (Cs:220 Bq/kg)



厚生労働省 食品中の放射性物質の検査結果について(第999報)より


毒々しく見えるが、いちおう食用菌のタマゴタケ。
タマゴタケ (卵茸)、真っ赤なキノコであるが食べられます。ただし、猛毒菌が数多く含まれるテングタケ科テングタケ属であるから要注意。2016年9月22日、兵庫県南あわじ市<神代 諭鶴羽ダムにて。
タマゴタケ
↓ 傘の縁には条線がある
傘の縁には条線がある
↓ 柄の基部には白いツボがある
柄の基部には白いツボがある



淡路島の洲本が全国ランキング10傑に喰い込む! (その2)
2016年9月20日、台風16号大雨、南あわじ市写真ギャラリー

濁流だ!
↓ 13時10分。南あわじ市神代社家にある 「さんゆー館」 の近くの谷です。普段はほとんど水が流れていないのに、200ミリの雨で濁流となっております。こういうときに、悪い者どもは 「それ、流してしまえ!」 と不浄なものを川に投げ込みますよね! なんと田舎のマナーの悪さよ! (都会がマナーがいいという意味ではない) 今までのことは水に流して‥、という表現がありますがこの国には “水に流す文化” がありそうです。川の勾配が大きく、大雨で濁流となりがちな日本の川や谷は、水に流すのに好都合な自然環境か?


↓ 13時19分。南あわじ市市小井にある南あわじ市の庁舎前の三原川です。ここも普段は水流といえるほどの水がないが、今日は濁流です。この濁流の勢いを以って、川のほとりの伏魔殿にひそむ魑魅魍魎どもを洗い流してほしいものだ。とりわけ、車椅子に乗って市長の椅子にしがみつく二重椅子生活のヤカラを早く流して欲しいよね!



路面冠水のため通行止だ!
↓15時11分。南あわじ市市徳長、中華料理桃仙淡路島店の近くであります。この桃仙って、徳島県を走り回っていると見かけるけど全国チェーン店? まえに昼飯に入ってみたら上半身裸の中国人らしき料理人が上海語か広東語かわかりませんがブツブツと独りでしゃべりながら料理しています。2皿の料理の注文をしたら、中国人らしい給仕のお姉さんが片言の日本語で 「ダイジョブ? ダイジョブ?」 としきりに聞きます。何がダイジョブなんだろうか? 得体のしれない食材でも入っている? 意味不明でしたが適当に、「我 没问题・ウォ メイウェンティ!」 と返事して料理が来てビックリ。山盛りではないか! なるほど、山盛りですが2皿も喰いきれますか? という意味でした。値段の設定も妥当なところで大食漢にはいい店かもしれません。
道路冠水
↓ 見張っていたガードマンが休憩なのか? はばかりにでも行ったのか? 持ち場をちょっとの間離れました。すると、大きな車は何のへのカッパとばかりに通行止めなど無視です。まあ、大丈夫でしょう。圧倒的な物量作戦には敵なしです。
大きな車ならば行けなくもない
↓ 小さな車は対応が二手に分かれます。まず、何の躊躇もなく強行突破する向こう見ず派。これは行動をしてから考えるタイプ。勇猛果敢なこの派は、上手くいけば破竹の進撃ですが、いつかは失敗もするのでは?
軽トラでも何とか‥
↓ つぎに、石橋を叩く慎重派。これは考えてから行動するタイプ。行けるか行けないかよく観察します。ダメだと判断したら名誉の退却です。引き返しますね。この派は大過なく世を渡っていくのでしょうが、ときにはチャンスを逃すこともあるのではないか? 世の中、一か八かの勝負に打って出なきゃならんときはあります。
たいていのドライバーは引き返す

●ところで、こういう状況に直面したら人それぞれですが、実際はどの程度までなら大丈夫なんでしょうか? ベテラン整備士に話を伺いたいところ‥。天下の五十鈴のトラックは水中でも走りますね! 世の中には水陸両用車が存在するから、特別に水中でも行けるように製造してあるのか? それとも普通仕様のトラックでここまで行けるのか? どうなんでしょうか?


おたけさんのコメント
家の近所の県道が水没するのは、大雨になると毎回です。県道なので道を上げて水没しないようにすれば良いのですが、道を上げちゃうと排水ができないので余計水が溜まってしまいます。なんせここの川の名前は、馬乗り捨て川、船で渡るかそれとも泳がないと渡れないですね(^^)

>実際はどの程度までなら大丈夫なんでしょうか?
エンジンが回るには空気を吸い込んで燃焼させたら排気ガスを排出します。
映像を見ると運転席後ろのキャビン後方に吸気塔が見えます、後は電気系の防水処置が必要ですが、燃料タンクにも防水が必要だし、変速機やクラッチ等も水が入ると故障になります、映像では運転席に水が入ると多分充分乾燥させても故障すると思います。ラジエターを冷却するためのファン等は水の抵抗で壊れると思います。エンジンが水を吸えばを水を圧縮して完全に壊れます、真似をしないようにね。

山のキノコの返信
そういえば、おたけさんは徳長のお住まいでしたね。馬乗捨川は私のおる神代でも馬乗捨川と呼んでいます。牛内川と諭鶴羽川 (三原川の上流域) の間の水系になるのですが、流域面積は意外に狭いのに、大雨のたびに浸水していますね。馬乗捨川はちょっと天井川みたいになっていて、川床と後背湿地との高さが同じぐらいに見えます。仰るとおり水はけが悪く、地形的に浸水しやすいようですね。住民の方は大変ですね。

>真似をしないようにね
はい、真似はやめておきます。プロのアドバイスは守らなくっちゃ。詳しい解説ありがとうございます。タイヤが全部浸かる水深ならば、跳ね跳んだ水が電気系統など濡らしそうですね。タイヤが半分程浸かるまでが無難なところでしょうかね?



田畑は水浸しだ!
↓ 車道も農道も田畑も水びたしです。この余分な水が夏の日照りどきに分散して降ってくれたらいいのになあ‥。でも、自然をコントロールすることは出来ません。自然はゴツくて大きいのです。ヒトは自然の大きさの前にはちっぽけなものです。たとえば人類が化石燃料を燃やして排出する二酸化炭素など、自然界で、二酸化炭素の膨大な貯蔵庫である海洋・土壌と、大気の間を循環している二酸化炭素と比べて、せいぜい3%程度です。これは悪名高きIPCC (気候変動に関する政府間パネル) が言っていることです。ところで事実上の政治団体であるIPCCはいつ解散するんやろか? 今年も恒例の11月の温暖化国際バカ会議するんやろか? 報道がぜんぜんありませんわね。
道路冠水
↓ 緑肥用のソルゴー (イネ科) のようなものが植わっています。ソルゴーは品種にもよるけどヒトの背丈ほどになります。よって、浸水の深さはヒトの腰の高さ程度かな?
ソルゴーか? トウモロコシか? 
↓ 田畑が完全に水没しちゃいました。今は秋冬野菜の苗を作る時季ですが、苗床が浸水していたら大変なことになります。秋冬野菜が高騰するかも?
池みたいに見えるけど田畑だ
↓ 池に見えるけど、池じゃありません。田んぼです。イネが植っています。サッと水が引けばいいけど‥。
池じゃありません



淡路島の洲本が全国ランキング10傑に喰い込む! (その1)
「1時間降水量の日最大値」 で、なんと我が淡路島の洲本が全国第4位に!

●今回の台風16号でけっこう降りました。それにしても、降らんときには2か月近くも全然降らんので旱魃寸前になるのに、降るとなると洪水寸前です。いっぺんに200ミリ降るのを、30ミリに一週間毎に7回に分けて分散して降ってくれればありがたいわけですが、なんとも天は底意地の悪い降り方をするものです。以下に、気象庁のホームページから4枚の図表を借用します。

↓ 台風16号は20日昼ごろ淡路島の南100キロを東進しました。発表される台風の気圧解析値はあくまでも推定値なのであります。気象台や旧測候所の真上を台風の中心が通過したさいに、真の値が観測されますよね! 今回は宮崎県油津と高知県室戸岬の真上を台風が通過しました。で、観測データをチェックしました。 宮崎県油津で、20日02時40分に959.9hPa を観測。 高知県室戸岬で、20日11時00分に、970.8hPa を観測しています。(なお、1分ごとの値では僅かに下がるでしょうが一般には公開されていません) では、台風16号が鹿児島県大隅半島先端の佐多岬に上陸したさいに、台風の中心気圧はいかほどだったか? 真の値は不明です。最寄りの気象官署の旧枕崎測候所で19日23時40分に967.6hPaを観測していますが、台風はその数十キロ南を通っています。台風の上陸地点に気圧の観測所が存在していない以上、上陸時の台風の真の中心気圧は不明ですよね! ドボラック法での上陸直前の中心気圧推定は945hPaとなっていましたが、当っていただろうか? べつに当っていないと主張しているのではなく、推定値と実測値は別物ではないのか? 台風のランキング等で推定値と実測値とが混在してランキングされていますが、注意が要ると思います。
台風は20日13時ごろ紀伊水道入り口を東進

↓ 今回の台風は台風+秋雨前線効果とでもいいましょうか? 台風の北側で大雨となりました。降水強度50ミリ/hの猛烈な雨のエリアに淡路島南部も入ってしまいました。台風16号は西日本南岸に沿って東進する間に、急速に温帯低気圧の性質を強めていったことから思うに、秋雨前線の北側に秋の冷涼乾燥北東気流が吹きこんでいました。その冷涼空気の上に、太平洋高気圧の縁辺をめぐる南西暖湿気流が滑り上がって、あるいは温度の異なる気流が衝突・収束して、積乱雲を猛烈に発達させたというイメージでしょうかね? レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻):近畿地方 から画像を取得。
台風の北側で降水が多かった

↓ 12時までの1時間に、洲本で71.5ミリの降水です。 出典は→ 気象庁サイト アメダス:近畿地方
12時までの1時間に、洲本で71.5ミリの降水

↓ 「1時間降水量の日最大値」 の全国ランキングです。上掲のアメダス降水分布図で、洲本が71.5ミリで、全国ランキングでは95.0ミリとなっていて数字が違うではないか! と思う人もおりましょうが、1時間降水量を1時間ごとの毎正時にデータをとるか、任意の1分ごとにそれ以前の1時間のデータをとるかの違いです。今日・昨日の全国観測値ランキング
なんと全国ランキング上位にわが淡路島が登場

●ただし、降水強度が一時的に全国ランキングに登場するほどの激しい雨であったというだけで、やはりそこは瀬戸内地方は少雨地帯です。総降水量では少なかったです。国土交通省 川の防災情報 の観測データによると、淡路島南部における19日17時~20日16時の間の24時間雨量は、概ね150~200ミリという程度でした。総降水量では全国ランキングに遠く及びません。淡路島南部の各地の降水量は次の通り。 【洲本市】 都志130ミリ、洲本207ミリ、洲本特別地域気象観測所197、由良町96、相川172、【南あわじ市】 沼島175、諭鶴羽山183、土生168、分水堰198、大日ダム164、牛内ダム217、諭鶴羽ダム162、成相ダム175、北富士ダム214、榎列198、掃守162、福良134、アメダス南淡170ミリ。


わが南あわじ市でも、河川の後背湿地で冠水被害が観察されました。
南あわじ市でも河川の後背湿地で冠水被害あり



白滝山 弾丸登山? (その4)
本日のお土産

●アウトドアズマンたる者は、山でも海でも一歩アウトドアに繰り出したら、何かお土産を持って帰らなければなりません。法的には無主物ならば持ち帰って良いようですが、無主物以外を無断で持ち去ると厳密には何らかの法令違反になるわけですが、そこはまあ常識的に手が後ろに回らない程度に‥、ということでありましょう。アウトドアズマンといってもジャンルは広いわけで、人それぞれ色々ですが、たとえば釣り師が釣りに行って坊主で帰ってくるほどみっともないことはありません。でもまあ、潮の加減とか色々な要因で何も釣れないということはあるわけです。そういう場合には帰りしなに魚屋に寄って何か魚を購入し、クーラーボックスに入れて、さも自分が釣ってきたかのような演技をしますね。アウトドアズマンはお芝居上手でもあるわけです。 さて、日が経ってしまいましたが、9月11日に白滝山に登ったさいのお土産は2点でありました。


↓ ミョウガであります。ショウガ科の植物であるから茎や葉はショウガに酷似しています。元々は栽培される野菜でありますが、繁殖力が強いのか? 藪j陰とかスギ植林内とかあちこちに野生化しています。人里だけでなく、標高1000mを越えるような奥山でも結構野生化が見られます。
ミョウガ

↓ ショウガほどではないにしても、ツーンと鼻をくすぐる刺激臭や辛味があって、好きな人はとても好きなのですが、全く嫌いな人も多いようです。食用部分は花 (花穂全体) ですが、これは標高によって開花時期がずれます。平地じゃ7月中にミョウガの花が出てきますが、標高500mでは8月、標高1000m以上じゃ9月に出てきます。
ミョウガの採集

↓ ヤマノイモ (自然薯・じねんじょ) のムカゴであります。葉の付け根に1個~2個ほど着きます。ムカゴは栄養繁殖器官でありますが、ムカゴを土に蒔くと繁殖させることが出来ます。ただし、遺伝的には親株と同一です。なので、ムカゴを種子の替わりにしてヤマノイモの栽培をしようとするならば、親株のイモの品質のよいものを選抜し、そのムカゴを採る必要があります。ムカゴを蒔いてイモの収穫をするには2年の栽培が必要です。
ヤマノイモのむかご

↓ こちらはヤマノイモの果実ですが、独特な形をしています。風で良く飛ぶようにと、周囲に平らなひれがついている種子ができますが、種子は一つ一つみな遺伝的にことなります。で、種子から栽培する場合は、3年後にようやく収穫可能なイモの形質にバラツキが出ますから、やはり形質のいいものを選抜する必要があります。そして選抜した良株のムカゴを採取して翌年からの種にします。けっきょく、種子を蒔こうがムカゴを蒔こうが選抜がいるというわけです。栽培とか農業とかいう場合、良い種苗を植え付けるのが第一です。悪い品質の種苗を栽培しても、いくら栽培に工夫をこらしても悪い品はやはり悪いものです。栽培努力でカバーできません。傾向としては、奥山ほどヤマノイモのイモの品質はいいです。人里ちかくではナガイモとの交雑が起こり、イモの質が悪いです。
ヤマノイモの果実

↓ ムカゴの食べ方はいろいろあります。ご飯の中に炊き込んでムカゴ飯にするとか、さっと塩茹でして酒のつまみにしたり、煮豆のようにしてもいいでしょう。
ムカゴの採集




白滝山 弾丸登山? (その3)
本日の植物観察

ノリウツギ は別に珍しいものでも何でもなく、日本列島の本土部には北から南まで広く分布しています。環境適応力があって、換言すれば気難しくないということであって、岩場でも谷筋でも草原でもどこにでも生じます。しかし、淡路島からはまだ自生は見つかっていませんので、吾輩のような淡路島民には珍しいので観察しました。四国山地徳島県内では、吉野川沿いの標高100mから剣山山頂の亜高山帯まで分布域は非常に広いです。が、暖温帯上部 ~ ブナ帯下部に多いように思います。早い花は6月下旬ぐらいから咲きはじめ、遅い花は写真のように9月中旬になっても咲いています。花期は結構長いのですが、標高による開花期の差があまりないのが不思議なことです。低い所でも高い所でも同じような時期に咲きます。一般的に言って、春に咲く花は標高による開花期の差が大きく、夏に咲く花は標高による開花期の差が小さいと観察しますが、どうなんでしょうか?

↓ 2016年9月11日、徳島県つるぎ町 (旧半田町) 大惣、標高930m地点にて。
ノリウツギ
ノリウツギ
ノリウツギ

標高1200mの石堂神社周辺で植物観察
標高1200mにある石堂神社


↓ テンナンショウ属植物は、花がないと同定は非常にむずかしく、ていうかテンナンショウ属を特別に研究している専門家でないかぎり同定不可能では? ですが、葉が2枚あり、鳥足状の小葉の数、茎 (偽茎) の色あいから、淡路島にもあるアオテンナンショウと見ます。(もちろん、間違っているかもしれません) トウモロコシ状の果実が出来ていて、まもなく赤く熟するものと思われますが、テンナンショウ属植物は有毒植物です。絶対に食べないように。波田先生のサイトの マムシグサ の頁に中毒体験記があります。「球根や葉にシュウ酸カルシウムの針状結晶がたくさんあって、どうもこれが口の中にいっぱい刺さるものと思われる」 とのことであります。 → 厚生労働省の 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:テンナンショウ類 
テンナンショウ属
テンナンショウ属

タケニグサ です。これも有毒植物で春先の若い芽が山菜と間違われて中毒する例があるようです。この葉は独特なのでよく覚えておいて絶対にたべないように。
タケニグサ
タケニグサ



白滝山 弾丸登山? (その2)
白滝山北東の大惣谷川源流の岩石の観察

先ず、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 / 地質調査総合センターが運営している 地質表示システム 地質図Navi から白滝山周辺の地質図を取得し引用します。観察場所の標高は940mです。背景地図のレイヤ透過度を20パーセントとしました。

●なお、大惣谷源流の渓谷は急傾斜の谷・斜面で、激甚崩壊危険渓谷 (うろ覚え、正確な名称は今度行ったときに確認します) の指定を受けているようですね? 山馴れた方であっても、みだりに立ち入らないほうがいいようです。でも、少し植物調査にも関わっている観点から申すと、こういう危険なところにこそ魅力があるものなのです。なぜならば、こんな深山・奥山の危険なところまではなかなか専門家たちの調査の手が及ばないからです。こういう危険なところを調べたら、たとえ素人であっても、県新産植物を見つけられるからです。その可能性はかなり高いです。つまり、調査されつくした手垢が付いたところは新産植物を見つけられる可能性は低く、未調査地域は新産植物を見つけられる可能性が高いという単純なハナシ。 (吾輩がここを調べるという意味ではない。吾輩は徳島県人じゃありません)


白滝山周辺の地質図

【凡例】
①、三波川変成岩類の泥質片岩 (弱変成相)
  約1億2000万年前~6000万年前に地下深くのやや強い圧力で形成された泥
  岩起源の三波川変成岩類

②、三波川変成岩類の苦鉄質片岩 (弱変成相)
  約1億2000万年前~6000万年前に地下深くのやや強い圧力で形成された玄
  武岩起源の三波川変成岩類

③、三波川変成岩類の珪質片岩 (弱変成相)
  約1億2000万年前~6000万年前に地下深くのやや強い圧力で形成されたチ
  ャート起源の三波川変成岩類

④、三波川変成岩類の砂質片岩 (弱変成相)
  約1億2000万年前~6000万年前に地下深くのやや強い圧力で形成された砂
  岩起源の三波川変成岩類

●ようするに、図のエリアは、地質的には淡路島の南に浮かぶ付属島の沼島と同じで、東西に延々とのびる三波川変成帯であります。フィリピンプレートの上の、深海底に積もったケイ酸塩物質(放散虫の遺骸)や、大陸から運ばれた泥や、海底火山の噴出物や、海山の山頂で形成されたサンゴ礁など、色々な岩石・物質がフィリピンプレートというベルトコンベアーに載って西日本の岩盤に付け加わって(付加体)、あるいは海溝で沈み込んだものが西日本岩盤の底にくっつき(底付け)、地の底で高圧・低温の変成作用をうけて、億年・万年の時間オーダーの後に隆起し眼前にあらわれた、ということでありましょう。一帯では広く結晶片岩類がみられますが、変成作用を受ける元の原岩がさまざまなので、いろいろな石が見られるということでありましょう。
 

岩石累々の非常に恐い谷だ
標高940m地点から白滝山を見上げました。写真では全然恐く見えませんが、実際は谷の勾配がきつく、上方の標高差600mに及ぶ斜面には至る所に断崖絶壁があり、いつ落石があるかわかりません。この谷に入っているときに、万一地震がきたら非常に危ないと思われます。この谷には立ち入らないほうがよさそうです。
恐い谷だ
岩石累々

沼島の結晶片岩は太陽が当ったら石の中に無数の星があるかのようにキラキラと輝いて観賞価値があるのですけれども、ここの岩石は受けた変成作用が緩いのかあまり輝きませんね。でも、様々な原岩から成るためか石の色合い(緑や赤の石が多い)などさまざまです。どうも写真に撮るには難しそう。なかなか、て言うか全然、実物の色合いが出ませんわ‥。こりゃあ、写真修行が要りそうです。

↓ これは色が黒っぽく炭素を多く含むのでしょうか? 泥岩が変成作用を受けたものでしょうか?
石の表情はさまざま
↓ これは赤鉄鉱を含んでいるのでしょうかね? かなり赤っぽいのですが写真ではうまく色が出ません。
石の表情はさまざま
↓ これは俗に阿波の青石と呼ばれ庭石に珍重される緑色片岩でしょうが、含む鉱物の種類や多寡で何種もあるようで正式な岩石名はよく分かりません。植物の観察には同時に岩石の観察も不可欠なようで、典型的な例では石灰岩の山や超塩基性の蛇紋岩の山では特異な植物相が見られるのを見ても分かる通り、植物の分布や生育は土壌 (その母岩の種類) に大きな影響を受けますよね。たとえば、波田先生の 蛇紋岩と蛇紋岩を基盤とする地域に生育する植物 を参照。石灰岩地帯の植物については、剣山の行場を見ればヒメフウロやチョウセンナニワズなど稀産植物の宝庫で、参照サイトを挙げるまでもありません。植物の観察をする者はたとえ素人であっても岩石の勉強が要るのですが、とても、あれもこれも手が回りません。実物は見事に青い (緑色) のに、写真ではうまく発色しませんわ。ま、夕方になっているので、写真を撮るには時刻も宜しくないです。
石の表情はさまざま


白滝山 弾丸登山? (その1)
本日は2016年9月12日 (月曜日) であります。

●昨日の11日 (日曜日) に、天啓に導かれたのか? いよいよ病は膏肓に入って発作に見舞われたのか? 分かりませんが、昼前に突如阿波の山に行ってきました。そのつもりは全くなかったにもかかわらず、突然にそういうふうに思い立ったので淡路島の雑想庵を出発したのは午前10時半にもなっていました。通常ならば、早出早着が山の掟(おきて)、掟を破る者には山の神様 (大山津見大神か?) は非常に厳しく、早ければ午前1時や2時に、遅くても午前4時には出発するのですが、もう昼前です。鳴門大橋~徳島自動車道を突っ走って美馬インターで一般道へ降り、吉野川を渡ってつるぎ町半田 (旧半田町) に12時半に来ました。(あちこち寄り道をしたので2時間もかかっています)


そうめんの郷の山に登った
↓ 半田町の特産品の 「半田素麺」 は有名ですが太い麺が特徴です。麺の径が1.7ミリもあります。かつて農水省が手延べ素麺の規格基準を麺の径1.3ミリ以下にしようとしたとき、この基準では半田素麺はそうめんではないということになってしまいます。しかしながら半田素麺は江戸時代から作られる伝統のそうめんなので、陳情書を出して、農水省の手延べ素麺の規格基準を事実上変えさせたという逸話があるそうめんです。(半田そうめんの魅力にせまる ) 役人が一旦決めたことは普通は何事があっても変えないものですが、変えさせたのは歴史や伝統のもつ重みでありましょうか? 

ちなみに、極右の日本会議の連中や安倍ジョンイルらがいう 「国体」 とか 「伝統」 とかは、朝敵の明治政府が国内の統制を狙って無理やりにこしらえたものであって、1000年を越える我が国の歴史を踏まえたものではありません。実はほんとうの重みなどないわけです。阿呆なネトウヨの撹乱にだまされないように‥。

徳島県 旧 半田町はそうめんが特産品
徳島県つるぎ町半田 (旧半田町)

ふもと (美馬インター付近) から山を見上げる
↓ 矢筈山は1848.8mであります。写真の書き込みを間違えた。
麓から山を見上げる
↓ 少し拡大。夕方になっていたけど、日没覚悟で石堂神社から白滝山の少し先まで駆け足! 山岳トレイルランだ! ここ3か月まえから、薬漬けから脱却し、ソロバン上手な医者と縁を切るために日課としている10キロのジョギングの替わり。
拡大
↓ 本日は霞が多いようだ。これは前に来たときの写真です。香川県最高峰の竜王山 (1060m) の中腹の標高600m地点から眺めた景色。阿波国は完全に山国ですね! ただ、信州ほどの標高がないだけ。そもそも、四国全体が山の国で、周囲が海の “大きな離島” っていう感じじゃ全くないです。四国の山間部の住民には、あまり旅行をしない人では何十年も海を見たことが無い人もいるのではないか?
これは8月25日

剣山も見えています
↓ ただし今日は霞が多すぎです。
剣山も見えるけど霞が多い
↓ こちらは8月25日です。すぐそこに剣山が見えているのですが、道路は細く曲がりくねっているので貞光の町から剣山登山口の見ノ越まで40キロあまりあります。非常に遠いです。ちょうど淡路島の北の端の岩屋から島の南部の福良までぐらいです。時間も1時間~1時間半かかります。そういえば淡路島は小さな島だといっても、一般道を走れば縦断するのに完全に1時間かかりますね。岩屋から島の最南端の南淡町灘土生までならば完璧に1時間半かかりますわね。
これは8月25日

本日の山行
↓ 13時35分。半田川に沿って車道を登ってきました。標高900m地点から、火打山を見たところ。
標高900m地点から、火打山を見る
↓ 標高900mではススキが満開です。ここに最終の民家があります。
標高900mではススキが満開
↓ 林道を登る道すがら最も高所にある民家です。標高は900mです。神戸市の裏山の六甲山の山頂とほぼ同じ高さです。
最も高所にある民家、標高900m
↓ 庭に見事なホンシャクナゲがあるので勝手に写真を撮らさせていただきました。どうやら家人はいないみたいです。麓に降りたのか? この標高だとホンシャクナゲは見事に育ちますね。枝も太くガッチリとした樹冠です。来年咲く蕾もたくさんあります。 淡路島に自生するものと同じホンシャクナゲでしょうが、なんとなく別物みたいに見えます。やはりシャクナゲは標高の高いところの物のほうが観賞価値は高いです。ただし、淡路島のシャクナゲは標高が200m台から自生しているので、夏暑い平地の環境でもよく育つという意味では価値が非常に高いです。
庭木の見事なホンシャクナゲ
庭木の見事なホンシャクナゲ
来年に咲く花のつぼみ

↓14時54分。 林道の1000m地点から半田川に沿う谷全体を見ましたが、肉眼では随分と登ってきたという感じがします。写真は肉眼と違い平板にみえます。車道を標高差100m登るのに1時間19分もかかっていますが、これは谷に降りて結晶片岩類を観察したり、植物を観察しながら登っているためです。吾輩は山登りじゃありません。
林道の1000m地点から半田川に沿う谷全体を見る

↓ 15時22分。尾根筋上の見通しの利くところから、谷の向こう側に指呼の間に見える津志嶽をみたところです。津志嶽には徳島県第一であるのはもちろん日本一では? とも言われているシャクナゲの古木の大群落があるとされます。吾輩はまだ見ていないので、そのうち見に行こうとおもいますが、それには更に10キロの減量が必要そう‥。
1100m地点から津志嶽が指呼の間に見えている

↓ 15時49分。車で来れる最終地点です。石堂山の山頂付近には名物の巨石があって昔は修験道の行者で賑わったとか。この石堂神社がその山岳信仰の拠点か? (違うかもわかりません。よく知らない。)
石堂神社に到着
石堂神社

↓ 石堂神社周辺の植物を観察してから、16時14分に白滝山に登山開始。迷うような山じゃないし、日没覚悟なので強力なライト携行。淡路島に帰っても山裾のダム周遊道路に行って何周もジョギングせなあかんので、いっそここでトレイルランニングです。白滝山手前のピーク (標高1530m、白滝山はそこから少し下がる) に16時50分に到着。標高差340mをなんと36分で登ってきた。3か月のジョギングの効果で確実に心肺機能が回復してきたようです。走るのが遅いため成績はふるいませんでしたが、若いころには陸上競技クラブに入っていたこともあります。で、歩いたり (陸上競技には競歩という種目もある) 走ったりするのは、得意ではないにしても、元々きらいではありません。元陸上競技部員の沽券にかけて更に頑張りたいところ‥。好かん商売医者と縁を切るため! 薬漬けにしてやろうとたくらむ悪徳医者・製薬メーカー・厚労省行政への反骨であります。 → 石堂神社~白滝山付近の地形図 参照。

白滝山の山頂は、樹林に覆われ眺望はなし。
白滝山の頂上

↓ 白滝山からさらに石堂山の方へ尾根を少し行って、なんとか見通せるところ (標高1540m) から矢筈山を眺めました。石堂山から矢筈山への尾根が見えています。
1540m地点から矢筈山を見る
↓ この尾根にあるダケカンバ (変種のアカカンバ) の樹皮はかなり白っぽく、シラカンバを髣髴とさせます。しかしながら四国にはシラカンバの自然分布はないとされます。スーパー林道などに沿って植えられた植栽品はあるので、植栽品の逸出 (野生化) があるのかも?
ここのダケカンバの肌は白っぽい


白滝山~石堂山への尾根に15分ほど滞在し、植物観察などし17時25分に石堂神社まで生還しました。まだ明るく、日没にはならなかった。一帯ではクマの目撃情報も報告されていますが、クマとレスリングすることもありませんでした。 石堂神社で帰る支度をしていたら、仕事を終えた林道工事関係者が通りがかって、

「神戸からみえたのですか?」
「いえ、神戸ナンバーですが、淡路島です。海峡をはさんで鳴門市の隣町です。」
「今年は淡路のタマネギ高いよね!」
「5月連休ころに台風級の暴風があって、苗が傷んで病気が出たためですわ。物が悪いです」
「その悪い品が、すごく高いよね!」

いろいろ話をすると、愛媛県の方で、林道開設の工事に来ているそうです。淡路島のタマネギの威光が四国に及んでいるのにビックリです。日本のタマネギ生産量の県別順位は、①、北海道 ②、佐賀県 ③兵庫県(淡路島南部)、ですが北海道の広大な畑には太刀打ちできませんが収穫時期が全然違うので競合はしません。問題は佐賀県でして、吾輩の周囲の農家の方と話をすると、「佐賀県に負けたあァ!」 なんて言うて目の敵にしていますね! ちなみに、悪徳商売医者と縁を切るには食生活の見直しも不可欠で、タマネギは積極的に食べたい野菜です。生タマネギのツーンと鼻にくる刺激は血圧降下作用がかなりあることが良く知られていますね。



逆に矢筈山頂から見たら、こういうふうに見えます。
逆に矢筈山の山頂から見たら
逆に矢筈山の山頂から見たら




ススキの開花は秋の訪れを知らせる指標だろうか?
本日は2016年9月10日 (土曜日) であります。

●暑い8月が終って、本業がテンテコ舞いで管内を走り回っているうちに早や10日が過ぎ去りました。9月に入ってから気温も僅かながら下がっているようで、少し涼しくなっています。淡路島の平地でも、ススキの開花が始まりました。ただし、たくさんのススキの株があれば、開花の早晩に個体により遺伝的な差があるためなのか? 気の早い株はもう満開状態です。しかしながら、大多数の株にはいまだ開花の気配すら認められません。 春のサクラ、とりわけソメイヨシノというサクラの品種ならば、作出の経緯というか来歴がハッキリしていて、日本全国の気象官署でサクラ開花観測に供する標本木の遺伝子はみな同じです。みな同一の原木から採取した接ぎ穂で育成されたものです。 一方、各地の気象官署で開花が観測されるススキの標本は (標本草? 標本個体群?) 遺伝的なものにバラツキがありはしないか? 大きな疑問がぬぐえません。

●本来ならば、1株のススキの原木 (原草) から株分けで苗草を採り分けて、多数の苗株を育てて、それを各地の気象官署に植栽したうえでススキの開花観察・観測をしなければ、観測地点同士のススキ開花の早遅の厳密な比較はできないハズです。そういうふうに、遺伝的に同じの栄養繁殖で殖やした標本株でなければ、すくなくとも、各地の開花日の早い遅いに “その観測標本の遺伝的な差異によるところのノイズ” のようなものが混入してしまうハズです。理化学的な測器による厳密な観測をする機関が、そのようなノイズの混入する可能性のある非科学的な観測をしていいものだろうか? という単純素朴な疑問を、以前に気象庁宛てにメールを送って質問したことがありますが、何の返事もありませんでした。で、返事がなかったので、気象庁の発表する各地気象台等のススキ開花情報には、観測するススキの標本の遺伝的なバラツキに起因するノイズが混ざっていると、吾輩は理解しています。


論より証拠、ススキの開花は個体によるバラツキが顕著!
↓ 撮影日は2016年9月7日、場所は兵庫県南あわじ市 (淡路島南部) 神代 浦壁大池 の土手です。刈り取って牛にやれば喜びそうな草が生えています。ススキも沢山生育しています。
2016年9月7日 兵庫県南あわじ市神代浦壁大池の土手
2016年9月7日 兵庫県南あわじ市神代浦壁大池の土手

●浦壁大池の堰堤上に道路があり、数百mを歩いて観察。大部分のススキの株はまだ開花の気配すらありませんが、しかしながら一部の株ではすでに咲き誇っている株も見られます。ススキの開花判定の基準はサクラなど他と大きく異なり、 “葉鞘から突き出た花捕の数が、花穂が出ると予想される全体の2割に達したと日” でしたかか? そんなの、どの株を見るか、群落のどこを見るかで随分とかわります。写真で分かるとおり、株によって開花の早遅はあまりにばらついています。その群落全体では早い個体もあれば遅い個体もあり、群落全体を観察するならば遺伝的な差異など帳消しにできるでしょうが、各地の気象台はたいてい県庁所在都市のど真ん中にあり、市街地にそう広大なススキ群落があるとも思えないし‥。気象庁が発表する生物季節観測情報にはいろいろと疑問が多いところです。

それから、ススキといっても北海道から沖縄まで日本全国に分布していますが、みな同じじゃありません。品種までいかなくても系統分化みたいなことは起こっているわけで、各地のススキは微妙に性質が異なるハズです。一般的に言って、草木は同じ種でも北に自生するものほどより低温でも出芽や開葉や開花が起こりますね。たとえば、南に自生するブナは10度にならないと出芽しないのに、北に自生するものは5度になったら出芽するとか。ウメの開花なんてのもそうです。気温の低い北方や高標高地では、平地や南と異なる温度で開花や結実等が起こりますわ。これは遺伝的レベルでの差なのか、単に短い夏という条件下での環境適応なのかよく分かりませんが、つまり、“物差しがかなりいい加減なんです。で、厳密な意味で、ススキの開花を秋の到来の指標 (ものさし) とするのは無理があるのではないか?

●ちなみに、気象庁が発表した今秋で一番ススキの開花が早かったのは北陸の富山で7月19日です。秋どころか、さあこれから夏本番ですよという時にススキ開花です! 平年よりも40日早かったらしい。北海道の函館では8月9日で平年よりも12日早かった。つまり、ススキの開花というのは必ずしも北から南へと南下していくわけじゃないです。四国島内でも一番暖かいと思われる高知がひとりススキ開花平年日は8月中です。傾向としてはススキ開花前線は北から南へ南下していくのでしょうけれども、色々な要因で南の地方のススキが突如早く咲くという番狂わせは起こります。


南海道地方のススキ開花情報 (気象庁の生物季節観測による)
なんで、高知のススキ開花平年日が他よりも3週間も4週間も早いんやろか? それに、日本列島では比較的に南部に位置するわが南海道地方でも、咲くときには7月中にススキが咲くわけです。こういうことがあるから、ススキは秋の花じゃないわけです。中秋の名月に、お三方に団子を積み上げてお供えし、横に飾る花はススキの活花であります。そういうイメージからススキは秋の花だとなっていますが、そういうイメージは捨てる必要がありそうです。あちこち回って、捜してきて、お盆の仏壇の仏様にススキの花をお供えしてもいいわけです。
南海道地方のススキ開花状況について
【以下の出典サイトから表を作成】
和歌山地方気象台 生物季節観測結果
徳島地方気象台 生物季節観測
高松地方気象台 生物季節観測(植物)
松山地方気象台 生物季節観測(植物)、 生物季節累年表1953-2010年
高知地方気象台 生物季節観測 (植物)


↓ 松山地方気象台の 「生物季節累年表(植物)1953-2010年」 からススキの開花を抜き出してグラフ化してみました。ときどき、ススキ開花が非常に速い年があることがわかります。ススキの開花が早い年と遅い年では、2か月もの差があることに驚かされます。
松山におけるススキ開花の経年変化


とは言うものの、高標高地の秋はやはり早い!
平地でもススキ開花が非常に早い年があるといっても、あくまでも、冷夏などで時々そういうこともあるというだけで、しょっちゅうではありません。やはり、山の上のほうが断然早いわけです。
8月25日、剣山スキー場はススキ満開
8月25日、剣山スキー場はススキ満開
↑ 2016年8月25日の 剣山スキー場 (経営難による閉鎖中) です。ゲレンデは草ぼうぼうで、ススキが満開、ススキの穂が風でゆらゆらと揺れています。紛れもなく秋の風景ですが、こんなのは淡路島南部じゃ10月下旬頃の風情です。やはり標高1300~1400mでは平地よりも1ヶ月も2か月も季節の進みが早いです。もうずいぶんと前 (30年ぐらい前だったか) のことですが、ここに10月下旬に沢山雪が積もって、チェーンを巻いて見に来た記憶がありますわ!



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