雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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剣山スーパー林道の閉鎖前日、今年の高城山の登り納め (続編)
↓ ニセ車載動画? ナレーションもミュージックもありませんが、取りえは4K仕様です。途中で滑っています。うろたえて2WD→4WDに切り替えました。四国山地の林道に行くには、たとえパートタイムであっても4WDとスタッドレス必須、念のためチェーンも、それからスコップ、牽引ロープも(他車の為)、できればボロ毛布とか(スタック脱出に使う)、デフロック付き車ならベスト、四国山地特有の装備がノコギリ(鋸)です。 不用意に夏タイヤで冬期の四国山地に絶対に入らないように‥。山地の林道は南国じゃ全くありません。


林道は一部で凍結していて、すっかり冬の状態です。
↓ ファガスの森は海抜1300mですが、スーパー林道の最高所は1530mぐらいです。これからちょうど南辺寺山ていどの高さを登っていきます。高城山の北側斜面を巻くので2日前の雪が良く残り、凍結している箇所もありました。
剣山スーパー林道、高城山の山頂直下の北側
剣山スーパー林道、高城山の山頂直下の北側
↓ ウラジロモミの葉の上の綿帽子です。ウラジロモミは葉が密生してよく雪が付着するのに、スギと異なり雪害に強いという印象がします。スギは自然分布の本拠地はブナ帯だと考えられていますが、ブナ帯では西日本でも冬は雪が降ります。その割にはスギは雪害抵抗性が乏しいようで、スギの分布の本拠地がブナ帯といっても、降雪量の少ない太平洋側に自生するためか? というのは日本海側のスギは変種のアシウスギに変わるるので。
ウラジロモミの葉の上に綿帽子
↓ 徳島のヘソまで来ました。海抜約1500mぐらいか、少し足りないかです。11月27日に地下足袋王子様がここで積雪をはかったら7センチだったらしい。そう書いています。
徳島のヘソまで来た、海抜約1500m
↓ 徳島のヘソから南高城山を眺めました。写真左側の小高い山で山登りや地元の人が南高城と呼んでいますが、国土地理院の地形図には載っていません。三角点も標高点もなく正確な標高は不明ですが1580mぐらいのようです。 さっき申したアシウスギですが、日本海側の多雪地にあって、太平洋側のスギ (オモテスギ) と性質が違い、「伏条性」 をしめします。雪の重みで垂れ下がった枝が地面について、その枝から根をだし更新します。オモテスギは実生更新です。 「伏条性」とは多雪地帯の環境に適応した性質といわれます。なぜこういう話題を出すのかですが、南高城の北斜面に生育するツツジ類などでこの伏条性を示すものが観察できるからです。つまり、南高城の北斜面は5月まで雪が残るのですが、伏条性と併せて考えると、局地的に風向きなどで雪が吹き溜まるのではないか? ぜひ厳冬期に南高城の積雪状態を観察してみたいものですが、10キロ (往復で20キロ) も歩けれへんわな。
南高城を眺める


登山道の入り口(山頂南側)、ソフトバンク基地局の横。
登山口、ソフトバンクの基地局の横


高城山の山座同定の決め手は、山頂のネギ坊主!
高城山 山座同定の決め手 山頂のネギ坊主
↓ 山頂のネギ坊主までラックピニオン方式の立派なモノレールがあります。
ネギ坊主まで行く立派なモノレール
↓ よく見ると、手すり付き、足元滑り止め付きの点検用歩道まであるわ! (右側)
補修点検用の手すり付き通路まである!
↓ 建設省は、いかに環境に負荷をかけないよう考慮しているか、立派なお役所であると言っています。もちろん建設省は環境にやさしい立派なお役所なのですが、登山者の関心は建設省 (現国土交通省) の立派さではありません。ここを歩いていいのか? いけないのか? 点検用通路を歩いてもよろしいとは書いていません。しかしながら、歩いてはいけないとも書いていません。登山者が点検用通路を歩いているのを来るたびに見ますわ!
ここを歩いてもいい、とは書いていない。


崩壊箇所の復旧工事が完了!
スーパー林道冬期閉鎖までには間に合いませんでしたが、長らく通行止めになっていた林道崩壊箇所の復旧工事が完了した模様です。来年4月からは高城山から先へも行けそうです。それにしても、近年剣山スーパー林道の荒廃が目立ってきました。この先、この国が崩壊に向かうでしょうから、スーパー林道の補修なんて出来ない情勢になっていくのではないか?
通行止めのバリケード
工事の表示看板
↓ 今回補修された箇所と思われます。通行止めのところから吾輩の足でちょうど1400歩のところ、1400×70センチで980mです。誤差5%以内ならば合格。アウトドアズマンたる者は測定道具なしでも、自分の身体を可能な限り使って測ります。ボーイスカウト式。なお、立ち入り禁止ではありますが、何事があっても自己責任で一切関係者・関係機関に文句を言わないということで侵入しました。
今回修理した場所
↓ 下を覗くと深い谷、崩壊跡です。工事にはかなりの危険が伴ったのではないか? 来年、通行が出来るようになったら、ここを補修工事された建設会社・作業員の方々に感謝しながら通らさせていただきます。
下は急峻な深い谷
↓ ここは今回の補修ではないと思いますが、とりあえず通れるようにと応急補修したって感じです。予算の不足か? こういう箇所が随所にあるから、やがてこのスーパー林道は見捨てられるときが来るのではないか? この国はたぶん間違いなく、あらゆる面で崩壊に向かっていると思います。
別の場所の応急修理



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剣山スーパー林道の閉鎖前日、今年の高城山の登り納め
剣山スーパー林道閉鎖直前、今日明日が最後!
●本日は2015年11月29日であります。 突然に、神の啓示が天から降臨したかのごとく、急に思い立って高城山に登ってきました。12月1日から剣山スーパー林道が閉鎖されるので、今日と明日が高城山の今期最終の登り納めになります。来年4月までこの山域には近づけません。(冬山登山技術・装備を持つ猛者は別) 今日明日が最終の登り納め、林道の走り納めなので、日本全国から北は札幌から南は鹿児島から大勢のライダーが来ているものと勝手に想像していましたが、ライダーの姿はなく拍子抜けです。その替わりに何かイベントでもあったのか沢山の車がきていて大賑わいです。写真を陳列します。

↓ 淡路島の雑想庵を出たのは9時27分、徳島市の奥座敷の神山町の道の駅に10時42分に着きました。なんと所要時間は1時間15分です。自己新記録です。というよりも、今までいかに寄り道ばかりしていたか良く分かった。何かお祭りをやっています。トイレ休憩のあと覗いていたら、揚げたこ焼きというものを買わされた。たこ焼きを油で揚げたものですが神山町の名物?? ついでに土産にする神山町産のキノコをどっさり買った。13分の休憩時間。
神山道の駅
何かお祭りをやっている


↓ 神山町役場を通りすぎて少し行ったあたりです。この道路を通って高城山に向かいます。



↓ 砥石権現 (標高1375m) のふもとにきました。権現様を見上げると雪が積もっています。前を行く赤い車は神戸ナンバーです。今日はなぜか神山町内の道路で多数の神戸ナンバーを見ました。いままで、このあたりで神戸ナンバーなどめったにみたことがないのに不思議です。ただし、ほんまの神戸なのか? ニセ神戸なのか? は分かりませんが大挙して焼山寺に参詣したとか、なにかあったんでしょうかね。前の神戸あるいはニセ神戸は焼山寺ではなく土須峠の方に向かっています。山登りか? どこへ行ったのか見失ないました。
砥石権現の麓まで来た
雪が積もっている

↓ 岳人の森のレストハウス、観月茶屋のところ まで来ました。駐車場は満車です。ここで海抜820mぐらい。厳冬期にはこのあたりはそれなりの雪が積もりますが、わりあいにここまでは除雪してあることが多いようです。あとは雲早トンネルまで歩いて雪見をするのもいかもわかりません。
観月茶屋の駐車場は一杯
岳人の森の看板

↓ 観月茶屋を過ぎてちょっと行くと雲早山 (1496m) の雄姿が見えてきました。山頂付近には雪があります。登山者は 「くもそうやま」 と言っていますが神山町の土地の人に聞いたら 「くもさやま」 ということが多いようです。この山は旧3町村にまたがるのですが、上勝町側や旧 木沢村側ではなんと呼ぶのか? 山の北側と南側で山名が違う事例はけっこうあります。とにかく山名や地名は難しいものです。トラブルの元です。剣山西方にある三嶺を徳島県側は 「みうね」 高知県側は 「さんれい」 と呼ぶのはまだいいほうです。漢字で書けばトラブルは起こりません。 九州大分県の九重連山? 久住連山? の例は有名です。30ほどの小さな火山群が集合して大きな山体を形成していますが、北側が九重町、南側が久住町 (現 竹田市)、漢字で書けばケンカになるから平仮名で 「くじゅう連山」 です。苦渋の妥協策。
雲早山を仰ぎ見る
雪が積もっている

↓ 雲早トンネルを抜けると高城山 (標高1632m) が見えてきました。山頂付近に雪が積もっています。
高城山が見えてきた
雪が積もっている

↓ 11時43分に剣山スーパー林道の入り口にきました。右側の方へと行きますが、石柱のゲートがあって12月1日から閉鎖されます。南国の山といえどもそれなりに標高が高いので冬はけっこう積雪を見ます。12月1日~3月31日までの4か月間は、徳島県の山間部の道路の多くは積雪で通行止めです。車は通行止めですが、徒歩ならば行けなくもありません。少数ながら積雪期に徒歩で行く猛者もいるようですが、でも山頂まで10キロです。往復20キロ。積雪が多くラッセル状態ならば山頂に行くまでに倒れそう‥。
剣山スーパー林道の入り口
このゲートは12月1日から閉鎖

ファガスの森 高城のところ に到着しました。海抜は1301mです。敷地内に4等三角点があります。12時03分に到着ですが、淡路島の雑想庵から2時間36分で来ました。自己新記録! もし神山道の駅で13分の寄り道をしなければ2時間23分です。意外に早く来れることが判明しました。さて、今日は車がズラリと並んで大賑わいですが、何かあるのだろうか?
ファガスの森 高城に到着
ズラリと並んだ車、多賑わい

↓ ということのようです。
ということです。
↓ 大会スタッフが受付をしているようです。男性は20キロ、女性は10キロの荷を背負い、山中を駆け巡って競走するらしい。ファガスの森 → スーパー林道経由 → 砥石権現登山口 → 西砥石権現 → ファガスの森 → 北尾根登山道 → 高城山山頂 → スーパー林道経由 → ファガスの森、の13キロコースらしいがアップダウンが非常に厳しいコースです。スタッフに聞いたら、優勝者は何と2時間を切ったそうですが信じがたい。土地勘、登山道勘がある吾輩ならば間違いなく6時間コースだ。ていうか、西砥石権現の尾根伝いの登山道あたりで倒れるでしょう‥。
選手の帰還を待つ大会運営者

道の駅 というのは、道路管理者や市町村が設置運営し国土交通省に登録するもので、最近全国各地の道路沿いに出来ていますが、「森の駅」 というのもあるのでしょうかね? 聞いたことがないけど。検索すると、こういうのが出てくる けど、法的な根拠があるわけでもなく、国や自治体が関わるものでもなく、ただの林業関係者の私的なもので、林産物の売り上げを増やそうとたくらむ商売人の連携にすぎません。あくまでも林産物業者が商売につなげる狙いのもののようで、登山者・ハイカー・自然観察者にはメリットはなさそうです。関わったらていよく金を取られるだけです。 そもそも、駅というのは歴史的に、古代に中国の道路をまねて道路網が日本全国に建設されたときに、一定の間隔に配置されたもので、あくまでも道路往来、物資や情報の輸送伝達を支援するための施設であります。日本の古代道路 の宿駅伝馬制度などを参照。森の中に作った施設を 「駅」 と呼ぶのは歴史的意味からもおかしい。
森の駅というのがあるらしい


先ず腹ごしらえだ
↓ 登山は重労働で腹がへります。(車で林道を走るだけですが) 先ず腹ごしらえです。こちらは朝飯の分です。まだ朝飯を喰っていなかった。
朝飯の分
↓ こちらは昼飯の分です。名物のシカカレーらしい。
昼飯の分


【写真は続く】





阿讃山地の初積雪の写真ギャラリー その2 (さらに写真追加分)
●吉野川まで降りてくると三加茂町というところで、家並の間から有名な加茂の大クスを右手にみながら、池田の方向へ10キロあまり西進、井川町 というところまで来ました。リンクの地図で黄色い道路を山の方へ登って行くのですが、+マークの所に立派なトンネル (500mあまり) があります。以下、写真を陳列します。


↓ はるか上の井川スキー場を見上げましたが、地獄であえぐ亡者が雲の間に垣間見える天上の世界を見上げて、なんとかあそこに這い上がりたいともがいているイメージ。写真のまん中の鞍部になった白く輝いているところです。
はるか上の井川スキー場を見上げる
↓ 分かりにくいのでズームイン。
ズームアップ、白く輝いているところが井川スキー場
↓ 大分高いところに来ました。阿讃山地を振り返ると、大川山 (1043m) が見えています。まん中の尖ったところです。竜王山の西側にあって阿讃山地の第2位の標高です。
阿讃山地を振り返ると、大川山 (1043m) が見えている
↓ 海抜1000mまで登ってきました。谷間の下の井川町の町が白っぽく見えています。
かなり登ってきた
↓ 雲辺寺山 (写真左側の山、裾が見える) の右手に瀬戸内海の島嶼群が見えますが、写真では分かりづらい。
雲辺寺山の向こうに瀬戸内海も見える
↓ 井川スキー場に到着、海抜約1100m。広大な駐車場が3つもある。薄らと自然雪が積もるが積雪は僅かです。ひと目見て竜王山よりも少ないです。
井川スキー場に到着、海抜約1100m
↓ 看板のゲート。ゲート右手にロッジがあるがメインの建物は1棟だけです。
看板のゲート
↓ 本日は12時オープン、12時にリフトが始動ということらしい。まだ少し時間があるので車がすくないのですが、その後にわんさかと車が増えました。ナンバーを観察すると、ほとんどが徳島、香川、愛媛ナンバーでした。それから高知ナンバーも。車のナンバーで見るかぎりではお客さんはほとんどが四国島内の客みたいです。本土からは来ないようです。そりゃあそうですわな、岡山や広島や兵庫や大阪など本土側のスキーファンは日本海側の有名スキー場に行くわな。
このあと沢山の車が来た
↓ レンタルもあるみたいだけど、ほとんどのお客さんは自前の板や衣装で来ていたみたいです。
市営のレンタルコーナー
↓ ゲレンデの様子です。オープン1時間前です。なんと、神主さんがゲレンデを大麻 (おおぬさ) を振ってお祓いしていました! 事故なきようにと安全祈願か? 千客万来、スキー場の商売繁盛祈願か? それもいいけど、原発で汚染された日本列島をお祓いしてもらいたい。日本会議を隠然と操る神社本庁は悔い改めよ! あなたがたは、歴史や伝統を護るなどと言ながら、よく観察すると、やっていることはアメリカ帝国の属国支配のお先棒だ。表向きの主張と実際の行動が矛盾していますよ! 悔い改めないと、やがて実態に気がついた日本中の氏子崇敬者や神社総代らが、神社というものにソッポを向くでしょう‥。
ゲレンデの様子
↓ リフトも完備しています。標高差は100m弱というところでしょうか? リフトに乗れば楽ちんです。
リフトもある
↓ 山頂をズームアップ。あそこからは見晴らしがよさそう。
高低差は100m弱か?
↓ 人工雪の積雪が50センチ、自然雪は5センチというところで、しばらくは人工雪での営業のようです。べつに悪く言うつもりではありませんが、本土のスキー場に比べると小規模という印象は否めません。
人工雪の積雪が50センチ、自然雪は5センチ?
↓ 本日の昼飯はロッジのレストランでアジフライ定食を喰った。
本日の昼飯
↓ さて、吾輩はスキーをしにきたのではありません。昼飯を喰いにきただけです。目的は 徳島県営 腕山 (かいなやま) 放牧場 へ行って、広々とした草原の高台から剣山地西部の山々を眺めることです。 地形図上ではここ 昼になったら雪雲も縮小してきました。矢筈山や、西方に雪化粧した石鎚連山が見えるかもしれません。写真はスキー場の駐車場から見た山々の北側斜面です。これから林道を行って南側 (旧 西祖谷山村側) にまいります。
駐車場から山々を見る
↓ で、腕山放牧場に上がっていく道の入り口 まできましたが、なんと通行止めです。路肩が崩れているから通行を禁止しますと立て札が立っているではないか! こりゃあダメです。歩いて登る登山道もありますが、足の故障が完全に回復していないので無理です。残念。
腕山牧場への入り口
↓ で、しかたがないから西祖谷山村へと降りて行って薄らと雪の積もった林道をあちこち走りまわった。 写真の右手前の黒々としたピークは烏帽子山(1670m)の北側に伸びる尾根上の1つのピークと思います。標高は多分1254m。
烏帽子山の裾野のピーク
↓ 写真真ん中の鞍部は桟敷峠 (さじきとうげ、標高1020mちょっと) のあたり、右側のピークは風呂塔 (ふろのとう、1402m) です。
桟敷峠と風呂塔が見えているわ

●以上で11月27日の徳島県山間部の初雪・初雪積のレポートを終ります。 なお、「初冠雪」 という言葉の意味は、麓から山頂を遠望して、雪が積もっているのを目で確認できた場合に言う気象用語です。 山頂に登って雪が積もっているのをみても初冠雪とはいいません。あくまでも麓から見上げて観測するのが初冠雪であって、たとえば11月27日に鹿児島地方気象台は桜島の初冠雪を観測しました。もし、桜島に雲がかかっていたならば見えないから初冠雪は観測できなかったハズです。ところが、登山者が桜島に登って雪が積もったのを確認は可能です。 (噴火の影響で登山禁止の状況ですが) 雲がかかってガスっていても足元に積もった雪は見えるからです。つまり、積雪があるのに冠雪が確認できないことはよくあります。初積雪と初冠雪は意味が全くことなります。

そういう意味では前回にリンク引用した徳島新聞の 「徳島・剣山に初冠雪」 という表現は間違いです。徳島地方気象台からは剣山は眉山に隠れて全くみえませんわ。したがって、剣山の初冠雪は正式には観測されることは決してありません。




阿讃山地の初積雪の写真ギャラリー (写真追加あり、動画も追加)
竜王山山頂で10センチの積雪!
吉野川の平野部でも未明に雪交じりの時雨、初雪じゃ!


●本日は2015年11月27日 (金曜日) であります。 今朝早く真っ暗いうちから徳島・香川県境にある阿讃山地の最高峰 (=香川県の最高峰でもある) の竜王山 (標高1060m) に登りに行きましたが、夜が明けてから積雪を調べると山頂で10センチでありました。標高300mあたりより上では積雪が見られました。吉野川沿いの低地でも、未明の5時過ぎに徳島県つるぎ町貞光付近を走行中に、降りしきる時雨の中に白いものがまじり、一時ほとんどが白いものになった。で、本日11月27日が徳島県西部の平地で初雪が観測されたといえましょう。ただし、吾輩が初雪を観察しただけであって、徳島地方気象台の職員が初雪観測したわけじゃないから正式記録ではありません。今日一日、雪だるまを作って喜ぶ童心に還って徳島県西部の雪の林道を走りまわってきましたので、徳島県の今冬の初積雪のレポートまがいとして、撮ってきた写真を陳列します。


↓ 車載動画のつもり。 じつは、片手でムービーカメラを持ち、もう片手でハンドルを握って器用に運転しています。ひょっとしたら道交法違反でしょうかね? 黙ってりゃ車載動画に見えます。4K画質です。 竜王山の山頂付近の林道です。林道のわだちは登ってくるときに吾輩がつけたもので、他には誰も来ません。積雪林道を贅沢にも独り占めしています。



真っ暗いうちに竜王山の山頂に到着!
↓ 竜王山へ登る林道ですが山頂近くです。5時54分。
竜王山へ登る林道
↓ 山頂近くにある神社への入り口。地形図の上ではここ
山頂近くにある神社
↓ 林道を行ったり来たりするも、道に迷ったわけじゃありません。ここは何べんも来ています。見通しの利く所に立てば、北に讃岐平野や瀬戸内海、南に重厚な剣山地を見渡せて素晴らしい眺望です。
林道を行ったり来たりする
↓ 山頂にある施設に到着です。6時8分です。淡路島の雑想庵を出たのは3時11分なので3時間もかかっていますが、途中コンビニで一服したりしています。これは電波中継局? 何なのか看板がないので不明。竜王山の山頂は1000mを少し超えるピークが沢山あって、そのピークの上に電波中継局みたいな施設が4つも5つもあって興ざめです。
山頂にある施設 電波中継局?


夜が明けた山頂の状況
↓ 朝飯として、コンビニで買った弁当 (放射能米がコンビニの弁当やおにぎりに流れているというウワサですよね!) を、ヤバイかなと思いながら食べているうちに夜が明けた。6時45分。
夜が明けた
↓ しっかりと積もるが積雪はそれほど多くはありません。
しっかりと積もるが積雪は多くはない
↓ 淡い銀世界です。綺麗ですわね! などと言うと豪雪に苦しめられている地方の人々に反発されるかも? たとえ厳寒期でも日常生活で雪等めったに見ることができない住民にとっては、万象を無垢で覆いつくす積雪というのは 「綺麗だわね」 と観賞の対象になってしまいます。これを見たさに朝3時から、仕事をさぼって、少々の寒さなど何のへのカッパ、万難を排して見に来ます。
淡い銀世界
↓ 吹き溜まりでは20センチ、地表物の状態で溶けかかっているところでは5センチ、ムラが多いので、地表物の状態で溶けにくく均質に積もっているところを選んで測ると、積雪は10センチのようです。積雪が少ないのは残念ですが、まだ11月だし標高が低い山なので、ま、こんなものでしょう。
積雪は10センチだ
↓ 気象庁の検定済みの精確な温度計ではなく300円や400円のおもちゃ同然のものです。1度や2度の誤差 (器差) の可能性があります。そこを割り引いて見なければいけませんが、2015年11月27日07時ちょうどで、竜王山山頂直下の海抜1050m地点で、氷点下2.4度ぐらいです。誤差はありましょうが、パリパリに凍りついているのと、積もっている雪を観察するとさらさらの粉雪ですので氷点下であるのは間違いないでしょう。
気温は-2度ぐらいだ
↓ 一通り観察をすると林道を降りて行きましたが、林道についているわだちは吾輩が登ってくるときにつけたものです。つまり、他には誰も来ません。普通は、その地方の一番高い山に初冠雪というのは冬の到来を告げる風物詩であり、地域ニュースです。これは北でも南でもどこでもそう、岩木山に初冠雪だ(青森)、富士山に雪が積んだぞ!(静岡・山梨)、伯耆大山が雪化粧だ(鳥取・島根)、兵庫県じゃ氷ノ山に初冠雪は神戸新聞の必掲のニュースです。なぜ、徳島新聞社の記者が取材にこないのだろうか? 剣山じゃないということもあるかもしれませんが‥。 いや、出ていますね。ネット版は今日じゅうにニュースが出ますが、紙の新聞はニュースは明日になってしまうんだね!
徳島・剣山で初冠雪 県内、今季一番の冷え込み 2015/11/27 14:11
でもまあ、取材する山を間違えていす。剣山で3センチの積雪らしいのですが、今回の積雪が多かったのは阿讃山地で10センチ前後、吉野川に沿う剣山地の北縁で5センチ前後です。後で井川スキー場一帯へも行って積雪状態を観察しましたが、明らかに雪が少なかったです。つまり徳島県内で南に行くほど積雪が減っています。それは徳島県内のアメダス降水量でもハッキリ裏付けられます。徳島地方気象台の職員は、多分電話取材だと思いますが、問い合わせる新聞社に阿讃山地のほうが積雪が多いから、そっちへ行きなされと指導しなかったようです。

林道を降りて行く
↓ モミの葉のうえにも綿帽子です。
モミの葉のうえにも綿帽子
↓ 別のピークにある電波中継所ですがNTTドコモのようです。山頂を占領しているから登山者が真の頂に立てません。ここは竜王山で2番目に高いピークで海抜は1040mちょっと。
別のピークにある電波中継所


標高の高いところの様子
阿讃山地に多い高地性集落にも雪が積もる
↓ この林道を行って来た。
この林道を行って来た
↓ 林道入口の看板です。
林道入口の看板
↓ 標高の高い所にある人家です。地形図の上ではここ ですが海抜675mぐらいです。諭鶴羽山よりも高いです。
標高の高い所にある人家
↓ 傾斜の緩い山腹を選んで集落があります。阿讃山地の中腹よりも上にまで集落がたくさんありますが、徳島県にはこのような高地性集落が非常に多いです。阿讃山地では最大で800mまで、剣山系では海抜1000mまで集落があるようですが、夏は涼しくていいけど冬が東北中部なみに厳しそう。ていうか、スーパーに買い出しにいくのに吉野川沿いの街まで降りて行くのが大変そう‥。水田が作れないので陸稲を栽培しているみたい‥。ま、吾輩の出身地 (淡路島最南部の水仙郷の近く) も不便さでは同じようなものですが。
傾斜の緩い山腹を選んで集落がある
↓ 積雪わずか10センチでもタケはおじぎをします。もし30センチも積もれば樹が折れて道を塞ぎ通行不能でしょうね。
積雪わずか10センチでもタケはおじぎする
↓ 見通しの利くところから阿讃山地を眺めたのですが、向こうの山の山腹に雪が光っているところは集落のあるところです。
見通しの利くところから阿讃山地を眺める

ここからは写真追加
↓ ズームアップすると、山中で白く光っているところには人家があり畑があることが分かります。
ズームアップすると、人家や畑があるのが分かる
↓ 海抜700~800mあたりを立派な林道が通っています。樹林の切れ目からは吉野川の平野部を俯瞰し、川の向こう側には剣山地の重厚な山々がみえています。晴れていたら風呂塔(ふろのとう、1402m)、矢筈山(1849m) の雄姿が見えるハズですが雪雲にガスっています。
吉野川を挟んで向こう側の山々
↓ ここにも海抜650m前後の高所に、まとまった集落があります。高い所では海抜800mにも人家があります。このあたりの冬の寒さは、真言宗寺院の総本山 和歌山県の アメダス高野山 並みだと思われます。リンクの観測値を見ると寒い日には氷点下10度、一日中氷点下の真冬日が頻発しています。アメダス高野山の地点標高は795mです。瀬戸内地方でも海抜500m以上では東北南部、海抜1000m以上では東北北部と変わらない気温に下がります。したがって冬期に標高の高い所に行く場合は、4WD + スタッドレス + チェーン(深雪およびスタック脱出用)+ スコップ + 牽引ロープ の完全冬装備が要ります。今日はスキー場の手前で滑って事故やっているのを見ましたわ! 南国の山だとなめて夏タイヤで絶対に山中に行かないように‥。以前に剣山見ノ越に積雪期に行ったとき、はるばる札幌から来た100名山巡礼の方と話をしましたら、「こりゃあ北海道の道よりも恐い道だ」 と言っていましたよ。道は狭いし急峻です。ガードレールがないところも多いですし。滑ったら谷底まで転落かも? (実際に事例があります)
海抜650m前後にまとまった集落がある
↓ 徳島から香川へ行く山越えの峠の一つです。地形図上ではここ ですが海抜630-640mぐらいです。ここから香川県へ降りて行くと有名な満濃池の付近に出ます。
徳島から香川へ行く山越えの峠



その後、井川スキー場方面へ行った
その峠付近から、下界を流れる吉野川をはさんで向こう側に対峙している剣山地の北縁の山々を眺めたところです。日ノ丸山 (標高1240m) や腕山 (かいなやま、1339m) は雪雲に煙って見えません。 阿讃山地で積雪林道の走行 (初すべり、初スリップ?) を堪能したのち、吉野川に降りて行って今度は営業の始まった腕山スキー場へ行った。スキーなど金輪際しないがレストランで昼飯を喰い、さらに腕山登頂を試みるも見事に退敗、旧 西祖谷山村の林道を日が暮れるまで走りまわるも、なんとか淡路島に生還できました。
旧 井川町の腕山スキー場方面を見たところ





瀬戸内海 = 西日本低地帯 に雪雲が侵入するパターンだね!
瀬戸内海は、西日本低地帯
●瀬戸内海というのは、むかし中国人が来て瀬戸内海を見て 「日本にもなかなか大きな川があるじゃないか」 といった逸話がありますが、東西走向の巨大な川であります。東西400キロ南北20~50キロの帯状海域です。海水があるから陸地だという認識は誰も持っていないと思いますが、じつは西日本の地形を大局的に概観するならば、瀬戸内海すなわち瀬戸内地方というのは、西日本中央低地帯なのであります。 この西日本中央低地帯を挟んで南北に山地が走っています。

西日本北部山地‥‥‥中国山地・近畿北部山地
西日本中央低地‥‥‥瀬戸内海沿岸地方、九州北部平野・近畿中部も含む
西日本南部山地‥‥‥九州山地・四国山地・紀伊山地の連鎖

●ということなんですけれども、盆地じゃなくて西側が開いています。つまり、関門海峡であったり九州北部の平野であります。一部に北九州市の裏山に500mほどの山があることはありますが、西日本低地帯の西側は開けています。で、西日本低地帯の走向と、東シナ海で湧き立った雪雲の流れの走向がピタリと一致しましたね。これはわが淡路島でも風花がひらひらと舞い飛ぶ典型的なパターンです。また、瀬戸内海は小さな海域ですが、暖かい海水があるため瀬戸内海上でも多少は雲が湧くパターンです。



↓ 2015年11月26日21時30分の 気象庁サイト 気象衛星画像 を拡大トリミングして借用します。東シナ海で湧いた雪雲が瀬戸内海に深く侵入していることがよく分かります。
2015年11月26日21時30分の気象衛星画像抜粋


↓ 2015年11月26日21時30分の 気象庁サイト レーダー・ナウキャスト 四国地方 を借用します。図中の矢印と文字は吾輩が記入しました。夕方からわが淡路島南部の雑想庵でもときおりパラパラと時雨がきています。
2015年11月26日21時30分のレーダーナウキャスト

●さて、このパターンは剣山ではあまり雪が降らないパターンです。なぜならば剣山の西約100キロのところの石鎚山地が先に雪を吸い取ってしまうからです。雪華は大部分が愛媛県の山に落ちてしまい、剣山は愛媛の連山の風裏にあたってしまいます。このパターンでは、石鎚山に雪華を落としきれなかった余った雪雲は徳島・香川県境の阿讃山地に断続的にながれてきますね。剣山はダメですわね。 ただ、低気圧と高気圧の位置関係が変化して風向が変わればまた異なる状況になるでしょうが、どうなるのでしょうかね?? 明日には明日の風が吹きます。剣山に行くべきか? 竜王山 (標高1060m) に変更か? しかし香川県最高峰といっても標高が低いけん、どないしょうか?

愛媛の山じゃ大変なことになりそうです。山中にあるアメダス観測所の降水量から推定すると、石鎚山周辺の標高の高い山々じゃ30~50センチの積雪のレベルでしょうね。場所によってはそれ以上か? 剣をやめて石鎚 (石鎚山スキー場) へという考えが浮かんできますが、もう年寄りだし若いころのように愛媛の山まで突っ走る元気はないわなあ‥‥。



↓ 徳島県三好市にある 井川スキー場 腕山 は人工雪の積雪50センチで本日27日から営業開始のようですけれども、、ライブカメラを見ると薄らと雪が積もっています。27日0時半ごろの画像を借用します。積雪はまだ1センチか2センチのレベルですね。でもたとえ自然雪が1センチでもオープンに間に合いましたね。
井川スキー場のライブカメラから借用





熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな (万葉集 巻1 0008)
●いよいよ西日本の標高の高いところで今冬の初雪・初積雪が秒読み段階となってきました。寒気襲来のピークは26日夜から27日の午前中であろうかと思います。西日本内帯の平地では初雪は微妙なところでしょうが、標高500m以上で降水があればほぼ間違いなく雪でありましょう。どこへ積雪観察に行くか検討した結果、無難なのがやはり剣山見ノ越か? 積雪期の山中に行くのは、やはり、人の行かないところは避けたほうがいいでしょう。見ノ越ならば折々に除雪もされるし人も結構くるので万一の場合助けてもらえます。もちろん他車がハマって困っていたら牽引ロープで引っ張ってあげますし。で、ロープやスコップ等一式は必携です。昨日、タイヤ屋さんへ行ってスタッドレスタイヤに替えてもらいました。ハマったときの脱出道具一式から防寒具や、山中で籠城する羽目になったときに備えて1週間分の食糧など積み込み、準備は万端ととのい、あとは-40度の寒冷渦が西日本に落ちてくるのを待つばかりです。 

万葉時代の船乗りたちが月を見、潮を観察しながら出航のタイミングをはかったように、現代の雪山ファンは高層天気図を見ながら山行のタイミングをはかります。


気象庁の船舶向け天気図提供ページ から、500hPa高層天気図 を1枚借用します。日本付近をトリミング抜粋して、あまりにも視認性に欠ける図なので最低限の色づけをしました。11月25日21時の高層天気図です。
2015年11月25日21時の500hPa高層天気図

●渤海湾の一番奥あたりの上空に、大きな寒冷渦がありますわね! 中心近くで-40.3度という数字が見えています。これが西日本に落ちてきそうな感じです。日本海に出来た地上低気圧を強烈に発達させる元凶とみなせば爆弾が落ちてくるみたいですし、待望の瀬戸内地区の雪山ファンを総活躍化させるという意味では二階からボタモチが落ちてくるみたいです。ようは物事なんて解釈次第、立ち場次第で評価は正反対です。ま、四国山地の積雪を待っている人々はいるわけで、徳島県三好市の井川スキー場はあした27日のオープンに向けて、造雪機で人工雪のゲレンデづくりにおおわらわですが、スキーシーズン開幕を祝賀して、たとえ10センチでもいいから天然雪が積もってほしいところ‥。と想像します。

上図で水色に着色したエリアが500hPa高度 (5000mあまり上空) で-36度以下の真冬の寒気ですが、これがどこまで落ちてくるか、12時間ごとに発表される高層天気図に注目です。



東シナ海に、冬の風物詩の筋状の雲が現わる!
気象庁サイト 気象衛星赤外画像 から西日本を中心にして抜粋借用します。11月26日04時の衛星画像です。東シナ海に見事な筋状の雲が現われました。黄海や渤海湾まで筋状の雲が出ています。離岸距離が短いところから筋状雲が出ていますが、これは寒気が強いというよりも海水の水温が高いためでしょうかね? 屋久島の宮之浦岳でも初雪ですね?
11月26日04時の赤外衛星画像



来週の27日~28日ごろに、四国山地で初雪・初冠雪か? 状況変化に対応して次々に追記。気象庁から西日本の標高の高い所での積雪予想が出た!
気象庁の 数値予報天気図 を見ていたら、来週の27日~28日ごろに今冬初の本格的な寒波が西回りで大きく南下! してくる予想になっていますわね。上空約1500mで (850hPa高度で) わが西日本は氷点下3度以下の寒気にすっぽりと覆われ、降水があれば地上で雪になる目安の氷点下6度以下の寒気がかすめて通過しそうな予想です。まだまだ日本海は水温が高くお湯みたいなものです。そこへ真冬の寒気がなめるように南下してきたらお風呂みたいに湯気がモクモクと湧きたちそうです。こりゃあ、西日本の山陰地方で軒並み初雪かも?? 剣山山頂では推定で-9度前後でしょうかね? おそらく10-20センチの積雪があるのでは? もしかしたら30センチがあるかも? と吾輩は勝手に予想します。剣山頂上ヒュッテには 「初雪はまだですか?」 という問い合わせが殺到しているらしいです。 瀬戸内南岸地方の雪山ファンや雪見阿呆が今か今かと待っているようで、剣山登山口の見ノ越は賑わいそうです。もちろん吾輩も週明けにはタイヤ屋さんへいってスタッドレスに替えてもらい見ノ越へと‥。あるいは、徳島県南部県民局に剣山スーパー林道を閉鎖していないかどうか問い合わせてから高城山へ行くかも? たぶん、ここも冬景色を撮る写真家で賑わうハズです。それから、徳島県三好市の井川スキー場は11月27日にオープンですが、オープンを祝うかのごとく風花が舞い飛ぶ可能性が出てきました。

7日後の予想
↓ 20日の観測データを初期値にして計算した7日後の27日21時の数値予報天気図 (FEAS516)、850hPa高度の気温と地上気圧です。気象庁サイトから、西日本付近を中心にして抜粋して借用。視認性に欠ける分かりにくい図なので最低限の着色を施しました。
27日21時の数値予報天気図 850hPa高度の気温

●ま、一週間も先のハナシなので、当るも八卦、当らぬも八卦ですが、あまり暖冬が続くと地球温暖化利権者どもが勢いを復活させる危惧があるので、ぜひ気象庁のコンピューターがはじき出した予想が当ってほしいと思います。南海上の台風第26号 (インファ) が日本の遥か南方を東進して北からの寒気を引っぱり込むと予想しているようですわね。


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11月23日深夜に追記】 予想は、遠い先の予想ほど大きくハズれるものであり、近い先の予想になるほどとよく当ります。今回の西日本寒波襲来はどうなるだろうか? 追跡してみます。

4日後の予想
↓ 22日の観測データを初期値にして計算した4日後の26日21時の数値予報天気図 です。同じく850hPa高度の気温と地上気圧です。気象庁サイトから、西日本付近を中心にして抜粋借用、視認性に欠ける分かりにくい図なので最低限の着色加工を施しました。 大きくは変わっていないようですけれども、日本海北部に進んでくる低気圧がより発達するように計算されています。また、西日本に襲来する寒波の底が若干早やまったようです。
26日21時の数値予報天気図 850hPa高度の気温

●剣山登山口の見ノ越の手前3キロの夫婦池で海抜1450mです。ちょうど850hPa高度にあたります。夫婦池付近で最低気温は-5度ぐらいか? 四国山地の海抜500m以上で積雪があると吾輩は予想しています。積雪量は10センチか? 冬型の気圧配置の際に四国山地東部で一番降雪量が多くなる所は、経験則で矢筈山の北西斜面あたりです。実は剣山じゃありません。矢筈山あたりで最大限30センチか? 矢筈山 ー 剣山の走向は、北西 ー 南東です。日本海から中国山地を乗り越えて、或いは瀬戸内海南岸にそって流れ込んだ降雪雲は、まず矢筈山に雪華を落として減量してから剣山へと向かいます。これが剣山のほうが積雪が減る理由です。 さて、是非見に行きたいところですが、いけるかどうかは病み上がりの体調しだい‥。5月6日に最後の雪を観察してからほぼ7カ月ぶりの積雪観察です。南国の山といえども、標高の高いところではこれから4か月あまり雪に埋もれますわね。なお、四国山地に初冠雪を見にいくのに最適日は27日午前中か? そのころが西日本での寒気の底になりそうです。


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11月25日早朝に追追記】 
2日後の予想
↓ 24日21時の観測データを初期値として気象庁のスーパーコンピューターが計算した2日後の26日21時の数値予報天気図 です。気象庁サイトから、西日本付近を中心にして抜粋借用、最低限の着色加工を施しました。 本質的に予想 (予報) は水もので当るも八卦 当らぬも八卦で、“予想は逆読みすればウソよ” で外れることが多いのですけれども、2日先の予想となるともはやそう外れることはありません。26日深夜から27日午前中にかけて、もし降水があれば地上で雪となる目安とされる850hPa高度 (約1500m上空) で-6度の寒気が、西日本内帯をかすめて通過しそうです。そのタイミングで、山陰の松江地方気象台、鳥取地方気象台で初雪が観測されるのではないか? 広島地方気象台でもその可能性が高そうです。四国の高松、愛媛、徳島でも、中国山地の谷間から瀬戸内に流れ込んでくる雪雲から風花がひらひらとするかも? 最低気温予報が5度くらいで雪になるには高すぎるけど、瀬戸内側は乾燥して湿度が低いから、降水がありさえすれば高温でも初雪の可能性 (高温時降雪) があるかも? 西日本では寒波襲来の気温低下の底が深夜から朝になりそうなのも期待できる材料です。西日本で久々の11月中の初雪となりそうです。 気象庁予報部発表の 「発達する低気圧に関する全般気象情報 第1号」 に、「西日本の標高の高い所では積雪による交通障害にも注意してください」 などという嬉しい文言が出てきましたね! こりゃあ、なんとしても四国山地へ雪を見に行かなくちゃ。

気象庁サイト 数値予報天気図 から抜粋借用した。
数値予報天気図

気象庁サイト 全般気象情報 から借用。勝手に赤字着色した、
発達する低気圧に関する全般気象情報 第1号



生活実感から乖離した語源 「芋づる式」
●日本の人口の1億2000万人あまりのうち、8割が都市住民でなかろうか? 首都圏や大阪界隈のようなメガロポリスであろうと、地方の人口10万人の小都市であろうと、多くのヒトの暮らしは土から離れた空中楼閣に住んでいるようなものです。たとえば、店頭をのぞくとレタスなどは薄いロールフィルムに包まれて売られています。土から全く離れた暮らしの中では、そのレタスが土と水と太陽の恵みの産物であることに思いいたらず、どこか工場の中で部品を組み立てるように製造された工業製品だと勘違いしているヒトもいるのではないか? それほどまでに人々の暮らしは土から離れたものになっています。

●生態学的な見地からかんがえても、生産者たる緑色植物というのは土に固着して、土中に根を張り、土中の水分やミネラルや栄養塩類などを吸収して、空気中の二酸化炭素を取り込んで有機物を生産しています。その一番の基礎は土であります。消費者であるわれわれ動物は (もちろんヒトも) 自分をやしなう栄養を自分で作ることができません。緑色植物が作ったものを略奪しているだけです。そういう意味では自立できない頼りない存在ですが、動物たちは緑色植物に全面的に依存してくらしています。結局、われわれヒトという種も間接的に土に固着し依存しているわけで、その生存の基盤は土であります。この当たり前の感覚が人々の間で薄らいでいるのは懸念されるところです。

●たとえば、土を汚してしまえば我々の生存はありません。フクイチ原発で広範囲に放射性物質をまきちらして土を汚してしまいましたが、それはなお現在進行形なのですが、もはや何事もなかったかのような風潮です。これは生存の基盤は土であるという認識に欠けているためとも言えましょう。 たとえばTPPに引きずり込まれて日本の農業の壊滅が危惧されますが、多くの人々は価格が安くなるからいいんじゃない! というまやかしに幻惑されています。かつてアールバッツ農務長官が、「アメリカの穀物は強力な武器なのです。食糧はアメリカが持つ外交上の強力な手段です。とりわけ、食糧を自給出来ない日本には有効です。日本に脅威を与えたいのなら、穀物の輸出を止めればいいのです」 
(注) という露骨な脅迫の意味を公言したことが象徴していますが、食糧や自国の農業保護は国家独立の基盤です。 (ま日本は日米合同委員会が決めごとをする植民地ですけど) ヒトの生存の基礎は土であるという認識をもっていたら、TPPなどの事実上の不平等協定にそう簡単に幻惑されることはないのですが、都会の消費者が目先のトクに幻惑させられているのはまことに残念です。自国農業の軽視は外国の土に依存するということであり、国家主権の委譲にも等しいハナシです。

(注) 1999年1月に放映されたNHKスペシャル 『世紀を超えて』 シリーズの 「地球 豊かさの限界 第一集 一頭の牛が食卓を変えた」 の中で元アメリカ農務長官のアールバッツがそのように語っています。この文言は字幕スーパーの書き起こしです。米国は、日本の食卓を豊かにしてやろう、安定的に恒久的に食糧を供給してあげようという奇特なハラなどではありません。あくまでも食糧は対日支配ツールとしての戦略物資なのです。

●さて、国民の8割が都市生活者であり、都市では全ての道路がアスファルトで舗装され土とか地肌を見ることもめったにない状態で、多くの人々が高層の蜂窩住宅 (ほうかじゅうたく) というまさに空中楼閣に住み、そんな土から乖離した暮らしでは、土に生活の基盤を置いていたころの暮らしや歴史の中から生まれてきた言葉や慣用句は死語になりつつあります。たとえば、「芋づる式」 ですが、都市生活者の中にはこの言葉がどういうイメージの言葉か実感がわかないヒトも多いはずです。そこで、「芋づる式」 のイメージ写真を撮りました。


「芋づる式」 の語源イメージ
↓ 淡路島南部の山中のサツマイモ畑です。自作の苗蔓を3月下旬に植えて7月下旬に芋掘りをするつもりでしたが、不覚にも5月にシカ (鹿) の侵入を許してしまい葉を全部食べられてしまいました。で、生き残った僅かな蔓から弱々しい蔓葉が再生することはしましたが、生育が大幅に遅れました。しかたがないので今まで置いていました。本当は10月中頃に掘るつもりでしたが、足の感染症をやり芋掘りどころではなくなりました。
サツマイモ畑
↓ 蔓を鎌で刈り取ります。
蔓を刈り取った
↓「芋づる式」 です。蔓の節 (葉が着くところ) ごとに1個か2個の芋が着いています。 蔓の先を引っ張ったら蔓に着いた芋がころころと出てきます。しかし、砂地じゃないと蔓を引っ張っても切れるだけで、文字通りにはいきませんけど‥。 芋の出来栄えとしては完全な失敗作です。シカに葉を全部食べられた影響もあるのかもしれません。苗蔓を船底植えしているのでクズ芋ばかりです。クズ芋がいたづらに日数だけ経って丸芋になった状態です。もしこれが営業栽培ならば規格外で商売になりません。自給自足用としては全く問題ありませんが‥。
芋づる式

芋蔓式】 (芋蔓をたどっていくと次々に土中の芋がみつかるように) ひとつのことから、それに関連する多くのことが現われること。また、次から次へと手づるを求めること。 『日本国語大辞典』 より


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ヤーコンの花の観察
昨年の暮れに ヒラタケのきのこ採集会 をした際に、参加してくれたおばちゃん、もとい! お姉さんにヤーコンの苗芋を頂戴しました。春に5月の連休ごろだったかサツマイモ畑の横に植えておいたら、草丈は吾輩の身長ぐらいになりました。ヤーコン芋の収穫は今頃らしいのですが、茎や葉が枯れてからでもいいらしい。掘ったイモはどうやって食べるのかよう知りませんが、いまちょうど花が咲いています。ひと目見て、こりゃあキク科だねと分かる花です。小型ヒマワリという感じです。集散花序に6~7個の花が着き、個花の径は4~5センチ程度、舌状花は10数枚あります。
ヤーコン
ヤーコンの花




剣山山頂での暖かさの指数は38.3であり、平地と比すれば植物生育のための積算温度は3分の1
剣山の山頂一帯に巨樹がないのは何故か?
●徳島県 剣山 (1955m) の山頂付近の樹林、亜高山性のシラビソ (シコクシラベ) にしても、二次林であるダケカンバ (変種のアカカンバ) にしても、やや標高が下がったところに生育するウラジロモミにしても、保護林だの原生林などと林野庁は言うのですけれども、巨樹といえるような大木は全く見られません。わずかに林野庁の調査でヒメコマツ (ゴヨウマツとも言う) の幹周3m超が確認されているだけです。剣山の山頂一帯でなぜ巨樹といえるような大きな樹がないのか、その樹種の本来の性質として大木にならない樹木であるという理由は大きいにしても、なんといっても非常に低温であることと、強風が吹きすさぶ厳しい環境が最大要因ではなかろうか? とりわけ植物は生育するためには最低でも5℃以上の温度が必要とされています。剣山山頂付近ではその5℃以上の積算温度の不足が顕著で、樹木の生育が緩慢でなかなか幹が太らないというのが巨樹がない最大要因であろうかと思われます。かつて剣山山頂には剣山測候所がありました。気象庁のリストラで2001年3月に剣山測候所は廃止されましたが、残された貴重な観測データから剣山の気温を見てみます。


●旧 剣山測候所の観測データ 観測開始からの毎月の値 から 「月平均気温の平年値」 および 「年平均気温の平年値」 を計算しました。観測が終了した地点の 「平年値」 を気象庁は算出しない方針のようです。ていうか、平年値を産出するための統計期間を満足できなくなるためでしょう。具体的に申せば、現行の平年値というのは1981年~2010年の30年間の平均値ですが、剣山測候所は2001年に観測終了しています。これでは現行の平年値を産出するためのデータセット自体が存在しません。そこでひと昔前の、1971年~2000年の30年平均を計算しました。 

ちなみに、「平年値」 というのは不変の数字などではなく、10年ごとに見直されます。剣山のさらに前の年平均気温の平年値 (1961年~1990年) は紙の資料の 『日本気候表』 を見ると4.2度でした。下表では微妙に上昇していますが、詳細に数字を比べるとと冬の気温が僅かに上がっています。(1月はー7.3度 → ー6.9度) しかし夏の気温は全く変わらず (8月は15.3度のまま) という感じです。やはり、ここでも観測データは、地球温暖化の実態は “寒い季節の温度上昇は起こるが、暑い時期は変わらず” であることをハッキリ示しています。つまり地球温暖化は危機などではなく、むしろ歓迎するべきことなのです。それにしても、気象研究者どもは陰じゃぶつぶつ言っているくせに、政府や環境省などの下僕になりさがって、表立っては二酸化炭素地球温暖化の与太話に与するとは情けない話です。ていうか、研究者や科学者といえどもカネの亡者ということですな。つまり研究費利権に群がるということ‥。


剣山の気温



暖かさの指数から、樹木の生長量をほぼ推定できるのでは?
暖かさの指数 (warmth index/WI) というのは、各月の平均気温で5度以上のもののうち、その月平均気温から5度を引いた数字、つまり5度以上の部分の総和です。計算はとても簡単で吾輩でも小学生でもできます。寒さの指数とは5度以下の月について5度からその気温を引いた数字の総和です。「暖かさの指数」 と 「寒さの指数 (coldness index/CI)」 を併せて 「温量指数」 と呼ばれます。言葉では説明しにくく分かりにくいのでリンクを参照。なお、寒さの指数には-符合をつける約束事になっています。植生帯とか気候帯など議論するさいには重要な用語です。優良参考サイトの説明 ここで重要なのは、暖かさの指数は5度以上の部分の月平均気温の総和であるから、農学などで言う作物が生育するために必要な積算温度とほぼ同義に近いということです。もちろん意味は違いますが非常に似通ったものであることは確かです。徳島の暖かさの指数が138で、剣山のそれが38ということは4分の1しかありません。剣山では温度不足で植物が生育しにくいことを表わします。剣山はもともと寒いところだから、寒さに適応した植物が生育しているわけだから、ただちに4分の1ということではないでしょうが、平地に比べると植物 (樹木) の生育は半分とか3分の1になってしまうと思われます。

●実際に、徳島森林管理署の鎗戸植物群落保護林のヒメコマツの樹齢調査 で、「徳島森林管理署が平成24年12月に一ノ森山頂付近のヒメコマツの枯死木2本から生長錐でコアを取り、年輪を調べた結果、生長量は約1mm/年ということが分かりました。胸高直径60cmの木であれば樹齢約300年と推定されます」 と報告しています。つまり剣山の山頂付近ではヒメコマツの年輪幅はわずか1ミリです。平地での同属のクロマツでもアカマツでも切り株の年輪を観察したら、2~3ミリとか、成育が良ければ5ミリぐらいあります。たとえば 波田先生の 「マツの年輪に刻まれた歴史」 にマツの生長量グラフがありますが年輪幅は数ミリあります。 で、暖かさの指数から推定する樹木生長量と、調査による実際の数字が一致しています。論考は不十分ですけれども、剣山山頂付近の亜高山帯に巨樹がほとんどないのは、やはり最大要因は温度不足かなと思います。



剣山の気温は、北海道の道東・道北地方とほぼ同じ
各地の気温


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年輪幅がわずか1ミリの亜高山帯のヒメコマツ
↓ これは2015年7月24日の写真であります。徳島県第4位の高峰の一の森 (海抜1880m) の山頂のヒメコマツです。生長が遅く年輪幅が1ミリとかで、樹体は小さくても古木ということになります。山頂は風が強く樹木が生長しにくい (いわゆる山頂現象) ので樹形が扁形樹になったり矮化したりで盆栽みたいになります。やや大きな盆栽という感じです。で、ここ一の森の山頂一帯はミヤマクマザサの笹原のなかにヒメコマツの大きな盆栽が点在していて、亜高山帯の天然の日本庭園かと思えるほど観賞のしがいがあります。写真で下側の枝が枯れているのはシカの食害であろうかと思います。
一の森山頂のヒメコマツ

↓ 一の森山頂の見事なヒメコマツの古木です。稜線伝いに点々とヒメコマツの古木があって、大変美しい景色です。ササ原の中に矮生なコメツツジがあるジロウギューとは異なる景色ですが、なぜか、大半の登山客やハイカーはジロウギュー行ってしまいます。こちら一の森を訪れる人は少ないです。
一の森山頂の見事なヒメコマツの古木
一の森の稜線に自生するヒメコマツ


↓ 2015年4月9日、剣山登山道の刀掛の松付近 (海抜1810m) にて。ヒメコマツの枝を観察すると、非常に美しい松です。観賞価値はすこぶる高いです。でヒメコマツは庭木に人気がある樹ですわね。でも、庭に植えるヒメコマツ (ゴヨウマツ) と天然自生のヒメコマツはなんとなく違います。別種というわけじゃないと思うんですが、自生品は繊細で上品な感じがします。庭に植える栽培品はゴツゴツとして下品な感じです。もともとはヒメコマツは四国東部の山々を歩き廻ったら海抜1000mあたりから上で見られます。亜高山帯まで登ると特に多いです。低海抜の照葉樹林帯にはヒメコマツなんてありませんわ。で、本来は標高の高い所に自生する上品なヒメコマツを、夏暑い平地に降ろしたから若干性質が変化して下品になったのでしょうか?
ヒメコマツは美しい松だ

↓ 枝をマクロアップすると、小さな枝 (短枝) に葉が5枚 (5本というべきか?) ついています。短枝は長さが1ミリか2ミリしかなく常識的にはとても枝などとは呼べません。しかし植物形態学的には枝とされています。
ごく短い枝から葉が5枚出る

↓ 4月9日では日蔭などではまだまだ大量の雪がありました。登山道の雪はおおかた消えていましたが一部残っていて、万一滑ってころんだらいけないので軽アイゼンを履いて登りましたが、凍結していなくて雪が柔らかいのでステップを切りながら登れば登れらんこともありませんでした。
まだ大量の雪があった


剣山での初雪の遅れはエルニーニョが遠因か?
今年は剣山の初雪・初冠雪が非常に遅れています。例年ならば10月下旬か11月に入ったら初雪がきます。過去早い年には10月上旬に雪が降っています。剣山に登ったらいつも昼飯を食べさせてもらう頂上ヒュッテの管理人さん提供のニュースのようですが、今秋は10月12日に初霜、10月26日に初氷、11月4日に初霧氷が見られたようです。しかしながら、初雪はまだです。
山頂で初氷観測 剣山に冬の便り 【徳島新聞ニュースWeb】
剣山、冬の装い 山頂で初霧氷 【徳島新聞ニュースWeb】
初雪が非常に遅れているのは、地球温暖化の影響などではなかろう。気象庁の発表した情報では、東太平洋で大規模なエルニーニョが発生していることが遠因となって、偏西風帯の位置が例年と比べて中国大陸西南部あたりでは南下、逆に西日本付近では北上しています。偏西風帯の蛇行の状態が西日本では北上の場に入ってしまい、その結果亜熱帯の空気が西日本に流れ込みやすい状況になっていますね。で、10月の初め頃からシベリア大陸奥地上空500hPa高度で-40度~ー45度など真冬の寒気がしっかりと涵養されているのに、南下してきません。南下してもせいぜい北海道止まりです。エルニーニョだけでなく北極振動の影響があるのかもしれませんが、明らかに局地的な現象なので地球温暖化なんて関係ないですわね。以前ならばマスゴミどもは地球温暖化だと大騒ぎになったであろう暖かさです。しかしまあ、政府は地球温暖化の政策から降りたがっているみたいで、愚かなマスゴミどもに “温暖化の撃ち方やめい!” と号令 (=報道管制・統制) をかけているので、マスゴミも温暖化をほとんど言わなくなりました。政府は温暖化のハナシが忘却力に富む国民から忘れ去られるのを待つ作戦みたいですが、毎年毎年3兆円とも4兆円とも言われる温暖化対策費をむさぼり食った温暖化利権者どもを誰が糺すのであろうか? 温暖化で大変なことになると同調したのは全ての政党です。与党野党の別なく大政翼賛会と化していたから糺す政治勢力が存在しません。これでは炭素税はじめ税金だけ盗られた国民納税者は浮かばれません‥。

●しがない庶民はぼやくしか方法がないのですが、それにしても、ほんまに、西日本は11月になったというのに暖かいです。まだまだモモちゃんをはかなくても大丈夫です。9月下旬に種を遅まきしたチンゲンサイの生育が、このところの暖かさで素晴らしい生育です。毎日味噌汁の実はチンゲンサイです。お浸しや油炒めなど、ビタミン不足の心配はありません。暖かいのはとてもいいことなんです。第一に暖房費が要りませんからお財布にもやさしいのです。暖かくて困るのはスキー場ぐらいか? ちょっと考えりゃ温暖化はメリットが山積です。厳寒の北日本や大雪で苦しむ豪雪地帯から温暖化歓迎論がなぜ出てこないのか? とても不思議です。 ところで、徳島県三好市の 井川スキー場 は11月27日オープンの予定ですが、四国の山に雪なんて降るんやろか? 患った足の感染症もだいぶん好転してきました。四国の山に雪が積もったら、車のタイヤをスタッドレスに履き替えて見に行こうと待ち構えていますが、当分ダメそうです。こりゃあ、井川スキー場はオープン延期は必定。去年は12月に入ったとたん一晩で130センチのドカ雪でした。自衛隊が出動してスタッフが救出されるほどの騒動でした。高越山ではスタックした車を乗り捨てて住職さんらが雪中彷徨で2人斃れました。全国ニュースになったのはまだ記憶に新らしいところです。今年は、今の状況では西日本は記録的な暖冬かも? スキー場は降らなくても困るし、降り過ぎても具合が悪いし、特に南国の山上のスキー場の場合には、スキー場へ行く林道が樹木の雪折れや倒木で通行不能になってしまいます。お天道様はなかなか商売をさせてくれません‥。





亜高山帯のシラビソ林には、巨樹などない
高い山や北方にいくほどに、巨樹が少なくなる
●モミの仲間の樹木は何種類かありみな葉や樹形は酷似しています。樹木や植物に関心がなければみな同じに見えるでしょう。熱心に植物観察してもウラジロモミとシラビソを見分けられないこともあります。シラビソとオオシラビソも似ていて区別しにくいです。元は同じものだったのが棲息する場所の環境のちがいで微妙に異なるものへと分化 (進化) していったのであろうかと思うのですが、いくつかの近縁種が日本列島内で地域ごとに棲み分けています。四国の剣山では海抜が上がるにつれて、モミ → ウラジロモミ → シラビソ (シコクシラベ) と変化します。水平分布では北にいくにつれてシラビソ → トドマツへと変化するようです。 ここで注目するのは、モミの仲間の樹木では、温暖地や低地に多いモミは巨樹が多く、やや高い山に多いウラジロモミは中ぐらいに巨樹があり、高い山や北方のシラビソやトドマツでは巨樹がめったにない、ということです。

モミ属の分布と棲み分け


温暖地域では巨樹が多く、寒冷地域では巨樹が少ない
面積は国土地理院の 平成26年全国都道府県市区町村別面積調 より拾い出した。巨樹数は環境省の (設置場所は奥多摩町森林館であるが) 巨樹・巨木林データベース から検索して調べた。

●ただし、環境省の巨樹・巨木林データベースはいくつかの欠陥があります。上掲の表の (注) で示していることのほかに、二重データが非常に多いです。たとえば 「樹種:スギ」 「幹周:1600cm~」 で検索すると、有名な縄文杉が出てきますが9番と10番とに2つ出てきます。このような重複データが非常に多いです。たぶん、同一の巨樹を、別の人が別の時に調査して報告、重複をチェックせずにそのままデータベースに投げ込んでいるのではないか? よって、検索して得られた巨樹数は1~2割ぐらい割り引いて受け止める必要があります。それから、報告された調査内容で樹種の同定にもいい加減さが見られます。吾輩の住む旧三原町の巨樹は環境省データでは10本ですが、カエデというのが1本あります。これではイロハモミジなのか? オオモミジなのか? 不明です。細かな種名であったりカエデとかヤナギとかマツなど総称 (属名) であったり、まちまちです。これでは樹種ごとの全国統計なんてできません。全国から送られてくる報告を一つ一つきちんと検証しているのかどうか? 非常に疑わしいです。 かなり杜撰なデータベースだと言わざるを得ないですわ。

●ですけれども、これしかないし、そういう欠陥を認識して利用するならばそれなりに価値があると思われます。 でこしらえた下表ですが、北海道は冬にときどき自宅前で暴風雪で遭難死が起こるほどの寒冷地です。巨樹は少ないです。一方、近畿・中国・四国は北海道とほぼ同じ面積ですが、夏に熱中症で大勢が死ぬ温暖地です。巨樹は北海道の17倍もあります。そう単純なことを言うたらあきませんが、その地方の巨樹の多寡は、その地方の気温の高低に依存している可能性が考えられそうな感じはします。


温暖地は巨樹が多く、寒冷地は巨樹が少ない


南限の亜高山帯の針葉樹林を見に行こう!
さて、そういう先入観をもって、徳島県の剣山 (海抜1955m) の亜高山帯のシコクシラベの針葉樹林を観察します。「鑓戸植物群落保護林」 「鑓戸シコクシラベ林木遺伝資源保存林」 という学術的に貴重性が非常に高いといわれている森林を観察に行きました。なお、「鑓戸」 は 「やりと」 と読み、剣山から南東方向へ伸びる尾根上の小高い山名です。国土地理院の地形図には載っていません。


剣山の南東斜面
↑ 一の森の山頂三角点 (標高1879.6m) から剣山を見た景色です。剣山の南東斜面の亜高山帯常緑針葉樹林です。シコクシラベ (シラビソの四国地域の変種) やコメツガやヒメコマツなどの常緑針葉樹の森です。ウラジロモミとシコクシラベは必ずしも画然と棲み分けているわけではなく、結構混在しています。立ち枯れが目立ちます。芝生みたいに見える部分はミヤマクマザサのササ原です。

美しい針葉樹林だ

↓ 剣山と一の森の中間地点の二の森です。二の森という山名は地形図には掲載されていません。地形図上ではここ (+マークの所) です。海抜は1870mか1880mぐらい。このシラビソ林の林床にハクサンシャクナゲが少し見られます。
保護林となっている

↓ このあたりは海抜1800m以上で気温も低く風も強く、植物たちにとっては非常に厳しい環境です。で、成木しても枯れやすく白骨となった樹がたくさんあります。
立ち枯れも多い

↓ シコクシラベの若木です。意外にウラジロモミとの識別は難しいです。葉の裏が白いからウラジロモミというらしいですが、シコクシラベの葉の裏にも気孔帯があってけっこう白いです。で、今年の若い枝をルーペで観察して茶色い短毛があったならばシコクシラベ、毛がなかったならばウラジロモミです。
シコクシラベの若木

↓ 新しい今年の枝がまだ十分に固まっていないので、やや垂れ下がり気味です。独特な美しさです。写真を撮ったのは2015年7月の終りごろだったか?
若枝が垂れ下がりぎみで独特な感じ

この標高の亜高山帯林には巨樹などない!
↓ シコクシラベ林にそろっと入って観察しましたが、太いのはありません。保護林だの原生林だの言うわりには幹が細いものばかりです。巨木などありません。林床はびっしりと苔がはえていて、いわゆる蘚苔林 (モス・フォレスト) となっています。苔むしていて、枝にサルオガセ類がぶら下がり古色蒼然としていますが、幹が細いので原生林というほどではありません。
巨樹などない

四国森林管理局 鎗戸植物群落保護林 の説明看板です。リンクの説明では胸高直径115センチ (幹周は350センチ程度か?) のヒメコマツがあるらしいのですが、特別な例外です。ま、それが最大限でしょう。もし、もっと大きなのがあればその数字を出すハズですから。ま、一の森山頂尾根づたいにもヒメコマツの古木が点々とあり結構太いですが、特別太いのが環境省の巨樹基準にギリギリ達しているというだけです。
説明看板

↓ それにしても一の森や二の森は人気がないです。剣山に来た山登りやハイカーどもは、剣山から先へ足を延ばす場合、10人中9人ぐらいが南西方向のジロウギューへ行ってしまいます。明るい笹山が牧歌的な印象で一般向きするのでしょう。南東方向の一の森方向へは10人中1人かというほど少ないです。しかしながら自然観察や植物観察にはこちらのほうが遥かに見ごたえがあります。
看板中の地図

↓ 剣山測候所 (既に廃止されている) の職員が、昭和40年3月16日に雪崩に遭って殉職しています。一の森の北斜面で故障した通信線修理中の殉職です。新田次郎は申すまでもなく山岳小説家と呼ばれて山を舞台にした作品が多いですが、新田次郎自身も気象庁の職員でした。富士山測候所のレーダードームをこしらえたのは新田次郎の功績ですが、殉職した剣山測候所の職員と新田次郎は何か関係があったのでしょうかね? 気象庁に同期入庁とか?
ここで剣山測候所の職員が殉職した





ブナの原生林を観察する (その3)
●先に、こしらえた資料を掲上します。 下表は気象庁のホームページに掲載の 旧 剣山測候所の観測データ ならびに 徳島地方気象台の観測データ から根気よく拾いだしたものです。こうして拾い出すと一目瞭然です。

海抜事実上ゼロの徳島市では巨樹をなぎ倒す50m超の暴風はめったに起こりません。

いっぽう、海抜2000mに近い剣山の山頂では50m超の暴風は毎年起こります。年によっては2回も3回もおこります。季節に関係なく起こります。台風襲来の夏から秋に多い傾向はありますが、50m超の暴風は真冬にも起こるし、春にも起こります。40mや45mならば全く日常茶飯事で、いちいち拾いだせないほど多数の観測事例があります。40mや45mでもその樹に当たる方向しだいでは巨樹が倒されましょう。


ちなみに、南国の四国の剣山でもしばしば冬山遭難死亡事故が起こっています。剣山測候所の職員でさえ殉職しているほどです。昭和40年3月16日に剣山測候所の職員1名が、剣山の東側のピークの一の森の北斜面で雪崩に遭って死亡しました。通信線故障修理中の殉職です。剣山では厳冬期には-15度~-20度、最大風速30mなどしばしばあることで、南国の山だし、北アルプスより1000m低い里山みたいなものだと甘くみて、冬の荒天時に不用意に入山すると大変なことになります。この低温や強風は登山者に非常に厳しいものですが、ブナ帯~亜高山帯の巨樹たちにとっても厳しい環境のハズです。


山の上は風が強い


●このように山の上というのは風が非常に強いところです。ちなみに日本国内での日最大瞬間風速の最高記録は、富士山測候所の91mです。山の上では平地ではありえない暴風が起こるのですが、平地では建物や森や丘や山など沢山の障害物があり風の勢いが減衰してしまいます。山の上では障害物がないので吹きさらしということなんでしょうが、それだけではなく、日本のような中緯度の上空には強い西風 (偏西風) が吹いていますが、高度が上がるにつれてその偏西風帯に近づくということも風の強い要因なのでしょう。 なお、付言するならば障害物がないという条件は海上も同じで、瞬間風速の世界記録はグアム島で米軍が観測した105mでしたか? (つまり障害物のない洋上、ただしトルネードの旋風は除く) で、山の上は風が強いのだ! という先入観をもって、次に陳列する写真を見ればブナ原生林に本当の巨樹がない理由が見えてきます。


根こそぎ暴風で倒されたヨグソミネバリ (カバノキ科)
↓ ヨグソミネバリは、別名はミズメですが、万葉集など古典文学ではアズサで出てきます。シラカンバやウダイカンバは東日本・北日本のものですし、ダケカンバも分布の中心は東日本の亜高山帯ですが、それらの近縁種で西日本の太平洋側のブナ帯に多いのがこのミズメです。そこそこの巨樹になる樹種です。
根こそぎ倒れたミズメ
↓ 根元をズームアップ。
根元
↓ 横倒しですが根元から130cmの幹周を測ると254cmです。巨樹の環境省の3m基準に満たないですが、まあそこそこの大木です。
幹周は254cm
↓ 逆に、根元から先のほうを見ました。
根元から先のほうを見る
↓ 根張りは意外に小さいです。地中深く侵入する直根が見あたりません。地表近くに浅く広がる小さな根しかありません。この樹は地上部の大きさに対して根系 (地下の部分) が貧弱です。この地上部と根系のアンバランスが暴風で倒伏しやすい要因か? という印象がします。
根張りは意外に小さい


こちらはブナの風倒木
↓ 幹の根元のすぐ上でポッキリと折れています。幹の途中で折れやすいのは、おそらく幹から出た枝が折れて菌が入り腐蝕するなど傷があるためではないか? これは海抜1400mのところです。
風倒木 ブナか?

↓ これは根こそぎ倒されました。やはり、根系が貧弱な感じがします。根系が貧弱なのは土壌が薄く直ぐ下が基盤岩であることと関係している感じがします。
また風倒木


↓ 結局、ブナは幹周3m前後になると、暴風で倒されるか、あるいは幹がバッサリ折れるか、あるいは大枝が欠損し傷口からツキヨタケ等害菌が侵入し腐蝕して立ち枯れとなります。で、大木が残らない、あるいは大木までなれない、ということでブナ原生林と言っても意外に小径木が多いです。ブナの原生林

↓ またブナ風倒木です。これは剣山スーパー林道の一番高い所の海抜1540m地点のもの。
ブナの風倒木

●奥山のブナ原生林に、徳島平野のそこかしこで見られる幹周10m前後のクスノキやイチョウの巨樹のような巨大なものが全くない理由ですが、次のような要因ではないか?

①、そもそもブナ帯には度肝を抜かれるような巨大になる樹種がない。
②、急峻な山地であるので土壌が薄く、養分や水分が不足している。
③、海抜高度が高いだけに気温が低いので、植物が生長するための温度不足。
④、ブナ帯の樹木は根系が貧弱で風害に耐性がない。じきにこける。
⑤、樹を枯らす害菌 (ツキヨタケやツガサルノコシカケ) 等が非常に多い。
⑥、山は雲霞がかかりやすく日照が非常に少ない。

⑥をすこし敷衍しますと、ブナ原生林は個々の樹がのびのびと育っているのではありません。押し合いへしあい密集して太陽光を求めて競争しています。自分の枝葉は他者を被陰するし、他者の枝葉の下で自分は日蔭です。そもそも森林の中はそういう関係ですが、標高の高い山は雲がかかりやすく日照が平地よりもかなり少なくなります。そうすると樹木たちは恒常的に日照不足です。樹が大きくなってくると幹が太り樹体の大きさの割に枝葉が少ない状態になります。平地の独立樹みたいにのびのびと生長できないから当たり前です。で、生理的に光合成産物の生産量よりも呼吸量のほうが増え収支マイナスとなって個体維持が出来なくなるのではないか? それには押し合いへし合いしているところに輪をかけて山に雲がかかって日照不足が作用していると見ます。とにかく、ブナ帯の森林では立ち枯れが非常に多いのは事実です。風倒木と立ち枯れが多いために本当の巨樹がないといえましょう。




ブナの原生林を観察する (その2)
ウラジロモミの巨樹はないが、ツガの巨樹ならばある
という感じです。海抜1300mともなればモミの仲間の樹木ではモミが完全に消え、あるのはウラジロモミばかりです。ウラジロモミはそこかしこに沢山ありますが巨樹と言えるようなものは全く見当たりません。剣山でも同じで、夫婦池のまわりはウラジロモミの純林が広がっていますが大木はありません。やはり、その種としての性質でモミは大きくウラジロモミは小さいという感じです。それから、ウラジロモミは谷筋や土壌の厚そうなところ、つまり乾燥しないところを好む傾向がありそうです。

一方、ツガならば幹周3~4mの巨樹が点々とみられます。ウラジロモミとツガは画然と棲み分けているのではないにしても、ツガは尾根筋に多い印象がします。急傾斜地にツガが多く、断崖絶壁みたいなところにツガが張り付いているのもよく見ます。乾燥に強く水はけの良いところを好むのでしょう。砥石権現~西砥石権現の尾根筋には場所によってはツガの純林が見られます。


↓ 尾根筋にツガが多く、ツガの純林になっているところもあります。ときにはこういうところにマッタケ (ツガマッタケ) が出てきます。
ツガ林
ツガの大木の根元
標準和名では 「ツガ」 ですが、林業や建築関係者では 「トガ」 と呼ぶことのほうが多いようで、用材の価値はかなり高く評価されていますね。アメリカ産の米ツガが安く入ってくるのですが、安物ではない国産ツガは高級品らしい。用材としては高く評価されるのに人工的な植林がまったくありません。スギに比べると生長が遅く資本投下しても利益回収に年数がかかりすぎるのか? 尾根筋で生育がいいから造林・育林に手間がかかるためでしょうか? 多分ツガの植林事業は商売にならんのでしょうね。ヒトは商売にならんことはやらない動物です。

ちなみに、そういう視点からは、悪徳政権が圧倒的多数の世論を蹂躙してまでこの国を戦争ができる国に何故したのか? 簡単です。戦争がビジネスであり、戦争が公共事業である人々がいるためです。米国の軍産複合体だけではなく、我が国にもいます。日本経団連は日本の武器輸出に諸手を上げて歓迎しました。自衛隊が国防軍になって軍需がふえれば喜ぶ重工がありますよね。そういうところが自民党に政治献金をして事実上の政治買収をしています。やはり小沢一郎さんが主張した 「企業・団体の政治献金全面禁止」 は正しいです。これはカネで政治を買収することを禁止するということです。カネで政治が買収され、民主主義が骨抜き・形骸化しています。かつて政治とカネの問題が声高にいわれましたが、本当の政治とカネの問題とは、このカネで政治が買収されている実態です。とにかく軍需産業が政治を買収しているのが根本問題です。カネだけでなく地位でも買収できます。軍需産業が天下りを受け入れるのは地位を餌にして政策買収 (政策買収による事後賄賂ということ) です。原子力村も同じ構図。世界中の国民・庶民は仲良くやりたいのに、各国の権力者どもは、マスゴミを使って庶民の憎悪や敵愾心やナショナリズムをあおって火種を熾 (おこ) しています。背後に戦争商売でメシを喰ってる連中がいるから、地球上から戦争がなくなればよっぽっど困るのでしょう‥。

ツガの大木
幹周は314cmもあります。これならば立派な用材になりそうです。
幹周は314cm


ウコギ科のハリギリの大木が目立つ!
これは 既出の写真 で前に申し述べましたが、砥石権現~高城山のブナ原生林ではハリギリの巨樹が点々と見られます。で、もう一度よく観察します。同じブナ帯であっても山によって巨樹が見られる樹種に微妙な違いがあって、高城山周辺ではカエデ類の巨樹、オオイタヤメイゲツとかイタヤカエデなどはあまり見当たりません。
ハリギリの大木
ハリギリの大木
ハリギリの大木の根元
なんと幹周は331cmもあります。
幹周は331cm


樹種不明の大木の根株
西砥石権現(標高1457m)の南斜面のブナ原生林には巨木の根株がたくさんあります。人為的に伐採されたものでは全くなく、自然に枯損して朽ち果て根株が残ったものです。写真のものはうっかり測り忘れましたが目測で幹周350-400cmのかなり大きなものです。腐朽化が進んでいるため樹種は不明ですが、樹皮が残っていてその樹皮の肌の感じではヨグソミネバリの可能性が80%とみます。ヨグソミネバリという樹種は別名が多く、ミズメとかアズサといえば名を知る人も多いかと思います。ダケカンバやシラカンバと親戚の樹ですが、剣山系のブナ帯では巨樹になる木です。でも、まあ、やっぱり幹周3~4m止まりです。ビックリするような巨木になるわけではありません。ビックリするような巨木になる前に色々な要因で枯れてしまうようです。
樹種不明の大木の根株


これも樹種不明の巨樹、付近は立ち枯れの樹が多い!
巨樹の立ち枯れが目立ちます。あたり一帯にはブナの立ち枯れも非常に多いです。この立ち枯れ樹がなんの木であるのか、かなり腐朽していますから判別困難ですが、立ち枯れの上の方に僅かに残る樹皮からミズメか? あるいはツガかな? という感じはします。幹周は405cmもあります。本日見た巨樹では最大のものです。
樹種不明
上の方にまとわりついているカズラはツルアジサイであると思われます。ただし、ブナ帯でも近縁種のイワガラミがあるのでその可能性は若干あります。飾り花が4枚ならばツルアジサイ、飾り花が1枚ならばイワガラミ。花の残骸を観察したいところですが、10m近い上なので手が届きません。
樹種不明
立ち枯れではありますが、幹周はなんと405cmもあります。枯れ木なので幹の材が乾燥委縮し、樹皮も剥がれています。よって生木だったころには幹周はもう少し大きく410~415cmぐらいだったのではないかな?
幹周は405cm


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ブナ帯の華麗な植物たち
↓ ラン科のツチアケビの果実です。地上部には全く葉がない無葉ランで (ただし地下茎には葉が退化した鱗片葉がある)、葉緑素をもっていません。葉緑素がないから自分で光合成して炭素化合物をこしらえることができず、菌類から栄養を奪っている 「菌従属栄養植物」 といわれる植物のひとつです。これは必ずしもブナ帯の植物ではなく分布は広く、淡路島の諭鶴羽山でもむかし沢山ありましたが、淡路島では最近では見なくなりました。 光合成をやめたラン科植物ツチアケビにおける鳥による種子散布 参照。
ツチアケビの果実
食べられるのか? 研究者の研究でツチアケビの果実は鳥類に食べられることによって種子散布をしているということが明らかになったようですが、ラン科の植物の種子はケシ粒みたいに小さく風散布だと思っていた常識を修正する必要がありそうです。動物被食種子散布であるならば、動物たちに食べていただくために毒を盛る必要がありません。逆で、糖分を盛って甘く魅惑的にしたり、よい香りで動物たちを誘引しなければなりませんが、ヒトが食べて美味いかどうかはまた別でしょうね。鳥類とヒトでは味覚等が異なるでしょうから。どんな味なんでしょうかね。
ウインナーソーセージみたい

↓ ミカン科のミヤマシキミの果実です。ミヤマシキミは深山に生えるシキミの意味と思われますが、徳島県では1000m以上のところに多いようです。むかしわが淡路島の諭鶴羽山の山頂付近に僅かにありましたが、最近では見なくなりました。これは有毒植物と言われています。シカの不嗜好植物なので、あちこちの山で広がる傾向があるように思います。赤く綺麗な実ですが有毒なので絶対に食べないように。
ミヤマシキミの果実

↓ トリカブトの一種のシコクブシです。有毒植物です。美しい花にはトゲがあるといいますが、これは毒があります。かなりの強毒のよう。これはブナ帯の植物なので瀬戸内地方の平地にはありません。花が美しいので岳人やハイカーの間ではお花見の対象です。 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:トリカブト 参照。トリカブト類を食べて死亡例もあるみたいだ。絶対に食べないように。
シコクブシの花




ブナの原生林を観察する (その1)
しばらく患肢挙上で安静、どこへも行けない
●10月18日に同級生のO君 (オオ君) と西日本第二の高峰、剣山 (標高1955m) に登ったのちに、すっかり体調を崩してしまった。剣山に登ったことが原因ではなく、まったく別なことなのですが、吾輩は寒候期になると乾燥肌の傾向でかゆいのでついかきむしり、足に軽いキズが出来ていました。そこからタチの悪いバイ菌 (黄色ブドウ球菌とか?) が入って感染症を起こしてしまいました。足が腫れ上がり、微熱がでて食欲減退や倦怠感などの全身症状もあらわれ、かかりつけの医者に診てもらうと、「紹介状を書くから淡路医療センター (旧県立淡路病院) に行きますか?」 という。説明を聞くと、「入院すべきか通院療法か微妙なところだな、どうされますか?」 ということです。この病状では県病に行ったらたぶん入院ということになるだろうなという話です。医者が入院すべきだと強く言うならばそうするのですが、どっちにしますか? などと聞かれたても、患者というものは医学知識のない素人だから判断がつかへんわ! ある意味では困るんですわね。

●ちなみに一般的に、主治医の判断以外にべつの医者のセカンドオピニオンを参考にするのが大事だと言われます。たしかにそういう面はありましょう。 でもさあ、正直言って、もし、第一の医者の診立てや意見と、第二の医者の診立てや意見が大きく違った場合、とりわけ正反対なほど言うことが違った場合には患者はどうしたらいいんやろか? 専門の医者でさえ見解が分かれるような問題について素人の患者がどちらを選ぶのか、それを判断するのは非常に難しいと思うけど‥。場合によってはかえって右往左往とうろたえ混乱するだけではないんやろか? どっちにしますか? どうしますか? などと医者のほうから言われるのもこれに似ています。わしゃ医者じゃないから、どっちにしたらいいのかよう分からんわ! ということで、とりあえず一両日様子をみて病状が悪化するか好転するかで決めますという判断をしました。ひょっとしたら非常にマズイ判断だったかもしれません。病状が悪化してから県病に行くよりも、さっさと紹介状を書いてもらって県病に入院させてもらうほうが安全率は高いと思われます。大事をとって行動するほうが安全性は高いハズです。そう考えると悪い選択をしたかもしれませんが、しかしながら処方された抗生剤を飲んで自宅でおとなしく安静にしていたら病状は緩やかに好転しました。再度かかりつけ医に診てもらうと、「これだったら、あわてて県病へ行くほどでもないわな」 ということになりましたが、しばらく患肢挙上で安静です。 入院しようが自宅療養しようがどちらでも、患肢挙上で安静が治療上不可欠とのことです。足を心臓よりも高く上げておかないと腫れるのですが、腫れたら薬が効きにくくなり、また自分自身の持つ治癒力も阻害されるということらしい‥。で、しばらくどこへも行けません。



ということで、高城山のブナ原生林に調査に行きたいところですが、撮り溜めた写真ならば膨大にありますので、以前の写真で記事を書きます。 なお、陳列する写真は2015年9月23日に撮ったものです。 
一日中ブナ原生林を歩き回って観察した
高城山(標高1632m)の山頂 から砥石権現~西砥石権現の尾根を眺めたものです。登山口 と記入したところから入山して鬱蒼と茂るブナ原生林を調べました。剣山スーパー林道が山の斜面を走っているのが薄らと見えています。この林道沿線や尾根伝いがブナ原生林で、剣山地の東部で面積的に一番まとまりのあるブナ原生林はこのあたりです。
高城山山頂からブナ原生林を眺める

↓ この日は一日中ブナ林を歩きまわったので、高城山に登る北側の尾根一帯も調べました。西砥石権現から標高差で150mほど降った鞍部に 「ファガスの森 高城」 があります。ここの管理人の地下足袋王子様は高城山を知悉する森の主だから、立ち寄って 「高城山で一番の巨木はどこにありますか?」 と話を伺おうとしましたが、本日は定休日で王子様はみえませんでした。 ところで、写真にスギ植林が見えています。悪名高い林野庁の戦後の拡大造林政策で、日本全国で奥山のブナ原生林が伐採されました。 「ブナ林退治」 などというとんでもない標語までありました。高城山にも林野庁の悪行政の魔の手は伸びて、海抜1300mという高所まで、場所によっては1500mまでスギ植林が拡大されました。よくまあ、これだけでもブナ原生林が残ったものです。林野庁の行った事業は赤字の垂れ流し、税金の流し込みばかりで、木材価格形成の需給を歪めたし、国内林業を奨励するのかと思ったらその一方で外国木材の輸入促進で、結局害毒を流すだけのお役所でしたわ。

ジリジリと言論統制・言論弾圧が始まっていますので、あまり言よったら粛清される危険性があってマズイのですが、政府の統治っていったい何でしょうかね? 肥大化する官制経済が民間の自由な経済活動にふたをし、逆に民間にやらせちゃあかん分野をやたらに民営化して結局外資 (アメリカ金融資本) に貢いでいます。何をどうするかの彼らの行動基準は天下り組織をいかにこしらえるかであって、天下り組織にいかに持参金を彼らのお財布の特別会計等から流し込むのかが腕のみせどころ! カネが足らなきゃ増税だあぁ! 大きな疑問は、医療とか福祉には財源不足が声高に叫ばれるのに、彼らが強引に進めたい政策には財源は打ち出の小づちのマカ不思議! よしんば、100歩譲ってTPPを可としたら関税という 「税収」 が減るわけですが、この財源不足を言わない不思議! この国は不思議だらけです。いちおう法治国家がタテマエだから何事も法律を作って事を進めますが、法律の文案はみな高級役人の作文です。自分らに都合よくこしらえるお手盛りです。その根拠は法案は8割が内閣法制局の出したも。一部議員立法がありますがひと皮むけばそのほうが法律の成立が早いから形式的にそうしているだけとの見方も‥。国会は国の唯一の立法機関だと憲法に規定しているのに、国会議員などただの法案賛成要員でしかありません。かつての総会屋が裏で取り仕切った株主シャンシャン総会とどう違うのか? ほとんど変わりませんわね。

高城山への北側の尾根


本日 (9月23日) の観察で確認した巨木たち
モミです。海抜1150mぐらいのところです。このあたりはモミからウラジロモミに替わる移行帯です。剣山では、おおむね1000mまではモミ、1800mまではウラジロモミ、1800m以上はシコクシラベ (シラビソの四国地方の変種) と変化していくのですが山地における棲み分けの典型例です。これら3種のモミ類は酷似していて植物にあまり関心がない登山者やハイカーでは識別困難のようです。棲み分けといっても、海抜1000mで画然と替わるわけではなく、標高差で100~200mの範囲でモミとウラジロモミの混在する移行帯が観察できます。 
モミの大木
本日確認した一番大きなモミは幹周268cmでした。あまり大きなものはなかったのですが、もう少し標高が低いところでよく探せば幹周3m超はあると思います。
幹周268cm


一日かけて見つけたブナ巨樹がたった幹周4m
本日ブナ原生林をさんざん歩きまわって見つけた一番大きなブナの巨樹です。威風堂々として風格はありますが、幹周は地上130cmで393cmです。大きいことは大きいのですが、徳島平野を横切って来るさいに、板野町や石井町や神山町で通りすがりの鎮守の森にそこかしこに幹周7mとか8mとか10m超のクスノキやイチョウの巨木が沢山ありました。それと比べると幹周4mのブナの巨木といえども貧相に見えますわ。
ブナの大木
ブナの大木
四国のブナはやっぱり、ごつごつとして幹に地衣類の着生が多く、風格はありますが野武士という感じです。スラと真っ直ぐでシラカバと見間違えるほど白くて貴婦人みたいな本州の日本海側のブナとかなり異なります。シイをスダジイとコジイに分けるみたいに、むかしコハブナ (葉の小さなブナ) と別種扱いされかかったことがありましたよね。
ブナの大木
幹周はたった393cmしかありません。
幹周は393cm


風倒木や立ち枯れが非常に多い!
ブナ原生林に幹周10mというとてつもない巨樹がないのは、風倒木や立ち枯れが多いことと大いに関連がありそうです。幹周3mとか4mになっても、高標高地であるから土壌が薄く風も強く気温も低く生育環境が厳しいわけです。で、台風の暴風で倒れたり、大枝が欠損して害菌が侵入し枯らされる、結局大きくなれないのではないか? と見ます。ブナ原生林では幹周3~4mまでは見られますが、それ以上の巨樹がなかなかない理由ではないか? 「その樹種の本来の性質で大きくない」 というだけではなさそうな感じがします。
ブナの風倒木か?
この立ち枯れ木は腐朽が進んでいるために樹種を特定するのが非常に難しいのですが、横倒しになった部分に毒茸のツキヨタケが生えているからブナであろうかと思います。↓ の硬質のキノコはコフキサルノコシカケの近縁種だと思われますが、微妙に違うところがあって正確にはハッキリ分かりません。幹周は357cmです。
幹周357cm




巨樹・巨木林のビッグデータを調べたら、見えてくるもの
徳島県で巨樹となる樹木にはどういうものがあるのか?
環境省の巨樹・巨木林データベース をフル活用して調べてみました。次のグラフにある通りですが、おおよそ50種ほどの樹種で巨樹が記録されています。なお、シイノキというのはスダジイ、ツブラジイ、シイノキと3つに分散収録されていたから一つにまとめました。なお、これら50種ほどは一部の例外 (ブナやヨグソミネバリやイタヤカエデなど) を除けば、徳島県の平野部や人里あるいは山間部の山里で見られる樹木ばかりです。ていうか、人里の寺社林などを中心にして調査された結果なのだから、それは当たり前といえば当たり前です。
徳島県の巨樹の出現頻度順



次に、それぞれの樹種が、最大限でどこまで巨大になるのか調べた。
その方法として、データベースをフル活用して、それぞれの樹種で全国ベスト10をしらべ、その10個のデータを平均した。平均したのは、トップ一つだけでは突出した数字である場合があるので、先頭集団の大まかな数値を示すためです。たとえば、クスノキでは最大限で幹周が20mぐらいにまでなる可能性があるということです。奥山のブナならば幹周7m台で打ち止めということで、それ以上にはならないわけです。
樹木はどこまで巨大になれるのか?
↑ 赤く着色したものは、高城山や雲早山のブナ原生林で見られる樹種。なお、モミは海抜1000mあまりまでで、標高が高くなるとウラジロモミにかわる。標高1000~1200mあたりは両種が混在する移行帯。


下表は、上記グラフの元になった詳細なデータ。
樹種ごとの巨樹全国ランキング上位10傑



簡単に考察すると
2枚目のグラフで赤く着色したのは、高城山や雲早山のブナ帯 (ブナ原生林) で見られる樹木です。これで一目瞭然です。奥山のブナ原生林に本当に大きな巨樹がないのは、そもそも巨大になる種類の樹 (クスノキやイチョウやスギ) がないためであります。

●なお、1枚目のグラフで1本だけ巨樹が出現した樹種で、ヨグソミネバリ、イタヤカエデ、コウヤマキ、ヒメコマツはブナ帯の植物です。これらも高城山のブナ原生林中で見られます。念のためにこれらの樹木の最大限の大きさも調べてみます。なお、標高が高くなるとモミはウラジロモミに変わるのでこれも調べます。ブナ帯で比較的大きな樹、サワグルミ、ヒメシャラもついでに。ほかにもミズナラ、ハリギリも。
四国のブナ帯で比較的に大きくなる樹木
これらのブナ原生林で比較的に大きくなる樹種を加えてグラフを作りなおすと、
ブナ林の樹種を加えてグラフを作りなおすと

ヨグソミネバリ(390cm)、イタヤカエデ(602cm)、コウヤマキ(600cm)、ヒメコマツ(425cm)、ウラジロモミ(452cm)、サワグルミ(563cm)、ヒメシャラ(340cm)、ミズナラ(884cm)、ハリギリ(630cm)、結局、度肝をぬかれるような巨大になる樹種は一つもありません。平地にある巨大になる樹種よりも小さめのものが多いです。

①、ミズナラが比較的に大きいですが、これは陽樹でブナ帯の二次林を形成する樹種でして、鬱蒼と茂るブナ原生林にはあまりありません。

②、トチノキも最大限で幹周10mまで生長するといってもクスノキの半分ですし、トチノキはブナ原生林というよりもやや標高が低いところの渓畔林を形成する樹木です。

③、それから問題はカツラですが、これはイチョウ並みに大きくなりますが徳島県の山では少ないし、株立ちになる性質が強すぎて幹周の割には大きくは見えません。沖縄県のガジュマルほどではありませんが、カツラの樹もかなり特殊な樹形であまり大きく見えないんですわ。それにトチノキと同じように水分を好む樹木で、渓畔林の構成樹種でもあります。 日本一の権現山の大カツラ (幹周20m) もやはり株立ちで、主幹はすぐ上で細くなる。


以上の3点から、高城山や雲早山などの奥山の鬱蒼としげるブナ原生林では、ブナが事実上一番大きな樹なのですけれども、しかし日本全国の巨樹データをみても最大限で幹周7mどまりで、クスノキのように巨大になることはないのです。



ブナは、そもそも巨大になる樹木ではない
↓ 森の駅 (?) ファガスの森 高城 の周辺のブナ原生林。海抜約1300mです。鬱蒼と茂ってはいますが、巨樹はせいぜい幹周3~4mまでです。徳島平野の幹周10mみたいな化け物巨樹は全く見たことがありません。

なお、余計なことではありましょうが、ファガス森 高城のキャッチコピーに、「剣山スーパー林道ぞい。ブナやシイ、ナラが青々と茂る森の中だ。」 というのはどう考えてもヘンです。ファガス森の敷地内に4等三角点1301mがあります。この標高ではシイなどある筈がなく、暖温帯下部の表徴種のシイは海抜600mあたりで消えますわ。ナラをコナラではなくミズナラと解するならばこれでいいのですが、シイは何とかならないものだろうか? シイの替わりに何がいいだろうか? 2字なので、「トチ」 とか 「ツガ」 とか 「モミ=ウラジロモミの省略形」 あたりか?
ファガスの森の周辺のブナ原生林
↓ 徳島のヘソのところのブナ原生林です。海抜約1500m。ブナ原生林を観察すると、鬱蒼と茂ってはいますが幹周2mから2m半が大半であろうかと思われます。度肝を抜かれるような巨木がないのは、ひとつの理由として、海抜が高いだけに気温が低く、植物がどんどん生長するための積算温度が不足しているためではないか? 自然が豊かなハズの北海道に主幹が10m超の巨樹がないのと同じ理由か? (北海道で最大の巨樹は主幹が910cmのミズナラとカツラのようです。)
徳島のヘソの近く




徳島県 神山町の巨樹 幹周9位のイチイガシを観察
都道府県別のイチイガシ巨樹数

都道府県別のイチイガシ巨樹の階級分布


神山町 神領本上角 (じんりょうほんうえつの) というところにある本上角八幡神社です。入り口に (実はこれは裏側ですが) まるで門番みたいに2本の巨樹が出迎えてくれます。左側はイチイガシでほぼ幹周は6mです。右側はスギで幹周は5m余りです。 近くに 神山温泉 というのがあって、高城山や雲早山に登った山登りが帰りしなに、ここに寄って汗を流します。吾輩も何べんか入ったのですけれども、その神山温泉からこの巨樹がよく見えています。 さらに、近くに 道の駅 神山 があって神山町でこしらえた物産が売られています。神山町のシイタケとか山芋とか、春にはタケノコや山菜など豊富です。これらの品目は放射能汚染されやすい品目ですが、九州と四国、この2つの島はいまや日本の聖域で、ここで購入した物は安心です。なんべんでも放射脳を言うのですけれども、安全な食べ物をこしらえる聖域の九州で川内原発を再稼働し、おなじく聖域の四国の伊方原発の再稼働をたくらとは、この国は (この国の支配者どもは) 完全に狂っていますね。フクイチ原発が全く解決もできていないのに、再稼働とは全く正気の沙汰でありません。

本上角八幡神社の巨樹たち
↓ 大変太い立派な幹です。威風堂々としています。樹皮が特徴的で、表面は意外につるんとしていますが亀甲状の割れ目ができています。目をこらしてよく観察しましょう。巨木は遥か高い所で枝を広げ花や葉をつけます。手が届かず、双眼鏡で見てもハッキリせず、何の木なのか樹皮しか手がかりがない場合もあります。色々な大きさの樹皮をしっかりと覚えましょう。(樹の生長につれて樹皮の様子も変わることがありますし、個体差もあるし)
イチイガシの幹
↓ たしかイチイガシは、用材としての価値はカシ類では一番だからイチイガシ (一位樫) と言うようになった、でしたか? 真っ直ぐで太い幹が立ち上がるので長尺の材木が沢山とれそうです。幹の直径が2m近いから大きな臼でも作れそうです。これだけ太い幹ならば縄文式丸木舟 (?) も作れそう‥。
真っ直ぐで太い幹が立ち上がる
↓ 神山の名木第13号ということですが、神山町指定の天然記念物?? 天然記念物と名木は別物??
神山の名木第13号
↓ 幹周は5m94センチです。環境省のデータベースでは580センチです。 (1988年調べ) 必ずしも14センチ大きくなったとは言えません。地面が平らではなく根元に腐植が厚く積もっているから、どこをどう測るのか、測定者によって数字が若干変わる可能性がありそうなので‥。
幹周5m94センチ


人里の樹木が巨大になれる理由
どぎもを抜くような巨大な樹というのは、常識とちがって奥山の鬱蒼と茂る原生林にあるのではありません。本当の巨樹というのは身近な人里にあるものなのです。多くの人々とりわけ自然観察を熱心にするナチュラリストでも勘違いしている人が多いようです。それはさておき、なぜ人里の樹木が巨大になるのか? 巨大になれるのか? いろいろな理由が考えられます。

①、人里に、その樹種の本来の性質として、そもそも巨大になる樹種がある。
②、人里は沖積平野であり、土壌が深く水分や養分も多く、樹がよく育つ。
③、少し山手でも洪積台地で、山奥の岩だらけの荒れ地よりも生育条件がいい。
④、人里は標高が低いから気温が高く、冬以外の生育期間が長い。
⑤、ある程度樹が大きくなったら、ご神木としてヒトが大事に保護する。

などが考えられますが、次の写真が雄弁に物語っていますが、人里の樹はある程度大きくなったら、野中の一本杉であったり、街中の一本松であったり、つまり 「独立樹」 の傾向が強いです。鬱蒼と茂る森林の中で押し合いへし合い、陽光を求めて競争している状態とは全くことなります。独立樹ならばさんさんと降り注ぐ太陽の光を独り占めできます。なんといっても植物は太陽の光によく当ってこそ育つものです。幹を太らすセルロースやリグニンなどの有機高分子の製造の源は光合成であり、どんどん太陽の光にあたってこそ幹が太る材料をこしらえることができます。 ↓ の写真はイチイガシとスギを別の方向から見たものですが、樹の周囲は開けています。樹全体にどの枝もどの葉にも太陽がよくあたります。たとえ日蔭側の葉であっても大空全体からの散乱光があたります。この状態は大木に育つ条件で、この樹は幹周10mをめざして生長していくでしょう。


巨樹の周囲は開けている

ただし、独立樹の弱点は、台風の暴風に倒されるリスクや、雷が落ちて樹が傷むリスクが高いでしょうけれども、それでも人里の平地に巨樹が多いということは、リスクを帳消しにするだけの良い生育条件であるということではないか?



神山町で2番目に大きなスギの木
●スギは吾輩の考えによると語源的には 「直ぐ」 という形容詞が名詞に単純に転用されたものであって、真っ直ぐなという意味であります。意味は同じであっても 「直ぐ木」 という説は間違っている。林業上もっとも重要な樹種なので広く植林され、このヒトの手で植えられることによって分布が撹乱され、本来の自然分布域がどのあたりか分からなくなっていますが、本州北部から九州・屋久島に至るブナ帯下部あたりが本来の分布域ではないかといわれていますね。ひょっとしたら暖帯上部 (中間温帯) あたりにもあったのかもしれません。ま、全島ほとんどが暖帯下部に当たる淡路島には真の自生のスギはないだろうと吾輩は思います。淡路島にあるのはヒトが植えたものか、それらが種子を散布して野生化したものであろうかと思います。 スギの特徴の一つは日本で一番大きくなる木であります。抜群の樹高を誇るのがスギで、まえに高野山に参詣したら、参道に沿って樹高50m超のスギが並ぶのは壮観でした。日本で一番高い木はみなスギで、70m前後の記録がいくつかあるようですが、いちおう、実測されたもので現存する最も高いスギの木は高知県の大豊町の 「杉の大スギ」 の68mか? 環境省の巨樹・巨木林データベースで検索すると、樹高80mが4本、72mが1本、70mが6本ヒットしますが胡散臭い感じ。80とか70などというキリがいい数字は実測じゃなくて目測だ。ようするにテキトーな数字です。幹周305センチで樹高80mちゅうのは嘘だ。モミが80m、イチョウが70mちゅうのもインチキ臭いよね。環境省のデータベースはときどき変なデータが混ざっているから注意がいります。

環境省の巨樹・巨木林データベースは、あれこれと抽出条件設定して検索して調べてみると、データの信頼性にやや不確かな面がありそうな感じです。同一の巨樹が二重に登録されているんじゃないか? というケースがかなりありそうです。いまでも巨樹の報告を受けつけているというから、以前報告された巨樹が後から来た人が調査して重複して報告するとか? そういうチェックはちゃんとしているのだろうか? それから、樹木は高いところで枝を広げ葉をつけます。樹木の同定には、分類学専攻の専門家でもてこづる場合があるようです。小学生でも、誰でも、調査できて報告が出来るということにすると、樹種の同定という肝心かなめの部分を誰がどうチェックしているんだろうか? 種の同定に疑問が生じた場合に備えて 「標本の提出」 の義務付けが必要じゃないか?

●むかし、もう40年ぐらい前ですが、三重県の伊勢の神宮の宮域林で1泊2日の研修を受けたことがあります。山小屋みたいな研修施設があってそこで集団で寝泊まりし、スギ植林の枝打ちをするという研修です。伊勢の神宮は広大な山林を所有していて、200年がかりで造林・育林事業に取り組んでいるのですが、身分は宗教法人の職員であっても実際は林業の専門家が事にあたっています。で、研修生が神宮司庁営林部長という肩書の担当官に 「伊勢神宮で一番大きなスギは何mぐらいの高さですか?」 と質問しましたところ、「100m近いものがあります」 という返答です。40年前のハナシですがハッキリとそう記憶しています。林業の専門家がそう言うのだから、まんざら嘘ではなく、伊勢神宮の背後の神域には100m近い巨樹があるのでしょう。90mとか、95mとかでしょうかね? ただ、学術調査隊でもそう簡単に入れない聖域の杜 (もり) なので実態は神秘のベールに包まれていますね。


都道府県別のスギ巨樹数

都道府県別のスギ巨樹の階級分布

奈良県の面積、3690平方キロ、スギ巨樹数 806本
滋賀県の面積、4017平方キロ、スギ巨樹数 725本
両県面積合計、7707平方キロ、スギ巨樹数1531本 10平方キロあたり1.99本

新潟県の面積12584平方キロ、スギ巨樹数1323本 10平方キロあたり1.05本

各府県の面積差を考慮すると、新潟県が多いわけではなく、むしろ少ないぐらい。



神山町で幹周第8位のスギの巨樹を観察
神山町で一番大きなスギの巨樹は、焼山寺から続く尾根の峠にあります。険しいお遍路道の峠なのですが行くのが大変なところなので、替わりに神山町で2番目のスギを観察しました。一番大きなスギは今度焼山寺に参詣したときに、焼山寺のスギ巨木林と併せて観察したいと思います。 で、とりあえず2番目のスギの自生地をめざして斜面を登ってきました。やや高地性集落の神山町阿野宮分という集落の鎮守のお宮にあります。見下ろした景色の中を流れる川は鮎喰川 (あくいがわ) ですが、ここでアユ釣りをするのは徳島市の人で、地元の神山町の人らはアユなど釣らないそうな。川の水量が少ないし、アユの稚魚の放流が少ないので面白くないとか‥。アユ釣りは吉野川本流がいいということか?
鮎喰川を見下ろす山の斜面に登ってきた
↓ 何本かのスギの巨木があります。モミの木の巨木もあります。石垣が丁寧に積まれているのが目を引きます。わずか20軒か30軒と思われる集落のお宮ですが、手入れや管理が行き届いて立派な鎮守のお宮です。
鎮守のお宮にスギ巨樹林がある
↓ 左手宮八幡宮といういわくありげな名前のお宮です。なんて読むのか地元の人に聞いたら、「さでみやはちまん」 と読むそうだ。なお、環境省の巨樹・巨木林データベースでは 「右手宮八幡神社」 と誤記しています。
左手宮八幡宮といういわくありげな名前
↓ 高さ10mぐらいの階段を上がるとすぐ右にそのスギ巨樹があります。地面は平で、幹はまっすぐで、同じ太さで立ち上がっています。これは幹周の計測は簡単です。
巨大スギ
↓ 真っ直ぐに太い幹が立ち昇っています。これを用材としたら長尺の材木が沢山取れそうですが、枝があるので節が多いかも? 何百年かむかしこれを植えたと思われますが、お宮の森厳さを出す風致林として植えたことも考えられるし、将来のご本殿建て直しの用材が目的だったことも考えられます。どちらだろうか?
見上げると首が痛い

幹周は6m25センチだ。環境省の1988年調査では6m01センチ。
幹周は6m25センチ

このスギ巨樹の生長速度は、幹周1センチ/年程度か?
環境省による1988年の調査でこのスギ巨樹の幹周は601センチです。吾輩が2015年に測ったら625センチです。27年間で24センチ幹周が増えています。年0.89センチの生長で、大雑把に年1センチだと言っていいのではないか? この樹のいいところは写真を見ても分かる通り根上がりでもないし、傾いているわけでもないし、異常なふくらみがあるわけでもありません。また地面そのものが平らでどこをどう測るか、ああでもない、こうでもない、と悩む必要がありません。地面から130センチの高さがどこか全く明瞭です。で、誰が測っても測定数値にほとんど違いがないと思われます。で、年およそ1センチの幹周生長量だというのは信憑性が高いです。 さすればこの樹の樹齢は約600年となってしまいますが、やや過大な感じがします。で、若い時には生長が早かったが、巨樹になってから生長速度が落ちているのではないか?



徳島県 神山町で一番大きなクスノキ
神山町で最大のクスノキ巨樹! 
雲早山や高城山のブナ原生林にはこんな巨大な樹はない。 


↓ 徳島県神山町で一番大きなクスノキであります。環境省の巨樹・巨木林データベースでは、幹周1116センチ (主幹735センチ) であります。1988年の調査による数字です。山の斜面というか、ほとんど崖に近いような傾斜のところにあるので、どこをどう測るのか測定者により色々な解釈が出てきそうです。で、この数字が絶対の信頼性があるとは思わないし、おおいに疑ってかかる必要がありますが、じゃあ自分なりに測ろうとするならば、写真でみても相当な足場の悪さです。怪我をしては損だから自分で測るのは止めた。それにテイカカズラなどの蔓植物がびっしりと張りついていて、幹周の計測には困難を極めると思われます。

●環境省の測定数字は、このクスノキの上側 (山手側) を測っているものと思われます。主幹と側幹の2本に分岐している箇所のすぐ上あたりを測ったのではないか? 太い主幹の根元近くから側幹が出ていて株立ち巨樹として測っているものと思われます。主幹の幹周が735センチ、側幹の幹周が381センチで、合計で1116センチであろうかと思われます。しかしながら、この環境省の表示のしかたには異議があるところで、主幹と側幹の外周長を単純に合計しただけでは数字が過大になるという欠陥があるから、その改善策として主幹と側幹のそれぞれの断面積を合成して1本の幹というものを想定するならば、おそらくこのクスノキは幹周825センチぐらいだと考えられます。そう考えると、幹周10mに満たないわけでそれほどの巨樹ではありません。しかし斜面の下から見上げると測定箇所は5mぐらい上になってしまうから、この樹の根元を見ていると幹周10mクラスの巨樹に見えるのも事実です。巨樹の大きさの評価の仕方は単純な一つの数字で表わすのはどだい無理がありそうで、非常に難しいものです。 この大クスノキは神山町阿野福原にあります。


神山町で一番大きなクスノキ

↓ 根元の太さに比すれば、樹冠の広がりとか大きさはかなり貧弱です。貧弱とはいえ、シイノキが優占する暖帯照葉樹林の林冠の上に突き抜けているのは巨樹として面目躍如としています。しかしながら、もうすこしモコモコと入道雲みたいに茂ってほしいところ。ちょっと枝がまばらで透いています。これでは巨樹の風格がありません。
神山町で一番大きなクスノキ

●すこし余談ですが、照葉樹林を構成する樹木たちは、葉が厚く、葉の表面のクチクラ層が発達してテカテカと光沢があり、陽光が樹冠の葉群を透過しないために林床が暗いというイメージがあります。たしかに一般的にはそうですが、クスノキは例外で夏緑樹林のように林床が比較的に明るいです。たぶん、これはクスノキの葉の寿命が短い為ではないか? ふつう常緑樹の個々の葉の寿命は2~3年ですが、クスノキの葉の寿命は1年限りです。春4月ごろに旧葉は全部落ちて新葉に入れ変わります。ところがシイノキなどを観察すると5月ごろに新旧の葉が入れ変わっているのですけれども旧葉が全部落ちるわけじゃないです。つまり、シイノキの葉は寿命が長いがゆえに単位面積あたりの葉が多い、クスノキの葉は少ない、これが林床の明るさの差になっているのではないか。そう考えるとこの神山町最大のクスノキの林冠が貧弱で葉枝の茂り具合がやや貧弱なるのは、種としての性質が現われているだけかもしれません。


都道府県別クスノキ巨樹数

都道府県別クスノキ巨樹の階級分布


日本で一番大きな樹はクスノキ
と一口で申せば語弊があるのですけれども、幹がとてつもなく太くなるということでは間違いなくクスノキです。樹高があって見上げるような立派な樹ということではスギでありましょう。その次に来るのがイチョウか? イチョウの欠点は株立ちになりやすいということでありましょう。北日本に多いカツラもそうです。株立ちになってしまえば、巨大なワケギみたいなもので薪雑把という言葉が浮かんでくるぐらいで、数字の割に巨大には見えません。 ところで、環境省の資料を閲覧しても、データベースであれこれ抽出して調べても、驚くのは北海道の巨樹の少なさです。北海道といえば人口が少ないがゆえに日本で一番手つかずの自然が残るハズなのに、巨樹が少なく幹周10m超の巨樹はないようです。青森以南の都府県にはすべて幹周10mを遥かに超える巨樹が存在しています。面積が狭く人口密集で自然が残り少ないハズの東京都や大阪府に幹周10m超の巨樹が沢山どころか、東京都は日本有数の巨樹地帯です。東京に巨樹が多いのは山間部の奥多摩地区の徹底的な調査がなされたこともありますが、お寺や神社や公園などの数が多くその歴史が長いためだろうと思われます。

●北海道に巨樹が少ないとは意外といえば意外ですが、ここまで見てきたら理由はハッキリしています。北海道に巨樹が少ないのは、日本で本当に巨樹になる樹種のクスノキやスギの分布域から外れてしまうのが最大の要因でしょう。スギならば渡島半島南部に少しあるようですが、スギのとてつもない巨樹があるのは屋久島を除けばみな寺社林です。イチョウもそうですがイチョウは札幌にもたくさんあるようですが、巨樹が少ないのは寺社の歴史の短さのためではないか? 樹齢千年のイチョウの巨樹に育つにはその寺が最低千年の歴史がある必要があります。 さて、雲早山や高城山のブナ原生林は夏に行けば鬱蒼としていて立派な森です。しかしながら幹周10m近いような大きな樹など全く見たことがありません。せいぜい幹周4mぐらいまでです。これも理由は同じです。奥山のブナ原生林は、クスノキやスギやイチョウなどの分布域から外れます。また、奥山には人が住んでいないからそれらの樹が植えられることもありません。 なお、スギの植林ならばありますがこれはスギの畑なのであって、ある程度の大きさになったら伐られます。林業は巨樹を育てているのでは全くありません。林業とはあくまでもスギという作物を栽培している農業の一形態なのです。


参考】 ↓ カツラの大木です。2015年6月4日撮影。奥野々山 (1159m) 中腹のボロボロの滝の入り口海抜650m地点のもの。北日本の大木にはカツラが多いが、根元から複数の幹がたくさん分岐する傾向が強い樹種です。で、たいして大木ではなくても幹周合計値がやたらに大きくなります。徳島県 つるぎ町 のサイトに徳島県一のカツラの樹の写真がありますが、幹周1035センチもあるというのに、根元からの分岐が激しく、あまり大きな樹に見えませんわ。
カツラの大木
↓ カツラの葉です。カツラは北日本の樹木というイメージが強いですが、徳島県の剣山系でも暖帯上部 (中間温帯) を中心にしてあることはあります。 (沢山あるというわけではない。)
カツラの葉


200年後はどうなるのか?
日本中、スギの巨木林だらけかも?

なお、200年後はどうなるか? 安い外国木材が入り続けて、比較劣位の国内林業の不振が続くならば、スギ植林は放置されます。常識的にはスギはやがてみなダメになると思われていますが、実は違います。間伐など管理がされなくても全部がモヤシになるわけじゃありません。個々のスギの立地には微妙な優劣があるし、成育に早いものと遅いものがあります。他のスギの上に自分が枝を広げた者が適者生存し(運者生存かも?)、 適度に自然間引きが作用します。つまり、生き残るスギも沢山あるハズで、200年後には、幕藩時代に土佐藩が植えた高知県梁瀬千本山みたいに日本中スギ巨木林だらけになるのではないか? と予想しますね。ときどき豪雨で紀伊半島などスギ山がメタメタに斜面崩壊しますが、自然の摂理から申せばこれも自然間引きの範疇内です。 超長期的に見れば豪雨のたびごとにスギ山がやらると、やられた後には広葉樹が進入してきます。うまくスギ純林 → 針広混交林に遷移しているということなのです。




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