雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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巨樹・巨木というのは、その多くが平野部や人里にあるのであって、深山のブナの原生林にあるのでは決してない。 (その4)
徳島県における常連巨樹ベスト4は、クスノキ・スギ・イチョウ・ムクノキ

●ちょっと情報としては古くなっていますが、1991年に環境省が発表した 第4回基礎調査巨樹・巨木林 (中国・四国版) を閲覧し詳細にチャックしてみました。おそらく数百~数千人の人々が日本列島を歩いて調べ上げたビッグデータから鮮やかに浮かび上がるのは、巨樹というのはごく限られた樹種で大半を占めているということです。数字の羅列はひと目見てパッと分かる一覧性に欠けるので、徳島県のデータを度数分布グラフに加工しました。

徳島県の巨樹の樹種別出現度数分布

●徳島県では、1003本確認された巨木のうち (もちろん未発見巨木は多数あるでしょうが、とりあえず資料はこれしかない)、 僅かな樹種で大半を占めます。グラフ中に記入したように、クスノキ、スギ、イチョウ、ムクノキのたった4樹種で768本、全体の76.6パーセントを占めます。全国的には地方により気温等が大きくちがうから生育する樹木も変わり、上位群は若干の地方色があるものの、それでもクスノキ・スギ・イチョウは日本3大巨樹の木と言えましょう。 パレートの法則 というのは理論的な確固たる法則ではなくたんなる経験則ですが、僅か2割の要素のものが全体の数値の8割を占めているというものです。社会学の分野でいうところのパレートの法則が、自然現象の巨樹のデータも当てはまっているのが面白いです。


徳島県最大の巨木、乳保神社の大イチョウ 幹周17m23cm(主幹13m42cm) 徳島県板野郡上板町瀬部にあり。
乳保神社 (にゅうほじんじゃ) のイチョウは国指定の天然記念物なので国土地理院の地図に載ります。地図上の場所はここ ですが1本の樹木が地図に掲載されるというのはなかなか大したものです。
国の天然記念物
大イチョウの周囲に厳重にフェンスが張ってあります。フェンスの高さは180センチです。株立ちになっていて、どれが主幹なのかやや分かりにくいです。根元からたくさんの “ひこばえ” が出ていてにぎやかで、この幹周をどうやって測ったんやろうか? と計測不能みたいな印象がしますがし、測る人によって数値にかなりのバラツキが出そう‥。真の幹周は本当は分からないと思いますが、それはそれとして大変な巨木であるのは間違いないです。たぶん、イチョウという樹木の性質で、幹周が7~8mまでは主幹が1本立ちであるが、それ以上大きくなると主幹が太るのではなく “ひこばえ” が薪ざっぽうみたいに出てきて株立ちになるのではないか? この木の姿はカツラという樹種によく似ています。
周囲にフェンスを張り厳重に保護する
イチョウが御神体なのか? ご神木なのか? よく分かりませんが、仮にこの大イチョウが消滅したらこの神社はどうなるんでしょうかね? 解散か? いや違うな、たぶん2代目を植えるでしょう‥。親木から接穂を採取して苗木をこしらえるとか。でもソメイヨシノと同様の問題が出るのでは?
イチョウが御神体か?
巨大な気根 (きこん、空中に出る根) が出ています。大きなダイコンぐらいの太さです。亜熱帯の気根を出す樹木では、気根が地面まで届いて地中に入り樹体を支え補強しているように思えますが、イチョウは何のために気根を出すのであろうか? 地面まで気根が届くのは見たことがありません。気根がつっかい棒というわけでないし、沼地じゃないから気根から空気を取り込むということでもなさそうですし、なんじゃろか?
巨大な気根が垂れさがる
すこし離れて見ると巨大です。(写真じゃ巨樹の大迫力はわかりませんが)
少し離れて眺める


徳島県巨樹番付2位 旧 三加茂町の巨大クスノキ 幹周13m
加茂の大クス


日本全国にイチョウの巨樹は沢山あるが、イチョウは中国からの外来樹木。外来種を問題視する環境省にならって目のカタキにしよう!

●なお、付言するならば、巨樹は必ずしも自然現象ではなく、社会現象の範疇に入る可能性があります。環境省は自然環境調査の一環として巨樹・巨木林調査をやっているわけですが、平地の巨樹は大半が植栽品です。たとえばイチョウの巨樹は全国に無数にありますが、そもそも日本列島にはイチョウの自生などありません。イチョウは外来種なのです。イチョウは中国原産といわれますが詳しい原産地は全く不明で、有名な絶滅種です。ヒトの栽培下で生き残っている野生絶滅種であります。外来種のイチョウがあるということは、イチョウが占有している場所に本来あったであろう在来種樹木を圧迫しているわけです。イチョウはおもに寺社や公園に植えられていますが、畑にミカンやイネを植えるのとどう違うのか? 本質的には同じです。そういう意味では環境省の巨樹・巨木林調査は畑の作物の生育状況を調べるのと大して違わないわけです。

●クスノキやスギもしかり、いちおう日本在来種ですが、本来の自生地はどのあたりだったのか分からないほど分布が撹乱されています。クスノキは鬱蒼と茂った照葉樹林の原生林 (極相林) にはまず無く、多分に陽樹の性質を示しています。人里のクスノキはほとんど元は樟脳を採取するために植えたものです。スギは 「直ぐ」 という形容詞を名詞に転用したもので、真っ直ぐな木なので用材の価値がすこぶる高く、山の植林でも平地でもみな植えられたものです。寺社のスギにしても元は将来の本殿を建て替える為に用材として植えたものが、巨木になってしまい伐るのは勿体ない、注連縄をはって御神木にしようということなのです。こんなの、いくら調査しても実は自然環境の調査じゃ全くありません。 というのが吾輩が環境省のいろいろな政策に批判的で、 “環境という錦の御旗の名において税金を流し込む利権だ” という根拠です。自然環境の調査というのであれば、明らかな植栽品は除外すべきです。理想的には自生巨樹と植栽巨樹とに分けて調査するのがいいかな? 植物地理学でのフロラ (植物相) 調査では植栽品はすべて除外です! 自生品のみの調査ですよね! 

なお、自生の巨木は価値があるが、植栽の巨木は価値がない、などと言っているのでは全くありません。植栽巨木も巨大になるにつれ見る人に畏敬の念を起こさしめ、思わず手を合わせて願い事をしてしまいます。それはそれで価値があります。人の手で植栽し何百年と育てあげた巨木はいわば文化財でありましょう。国の天然記念物級の巨木は国宝と言っても過言ではありません。自然環境の調査をする環境省が、自然物と人工的な文化財とを一緒くたにするのは、他の自然調査と整合性がとれないのではないか? という疑問です。



500mほど南東に移動して、吉野川の堤防の上にあがりました。大イチョウが家々の屋根の上に悠然と樹冠を広げています。
吉野川の堤防のうえから遠望
堤防の上から西の方向を見ると高越山が見えています。高越山の北山麓に徳島県の巨樹3位の大きなクスノキがあります。2位は旧 三加茂町の有名な大クスノキです。徳島県の巨樹の上位群はクスノキとイチョウ、それからスギでがっちりと押さえています。ま、全国的にも同じ傾向ですが、平地になぜ巨樹が多いかの理由のひとつに、これらの巨大になる樹種が人里にあるということが言えましょう。
高越山が見えている
高台から徳島平野を見渡すと、おそらく巨樹・巨木があるであろう寺社の社叢林がよく見えます。家並みが続いていても都市部じゃないから建物よりも巨樹のほうが上に突き出しています。社叢林が海に浮かぶ無数の島みたいにみえます。こういうところでは巨樹を探すのは案外簡単なのでは? 都市部になると巨樹といえども最大限で樹高が40~50mでしょうから、ビルの陰になって見えらんですわね。
高台からは巨木のありかが良く分かる



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あきらめるのはまだ早い。何もしないのが一番いい。
本日は2015年9月28日 (月曜日) であります。

●午後から山の畑の手入れに行ってきましたが、ピーマンが鈴なりです。山の畑なのでそう頻繁に手入れに行けるわけではありません。基本的には放任栽培でも出来るものを作ります。またイノシシやシカの脅威にさらされるので、彼らが欲しがらないもの、さらに、空からカラスがつつきに来ないもの、という条件がついた作物しか作れません。動物たちの被食圧は想像以上に強いので、どうしても条件付き栽培になるのは仕方がありません。で、それらをクリア出来る最たるものがピーマンであります。たとえシカが畑に侵入してもピーマンなどには見向きもしません。山の野生植物をみてもシカたちはナス科の植物を嫌がるみたいです。イヌホウズキやハダカホウズキなど野生ナス科植物をシカは全く食べないですわ。それから、美食家のカラスさんもピーマンはつつかないです。吾輩の観察では栽培種でも野生種でもカラスさんがつつく果実は糖分を含むものです。糖分を含む果実はやられますが、糖分を含まない果菜は大丈夫です。ちなみにカラスウリ (淡路島南部にはカラスウリ、キカラスウリ、オオカラスウリが自生) はカラスと名につくのに、カラスが食べることはありません。



↓ 小さい葉の木はピーマンで、左側の列のものが木がちいさいのは台風の強風で欠損したためです。写真右側の大きな葉のものはウコンです。去年の暮にヒラタケとコクモンジの採集会をしたときに、参加したおばちゃん、もとい、お姉さんから頂戴した種芋を植えたものです。写真には一部が写っているだけですが、1m50センチぐらいの高さで、茎が10本ほどの株立ちになっています。ウコンはいつ芋掘りをするのでしょうかねえ? 年末やろか?
山のピーマン畑
↓ 赤いものは熟したものです。赤いものも食べられます。栄養価は赤いもののほうがビタミン類は青いものよりも2倍程度あります。つまり、ピーマンは赤くしたほうがよろしい。
赤いものは熟したもの
●肥料も全くやらないし、農薬も一切かけませんが、鈴なりです。典型的な落ち葉マルチ栽培で、畑に掻き集めた落ち葉を大量に投入しています。畑の土を厚い落ち葉で覆うので草も生えません。無除草栽培です。落ち葉はやがて腐植となりスポンジの上を歩くみたいなフワフワの腐葉土が厚く、全くの不耕起栽培ですがミミズが湧いて土を掻きまわします。つまり、ミミズは生物耕耘機なのです。土の上に厚い落ち葉層があるから、少々の干ばつでも下の土はしっとりと湿っています。つまり灌水の必要もなし。小面積の家庭菜園だからこそ可能な、また山の自然を観察して結論として行き着いた “栽培の理想形” だと自画自賛しています。

何もしないのが一番いい。
肥料をやらない、農薬もやらない、除草しない、耕さない、冠水もしない、何もしないのが一番いいわけです。愛媛県の有名な自然農法家みたいな主張に酷似していますが、彼の御本は読みましたが彼に感化されたわけでもないし信奉者でもありません。自分自身の独自の森の自然観察から導出された究極の栽培法です。現代農業はあれも、これも、何でもしますが、大量の需要を賄うためにやむを得ないのは分かるのですが、どこか間違っています。

鈴なり
↓ 本日の収穫
本日の収穫


本日の巨木観察 幹周4m75センチのカシの木
巨大なカシの木です。これも場所は残念ながら非公開であります。
巨大なカシの木
幹周4m75センチ

↓ 小さいけどマイタケが少しありました。これはあまり傷んでいません。 食べられそうです。あちこち探し回るとキノコの原基が形成され、小さなキノコの芽が顔を出しているのを見つけました。今年は気象が悪いのですが、あきらめるのはまだ早そうですわ。まだまだ探しますね。
本日の収穫


今年のマイタケは、盆以降の冷涼が裏目に出たようだ。
本日は2015年9月26日であります。

今年の淡路島産の天然マイタケはダメだあぁ! 残念。
●わが淡路島は (というよりも西日本全域は) お盆以降は気温が平年値を大きく下回り、夏とは思えない涼しさが続いたのですが、生物季節 (植物の開花とか、秋の虫の鳴きはじめとか‥) が大きく狂ってしまいました。吾輩の雑想庵の庭でも9月に入ったとたんススキが咲きはじめ、9月10日には早満開で1か月早かったです。で、キノコの発生も狂ってしまいました。例年は淡路島南部の森の中でマイタケが出るのは10月中旬~下旬です。今年は早出てしまいました。早く出るのは、それはそれでよろしいのですが、出た後に気温が平年並みか若干高めに戻ってしまいました。最悪の気温変化パターンです。夏の猛暑が9月まで続き、10月になってつるべ落としに気温が下がっていくのであれば問題ないのですが、一旦涼しくなってマイタケが異常に早く出てしまい、その後に気温が上がるとキノコが傷みやすいのです。最悪の場合は、キノコが傘を開かないうちに傷み、腐ってしまいます。今年はこの最悪のパターンになってしまいました。残念!



↓ 2015年9月26日、淡路島南部の森にて撮影。マイタケが出るには出ましたが、どうも調子が悪いです。寒暖の差があるのが問題というわけではなく、寒暖の変化のパターンがよろしくないようです。
2015年9月26日 淡路島南部の森にて
淡路島産の天然マイタケ

●良い所だけ少し採ってきましたが、例年のように親類縁者・知人友人・隣保町内会、あちこちにおすそわけする分がありません。早速に 「マイタケうどん」 をこしらえました。讃岐ウドンが見えませんが、上に載っている具は細かく裂いたマイタケ・刻み油揚げ・刻みネギです。また自画自賛を申すのですが、美味いですよ。天然マイタケは熱湯 (100度) で一挙に煮るのは厳禁で、比較的低温の70~80度の低めの温度帯が長くなるように調理するのがコツです。そうすると穏やかな旨味が醸成され、キノコがなめらかな舌触りになります。
マイタケうどん

●うどんはダシが決め手ですが、昆布は利尻昆布をお勧めします。利尻昆布は生産量が少なく、太平洋側産の昆布よりも2倍の値段ですが、リスク軽減のためにコストがかかるのはしかたがありません。なぜ、あえて利尻昆布を選択するのかは下のはめ込み借用した国土地理院地図をみれば、申すまでもありません。食品中の放射性物質の検査を公的機関がしていますが、検査しているのはあくまでも放射性セシウムだけです。放射性核種は沢山の種類があり半減期の長いものもあり、消えたわけではありません。甘く考えないことです。フクイチにしても、この国は北朝鮮なのかと思うほど報道管制が徹底してきて、マスゴミどもはフクイチをほとんど報道しなくなりましたが、大変なことになっているようですわね。この国は大丈夫なんでしょうかね?
ダシ取りは利尻昆布で



↓ ヒラタケも出ていますが、これもダメだあぁ!
ヒラタケも調子が悪い


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本日の巨木観察
↓ 山中にヤマザクラはたくさんありますが、いままで吾輩が淡路島南部の山中で見たヤマザクラでは一番大きいです。幹が隆々として風格があります。
ヤマザクラの巨木
↓ 大きな太い枝が5本分岐しています。その枝でもかなりの太さがあります。
太枝5本に分岐
↓ 根元に林道を補修したときの捨て土やコンクリート片でしょうか? 盛り上げて捨ててあります。このヤマザクラの生育に障害となるのではないか? なんとかしてほしいところです。
根元に、捨て土やコンクリート片が‥
↓ 幹周は3m55センチもあります。堂々とした巨木です。ヤマザクラという樹種にしてはかなりなものです。
幹周は3m55センチ



巨樹・巨木というのは、その多くが平野部や人里にあるのであって、深山のブナの原生林にあるのでは決してない。 (その3)
【考察の方法】

「巨樹・巨木というのは、その多くが平野部や人里にあるのであって、深山のブナの原生林にあるのでは決してない。」

両者の比較観察
本エントリは、上記の命題が正しいのか、間違っているのかを考察して、これが当っているということを明らかにしようとするものであります。その考察方法ですが、まず、平地の人里の巨樹巨木の実態を観察します。次に、深山の原生林を観察します。その後に両者を比較します。2つの物を比較するということは、片方をもう片方のモノサシや基準にすることであります。そうすることによってそれぞれの性質とか相違がハッキリと浮かび上がります。
作業仮説の設定と、その検証
それから、とりあえず、二つの作業仮説を設定します。この作業仮説は、当っているかもしれないし、外れているかもわかりません。真偽は不明です。これを実際の観察、現地での計測、文献調査から真偽を考えたいと思います。

作業仮説 ①、そもそも、人里には巨樹になる樹種があるが、深山の原生林には
         それがない。
作業仮説 ②、人里では巨樹になるまで生長可能であるが、深山の原生林では
         巨樹になる以前に枯れてします。


●調査フィールドとして選んだのは、申すまでもなく深山の原生林は高城山~砥石権現のブナ林です。これは林野庁のブナ林退治の悪政から免れた原生林で、徳島県内ではまとまった面積の良いブナ原生林です。人里の調査地としては高城山の北側山麓にあたる徳島県 神山町 (かみやまちょう) の巨樹・巨木林を調べます。


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剣山地の主稜線の北側、鮎喰川に沿った神山町
神山町は森林率が高く (スギ植林ばかりだが) 自然が豊かな良いところです。
剣山地の主稜線の北側の神山町
↓ 神山町役場を表敬訪問しましたが祭日なので誰もいません。前庭にスダチの巨木があります。神山町は山間部になるので冬は意外に冷え込み、冬の低温のため温州ミカンが栽培できず、低温に強いスダチが盛んに栽培されています。神山町の特産品です。ちなみに、剣山方面に峠を超えて木屋平村へ入るとさらに気温が下がりスダチ栽培も難しくなってユズが栽培されています。
神山町役場の前庭のスダチ古木
根元はミカン類としては大変太い

ありふれた鎮守のお宮に、ビックリの巨木がある!
神山町は巨樹・巨木の多い里です。鮎喰川にそって走るとあちこちに社叢林があるので立ち寄ってみると、どこにもビックリの巨樹があります。神山町で最大の巨樹は幹周13mのイチョウの木です。幹周5m超がズラリとある巨樹の村です。神山町役場から鮎喰川上流の方にむかって3.7キロにある 宇佐八幡神社という所 にやってきました。こんもりと茂る社叢林が見えたので立ち寄ったのですがビックリ仰天です。神社の入り口の近くに民家がありおばあちゃんが庭先にいたので聞いたら、そのあたりの集落の鎮守のお宮さんです。特別に崇敬範囲が広いとか、巨大な氏子を擁するとかではありません。ただの村の鎮守のお宮さんですが、巨木がズラリとあるのに仰天です。
宇佐八幡神社の社叢林
鳥居に架かる社号額
↓ 手水舎で手を洗うと、横にいきなり巨大クスノキがあるではないか! 目測で手前のが幹周4m50くらいか? 奥のものは5~6mクラスですね。
手洗鉢の横にいきなり巨大クスノキ
↓ 徳島県指定であるが天然記念物の巨樹があるらしい。でも、こんな説明看板の樹齢なんていい加減なものです。適当にハッタリを書くものです。
県指定の天然記念物があるらしい
↓ 鳥居をくぐり神門を通り抜けて鏡内に進むと仰天です。写真ではその臨場感は全くないのですが、これは巨大です。巨大なクスノキが2本もあります。
鏡内には巨大クスノキが2本ある!


手前の巨大クスノキは、幹周6m18センチ
唖然とする大きさです。見事すぎて声もでません。
神門のはるか上に大枝を広げる
見上げる
巨大な幹が立ち上がる
手前の方 (神門に近い方)
幹周6m18センチ


奥の巨大クスノキは、幹周6m87センチ
御神体はこのクスノキそのものではないか? と思えてきます。思わず手をあわせて願い事をしたくなるような巨大なクスノキです。ただし、畏敬の念を起こすような巨樹ですが、ただの大木であって願い事などしても叶いませんが‥。それにしても、高城山のブナ原生林にはこれほどの大木は全くありません。
本殿高く聳える巨樹
見上げる
太い幹が立ち上がる
奥の方のクスノキ巨樹
幹周6m87センチ


巨大スギ、幹周4m23センチ
この大きさはわが南あわじ市旧南淡町灘の諭鶴羽神社の大スギとほぼ同じですが、主幹や大枝に欠損がないから非常に大きく見えます。
巨大スギ
巨大スギ
幹周は4m23センチ


巨大スギ、幹周3m34センチ
スギは語源が 「直ぎ」 です。真っ直ぐな木という意味です。幹周3mちょっとでも太さがあまり変わらない幹が天空に向かってそそり立つので、幹周以上に非常に巨木に見えます。
スギは幹周3mでも物凄く巨大
幹周は3m34センチ


このウラジロガシでも幹周3mはありそう
巨大クスノキを見たらなんともかわいいものに見えますが、目測で3mありそうです。高いところで葉を茂らせているのでハッキリわかりませんが、樹皮等からウラジロガシと思われます。コジイの可能性もありそうですが、樹皮がコジイじゃないです。
ウラジロガシの巨樹


少し離れてみると、宇佐八幡神社の社叢林は巨樹・巨木ばかりであることが分かります。樹高はクスノキよりもスギの方が高いですが、ここのクスノキは樹高があります。仮に拝殿の階段の下から屋根のてっぺんまで高さ8mとすると、(それぐらいだと思います)一番高い木の樹高は37mぐらいか? 拝殿の屋根の高さを実測するとスギの樹高がほぼ正確に出てきそうです。案外もっと高いかも? 特別な神社ではなく、どこにでもあるという鎮守のお宮さんにこれだけの巨樹があるということは、巨樹は里にあることを雄弁に物語っています。
離れて見ると、巨樹ばかりの社叢林であることが分かる



巨樹・巨木というのは、その多くが平野部や人里にあるのであって、深山のブナの原生林にあるのでは決してない。 (その2)
本エントリーの表題は巨樹・巨木に関するものになっていますが、高城山に来た目的は第一にキノコ狩りであったわけですが、ついでと言うか、付け足しにブナ帯の巨樹を観察したということであります。で、本題にはいるまえに先ず観察したキノコの写真を陳列します。

 にしといしごんげん
西砥石権現 (標高1457m) のキノコたち

ツキヨタケ (有毒)
↓ ツキヨタケはブナの枯れ木に生えるキノコで、まずブナにしか生えません。希に違う木に生えることもあり、今回、吾輩はミズメの風倒木に少し生えているのを見てビックリしました。ブナの木が分布していない北海道中部~東部ではイタヤカエデに生えるというから、ブナ以外に絶対に生えないというわけではなさそう。ブナもミズメもイタヤカエデも冷温帯 (ブナ帯) の樹木ですから、瀬戸内地方では平地にはないキノコです。ただし、ブナの木材を平地に降ろして貯木場に置いているとツキヨタケが発生する可能性はあり得るでしょう。ツキヨタケは古くなると傘の表面が紫色~黒っぽくなることが多いです。
自然毒のリスクプロファイル:ツキヨタケOmphalotus guepiniformis (キシメジ科ツキヨタ属)

ツキヨタケのやや古いもの
↓ キノコの柄は短いですがあります。柄とひだの間にすこし隆起したリングがみられます。
ツキヨタケの裏面
↓ 傘をたてに裂くと傘の付け根に黒いしみがあります。ただし、黒いしみがあるのか、ないのか、ハッキリしない場合もあるので、注意がいります。
傘の付け根に黒いしみがある
↓ ツキヨタケの若いものでは紫色っぽくなく、あまり毒々しく見えません。また、古くなっても白っぽい感じのものもあって個体差がかなり大きいから要注意です。「これ食べられるかな?」 と思ったり、ヒラタケやムキタケやシイタケと誤認して中毒事件が後を絶たたないキノコです。これをしっかりと覚えれば、日本のキノコ中毒の半数近くが防げますね。
ツキヨタケの若いもの


スギヒラタケ (要注意)
かつては優れた食用菌でした。出しが良く出るキノコですが、鰹節や煮干しに匹敵するほどの濃厚なダシがでて、味噌汁にいれたらツルンとした食感とダシで非常に美味いキノコでした。吾輩もかつては雲早山の裏斜面のスギ林までスギヒラタケを採りに来て食べていました。ところが2004年に、突如として北陸地方から東北地方にかけて9県から、スギヒラタケが関係すると思われる急性脳症が報告され、新聞で大きく報道され大騒ぎになったのはキノコファンとしては記憶に新しいところです。厚生労働省の集計では2004年中に患者数59人、うちスギヒラタケを食べたことが確認できたのが55人、腎臓疾患を持つ人が51人、死亡者は17人で騒然となりました。それまでは北日本では普通に食べられていたキノコで、南の方でも吾輩のように採って食べていた人もいるハズです。誰もが食用キノコと信じて疑わなかったスギヒラタケから中毒死亡例が出たことは驚天動地の衝撃でした。
自然毒のリスクプロファイル:スギヒラタケPleurocybella porrigens (キシメジ科スギヒラタケ属)
研究者たちにより中毒原因物質の探求が続いているようですが、まだハッキリとは原因は解明されていないようですし、腎臓疾患とスギヒラタケ中毒の関連性が高いといっても腎臓疾患が無い健常者の中毒事例も報告されているようです。どういう場合に中毒するのか解明されたならば、食べても大丈夫な中毒防止法も分かるのですが、当分要注意キノコとして食べるなと厚生労働省も言っています。吾輩は腎臓疾患はないので99パーセント大丈夫と思うけど、知らず知らずのうちに腎機能が低下しているということも考えられ、食べて万一中毒したら、多分お医者様が保健所に連絡し中毒事例として厚生労働省に情報が行くでしょう。 「おまはん、うちのホームページをちゃんと見ているのに食べたんか!」 と叱られましょう。リスクは犯さない、ちょっとでも危ないと感じたらただちに退却がモットーなので、厚生労働省の言い付けは守ります。 

●ところで全くの素人考えですが、スギヒラタケはもともと問題のあるキノコで、食べた本人の健康状態により昔から中毒が起こっていた、けれども中毒症状の発現が遅延性でたべてから数日~1か月もたってからなので、食べた本人も、中毒を診察したお医者様も、よもやキノコ中毒なんて気がつかなかっただけ、ということではなかろうか? スギヒラタケ中毒による急性脳症であっても、お医者様が適当に別の原因あるいは原因不明と診断していた‥、と考えれば色々な疑問がうまく説明できてしまいます。たとえば何故2004年に突如としてスギヒラタケ中毒が出現したのか? 大きな疑問ですが、洞察の優れたお医者様が中毒とスギヒラタケの相関性・因果関係に気付いたということでしょうね。

いまではスギヒラタケは毒キノコ扱いですが、でもまあ、ほんまに、これの味噌汁は美味かったよな、勿体ないなあぁ‥。と、未練たらたら。北日本じゃまだ喰っている人がおるんちゃうか? ちなみに、英名ではスギヒラタケには エンゼル ウイング (天使の翼) なんていう素敵な名前がついています。

スギヒラタケ
比較的に小さなキノコです。裏側を観察するとひだは緻密です。
スギヒラタケ裏面


ヌメリツバタケ (食べられる)
あまり見栄えがせず積極的に採集されるキノコではありませんが、夏から秋にブナの風倒木などに出る小型のキノコです。柄は堅いので傘の部分だけ食べます。傘はぬめりがあって食感はいいのですが歯ごたえがありません。ヌメリツバタケはキノコ自体にあまり味がないので、濃い目の味噌汁に麩の替わりに浮かべると良いでしょう。山小屋 (たとえば剣山頂上ヒュッテとか) の朝食の味噌汁に入れたら登山者が喜ぶのではないかな?
ヌメリツバタケ


ブナハリタケ (食べられる)
ブナの風倒木などに瓦重ねにびっしりと生える白く清楚なキノコです。乾燥する尾根筋ではなく湿った谷筋に発生します。スポンジのように水をたっぷりと吸いこむキノコで、たくさん採取した場合は手でギュッと絞ると重量は5分の1ぐらいになって持ち運びにいいです。キノコは柔らかいですが強靭で、絞ったからと言って潰れることは全くありません。水を吸うと元に復元します。風倒木にびっしりと生えるキノコなので、見つけたら収量は多いです。 このキノコの特徴の一つは、なんといってもその香りです。マッタケの香りとは異なりますが、マッタケと同じ香り成分も含んでいて、なんとなくマッタケ似の強い香りがします。甘酸っぱいような香りで、沢山生えていれば10mぐらい離れていても香りがしてきます。
風倒木などにびっしりと生える
ご覧のようにキノコの傘の裏側は針状の突起がびっしりとあります。柔らかいので触っても痛いことはありません。
裏面には針状の突起が無数にある

●むかし、もう30年近く前のことですが、高城山で採ってきたブナハリタケとムキタケを、そのころ知り合いだった北海道出身の板前さんに渡しました。彼はこのブナハリタケを見て 「おお、これ北海道にあったわ、子供の頃食べたよな」 と喜んでブナハリタケは佃煮にすれば美味いんだと、佃煮にしてくれました。ブナハリタケの強烈な香りが時間をかけて煮締めることでほどよい香りとなり、ぼそぼそとした食感が滑らかな感じになって、プロ料理人の手にかかると欠点が長所に転じて、美味い佃煮になりました。という過去の個人的ないきさつがあって、吾輩はブナハリタケの佃煮がすきなのですが、何故か近年は高城山ではブナハリタケが非常に少なくなりました。籠に何杯も大量に採って塩漬けで保存したのも遠い昔になりつつあります。ブナハリタケに血圧降下作用があることが確認されています。大量に一年分採って塩漬で保存、年中食べると高血圧の人にはいいのですが、高城山であまり採れなくなったのは何故だろうか? (観察・考察していますが理由がハッキリしません)

地下足袋王子さんもブナハリタケを採取された。
ようです。ファガスの森 高城の管理人で、高城山の悟空・森の番人といわれる地下足袋王子さんが2時間かけてブナハリタケというのは、高城山のキノコの不毛を物語っているかもしれません。昔は、25年とか30年前にはヒラタケ、ムキタケ、ヌメリスギタケ、ナラタケ、地面に生えるホウキタケなどどっさりと採れました。もう少し遅くにはナメコもありました。長年この山域を訪問してキノコ狩りをしている目には、豊饒のキノコ山がキノコ不毛山になったように思えてなりません。なぜ、それらが激減したのでしょうかね?



疑似的マッタケ風味のエビ入りブナハリタケごはん
ブナハリタケは香りが強いので大量には入れません。天然キノコはゴミが付着していますから、よく掃除をして悪いところは思いきって切除します。半分捨てるぐらいでなければいけません。ここが栽培品と違うところです。それから天然キノコは虫が入っていることが多いから、一つ一つていねいにチェックします。
材料のブナハリタケ
ブナハリタケは水分をふくみやすいから、ぎゅうっっと絞ります。でないと、ご飯を炊くときの水加減が狂います。写真のように細かくカットします。
細かくカットする
材料はブナハリタケ、えび、ニンジン、油揚げです。ダシは、利尻昆布を使います。また放射脳を申すのですが、日本海側の利尻島は放射能の心配が少ないからです。太平洋側はパスですわ。それから香川県 伊吹島産の煮干し。
出来上がり
↑ 吾輩のこしらえた作品です。疑似的マッタケ風味の香りが高く、エビがたくさん入っていて、自画自賛ですがとても美味いですよ。毎年秋になったら、必ずブナハリタケを採りにいってこのブナハリタケご飯をこしらえています。


本物のマッタケはなかった。
ふつうマッタケはアカマツ (赤松) の林に出ます。瀬戸内地方の常識ではそうですが、じつはマッタケはアカマツ以外にも出るんですわ。中部山岳の山ではツガによく出てくるので、ツガマッタケと呼ばれています。徳島県の山のツガ林でも時にはツガマッタケが出てきます。しかし今回は尾根のツガ林を相当歩きましたが見つかりませんでした。ま、そう簡単にマッタケが採れたらマッタケの値打ちがないわけで‥。

↓岩の多い 尾根筋は乾燥するのでブナではなくツガ林になることが多いです。
尾根筋のツガ林
↓ 大木は意外に少なくようやく見つけたツガの巨木。
ツガの大木
↓ 根回りはかなり大きく、巨木の風格を感じさせます。
根周りはかなり大きい
↓ しかし、環境省の巨樹・巨木林調査マニュアルに従って計測すると2m79センチです。巨木の基準の3mに足りません。たぶん、山中をすべて調べれば3m超はみつかるでしょうが、今回歩き回った範囲内では3m超のツガの巨木なんて1本もありませんでしたわ。
幹周2m79センチ



巨樹・巨木というのは、その多くが平野部や人里にあるのであって、深山のブナの原生林にあるのでは決してない。 (その1)
本日は2015年9月24日 (木曜日) であります。

●昨日の9月23日に、徳島県の登りにくい名峰の高城山 (標高1632m) にキノコ狩りにいってまいりました。 高城山 の名前の起源は、高くて冬には積雪で真っ白になる登りにくい山ということでしたが、自然破壊で悪名高い剣山スーパー林道ができてからは標高1530mまで車で行けるようになり、実際に登るのは標高差でたった100mしかありません。で、老人会から 「おまはん、何歳になったんや? ぼちぼち老人会に入会してくれへんか」 と老人会長じきじきに入会勧誘されるような準老人になり、坐骨神経痛も出かかってペンギンのようにヨタヨタとしている吾輩でも登れます。何故なのかハッキリしませんが、高城山ではキノコは年々採れなくなり、結局、巨樹・巨木林の観察となってしまいました。



高城山の山頂からの眺望 (2015年9月23日午後4時~5時頃)
↓ 高城山の山頂から、北ないしは北西方向を眺めました。幾重にも山岳重畳しています。地図を見ると徳島県にも平野部はあるハズなのですが、十重二十重の山波が見えるだけです。中部山岳のような高さはないにしろ、1000m以上の山々はいったい何座あるのかわからないほど無数にあります。徳島県ひいては四国は山国であることが山頂から眺めるとよく分かります。むかし律令時代の広域行政区画では、四国は紀伊半島南部と淡路島を含めて 「南海道」 などと呼ばれていましたが、こんな山々ばかりでは 「南山道」 と表現すべきであります。
高城山の山頂から、北ないし北西方向
↓ 日がな一日、キノコを求め巨樹を探してブナ原生林を歩き回っていたら夕方になってしまった。こうなったら、いっそ剣山に沈む夕陽の写真を撮ってから淡路島に帰ろうと思ったのであるが、雲が出てきてこりゃあダメだわ。
剣山方面を遠望
↓ 山登りどもは、遠くから眺めて 「あれが高城山だ」 と山座同定する決め手として、この高城山レーダー雨量観測所のネギ坊主を利用しています。いわば高城山のアイデンティティーとなっています。この観測所を所管するのは明らかに気象庁じゃないです。国土交通省地方支分部局の四国地方整備局です。気象庁は 気象庁独自のレーダー観測網 を早くから構築しているわけで、四国では旧室戸岬測候所に気象庁のレーダー観測所があります。なぜ同じようなものが2つも要るのであろうか? 気象庁のレーダー観測所は気象台とか旧測候所にありほとんど平地です。地形的に観測が不利ということはありそうですが、ならば山岳レーダー観測所を追加して観測網を充実させればいいのであって、国の機関が二重に観測網を構築するのは何故だろうか? と以前から不思議に思っています。国の機関の横の連携のなさ、ムダの象徴のように下々の下衆の目には見えるのですけれども、無知蒙昧な庶民には想像もつかないような理由があるのだろうか?
レーダー雨量観測所のネギ坊主が、遠くから高城山を山座同定する決め手

↓ この徳島のヘソがご来光を拝む絶好ポイントで、写真家がよく来ています。空気が透明ならば淡路島が見えるんですけれども今日は見えません。夜が明けて淡路島から高城山や剣山が見える日に来ればいいのですが、必ずしもそうでないのが難しいところです。来るのに3時間かかってしまいますから、その3時間の間に霞やホコリが出てきて見えなくなりますわ。
徳島のヘソから東を見る

↓ 足元の高城山・雲早山・高丸山を勝浦三山と地元では言っているらしいです。淡路島南部海岸のように離れたところからだと三山の山頂はよく見えるのですが、地元の神山町や旧木沢村や上勝町では、人の住むところからは三山はおろか一山も頂上が見えないところが大部分のように思います。
足元の高城山・雲早山・高丸山を勝浦三山という


すでに紅葉のハシリが始まる!
写真を撮り忘れたが山頂でドウダンツツジの葉も赤くなっていました。10月になったら一挙に紅葉・黄葉が進んで大勢の行楽客で賑わうでしょう。紅葉の見ごろはちょっとの間で、徳島県の標高1500m以上では、例年たいてい10月の終りには早くも初雪がきます。剣山測候所 1989年10月8日 の観測記録では初雪・初氷を観測しています。北海道北部並なのですが、本日でも高城山山頂は吹く風は非常に冷たく、冬の到来を予感させられました。
紅葉が始まっている
紅葉が始まっている


山々は深い原生林に覆われるのに、巨樹・巨木は意外に少なく、特に、天然記念物級のスーパー巨樹など全くない!
というのは常識的にはそう思えず、深山の原生林ならば腰を抜かさんばかりの物凄い巨樹が沢山あるみたいに思いがちです。ところが実際には全くそうでありません。以前からあちこちの原生林を歩いて、「巨木がないなあ」 と観察していました。じつは巨木があるのは、とりわけビックリ仰天するようなスーパー巨木があるのはほとんどが人里です。原生林じゃ全くありません。これにはかなりハッキリした理由があるのですが、なぜそうなのか何回かに分けて敷衍したいと思います
山々はブナの原生林に覆われる
巨樹のないブナ原生林



秋色日増しに濃く、マイタケの幼菌が早くも顔をのぞかせた!
本日は2015年9月21日 (月曜日) であります。

●今年の夏はたいそう短く、暑いのは7月下旬~8月上旬の2週間か3週間でした。お盆以降は日々の最低気温も最高気温も、平年値を下回ったまま推移しています。つまり今年の夏はおおむね冷夏であったと言えましょう。その平年値よりも気温の低い状況は1か月以上続いていますが、気象庁の季節予報では今後も当分続く見込みです。9月になって早々と吾輩の雑想庵の庭でススキが満開となったのにはビックリ。きょう、もしやと直感したのでマイタケの発生状況を見にいったところ、なんとマイタケの幼菌が顔をのぞかせているではないか! 遅い年と比較すれば1か月近く早いです。早すぎ! 今秋は早々と冷涼なので生物季節は大幅に前倒しです。今年の秋の風物詩の、キノコ狩り・もみじ狩り・秋の木の実拾いなど例年よりも大幅に早やそうなので、ちょっと注意がいります。例年のつもりで行ったら “終っていた” こともあり得る状況になってきましたわ。



旧 洲本測候所 (淡路島) の気温推移
お盆以降は顕著に低温状況
                                       ↑ 気象庁の観測データを山のキノコがグラフ化した。

●上のグラフを見ても分かる通り、淡路島地方ではお盆以降は顕著な低温になっています。ま、西日本全域で低温状態です。毎日の最高気温も、最低気温も、平年値を下回っています。平年値を上回る日がないのは見事でさえあります。こんなの見たことがありません。気象庁の季節予報では、この先さらに1か月ぐらいは低温状態の予想です。この低温が淡路島地方のススキの開花からマイタケの発生など、平年よりも2週間~3週間、あるいはそれ以上も早めています。キノコ狩りのタイミングを外さないように‥‥。それにしても、地球温暖化利権者どもはどこへ行ったんだ。雲隠れか? あれだけ温暖化の恐怖を脅迫していた江守先生のお姿を見かけなくなったわねえ!


シイノキの巨樹 幹周5m27cm
このシイノキの巨樹は斜面にあります。で、環境省の巨樹・巨木林調査マニュアルに準拠して幹周を測ると、斜面上側の根上がり上端から130センチのところを測ると幹周527センチです。ちょうど130センチの高さで幹が大きく2つに分岐しています。それぞれは幹周は350センチと300センチです。分岐した巨樹と看做すならば、幹周は350センチ+300センチで、幹周650センチ (主幹350センチ) と記録できます。
シイノキの巨樹
幹周は5m27cm


マイタケの幼菌が顔をのぞかせた! (2015年9月21日)
兵庫県の淡路島南部の山岳地帯にて。詳しい場所は非公開です。なお、場所の特定ができないから、このシイノキの巨樹は調査対象から外しますわね。残念ながら、巨樹・巨木林調査の対象から外さなければならないヤマザクラ (山桜) の巨木やカシ (樫) の木の巨木が何本かあります。
マイタケの幼菌



兵庫県南あわじ市産 「不老長寿の仙薬」 をいただいた。
本日は2015年9月20日 (日曜日) であります。

おかしいだろ、これ。
●本日の午後に山の畑に行ってまいりました。ここしばらくは商売が非常に忙しく、また天気も悪い日が多かったので、山の畑はほったらかしでしたが来てみるとビックリ。 ピーマンが鈴なりではないか! 申すまでもなくピーマンは瀬戸内地方の夏のビタミン源には貴重な野菜です。瀬戸内地方では夏の高温と乾燥のために、夏場はキャベツが栽培できません。キャベツは料理法が多く、陽光のあたった外葉は結構ビタミンが多いので、是非食べたい野菜ではあります。

しかしながら、店で買うとなればキャベツは非常に恐ろしい野菜です。東国の高冷地のキャベツが瀬戸内地方のスーパーの店頭にまで流通してくるのですが、山菜やキノコは静岡県東部~山梨県~長野県ラインまで高ベクレルが検出されています。今もです。けっして風評を申すのではなく、厚生労働省のホームページで100ベクレル超の検出品が毎週たいてい月曜日に発表・公開されています。たとえば、食品中の放射性物質の検査結果について (第932報) 非常に不可解なのは、野生の山菜・獣肉・きのこから100ベクレル超の検出が頻繁にある市町村であっても、田畑での栽培品からは一切100ベクレル超が出ないことになっています。野生品が採られた山や森林と、田畑とは隣接しているはずなのに、摩訶不思議です。山野は放射性物資で汚染されていても、隣接する田畑では一切の汚染が無いということになっています。放射性物質は田畑を避けて山や森にのみ選択的に降り積もった??ということになるわけで、考えたら非常におかしな話です。ですからキャベツは食べたいのですけれども、食べるわけにはまいりません。

●政府も、安倍首相 (アメリカ合衆国日本州の州知事だよね) も、自民党も、米国の傀儡政権であることがよく分かりましたが、新潟県弁護士会会長が おかしいだろ、これ って言うように、おかしいわけです。なにもかもがおかしいのです。2011年3月までは一般人の年間被曝量は1ミリシーベルトまでと法律で決まっていたのに、突然に20ミリまで大丈夫と変更されましたが、おかしいです。憲法であれ法律であれ都合で勝手に変えるのはおかしいのです。こんなおかしい政府がいう 「食べて応援」 など信用できるものか! ということでキャベツを食べないわけです。その替わりにピーマンばかり食べています。


コメント欄で、ランクルさんへの返信でリンクしようとした You Tube 動画が上手くいかないので、ここにはめ込み借用します。国会の場で、アメリカからの独立を叫ぶ本物の議員が現われたという感慨がしますね。



本日の収穫 山の畑で自給自足しているピーマン
本日の収穫

さて、山の畑から帰ると、ちょうどランクルさんから電話をいただき、不老長寿の薬を郵便受けに入れておいたよ、ということです。


ランクルさんから頂戴した不老長寿の仙薬!
不老長寿の仙薬


ピーマンを大量に食べる方法
しばらく山の畑に来なかったのでピーマンが鈴なりです。赤く熟したものもあります。赤いのも食べられます。むしろ赤い方が栄養価ははるかに高いです。5キロぐらい採ってきました。しばらくピーマンばかり食べますね。ピーマンが大量に手に入ったならば、ピーマンを沢山食べるのに最適な料理法は、関西人が大好きなお好み焼きです。具材にピーマンしか入れないのでピーマン焼きであります。作り方はいたって簡単。なお、肉は健康に悪いから入れないほうがよろしい。養豚場では狭い豚舎にぎゅうぎゅう詰めで飼育し、病気が蔓延しやすいから餌に抗生物質を大量に混ぜてやっています。養豚場を一度見学したら、肉を食べてはいけない理由がわかりますよ。

①、ピーマンを千切りにする。
②、千切りのピーマンを皿に山と盛り上げる。

千切りのピーマン
③、小麦粉に水を入れペースト状に練る。
④、これに千切りピーマンを投入、さらによく練る。
⑤、熱したフライパンにサラダオイルをたらす。
⑥、④でこしらえた生地を熱したフライパンに流し込み、焼く。

焼き上がった
⑦、焼き上がったものを、お皿に乗せる。
⑧、出来たピーマン焼きの表面に、不老長寿の仙薬を満遍なく塗る。
⑨、さらに、お醤油を満遍なくかける。
⑩、カツオ節を振りかけて、出来上がり!

出来上がり

●不老長寿の仙薬の甘い香りと、お醤油の香ばしい匂いがベストマッチして、とても美味いピーマン焼きですわ。


謝辞】 ランクルさん、たいへん高価な不老長寿の仙薬を、ありがとうございました。





環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その12)
巨樹が6本もある野辺の宮
目を見張るようなビックリ仰天の巨木はありませんし、基準ギリギリセーフのものばかりですが、いちおう環境省基準合格の巨樹が6本もある立派な巨木林 (社叢林) です。淳仁天皇ゆかりの場所には本当に巨木が多いものです。場所は 南あわじ市 (旧 三原町) 市十一ヶ所 ですが+マークの所です。市陵墓参考地も、野辺の宮も、十一大明神もみな至近距離にあります。100mか200mほどです。狭い一角に巨樹が沢山あるのですが、1988年に環境省から県を通じて淡路県民局農林事務所の職員2人が巨木調査をしたみたいですが、野辺の宮から僅か600mのところの榎列小榎列にある府中八幡神社を調査しています。府中八幡神社まで調べに来て、すぐ近くの淳仁天皇ゆかりの地を見落とすというのは、やはり調査など全くしていないわけです。植物の分布調査・フロラ調査でもおなじですが、 “調査 = 歩くこと” であります。歩きまわれば棒に当たるわけです。歩かなければ何にも当りません。とにかく歩きまわるので、植物の観察や調査をする人々は山登りのような格好をしていますね。
野辺の宮
野辺の宮の由緒
ということですが、なんでこんな平地の住宅街に近畿自然歩道なのか? 自然歩道って山裾とかじゃねえのか? やっぱり環境省はおかしいよね。ハイカーも登山者もだれも歩かないところに自然歩道を作っていますが、遊歩道を作るのが目的の利権です。ハイカーや登山者が歩く為に、国民がお散歩するために、作っているんじゃ決してありません。
社号石柱



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル17
クスノキ科 クスノキ 幹周4m21cm
野辺の宮で一番大きな木
野辺の宮で一番大きな木
幹周4m21cm


●一番上の写真で鳥居の右側にあるクスノキが最大の木です。鏡内の周囲に配置されているクスノキ巨木ですが、時計回りの順に取り上げます


環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル18
クスノキ科 クスノキ 幹周3m74cm
野辺の宮で二番目の木
幹周3m74cm



参考巨樹 12 (将来3回目の巨樹・巨木林調査の対象)
クスノキ科 クスノキ 幹周3m25cm
011_convert_20150919000732.jpg
010_convert_20150919000838.jpg



参考巨樹 13 (将来3回目の巨樹・巨木林調査の対象)
クスノキ科 クスノキ 幹周3m23cm
野辺の宮のクスノキ
フウランが着生している
↑ 幹のかなり高いところにフウランが着生しています。平地でも大木になると色々な着生植物が見られます。フウランは兵庫県レッドデータAランクの貴重植物ですから、取ってはいけません。無理に取っても枯らすだけです。フウランはこのような大木の樹上が安住の地なのです。観察するのであれば花期は6月下旬~7月上旬ごろです。双眼鏡も要りそう。
幹周は3m23cm



参考巨樹 14 (将来3回目の巨樹・巨木林調査の対象)
クスノキ科 クスノキ 幹周3m07cm
主幹が欠損している
これは主幹が欠損しています。幹が空洞になっています。
幹周は3m07cm



参考巨樹 15 (将来3回目の巨樹・巨木林調査の対象)
クスノキ科 クスノキ 幹周3m36cm
建物に一番近い木
建物に一番近い木です。
野辺の宮の巨木
幹周3m36cm



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その11)
●第47代 淳仁天皇は古代の皇族どものすさまじい権力闘争の波に翻弄され、結局淡路国三原郡に流され泣き崩れて幽閉されたと伝えられますが、淡路廃帝 (あわじはいたい) などと蔑称され長らく天皇と認められませんでした。あまり重要視されない天皇なので詳細が特にわからず、その御陵は南淡町の賀集の教習所の南にあるこんもりした森だということに一応なっていますが、違うという説もあり、三原町には淳仁天皇ゆかりの場所がたくさんあります。そこは、また巨樹・巨木の沢山見られる場所でもあり、環境省の2回の調査からすっぽりと抜け落ちています。歴史的なことには出来るだけ関わらないようにしながら取り上げたいと思います。

第47代 淳仁天皇を祀る大炊神社 (おおいじんじゃ)
南あわじ市 (旧 三原町) 志知中島 にあります。淳仁天皇を埋葬したのはここだという言い伝えもあるようですし、天皇塚という石碑も建てられています。ここにはクスノキの巨樹が2本見られます。
大炊神社の社号碑

参考巨樹 9 (将来3回目の巨樹・巨木林調査の対象)
クスノキ科 クスノキ 幹周3m36cm
大炊 (おおいじんじゃ) で一番大きな巨樹です。
大炊神社で一番大きなクスノキ
大炊神社で一番大きなクスノキ
幹周は3m36センチです。
幹周は3m36センチ

参考巨樹 10 (将来3回目の巨樹・巨木林調査の対象)
クスノキ科 クスノキ 幹周2m98cm
大炊 (おおいじんじゃ) で二番大きな巨樹です。幹周3mに僅かにたりませんが、来年には3mに達するものと思われるから参考巨樹とします。
大炊神社で2番目に大きなクスノキ
幹周は2m98センチです。
幹周は2m98センチ


淳仁天皇の御位牌が祀られる宝積寺 (ほうしゃくじ)
この寺に淳仁天皇の位牌が祀られています。
宝積寺 (ほうしゃくじ)
淳仁天皇の御位牌が祀られている
南あわじ市 (旧 三原町) 市十一ヶ所 ですが、宝積寺のすぐ近くに淡路一国総社十一大明神というのがあり、元は十一ヶ所寺と称して、むかしは付近に15もの寺があったらしいが、現在は十一大明神と宝積寺の2つだけが残っているのみです。ここに巨木が2本あります。
近く淡路一国総社十一大明神がある

環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル15
クスノキ科 クスノキ 幹周3m49cm
十一大明神で一番大きなクスノキです。
十一大明神で一番の巨樹
幹周は3m49センチです。
幹周は3m49センチ

参考巨樹 11 (将来3回目の巨樹・巨木林調査の対象)
クスノキ科 クスノキ 幹周3m33cm
十一大明神で2番目に大きなクスノキ
十一大明神で2番目の巨樹
幹周は3m33センチです。
幹周3m33センチ


淳仁天皇の初葬地とされる市陵墓参考地
淳仁天皇が崩御して1250年が経過しています。こんなに時間が経つと詳細は分からなくなり、淳仁天皇がどこに葬られたか諸説あり、南あわじ市 (旧 三原町) 市十一ヶ所のここ ではないか? という伝説がありますが、ここが初葬地だという定説になっています。なお本稿は巨樹に関する記事ですので、歴史事象には深入りしたくないので、陵墓参考地とは何か次のサイトを閲覧してください。 陵墓参考地 市陵墓参考地は 「いちりょうぼさんこうち」 と読み、枕の 「市」 は地名です。南あわじ市の市じゃなくて、市十一ヶ所 (いちじゅういっかしょ) の市です。
市陵墓参考地
フェンスの中に巨大クスノキがあります。

環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル16
クスノキ科 クスノキ 幹周推定6~9m
宮内庁管理の禁足地なので調査に入ることができず、正確な幹周は全く不明ですが、幹周3mのものなど小人みたいに見えるほど大きいです。少なくとも神代国衙薬師堂 (幹周5m65センチ) のものよりも一回りも二回りも大きいです。
フェンスの中に巨大クスノキ!
巨大ですが老木には見えません。まだまだ生長盛んなようです。
幹をよく観察すると‥‥
幹は130センチの高さで多分径2mありそうな感じです。
幹が後ろのほうに大きく膨らんでいる!
よく見ると幹が裏側のほうに大きく張り出しています。おそらく幹の横断面は円形ではなく、楕円形かひょうたん型か? 短径2m長径3mか? 幹周は少なくとも7~8mか? ひょっとすると10m近いかも?
大枝が切り詰められている
こういう神聖な禁足地の木は触ってはいけないのに、なんと大枝が全て伐り詰められているではないか! そのために幹の巨大さの割に樹冠の広がりはあまりにも小さいものです。周辺は人家がとり巻いているので、地区住民から宮内庁にごうごうと苦情が行ったのかもしれませんが、なんという暴挙か! 昭和天皇は 『那須の植物誌』 という名著があり植物学者です。今上陛下も礫とした生物学者であられます。植物や自然についての造詣が深く、皇居東御苑で一般国民を対象とする自然観察会を発案されたのが今上陛下です。宮内庁職員が頭に頂く天皇陛下は自然を大切にされるのに、配下の職員たちの自然についての無理解はとんでもないといわざるを得ないです。 陵墓参考地を含めて御陵には生態学的にも大きな価値があります。その地域の潜在植生を知ることができ、千年以上、その森に斧鉞 (ふえつ) を入れなければこうなるという “壮大な遷移の実験場” なのです。
樹冠は大きくはない

●ところで、この市陵墓参考地を管轄する宮内庁書陵部古市陵墓監区事務所に電話をして、ダメモトでおそるおそるこの巨木の幹周を実測させてもらうことはできないものか? 聞いてみました。が、やっぱりダメでしたわ。いかなる理由であれ立ち入りは禁止です。ただし、フェンスの外からならばいくら観察してもいいとのことです。フェンス内に竹竿を差しこんで、その竹竿を物差しにして測るのならばOKとのこと。足を踏み入れるのが厳禁らしいです。写真は書物にして出版する場合は宮内庁の許可が必要。ブログは? と聞くと、本当は許可が要るがチェックしきれないので、まあ、容認するみたいな返事です。この巨木の幹周を実測するには、どうやら環境省と宮内庁の折衝とか、政治家の口利きなどが要りそうですわね。


環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その10)
●目下、南あわじ市内における巨樹・巨木林調査を行っていますが、何を巨樹とみなすか? 環境省基準の地面から130センチの高さで幹周3m超のものが対象巨樹です。幹周の計測は難しい面があるのですが 巨樹・巨木林の基本的な計測マニュアル に従っています。環境省では過去2回全国的な規模での調査を行い、その調査の成果が1990年3月と2001年3月に報告書としてまとめられました。それによると南あわじ市には巨樹は20本ということになっています。いくらなんでも少なすぎです。例えば、諭鶴羽神社の大スギも、大日寺の夫婦スギも、次回紹介する淳仁天皇ゆかりの市陵墓参考地の超巨大クスノキも抜けています。これで調査したなどと言えるのか? という疑問があります。調査漏ればかりです。

●ハッタリでもなんでもなく、吾輩の予想では南あわじ市に100本前後は巨樹・巨木があります。それを立証したいと思います。こういう自然史 (Natural history、博物学とも訳す) の調査で大事なことは、徹底的な網羅主義であり、悉皆・全数調査であります。一つも漏らすことなく (すくなくともその精神で) その地域のすべての巨樹を網羅して記述するということでありましょう。エラそうなことを申すようですが、これには動植物の観察や調査をされている方からの反論はないと思います。ただ問題は環境省の2回目の全国調査から15年が経過していることです。申すまでもなく樹木は年々大きくなり幹は太ります。また、大木も年月が経つと枯れたり台風で倒れたり都合で伐採されます。巨木数は流動的です。吾輩がしているのは2015年時点での調査なのですが、以上のことを考慮して幹周3m以上の巨木を次のように2分類します。

①、環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨樹幹周3m40以上
これは2000年時点で幹周3m以上あったと推定される巨木です。15年間での幹周の増加量は不明なのですが、巨木の切り株の年輪幅の観察から、幹周の増加量の範囲は0.5~5センチ/年と推定します。0.5センチは老木で欠損が多く生長がかんばしくない巨樹の場合で、5センチは肥沃で厚い土壌・土壌水分多い・日照良好と好条件のところの生長が早い樹種で若木です。普通は1~3センチ程度であろうかと試算しました。で、幹周が3m40センチ以上のものが該当します。なお、巨大切り株があって、その木が2000年時点で生存していたと確認できるものは含めます。

②、参考巨樹 (将来3回目の巨樹・巨木林調査の対象)幹周3m40未満
幹周が3m40センチ未満のものが該当します。ただし、老木で欠損が多く、幹の大きさにたいして小枝・葉の分量が少ないものは生長が悪く幹の太りも緩慢と推定されるので、3m40センチ未満であっても ① に該当と判断したものもあります。




環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル13
クスノキ科 クスノキ 幹周3m68cm
南あわじ市 (旧 三原町) 神代富田 のT氏の屋敷森の端にあります。南あわじ市経営の市営住宅が4棟並んでいますが一番奥の棟の横です。個人所有の巨樹です。個人でこんな巨樹を所有しているなんて本当にリッチですね。金銭的なことではなくこんな巨樹・巨木を所有するのが本当のリッチではないか? T氏を訪ねて調査の許可を頂戴しようとしましたが、ご不在でしたので勝手に計測しました。
枝張りは雄大である
見上げたところ
枝の張りは雄大で、主幹・大枝ともに全く欠損がありません。根元を見ても根上がりではなく、大木なのに幹や木全体に若々しさがあふれています。今後もグングンと生長して幹周5m、6mを目指すでしょう。このクスノキの根元の右側にマダケ (真竹) がありますね。6月上旬~中旬にタケノコが出ますが、T氏はタケノコを自給できそうです。本当にリッチでうらやましい限りです。
まだまだ生長しそうな感じ
幹周は3m68cmです。
幹周は3m68センチ



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル14
クスノキ科 クスノキ 幹周3m28cm
南あわじ市 (旧 三原町) 神代社家 の上田八幡神社にあるクスノキです。大きな枝が伐り払われており、主幹にも欠損がみられ樹高も低すぎです。幹周3m超の巨木の割に樹冠が小さすぎます。よって幹の太るスピードは遅くなると判断、幹周3m40センチに満たないのですが、2000年時点で3mに達していたと推定します。
上田八幡神社のクスノキ
見上げたところ
幹の下部がくびれる
幹がやや横に寝ているので根上がりの上端から130センチのところを測ると、太枝が分岐した膨らみにかかってしまします。これは異常な膨らみなのでもっと下のくびれたところを計測すると3m28センチです。
幹周は3m28センチ



参考巨樹 6 (将来3回目の巨樹・巨木林調査の対象)】
クスノキ科 クスノキ 幹周3m23cm
南あわじ市 (旧 三原町) 神代国衙 久度神社の社叢林にあるクスノキです。主幹・大枝ともに欠損がなく生育良好そうで、かつ3m40センチに満たないので参考巨樹とします。
久度神社のクスノキ
根上がりではない
幹周は3m23センチです。
幹周は3m23センチ



参考巨樹 7 (将来3回目の巨樹・巨木林調査の対象)】
ブナ科 シイノキ 幹周3m09cm
南あわじ市 (旧 三原町) 市福永 の若宮神社のシイノキです。最近、このシイノキの大枝が無残にも伐採されました。伐採のしすぎです。幹にサルノコシカケ科と思われる得体のしれないキノコも出ています。目に見えるキノコというのは、菌学で言う子実体で植物の花に相当するのですが、キノコの本体は幹の材に蔓延する菌糸体です。癌細胞が健康組織を浸潤するように、このシイノキの幹は菌に侵されています。そこに加えて過剰なる枝の伐採です。極めてヤバイ状況ですわね。枝の伐採がなければキノコが幹を浸潤するよりも幹が太るほうが勝り、幹が空洞になりながらも意外に持ちこたえたりするものですが、これでは非常に厳しいと言わざるをえません。伐採に関わった人々にバチが当ったのではないか? 巨樹・巨木をみだりに触ると恐いものですよ。
大枝を伐採しすぎ
キノコが幹を浸潤している
幹周は3m09センチです。
幹周は3m09センチ



参考巨樹 8 (将来3回目の巨樹・巨木林調査の対象)】
モチノキ科 クロガネモチ 幹周3m11cm
南あわじ市 (旧 三原町) 神代地頭方 の北池という池の北側に天王社があり、その小さな社叢にひときわ高く聳えるクロガネモチの巨木です。高さがあります。亜高木層の上に突き抜けて大枝を広げています。太い幹がその太さをあまり減衰せずに天空高くそびえ立つさまは、まるで巨大神殿の巨大な柱を見るようです。幹周は3mぎりぎりセーフですが、実際の木ははるかに巨大に見えます。他の樹種は幹周が太いといっても根元だけとか、主幹の下部が太いだけです。それに比べるとクロガネモチの大木は高さがあり、真っ直ぐに伸びる幹はかなりの迫力があります。3mに満たないけど2m50センチとか2m70センチなどの準巨木が続々と控えています。クロガネモチは生長がかなり早く、数十年後には旧 三原町内でクロガネモチの大木が沢山見られることでしょう。

なお、波田先生 は 「樹高も高木としてはあまり高くならない」 と言い、Wikipedia も 「高木に分類されるものの、自然状態での成長は普通10m程度にとどまり、あまり高くならない。」 などと言うのですけど、旧 三原町では素晴らしい大木になりますね。30mに達しますね。三原町の人里エリアは地形的には諭鶴羽山系を浸食した土砂が厚く堆積した沖積平野~山麓扇状地です。肥沃で水はけがよく土壌が深いとか、クロガネモチの生育条件が非常によろしいのでしょう。

亜高木層の上に突き抜ける
太い幹が立ち上がる
幹周は3m11センチです。
幹周は3m11センチ


環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その9)
環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル9
ブナ科 シイノキ 幹周3m83cm
南あわじ市 (旧 三原町) 八木馬回 (やぎうままわり) 地区の入り口にあります。成相寺の手前、国道28号線の方へ200mあまりです。何をお祀りしているのか分かりませんが、山門 (神門かも?) のような建物があり、奥に小さな石の祠のようなものがあります。その背後に巨大なシイノキがあります。ご神木? であるならば注連縄を張るハズですが、注連縄を張っていないからご神木ではないでしょう。
馬回地区入り口のシイノキ巨樹
このシイノキは幹周の実測値以上に巨大に見えます。数mの崖の上にあるので、測定基準では崖の上側から地上130センチを測ることになります。しかしながら幹は崖の斜面に生えていて巨大であるがゆえに崖の上部まで幹が達したようです。結果、幹のかなり上部を計測することになってしまいました。幹の裏側を覗くと幹周5~6mクラスの巨大さに見えます。幹の下部・生え際は八の字状の元広がりで、板根状の発達もみられ壮観です。マイタケでも出てきそうな巨木ですが、マイタケは出ません。以前に カンゾウタケ が出ていました。カンゾウタケは欧米では 「貧者のビーフステーキ」 とか 「牛の舌」 などと称し、盛んに食用にされるらしいですけれども、気持わるそうで吾輩は試食したことはありません。
馬回地区入り口のシイノキ巨木
幹周は3m83センチ
幹周3m83センチ



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル10
ブナ科 シイノキ 幹周3m60cm
南あわじ市 (旧 三原町) 八木馬回 (やぎうままわり) にある 成相寺 の奥、一段高い所に天野神社があります。ご本殿の裏はシイノキが優占する社叢林ですが鬱蒼と茂っています。こういう鬱蒼と茂る所のシイノキの巨木にマイタケが出ます。で、毎年秋にはここに来て森の中を徘徊するのですがまだ見つかりません。たぶん、ここにはマイタケはないようです。マイタケの発生木がもしあっても、数年に1回しか出ないことも多いです。この森にマイタケが無いと確信するには何年か通いつめる必要があります。じつは天然マイタケを見つけるには、ほとんど執念で足しげく森を探索するしかありません。簡単にあきらめないことです。マイタケに関するコメントを戴いたので、以上がささやかですがアドバイスです。なお、マイタケはサクラの木やカシ類 (シラカシ・アカガシ等)、クリの大木にも出ます。標高の高いブナ帯 (冷温帯) ではミズナラに出ます。まず、樹木の名前を覚えましょう!
天野神社のシイノキ
社叢林の中にある
このシイノキは天野神社のご本殿の裏の急斜面にあります。斜面の傾斜面から、幹の主軸線方向へ130センチのところを計測しました。若干根上がりなので、図中の「ひこばえ」の生え際から130センチです。ちょうど130センチのちょっと下で大枝が分岐しています。で、主幹のみ測りました。
図のように130センチの所を測った
幹周は3m60センチです。
主幹の周囲は3m60センチ




環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル11
ブナ科 シイノキ 幹周3m82cm
国分寺のシイノキ巨木

南あわじ市八木国分の 国分寺 の庫裏の横のシイノキの巨木です。住職さんに調査の許可をお願いしたら 「うちにはヒノキの大木があって、いわれのある銘木だ」 という意味を匂わす口ぶりです。ひと目見て幹周3mに足りません。250センチか260センチにしか見えません。念のために巻尺を回してみましたが280センチです。目測はちょっと過小評価でしたがやはり3mに足りません。環境省の巨樹・巨木林調査の基準に達していません。住職さんは残念そうでしたわ。 ところが、奥のシイノキです。ひと目見て360センチはありそうです。巻尺で実測すると382センチです。堂々たる大木です。 でも、やっぱり住職さんは不服そうでヒノキにご執心です。

「あと何年でヒノキが3mに達しますか?」
「年輪幅は1年分が最大1センチ、普通は2~3ミリとか3~4ミリとか、樹種によるし、若木か老木でも違うし、土壌水分とか肥沃度とか日照などさまざまな条件で、ケースバイケースでしょうが、良く育って年輪幅5ミリで左右両側で1センチ、円周率を掛けて幹周3センチですかねえ? 育ちが悪いと2センチでしょうか?」
「なるほどそういう算用ですか。じゃあ、あと10年かあぁ‥‥」
「実際は生育条件で様々なんですけど、多分、それぐらいじゃないですかね」

環境省基準をクリアした巨木がシイノキであって、ヒノキじゃなかったのが残念そうでした。どうやら、たとえば、むかし有名な僧侶が来て手植えしたヒノキであるとか、相当ないわれがありそうな感じです。しかし基準に達しない木はどんないわれがあっても取り上げることは出来ません。で、そのヒノキの写真はなしです。

建物側の枝を昨日伐ったそうだ

幹や大枝に欠損がある
幹や大枝にかなりの欠損があります。台風の暴風で幹がバッサリと折れたような痕跡がみられ、幹に空洞が出来かかっています。あまり健康な木じゃなさそうです。建物の屋根に障害になるため最近枝打ちしたそうです。建物の横に大木があると建物が傷みやすいです。大木も建物も両方同時に護るのは難しく、どちらをとるか選択を迫られます。
幹や大枝に欠損がある
幹周は3m82センチ。堂々たる巨樹です。
幹周は3m82センチ



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その8)
●南あわじ市内の巨木調査結果を、拙ブログ上でどんどんと発表します。環境省の1990年3月と2001年3月の巨樹・巨木林調査報告書では、南あわじ市の巨樹・巨木は20本とされました。そんなに少ないのはおかしいという感じですが、つまり調査なんてしていないわけです。吾輩は南あわじ市に巨樹・巨木は100本前後あると予想しています。旧 三原町内から調査を進めていますが、環境省は巨樹・巨木林調査を現在でも随時郵送で受付ているようですが、では吾輩が環境省に報告するかといえば報告などしません。正式調査は調査項目が多く手間がかかるのと、目的が環境省に報告することではないからです。目的は環境省の調査などいかにいい加減かを立証することにあります。それには幹周の測定のみで事足ります。環境省の高級お役人たちは、次々に新しい制度や、新しい規格基準を考え出しているわけですが、そうすれば次々に天下れる外郭団体が作れるわけです。ま、申せば巨樹・巨木林調査もその一環でしょう。

●そもそも巨樹・巨木林は環境省がことさら護ろうなんて言わなくても、民間が御神木として崇めて、注連縄をはり、禁伐樹として護っています。すでに護っているのだから、それを護ろうという趣旨での調査ならば意味がないわけです。また、観光資源の発掘という意味での調査であってもこれも無意味です。巨樹・巨木が観光資源になりうるのは、残念ながら全国1位の巨樹だけです。観光的には2位以下の巨樹は存在しないも同然です。たとえば旧一宇村が巨樹で観光振興を考えたようですが、剣山へいく道路の途中に日本一を自称する大エノキ (実際は2位か?) への登山口があります。また巨樹の里と書いた巨大看板があります。そこをいつ通っても観光客の車が停まっているのを見たことがありませんわ。結局、巨樹・巨木の調査など何の意味があるのか?



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル8
ニレ科 ムクノキ 幹周3m63cm
南あわじ市 (旧三原町) 八木養宜中 (やぎようぎなか) に史跡 養宜館跡 (やぎやかたあと) というのがあるのですが、そのごく近くにあります。その史跡の敷地の中なのか外なのか調べないと分かりません。
史跡 養宜館跡
威風堂々としたムクノキの巨木であります。
ムクノキの巨木
幹周は3m63センチであります。
幹周3m63センチ



参考巨樹 5 (将来3回目の巨樹・巨木調査の対象)】
マキ科 イヌマキ 幹周3m01cm
同じく 八木養便宜中 ですが養宜館跡から200~300mぐらいの所に牛頭天王社というのがあります。その鏡内にイヌマキの巨木とクスノキの巨木があります。
牛頭天王社
立派な巨木ですが老朽化が目立ちます。主幹の上部が欠損しています。また根元から幹に空洞が出来つつあります。むかし五右衛門風呂の時代にはイヌマキの板で作った風呂桶はとてもいい香りがしていました。子供の頃のイヌマキの風呂桶のいい香りを思いだします。それからイヌマキは風害に強い樹木で、屋敷や果樹園の防風林によく植えられました。淡路島南部の山岳地帯にはイヌマキがよくみられますが、真の自生なのか植栽品起源の逸出なのかハッキリしません。多分自生じゃないと思います。
立派なイヌマキの巨木
この巨木も腐朽化が進む
幹周はぎりぎり3mセーフです。今後、3回目の全国一斉調査されるのならば対象巨樹です。
幹周3m01センチ



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル9
クスノキ科 クスノキ 幹周4m45cm
同じく牛頭天王社の鏡内にあります。
巨大なクスノキ
幹にコケが沢山着生していて古色蒼然としたクスノキの巨木です。幹周3mと比べると幹周4.5mになるとひと目見て上位階級にみえます。主幹・大枝に欠損がなく悠然と枝葉を張り広げています。洲本市鮎屋の兵庫県一のクスノキは幹周9mなのに主幹・大枝に欠損が多すぎて、比べたらこの牛頭天王社のクスノキのほうが立派に見えます。巨樹・巨木といっても幹周の数字だけでは分からないものです。その木の巨大さとか立派さは、樹高や枝葉りの大きさ、主幹の立ち上がり状態など、いろいろな要素から総合的に受ける印象です。本当に幹周だけでは分かりません。
堂々とした幹だ
幹周は4m45センチ。
幹周囲4m45センチ


本当は冷夏だった2015年の夏
本日は2015年9月12日(土曜日)であります。

●淡路島南部の南あわじ市では今朝は放射冷却で冷えました。アメダス南淡では05時50分に16.0度まで下がりましたが、観測所が10年ほど前に移転しているため平年値がまだ計算できません。で、平年値からどれだけ偏差したか不明。明け方は寒いぐらいでした。近畿地方で一番気温が下がったのは和歌山県のアメダス高野山で10.7度でした。今年の夏は7月下旬ころに、愚かなマスゴミどもが猛暑だ! と騒ぎ立てましたが、夏がほぼ終わって今夏の気温推移をチェックしてみると、全然猛暑なんかじゃありません。むしろ、ハッキリと冷夏でわが淡路島が属している西日本でその傾向が顕著でした。ひと夏、総体的には冷夏であったが、7月に西日本を縦断した台風の影響でサブハイ (亜熱帯高気圧≒太平洋高気圧) が強められました。台風は強烈な上昇気流を発生させる熱エンジンで、吹き上がった上昇気流が台風の外側で下降気流に転じるために、サブハイを強める傾向があるのはしばしば観察できるところです。で、定石通りに7月下旬に猛暑がきましたが一時的な台風効果でしかありませんでした。 今夏はサブハイは弱く中心軸があまり北上せず、うだる暑さの夏らしい天気の2週間ほどを除くと、潜在的な梅雨前線がかかり続けたという印象すらあります。

早くも、雑想庵の庭でススキが満開!
雑想庵の庭でススキが満開
↑ 淡路島南部にあるわが雑想庵の庭でなんとススキが満開です。いくらなんでも早すぎます。まだ9月12日です。例年ならばこのススキが満開になるのは10月に入ってからです。生物季節 (フェノロジー) は正直で気温推移に率直に応答しています。今夏が冷涼だった証拠といえましょう。なお、背後にある木はミカンですが、小氷期がくるとこの木は枯らされるでしょう。ススキは植えてあるのではなく、庭の手入れが不十分で吾輩の許可なく勝手に生えているだけです。

●で、ベースとしては今夏は冷夏であったと思われますが、気温が低く天候も悪いので、山の家も海の家も商売にならならったようです。昨年夏も冷夏だったのですが、こういう冷夏が毎年常態化するのではないか? 地球温暖化説とは逆の実態が起こっています。山の家も海の家も商売替えを考えたほうがいいかもしれません。山が好きな方は今のうちに北アルプス (とくに立山とか剣岳とか白馬あたりは) を登っておかないと登れなくなりそうです。気温が下がってくるとあっという間に氷河が形成されるからです。いまでも 小さな氷河が3つあるのが判明 しています。国内4つ目の氷河か? というハナシもあります。小氷期がくると急激に氷河が拡大してくるでしょう。そうなると特別な氷雪登攀技術や経験を持つ人しか登れなくなります。 それから、冷夏は庶民の台所を直撃しているみたいで、長雨被害で特に葉ものがやられて価格が騰がっています。主婦が嘆いています。今のところ冷害が懸念されるほどではないのですが、商売人でも夏物商戦がサッパリで嘆いています。吾輩なんかは割と暑さ寒さに強い方で、今夏もクーラーなどというものは要りませんでしたし冬でも基本的にはストーブなしですが、昨夜親戚の家に行ったらなんとストーブを出してあるではないか! 「だって朝晩寒いからのう」 というのです。暑さ寒さも彼岸までというように、まだまだ暑いハズなんですが、北海道や長野県高地ではストーブというのはわかるんですが、淡路島でぼちぼちストーブを出さないと寒くておれらんなんて尋常じゃないです。これから眠りにつく太陽活動の動向が気になります。人類はスベンスマルク説の正しさを思い知るときがくるのではないか?



夏らしい天気はわずか2週間ほど!
今夏の猛暑日はゼロ、真夏日はたったの23日、熱帯夜は12日で、少なかった。
夏らしい天気だったのは2週間ほど
↑ 淡路島の旧 洲本測候所の気温推移ですが、西日本の今夏の気温推移のパターンはどこの観測所もこんな感じです。赤線が日々の最高気温、青線が日々の最低気温です。滑らかな線は平年値。特に目立つのは盆以降の動きです。日々の最高気温も最低気温もほとんど平年値を下回っています。 洲本測候所は小高い山の上(海抜108m)にあり、周囲が原生林です。で、ヒトが住む平野部と若干気温の現われ方のパターンが違うので、島内住民の生活感覚から (?) てなところがあります。平野部で放射冷却で冷えているのに、山頂温暖帯の洲本測候所の方が5度も最低気温が高いとか‥。



太陽活動のサイクル24のピークは通りすぎた。マウンダー極小期の再来はあるのか?
下の図の 出典はこちら ですが現在のサイクル24のピークは過ぎています。次のサイクル25やサイクル26は太陽黒点がほとんど現れないマウンダー極小期の再来があちこちでささやかれています。そろそろ人類は 「地球温暖化の政治的なバカ騒動」 を早く総括して、小氷期への対策を考える必要があるのではないか? 日本でも江戸時代に小氷期に火山の噴火が輪をかけて気温を低下させ、凶作・大飢饉が何回もあって悲惨な状況だったのは日本史が教えるところです。夏なのに綿入れがほしいほど寒いとか、暖候期の降雪記録など沢山あります。2030年代に 「ミニ氷河期」 新モデルで太陽活動が現在の60%まで低下と予測 など、こういう情報が飛び交うようになってきたのは喜ばしいことです。水面下では地球寒冷化説が優勢になりつつあるのが、愚かなマスゴミどもが一斉に地球温暖化を言わなくなった理由だろうか? マスゴミも政府も環境省も気象庁もみなグルで、タチが悪すぎです。
サイクル24のピークは過ぎた

●小氷期が来ると、淡路島ではミカンが波状的な寒波襲来で作りづらくなるでしょう。厳冬でミカンの木が枯らされますわ。で、いまからリンゴを植えときゃいいかも? 15年後の小氷期にはリンゴの木が成木になり沢山成るでしょう。いまでも品種を選べば淡路島でもリンゴの栽培は可能です。「津軽系統」 や 「王林」 などは淡路島でも作れます。「富士」 は作りづらいです。実際に吾輩もリンゴを植えていました。でも、やっぱり果実の品質はあまり良くありません。真っ赤に色づかないとか、日持ちがしないとかです。虫が多いので消毒 (農薬) なしでは栽培不可です。ただし瀬戸内地方は日照に恵まれているので非常に甘いリンゴになりますわ。ちなみに吾輩が植えたリンゴは毎年よく成ったのですが、シカ (鹿) に樹皮がかじられ枯らされました。ま、ミカンが栽培できなくなるなんて別にたいしたことではありませんが、問題は主食のコメです。これが深刻な打撃を受けるでしょう。世界的には穀物の栽培適地が大きく南下する (南半球では北上する) ことが大問題で、食糧の奪い合いの戦争が懸念されます。



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その7)
巨樹・巨木林の幹周を測るのは、本当に難しい!
南あわじ市(旧三原町)八木の平成病院まえの交差点にあるクスノキです。千博屋さんの裏側です。小さな祠のようなものがあり何かが祀られています。道祖神なのか山の神なのか分かりませんが神聖な場所のようで、このクスノキは禁伐樹であろうかと思われます。クスノキに注連縄こそ張られていませんが、みだりに伐ることができない巨木であります。
立派なクスノキだ

問題は、このクスノキの根元であります。写真でも明瞭にわかるのですが、環境省の巨樹・巨木林調査の基準である地上130センチのところのほうが、このクスノキの幹周が大きいです。もっと下の方、地上70センチのところがくびれて細くなっています。
根元の状態

↓ 地上130センチのところで幹周を測ると、3m63センチです。
3m63センチ

↓ 地上70センチのところで幹周を測ると、3m01センチです。
幹周3m01センチ

参考巨樹 4 (将来3回目の巨樹・巨木調査の対象)
●巨樹・巨木はふつうは根元ほど太く、上にいくほど細くなっています。けれどもこのクスノキは逆です。130センチのちょっと上で幹が分かれています。それが逆転の要因なのかなという気もしますが、しかしながら巨木を順に見て回っても、低い位置で幹が枝分かれしている事例は沢山見ましたが、かならずしもこうなるわけではありません。くびれて下の方が細いのはむしろ例外かなと思います。問題はこの巨木の幹周としてどちらの数字を採用したほうがいいのか? 難しい問題です。環境省の巨樹・巨木林調査マニュアルに準拠して3m63センチだと言っても差しさわりがないように思われます。しかしながら、3m01センチじゃねえのか? という判断も可能です。吾輩は、数字が大きくなるのを避けたいので3m01センチとします。よってこのクスノキの巨木は調査漏れの巨木ではなく、今後の調査で巨木に加える参考巨木といたします。


環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その6)
どこを、どう測るのか? それが問題だ。

9月8日付けの拙記事 で、ピンボケ写真のため幹周の数値を示せなかったホルトノキの幹周を測り直してきたので報告します。測り直すにあたり再度よく観察したのですが、根上がりの最上部の上130センチを測るとしましたが、ホルトノキの周囲をよく観察したところ、根上がり最上部を過大に上のほうと判断したのではないか? という気がしてきた。どこまでが幹で、どこからが根 (根上がり) であるのか? 非常に難しいわけです。根とは何か? 幹とはなにか? という議論を始めると収拾がつかなくなりそうです。で、次のように判断しました。
幹と根の境界は?
幹と根の境界は?
幹に沿って上のほうから下に降りてくるとき、滑らかな曲線で富士山のように裾野を引くところ迄はまだ幹であり、曲線の勾配が急激に変化して折れ曲がる変曲点のようなものが観察でき、そこからが根ではないだろうか? という解釈ですが、もっと明快な判定法があるのならばご教示たまわりますれば幸いです。

●そもそも根と茎 (幹) の本質的な違いは何だろうか? 水や無機栄養分の導通をするとか植物体を支えるなどの機能からは大きな違いはないと思われます。教科書的には維管束の配列が違うということはあるでしょうが、いちいち組織を採集して検鏡するわけにもいかないでしょうし、茎からは葉が出るが、根からは葉が出ないというのは古典的な答えかもしれませんが、必ずしもそうじゃないですわね。邪魔になるアカメガシワを掘りとって駆除しても、残った土中の根からじきにシュート (茎と葉をまとめていう用語) が出てきますね。(ただし根から出た茎に葉が着くだけで、根から直接に葉が出ることはないですが) 退治しづらいのがアカメガシワという樹木です。植物の発生の段階で胚軸ができ、 胚軸の両端の分裂組織からシュート系と根系が出来ていくから、その胚軸が根と茎の境界だという答えもあるかもしれませんが、小さな種子から樹齢何百年の大木に生長したものに胚軸なんて残っているんでしょうか? もし胚軸が残っていたり、胚軸が幹や根とともに生長したとしても、芽生えたばかりのエンドウじゃあるまいし、ここが胚軸の部分だとどうやって見分けるのか??? 結局、茎 (幹) と根の境目はどこか分かりません。 なお、引っ張り出した用語は 中山剛先生の植物学テキストでもご覧ください。

●環境省は、「根が地面から上にあがっているときは、露出している根の上端から130cm上を測ります。」 と言っています。根上がりというのは地中にあるべき根が、種々の要因で土の上に露出した状態でしょうが、露出した根の上端から130センチの高さを測れというのならば、そのためにはまず根と幹 (茎) の境目を決める必要があるのは当然です。吾輩には、正直に申してこのホルトノキの大木の根と幹の境界がどこなのかよく分かりませんわ。 幹から根に連続的に移行していて明瞭な境目がないですよね? ま、巨樹巨木の幹周を測るといっても測る高さで数値は大きく変わりますから、簡単なようで非常に難しい問題です。測り方のガイドラインで一応の基準が示されてはいても、巨木の形状は十人十色じゃなく10本10色でケースバイケースです。全ての巨木は個性的で十把ひとからげにはいきません。どこをどう測るか測定者の主観とか恣意が入りそう‥‥。 ここ1カ月ほど剣山に行っていませんが、剣山の手前のつるぎ町 (旧 一宇村) は 巨樹の里 で村興しです。巨樹・巨木林を観光資源にしようとしていますから、そういう場合には村に1本でも多く巨樹があってほしいから、恣意的に幹周の数字を大きくしようとするのではないか? 主観や恣意が入るというのはよろしくないですわね。


なお、巨樹・巨木林データベース で検索しましたら大阪府泉北郡忠岡町のエノキが幹周 (主幹) が910センチで、日本一を標榜している旧 一宇村の赤羽根大師の大エノキの870センチよりも40センチ上回っていますね。これが事実ならば、つるぎ町がいう 「日本一」 は誤りだということになりますね。「日本一」 という文言は油断もスキもありません。いちおう疑ってかかる必要がありそう‥‥。


↓ で、独断と偏見と錯誤をもって、このように測定しました。(もし不適切な測り方ならば、正しい測り方をご教示ください。)
このようにして測った
↓ 反対側。
反対側から見た
幹周は3m80センチです。
3m80センチ



ホルトノキの紅葉は美しい
すくっと立ち上がる幹の先のほうで、一部の枝が紅葉しています。
はるか頭上に紅葉の枝が
ホルトノキの紅葉
ちょっと紅葉が多すぎる感じがします。枝に虫でも入って傷んでいるのかも?
紅葉が多いので枝に虫でも?



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その5)
環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル7
ヤマモモ科 ヤマモモ 幹周9m57cm 主幹4m57cm

ヤマモモの巨木
南あわじ市神代浦壁 若一神社

南あわじ市 (旧 三原町) 神代浦壁の若一神社のご本殿の裏に鎮座しています。 国土地理院地図上ではここ (+マークの所) 樹高は目測で15m前後か? そう大木には見えませんが根元を見てビックリです。巨大です。若一神社の御神体かも? 昔から巨木は信仰の対象で、巨木に願をかけると願いがかなえられるとか? たとえば高知県大豊町の日本一の大杉に美空ひばりが 「日本一の歌手にしてください」 と願をかけたのは有名な話です。 大豊町の杉の大スギ 参照。 で、大スギの御利益があったのか彼女は日本一の歌手になりました。(でもまあ吾輩は演歌が大嫌い。演歌が聞こえてくると気分が悪くなりますね。いまだに、50年前に全世界を風靡したビートルズファンです。)

株元は巨大

地面から130センチの高さで幹が複数に分かれています。格別に太い主幹があって、他に4本の小さな幹があり複雑な形状です。小さな4本の幹といってもそれぞれ径40センチはある大きなもので、主幹のたんなる枝というには大きすぎです。もし主幹の枝と解するならば、枝の上部と下部で主幹の太さがあまり大きく変わりすぎです。写真では4本 (写真では後ろの2本は見えない) の副幹の下が一段と太くなっています。

山の主の風格

主幹は4m57センチ! ですが、このヤマモモの巨木は株立ちになっています。地上1.3mの高さで主幹以外に株立ちの幹周をすべて合算します。主幹以外に4本の副幹が立ち上がっています。 120 + 130 + 140 + 110 +458センチ で、合計9m57センチというとんでもない数字になってしまいます。ちょっと変な数字で実態とかけ離れてしまうのですが、環境省の巨樹・巨木林調査マニュアルでは、そういう測定方法になっているからしかたがありません。記録としては両方の数値を記載します。
主幹は4m57センチ


よく熟したヤマモモの実は、すこぶる美味。
↓ ヤマモモの果実。雑想庵の庭の木です。果実の熟するのは品種により若干違いますが6月中旬~7月上旬ぐらいです。甘酸っぱくて果汁が多くとても美味いのですが、全く日持ちがしないので市場性はゼロです。出荷果実ではなく庭先自給果実です。徳島県でわずかに経済栽培が行われている程度で、農水省の農林統計にも上がってこないほど微々たる生産量です。
ヤマモモの着果風景
ヤマモモの果実



       ***********************************



参考巨樹 3 (将来3回目の巨樹・巨木調査の対象)
南あわじ市神代浦壁 若一神社のシイノキ 幹周299センチ
なお、この若一神社の社叢には巨大ヤマモモの横に、幹周299センチのシイノキ (スダジイ) があります。やがて3回目の環境省の巨樹・巨木林全国一斉調査が行われるときには、確実に調査対象木です。見落とさないように‥‥。

若一神社のシイノキ
幹周は2m99センチで、巨木・巨樹の環境省基準 (3m) にわずか1センチ足りません。樹木は年々太るものだから次回の全国一斉調査には調査対象です。なお、このシイノキの基部からは太枝が発生しています。これを株立ちと解釈するならば現在も調査対象ですし、あるいは2回目全国調査の2000年時でもそうであったと思われます。(株立ちの巨木基準は、複数の幹周合計が300センチ以上、かつ主幹の幹周200センチ以上)
幹周は2m99センチ


参考巨樹 4 (将来3回目の巨樹・巨木調査の対象)
南あわじ市神代国衙 久度神社のシイノキ 幹周3m12センチ
前回のエントリーで取り上げた南あわじ市神代国衙の久度神社のホルトノキ (2006年伐採) の横にも、シイノキの巨木があります。これは2回目の環境省の巨樹・巨木林全国一斉調査時には、ひょっとしたら幹周が3mに達していなかった可能性があります。で、次回調査の対象木として参考巨樹の扱いとします。
久度神社の社叢
久度神社の社叢には、巨樹・巨木が3本あります。ホルトノキ (3m24センチ ・ 2006年伐採)、 シイノキ (幹周3m12センチ)、 クスノキ (幹周3m23センチ) ですがクスノキは後ほど取り上げます。クスノキの巨樹・巨木林は旧 三原町内に多数ありますから、後日にまとめて一挙掲載です。
久度神社のシイノキ大木
幹周は3m12センチで、環境省の巨樹の定義を満たしています。
幹周3m12センチ



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その4)
環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル4
ホルトノキ科 ホルトノキ 幹周3m61cm
↓ 南あわじ市神代国衙城家にあります。国土地理院地図上ではここ (+マークの所) ですが国道28号線沿いのコメリ国衙店の近くです。コメリの駐車場の一角からよく見えています。これは個人所有の巨木ですので、観察したい場合には節度と礼儀を失することがないように。それにしても個人所有でこれほどの巨木があるとは驚きです。何代にもわたってこの木を護ってきたのだと思います。普通は個人所有の木は大きくなると邪魔だとか、大量の落葉ででトユが詰まるなどで 「伐ってしまえ!」 となりがちです。大きくなったら困るぞ、まだ小さいうちに伐れというのが普通です。そうせずに代々この木を護り抜いたことに敬意を表したいと思います。それにしても個人所有でこれほどの大木があるなんて素敵ですわね。この木は主幹も大枝も全く損傷がなく健康な樹です。まだまだ大きくなるでしょう。
ホルトノキの大木 国衙コメリの近く
もこもこと入道雲 (雄大積雲) みたいな樹形です。たとえは不適切ですが御嶽山からわき上がる噴煙みたいにみえますわね。スレート葺きの倉庫の屋根の上に覆い被さるような迫力があります。 幹は非常に太いのですが、全く根上がりが見られません。ということは幹周3mを超える巨木であるのに、まだまだ生長が盛んな若木なのかもしれません。それにしても、このあたりは諭鶴羽山おろしの風が強いところです。独立した1本の巨樹なので風当りは強いハズですし、室戸台風や第二室戸台風の洗礼を受けているハズです。それどころか樹齢200年と仮定したならば、室戸台風を超える暴風に見舞われているのではないか? 三原町には独立1本立ちのホルトノキの巨木・準巨木が多いです。ホルトノキは風に強い樹木であると言えるのではないか?
幹は非常に太い
幹周は3m61センチです。
幹周は3m61センチ


環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル5
ホルトノキ科 ホルトノキ 幹周3m53cm
南あわじ市神代経所にあります。国土地理院地図上ではここ (+マークの所) です。墓地の敷地の中にあります。墓地に木を植えるのは良くないといわれますが、この木が植えられたのはおそらく200年前かそれ以上前のはずです。(樹齢がそれぐらいでしょうから) あちこちのお墓に大木があるのをよく見かけますが、大木であればその木が植えられたのは相当に昔のはずです。だとしますと 「墓地に木を植えるのはよくない」 などと言うのは最近のハナシかも? てなことを考えるわけですが、どうなんでしょうか?
墓地にあるホルトノキの大木
注目すべき点は野中の1本立ちであります。完璧に独立樹です。互いに日陰にしたり、土壌の養分を奪い合う競争相手がいません。この状態ならば、その木の四方八方から陽光があたります。日蔭になる木の北側でも、直射日光は当らなくても、大空全体からの散乱光は良く当たります。これが、奥山の原生林に意外に巨樹・巨木が少なく、人里に巨木が多い理由でしょう。とくに格別に大きい巨木 (スーパー巨木とでも言おうか) は原生林にはなく人里にしかまずありません。原生林の中では樹木同士ごたがいに日蔭を作ります。樹木は密集して生えているのだから、そうなるのは無理もありません。ご互いに密集して生えていたら日照不足でモヤシ状態になってしまいます。一方、里で樹木がある程度大きくなったら注連縄を張って大事にしてくれます。これが里にスーパー巨樹がある要因ではないか?
根元は太い
根元は非常に太く、枝葉は密生して茂っています。観察していると本降りの雨になりましたが、この巨樹の下にはしずくが落ちてきません。雨宿りの巨木といえましょう。
少々の雨では滴も落ちない茂りよう
幹周は3m53センチです。
3m53センチ



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル6
ホルトノキ科 ホルトノキ 幹周3m24cm 2006年伐採
この切り株は南あわじ市(旧三原町)神代国衙国上にある久度神社の社叢林にあります。国土地理院地図ではここ (+マークの所) ですが、残念なことには2006年11月に伐採されてしまいました。大枝が枯れて腐朽しいつ落下するかわからない状態で、樹勢も衰えていましたが、2000年の時点ではまだ生存して葉をつけていました。なので、環境省の巨樹・巨木林の調査から漏れ落ちた巨木と言えましょう。
2006年に伐採されたホルトノキ
伐採される前には、このホルトノキは社叢林の林冠の上に頭ひとつ突き出してもこもこと茂っていました。
 
幹周3m24センチです。
幹周3m24センチ



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その3)
●淡路島南部には ホルトノキ が沢山あります。柏原ー諭鶴羽山系の南側にも北側にも山裾に点々と自生が見られますし、寺社によく植えられます。 洲本市千草丙にある猪鼻公会堂 の横に淡路島最大のホルトノキがあります。幹周は約5m。どぎもを抜くような巨木でこれは環境省の巨樹・巨木林調査の網に引っかかっています。環境省調査では4m81センチです。

「岡山県には自然分布はない。おそらく冬季の低温が分布を制限しているものと思われる。」 と波田先生が言うように、ホルトノキは兵庫県本土側にも分布していません。兵庫県植物目録 (兵庫県産維管束植物5, 128頁) に記載されているホルトノキの標本はすべて淡路島産であります。ホルトノキは関東以西 (以南) の温暖地・沿海地の樹木であるようです。淡路島は瀬戸内海上に浮かぶ離島なので冷えづらく、最低気温の記録は-6.1度でしかなく、冬の寒さに締まりがありません。で、寒さに弱いホルトノキも何とか越冬できるのでしょう。つまり分布の北限線ギリギリに自生するハズなのに見事な大木になります。南あわじ市の寺社林にホルトノキは非常に多いのですが、自生ではなく植栽品の感じですがみな大木・準大木だらけですわ。ただ、南あわじ市に多い樹木なのに認知度が極めて低い木です。ほとんどの住民は本種の名前を知らないようです。あちこち調べて廻っていると 「これ、いったい何の木やねん?」 と聞かれます。



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル2
ホルトノキ科 ホルトノキ 幹周   cm
9月4日付け拙記事の十一神社の鏡内 にあります。木の根元から樹冠を見上げたら圧倒されるような巨大さです。巨木・巨樹といっても、実物を目の前にしたらその迫力に圧倒されるのですが、写真では全くみすぼらしくなってしまいます。で、このアングルからの写真が一番その巨木の迫力を表現できるのではないか?
巨大なホルトノキ

↓ この木は根上がりが顕著です。環境省の巨樹・巨木調査マニュアルでは、「根上がり」 はその根上がりの最上部から130センチ上の幹周を測ります。いったいどこが、幹と根との境界なのか? 非常に分かりづらいし、人によって解釈が違い異論が出るところでしょうけれども、本稿は環境省の調査のいい加減さを立証する目的もあるので、数字が過大になるような疑惑ある測定の仕方は極力避けなければ‥‥。なお、現在幹周300センチ超であっても、環境省の2000年調査時(全国からの報告集計時)に300センチに満たなかったと推定できるものは、調査漏れの数にはいれません。15年間で幹周がどれだけ増加するかは樹種・生育環境でケースバイケースで、推定しづらいので、現在幹周330以下は数に入れない方針といたします。
根上がりが著しい

●で、肝心の測定結果ですが撮ってきた写真がピンボケで使いものになりません。近々、再度撮ってきます。なお、基準の300センチは軽々とクリアしています。
どの高さで測るか再検討して、3m80センチとしました。(9月10日拙記事)



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル3
ホルトノキ科 ホルトノキ 幹周591cm?
↓ 同じく十一神社にあるものですが、巨大な切り株が残るだけです。環境省の2度にわたる調査でも発見されることなく、幹周も測られることなく、人知れず消えて行った可哀そうな巨樹です。老朽化が著しく幹に空洞ができて危険なために2014年7月に伐採されました。1989年や2000年の環境省の巨樹・巨木林調査時には100%間違いなく生存していた巨木です。調査から漏れ落ちた巨木です。吾輩も過去何べんでもここにきて確認しています。でも幹周は測らなかったなあ。測っとけば良かったと思うけど後の祭。

↓ 写真の手前にホルトノキの巨大な切り株 (ファイル3) があります。切り株の右にあるのは石碑です。写真の向こう側の木がファイル2のホルトノキです。
写真手前に切り株、向こうにファイル2のホルトノキ

↓ 別の角度から見たところ。
別の角度から見た

↓ 幹の真ん中に空洞が出来ていて、空洞の地面は鏡内の高さより僅かに高いだけです。切口は空洞地面から90センチの高さです。この切株も根上がり傾向なので、根上がりの最上部から130センチはかなり上になりましょう。一体どれぐらいだっただろうか? 5m90よりはかなり少ないにしても5m前後あったのではないか? 数字では猪鼻公会堂の巨木級ですが、しかしながら老朽化が著しく主幹や大枝が欠損していてそう大木には見えなかったです。やはり、幹周という1つの数値・指標だけではその木の巨大さは分からない、と環境省も言っていますね。
切口の周囲を測った

↓ 5m90ですが、ただし本来はもっと上を測らなければなりませんが、今となっては測りようがありません。
5m90センチ

●なお、環境省の調査では、巨木が1本だけの 「単木」 と、複数の巨木がある 「巨木林」 に分けてカウントしています。寺社の社叢林は (いわゆる鎮守の森は) 小さくても巨木林と看做すということで、環境省の調査の手が及んだら十一神社には、「巨木林」 が1つとカウントされ、内訳として計測巨木が3本と明細されましょう。そういう定義というか基準になっています。


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ホルトノキの見分け方
ホルトノキとヤマモモの木は酷似しています。多くの人が騙されます。観察深い人ならば、よく見るとヤマモモとはなんか違うようだねと言うかもしれませんが、半数の人が 「この木はヤマモモだよ」 というわけです。「この木は、なんて言う木なのかしら?」 などと言う人は観察しているわけで、ヤマモモとは違うことに気づいています。

↓ ホルトノキの枝葉です。たしかにヤマモモににています。これでは騙される人が出るのは無理もありません。
ホルトノキの葉

↓ ホルトノキには赤い葉が混じっています。
赤い葉が混じる

↓ ホルトノキの葉は赤く紅葉したのちに落ちます。年中はらはらと紅葉が落ちてきます。
赤い葉が混じる

↓ ホルトノキの樹冠の下には赤い落ち葉があります。木に赤い葉が見られなかったら地面を見るといいでしょう。
地面に赤い落葉がある

↓ ホルトノキに全く赤い葉がないときもありますから、注意が必要です。いちおう年中紅葉して葉が落ちるといっても、季節的な消長があります。冬から春にかけては紅葉が非常に多いですが、夏から秋にかけては非常に少なくなります。で、ホルトノキには赤い葉があると思いこんでいたら、これまた騙されます。
赤い葉がない場合もある

↓ 騙されそうになったら、葉のギザギザを見たらいいのですが、ホルトノキの葉には、葉のふちに鈍い鋸歯があります。このギザギザの形状はややケヤキの葉に似ています。ヤマモモの葉には通常は鋸歯がないので見分けられます。
ホルトノキの葉には鋸葉がある

↓ ただし、ヤマモモの葉にも鋸歯が出る場合もあるので要注意です。何重にも騙される可能性があります。でも、鋸歯の形状は両種でかなり違います。
ヤマモモの葉にも鋸歯がある場合もある

↓ 決定的に違うのは花や果実ですが、ホルトノキの果実は楕円形で、緑色から熟せば青黒っぽく、夏から冬まで木に着いています。ちょうどホルトノキに紅葉が非常に少なくなる時季に果実があるので、果実を探すといいでしょう。花の時期はちょっとの間ですが、果実があるのは何カ月にも及びます。ホルトノキの果実の長さはせいぜい2センチですが、秋遅くに熟して食べられます。結構甘くて美味いですわ。
ホルトノキの果実


環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その2の続き)
●前回のエントリーでムクノキが出てきました。(出てきたと言うよりも出したと表現すべきかもしれませんが) ムクノキはニレ科の樹木です。南あわじ市にはニレ科の樹木は、ムクノキ、エノキ、ケヤキ、アキニレの4種が見られます。で、ついでに旧 三原町内のケヤキとアキニレの巨樹を紹介いたします。ただし、幹周が3mを少し超えるか、3mに僅かに足りません。環境省が巨樹・巨木の調査をしたのは一回目が1988年、2回目は2000年です。その頃には確実に3mに満たなかったハズだから、以下に掲げるのは今後の参考のためです。全国一斉に3回目の巨木・巨樹調査が行われる際には調査対象になります。で、参考巨樹といたします。

参考巨樹 1 (将来3回目の巨樹・巨木調査の対象)
天野神社のケヤキの巨木です。 南あわじ市 (旧 三原町) 八木馬廻の成相寺の奥、一段上に天野神社があります。成相寺には巨大イブキ (環境省の報告書では別名のビャクシンで記載) があるのですが、イブキは環境省の巨木調査に記録されています。それとは別の巨木です。天野神社には幹周3mのケヤキだけではなく、社叢には4m60センチの巨大シイノキもあります。これらは環境省調査から漏れ落ちています。場所は 国土地理院地図上ではここ(+マークの所) ですが海抜は110mぐらいか? さらに申せば、成相寺に行く手前200mぐらいに幹周3m60の巨大シイノキがありますがこれも環境省調査から漏れ落ちています。なんともはや、環境省は沢山の税金を使っているのに巨樹・巨木林調査は遺漏だらけでありますね。もうすっかり地球温暖化騒動は鎮静化してやれやれですが、環境省は政治的なねつ造ヨタ話をふりまわしたり、せっかく調査をしても、これだけ調査漏れがあれば税金の穀潰しといっても言い過ぎではないかも? 環境省を激励するために、調査から漏れ落ちた巨木巨樹を探すのに力がはいります。

↓ 威厳のある立派なケヤキです。目を見張るのは主幹の真っ直ぐさであります。直径1mの太さの幹が真っ直ぐに立ち上がっていますが、かなり上まで太さがあまり変わりません。ケヤキといえば用材としては水に強く寺社建築に使われる超高級用材でありますが、この写真の木は丸太のまま大寺院の柱にも使えそうな立派なものです。日本の林業は安い外国材に押されて採算が取れませんが、持ち山を所有している人ならばこのようなケヤキの造林をするのがいいかも? でもまあ幹周3mまで育てるには200年はかかりますわね。お金になるのは何代先なのでしょう? 京都の有名なお寺が400年後の用材確保のために、山林を購入してケヤキの植林という壮大なハナシ → 「清水の舞台」 柱の改修は400年計画
天野神社の巨大ケヤキ

↓ 周囲の社叢林から頭を一つも二つも突き出しています。成相川をはさんで向こう側の道路から、このケヤキ巨木の樹冠がよく見えます。樹高は30mぐらいあるかも? このたびの南あわじ市内巨樹巡礼は正式調査ではなく、もし将来に吾輩が正式調査に参加するのであればそのための予備調査という心づもりです。であるから、幹周は環境省の巨樹・巨木林調査の調査ガイドラインを熟読して、それに準拠して測りますけど樹高や枝張り長の測定は必ずしもしません。十分な道具もないですし、4、5人の調査グループを編成してかからないと測定しづらいですわ。
社叢林から頭を突き出して枝葉を茂らせる

↓ 地面から高さ130センチで、幹周は3m12センチ!
ただし、2000年の2回目の環境省巨樹・巨木林調査時には3mに達せずに調査対象外だったと思います。今後は調査対象巨木です。こんどは漏らさないように‥‥。それと、巨樹巨木は文化財です。この木の管理者 (神社総代とか地区の役員たち) に、この貴重なケヤキ巨木を絶対に切らないように、守るようにという呼びかけや指導がいるのではないか? 吾輩が言うても 「おまはん、何をエラそうなこと言うんや、何をどうしようがワシらの勝手じゃ」 と怒られるのがオチですわ。

幹周は3m12センチ


参考巨樹 2 (将来3回目の巨樹・巨木調査の対象)
三社神社のアキニレの巨木です。 所在地は南あわじ市 (旧西淡町) 志知鈩 (しちたたら) ですが、国土地理院地図ではここ(+マークの所) です。まず旧 三原町の巨樹巨木から取り上げているのですけれども、できるだけ近縁種をまとめて掲載しようとしたために、僅かに西淡町に足を踏み外してしまいました。


見事なアキニレの大木ですが、これほどの大木は非常に珍しいです。ハルニレとよく似た木ですが、ハルニレは春に開花し、北日本や高地に分布する樹木で淡路島にはありません。アキニレは秋に (9月) 開花します。開花時期がハルニレと全く異なります。
アキニレの巨木

↓ 台風で折れたのか、主幹の上部が欠損しています。
主幹の上部が欠損している

幹周は2m96センチ! 4センチ足りません。仮にこの木が樹齢200年と仮定するならば、また樹木の太り方が等速度 (実際は若木の幹の太るスピードは老齢の木よりも早い) だと仮定するならば、このアキニレの幹周は毎年1.5センチづつ幹周は増加します。あと数年で巨木・巨樹の基準の幹周3mを超えるでしょう。まちがいなく次回の環境省の巨樹・巨木林調査の調査対象です。
幹周は2m96センチ! 4センチ足りない。


近縁種の樹木をどうやって見分けるのか?
しばしば 「草本植物(草)よりも、木本植物(木) のほうが見分けるのが難しい」 と言われます。別にそんなこともないと思うのですけれども、樹木は手の届かない高い梢で葉をつけ花を咲かせます。手にとって葉や花や果実を観察しにくいという事情があるから、その点では樹木の同定 (名前調べ) は非常に難しくなります。ではどうしたらいいのか? 双眼鏡で高い梢の葉や花を見たり、地面に落ちた葉や花を探すのはもちろんですが、その木の樹皮を目を凝らして観察します。下の3葉の写真はタテが実物の30センチに該当するようにスケールを同じにそろえました。

↓ アキニレの大木の樹皮
アキニレの大木の樹皮

↓ ケヤキの大木の樹皮
ケヤキの大木の樹皮

↓ ムクノキの大木の樹皮
ムクノキの大木の樹皮

●エノキの大木の樹皮の写真は、目下準備中です。アキニレとケヤキは似ているじゃねえか! と言われそうですが、確かに酷似しています。で、葉を観察します。アキニレの葉はかなり小さいです。


環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その2)
環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち ファイル1
ニレ科 ムクノキ 幹周347cm

南あわじ市 (三原町) 市円行寺の十一神社の鏡内にあります。地図上の場所はここ(+マークの所) ここには3本も巨樹があり、小さな社叢も巨木林とみなすので巨木林であると記録できます。3本ともに環境省の調査から漏れ落ちています。まずムクノキは拝殿奥の左手にあり樹高は25mぐらいか? 鳥居の右には幹周4m近いホルトノキがあります。特筆すべきは、鳥居の左に巨大な切り株があります。これは切り口の周囲が6m近いホルトノキですが、空洞化が著しく危険なため2年ほど前に伐採されました。環境省が調査した1998年や2000年には生存していた巨木ですので、漏れ落ちたと言えましょう。

南あわじ市 (三原町) 市円行寺 十一神社
南あわじ市 (三原町) 市円行寺 十一神社

↓ 威風堂々とした巨大なムクノキです。どっしりと風格を感じさせます。拝殿の後背に鎮座して、社叢のかなめと天空高くそびえる巨木です。ムクノキはムクドリが来る木だからムクノキと言うようになったとされますが、逆に考えたら、ムクノキに来る鳥をムクドリと言うようになったのかも? どっちなんだろうか?
ニレ科 ムクノキ

亜熱帯の樹木によく見られる板根(ばんこん) ほどは顕著ではありませんが、板根状のものが観察できます。幅20センチほどで、高さは地面から幹に近いところでは1mちかくあります。
板根状に根が露出して発達

↓ 環境省の調査ガイドラインによると、幹周は通常は地面から1.3mの高さではかりますが、板根が1.3mよりも高い位置まで達していたら板根の上部で測るとなっています。で、板根の付け根のふくらみを避けて1.8mの高さで測りました。幹周は347cmですが、1.3mのところで測ると4mに達します。
板根の膨らみを避けて幹周を測った
幹周347cm

↓ ムクノキは巨木になれば樹皮が縦に長く剥がれます。これが一つの特徴です。淡路島に自生している近縁種では、ケヤキやアキニレは亀甲状あるいは短冊状に樹皮がはがれます。エノキは樹皮が剥がれません。馴れると樹皮をひと目見たら見分けられます。
樹皮が縦に剥がれる

↓ ムクノキの巨木の樹皮は自然に剥がれ落ちますが、手で簡単に剥がすことも出来ます。樹皮を腐熟させると上等な堆肥 (バーク堆肥) になります。
剥がれた樹皮を腐熟させると、上等な腐葉土となる

↓ このムクノキの根元にコフキサルノコシカケ (オオミノコフキタケ) が発生していました。今後はこの木の幹の材が浸潤されていき、やがて空洞となりましょう。樹全体を見れば健康そうな木に見えますが、必ずしも健康とは言い切れません。
コフキサルノコシカケ (オオミノコフキタケ) が出ている



環境省の調査の網から漏れ落ちたかわいそうな巨木・巨樹たち。    兵庫県南あわじ市編 (その1)
●前エントリーで巨木・巨樹の話題が出てきましたので、自分の住んでいる町の身近な巨木を観察します。巨木・巨樹の調査というのは環境省の利権なのですが、1988年~1989年に全国規模での調査および情報処理がおこなわれ1990年3月に報告書 巨樹・巨木林調査 報告書 (全国版) が発表されました。巨木・巨樹の国勢調査だと大変な話題になりました。1999年~2000年に再調査が行われ2001年3月に2回目の報告書 巨樹・巨木林フォローアップ調査報告書 が発表がされました。3回めの調査報告書はまだだと思いますが、わが南あわじ市でも沢山の巨木・巨樹が報告されました。吾輩が入会している植物調査会の会員にも巨木・巨樹調査に参加した人がいたようですが、吾輩は 「お役所が主導する調査などは、お役人たちの利権の一つ」 とぐらいにしか見ていないので一切かかわっていません。高みの見物でした。

案の定、報告書はかなり杜撰なもので、全国調査といいながら克明に調査された地域と、調査がきわめて手薄な地域との調査密度の濃淡が顕著です。専門家から子供達まで大勢が参加して調査したため、調査員の属性がまちまちで調査の正確さの担保も怪しげに思われます。とくに、巨木の幹周の測り方が問題で、測る位置の微妙な違いで数値が大きく変わってしまいます。でもまあ、全国的な巨木・巨樹の現況調査としてはそれなりに意義はあろうかと思うのですけれども、幹周の数値のみをもって巨木の順位をつけるのは好ましくないないのではないか? たとえば樹種によって樹形・樹姿が全く異なります。同じ幹周が12mの巨木であっても、横広がりのクスノキと比べると、天空高くそびえ立つスギは神々しいまでに巨大に見えます。それから、調査密度の濃さが都府県によってかなり違うわけだから、県別の巨木本数の順位をつけるのも無理があります。なんと都道府県別の巨木数の1位は東京都です。へえーっ? てな感じです。意外というよりも違和感を感じますね。東京都が1位になった理由の1つが山間部の奥多摩のある山域を徹底的に調査したことが反映しています。ならば、山国の県で原生林をしらみつぶしに調査すれば巨木本数はハネ上がるのではないか? 環境省の巨木・巨樹調査はいろいろと問題や疑問が多く、突っ込みどころ満載の調査であります。

●ま、しょせん調査なんてそういうものです。植物の分布調査、フロラの解明、などは調査が手薄ならばその地域の植物の種数は少ないですし、徹底的に調べれば調べるほど次から次へと新しい植物が見つかるものです。巨木でも同じで、野山や里を歩き回れば回るほどに、新しい巨木が見つかるものです。環境省の2回の調査で、わが南あわじ市では20本の巨木が報告されています。しかしながら、いかに調査から漏れ落ちた巨木があるかを順に示して(写真を撮り幹周を測ってくる必要があるので少し時間がかかりますが)、国 (環境省) がやる調査であっても実はかなりいい加減なものだということを立証したいと思います。 環境省の行った2回の巨木・巨樹調査の成果はデータベース化されていかす。奥多摩町森林館 巨樹・巨木林データベース で検索閲覧できます。わが南あわじ市から報告された巨木は20本です。以下がそのリストです。



旧 三原町は10本
南あわじ市 旧 三原町の巨木

【吾輩のメモ】 三原町2番のカエデの地所は神代社家、個人所有、欠損度は大枝枯損、空洞あり。 三原町10番のシイノキも地所が神代社家、個人所有、欠損度は大枝枯損、小枝枯損。 詳細な記録を近畿版の277-278で確認した。いったいどこなんだろうか? と思ったがこれで分かった。上田池の奥の一軒家 (現在は無人) だ。

旧 西淡町は9本
南あわじ市 旧 西淡町の巨木


旧 南淡町は1本
南あわじ市 旧 南淡町の巨木


●なお、旧 緑町からは巨木の報告はないようですが、南淡町が1本だけってなのはいくらなんでも変です。わざわざ調査に向かわなくても10本は思い浮かびますわ。要するに調査がされていないのでしょう。三原や西淡は比較的に調査が行き届いたと思われます。けれども、あそこにシイノキの巨木があったね、ここにも確かホルトノキの巨木があったよね、と調査から漏れた可哀そうな巨木たちが脳裏に思い浮かんできます‥‥。


       ***********************************


ちなみに‥‥
淡路島最大の巨木は兵庫県最大のクスノキ。(幹周900cm)

巨木 (=巨樹、環境省調査では両者を区別していませんが、用語を統一して巨木が使われています) とは地面からの高さ1.3mで幹の周囲が3m以上と定義されていますが、淡路島には幹周10mを超えるようなスーパー巨樹(?)はまだ見つかっていません。多分、ないでしょうね。下の写真のものが淡路島最大の巨木です。旧 一宮町のイザナギ神宮の夫婦大楠の800cmよりも100cm大きいです。なお、これは環境省調査から漏れてはいません。


兵庫県洲本市鮎屋 にあります。楠大明神がお祀りされていますが、このクスノキそのものがご神体なのかも? 
兵庫県最大のクスノキ 楠大明神側から
楠大明神 御神体はこのクスノキ?

↓ 反対側に回ってみました。鮎屋多目的集会施設という建物があります。鮎屋地区の公民館なのか? あるいは別の施設? 広い庭は楠大明神の鏡内地なのかな?
反対側から見たところ
鮎屋多目的集会施設

↓ このあいだ観察した徳島県・加茂の大クスと比べれば貧弱ですが、クスノキでは兵庫県一という巨木なので根元はそれなりに立派です。ただし、クスノキは根元が根上がりになる傾向の強い樹木ですが、ここのものは全く根上がりになっていません。おそらく根元に客土してかさ上げをしているのではないか?
根元はそれなりに巨大
根元に土を入れてあるようだ

↓ 環境省のデータベースでは樹高25mとなっています。けれども目測でそんなにあるとは思えません。幹の太さの割に樹高や枝張り横幅が少ない印象がします。で、よく観察したら、太い枝をすべて切り詰め剪定しているではありませんか! 茂り過ぎて樹姿をコンパクトにしようとしたのでしょうが、おそらくご神体の木を傷つけて誰かバチが当たったのではないか? 切り詰め剪定の切り口から出た枝は細く、2000年に調査された時は剪定前だったのではないかな?
大枝の伐り詰め剪定がされている

↓ 当地は鮎屋川の河岸段丘面の端 (段丘崖の上) にあります。写真は集会場の端から鮎屋川を見下ろしました。平坦面には田んぼがあり、段丘崖は傾斜が急なので田畑が出来ず樹木が茂っています。のどかな、とてもいい風景です。
このクスノキの立地は、河岸段丘の上にある
↓ 段丘面の風景ですが、すこし標高が高くなっているので遥か遠くがよく眺望できます。なんとなく高原の雰囲気です。遠くに先山 (せんざん、448m) が見えています
段丘の上は高原見たいな風景
↓ 先山にズームイン。
先山nズームイン



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