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雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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樫戸丸 (標高1566m) のオオヤマレンゲを見に行った (その4)
オオヤマレンゲの国内の分布
●オオヤマレンゲは天女花ともよばれ、幻の銘花とされています。1000~2000mの山の上にしかありませんし、その自生地は点在するだけで、山に行けばどこにでもあるというわけじゃないです。個体数も少ないです。徳島県の山じゃ剣山(1955m)、樫戸丸(1566m)、高ノ瀬(1741m) などにあるのは良く知られています。四国山地の主稜線上にありますわね。たとえば矢筈山系とか他にもあるんですか??

●オオヤマレンゲが清楚で純白無垢な幻の銘花とされる理由のひとつに、開花期が関係しているのではないか? なんせ梅雨に咲く花です。雨降りに当たることが多い時季ですし、雨が降らんでも高い山ではガスってしまうから何も見えません。景色が見えないから道に迷い遭難するかも? ま、登山でも植物観察でも敬遠しがちな時季であります。自生地・個体数が非常に少ないことに加えて、出かけたくない時季に咲くから幻の花となるのでしょう‥‥。


↓ 2015年6月23日徳島県樫戸丸のオオヤマレンゲ保護自生地にて吾輩が撮った写真ですが、若干花が傷みかけています。が自生地にはまだ蕾がけっこうあった。個花は数日のはかないものでしょうが、早い花と遅い花が混在しているので自生地全体での花期は1か月近くに及ぶのではないか?
樫戸丸のオオヤマレンデ

オオヤマレンゲの国内での分布図
日本植物分類学会 『植物分類・地理』 1980.11 117-126頁 植田邦彦 「オオヤマレンゲについて」 より借用させていただきます。オープンアクセス論文です。
オオヤマレンゲの分布図


オオヤマレンゲの産地 49地点
論文では産地・採集者・標本番号・標本庫の順に記述されていますが、産地のみ抽出、英文を和文に改め、抜粋借用した。なお、勝手にその産地の山の標高を付け加えたが、その標本が山頂で採取されたわけではなかろうから、自生地の標高とは異なると思われます。また、産地名には古い市町村名があり現行名とは異なる。

本州
群馬県 谷川岳北 清水峠(約1450m)・谷川連峰 茂倉岳(1978m)
長野県 上水内郡黒姫山(2053m)・下高井郡志賀高原・諏訪郡三峰山・(1888
      m)・諏訪市 霧ヶ峰(1800m前後)・大町市 餓鬼岳(2647m)・南安曇郡
      槍ヶ岳槍沢・東筑摩郡鉢盛山(2447m)・木曽郡上松町・木曽郡田立村・
     下伊那郡 阿智村・上伊那郡 飯島町・南佐久郡 八ヶ岳連峰 海ノ口
山梨県 甲斐駒ケ岳(2967m)・東山梨郡 笛吹川上流部
岐阜県 槍ヶ岳
石川県 医王山(939m)・白山(2702m)
福井県 白山近傍 橋立峠(1410m)
奈良県 大峰山系 稲村ヶ岳(1726m)・大峰山系 山上ヶ岳(1719m)・大峰山系
      弥山(1895m)・大峰山系 釈迦ヶ岳(1800m)・大台ケ原山(1695m)
三重県 大杉谷村
広島県 比婆山地 Mikoto山(?)・天狗石山(1192m)・冠山(1339m)
山口県 寂地山(1337m)

四国
徳島県 剣山(1955m)
高知県 白髪山(1770m)・工石山(1516m)・石立山(1708m)・黒滝山(1210
      m)
愛媛県 西赤石山(1626m)・石鎚山(1982m)

九州
福岡県 英彦山(1200m)
大分県 傾山(1605m)・涌蓋山(1500m)
熊本県 阿蘇根子岳(1433m)・八代郡 雁俣山(1315m)・市房山(1721m)・上
      益城郡 内大臣山
長崎県 雲仙山(1359m)
宮崎県 祖母山(1756m)・霧島 硫黄山(1317m)
鹿児島県 霧島 韓国岳(1700m)・屋久島(1936m) 



オオヤマレンゲは温帯の植物
●分布図を見ると、オオヤマレンゲの国内での北限地は北関東の谷川岳周辺あたりで、新潟県南部にも自生するようです。南限地は屋久島です。自生地標高は1000-2000mで、ブナの分布高度とほぼ一致しているようですが、若干ブナよりも300mぐらい高いか? なという印象がします。北陸地方の豪雪地帯の山にもあり太平洋側の少雪地帯の山にもあるので、積雪の多寡がオオヤマレンゲの分布制限要因にはなっていないようです。普通に火山 (玄武岩や安山岩など) の山にもあれば、石灰岩の山 (たとえば剣山山頂直下北東斜面) や 超塩基性岩 の山 (たとえば西赤石山) など色々な地質の山にあるから、自生地の地質や土質はあまり選ばないのか? それよりも岩場とかガレ場とか崩壊地や林縁、それから ギャップ の中など、高木・亜高木に被陰されないところに好んで生育するような感じがしますね。


大峰山系の奥駆けの道にあるのは国の天然記念物
くりんとの自然観察ガイド 「大峰のオオヤマレンゲ」 がよく参考になります。
文化庁 国指定文化財等データベース 天然記念物オオヤマレンゲ自生地




●昔、この天然記念物を見に行ったことが1回だけあります。登山口の川合というところ(標高約600m)から尾根を直登したのですが、標高差1300mを登らにゃならんのでしんどい山です。吾輩はもう老人になったのでこんな標高差はもうよう登らんわな。今じゃせいぜい300mぐらいか? むかし東海地方の某所に住んでいたころ紀伊半島の山々は足しげく登りましたが、最近は疎遠になっています。洲本から大阪最南部の深日 (ふけ) に渡るフェリーボートがなくなったんで、紀伊半島に渡れなくなりました。紀伊半島方面 (和歌山) に行くには、一旦徳島市まで出て紀伊水道を横断するフェリーに乗らにゃなりません。淡路島から紀伊半島に行くのに、なんで四国に行かにゃならんのか? 絶対におかしいわ!



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樫戸丸 (標高1566m) のオオヤマレンゲを見に行った (その3)
喰える物という基準‥‥
●林道木屋平木沢線を、旧木屋平村側から登ったのですが、その道中で見られた植物たちの写真を陳列します。狭い範囲でも植物は何百種とあるものですが、独断と偏見で喰えるものという基準で選びました。どんなに綺麗な花であっても、見るだけでは腹の足しにはなりません。 

●安保関連法案がもし通ったならば大変です。自衛隊は軍隊となりアメリカ軍の二軍として米国の大義なき侵略戦争に加担させられます。戦闘で戦死者が続出、軍に志願者がいなくなって徴兵制が復活か? しかしまあ、実は、徴兵制など敷かなくて日本軍に志願者はあります。若者の格差をさらにドンドン大きくすればいいのです。実際に政府はそれを着々と進めていますね。喰いつめ生活ができなくなった若者の経済難民が大量に出現、好むと好まざるとにかかわらず、軍に志願してきます。軍しか正規の雇用がありませんから。軍隊に入ればメシは食えます。つまり、経済徴兵です。つまり形式的にはあくまでも志願兵ですが、実質的には弱者をていよく徴兵するということであります。政府の政策は明らかにそれに向かっています。ま、宗主国のアメリカがそんな感じなので、米国のやり方に準拠した政策でしょうね。安倍首相を支持率ゼロ (実は、これがよく効く) にして早く引きずり降ろさないとこの国は大変なことになりそう…。 でもまあ、もはや手遅れかも? 日本軍国主義復活、事実上の経済徴兵の危惧が相当に高まっています。自民党は極右のカルト集団と変わらない狂気の本性を顕しはじめました。 

さて、その軍隊ですが、 「生き残り訓練」 が行われるでしょう。ゲリラ戦で山に隠れて食糧は現地調達 (山中調達) で生き延びる‥。という想定の訓練です。戦場では想定ではなく現実になるかも? この時に役に立つのが食べられる動植物の知識です。食毒の見分けなど身につけていれば必ずや生き残れるハズです。



オニグルミ
↓ オニグルミは野生のクルミです。栽培種のクルミほどは殻の中の身が大きくありませんが、食べられます。味はオニグルミのほうが濃厚で美味いように思います。谷筋に多い樹木で暖温帯でも冷温帯でも見られます。1本の大きなオニグルミの樹を見つけたら、籠に一杯どっさりと拾えますから、ありがたい山の幸だと感謝して拾いましょう。クルミ拾いの適期は秋中盤の10月です。
オニグルミ
オニグルミの果実

●興味深いことは、淡路島の最南部を占める旧南淡町の砂浜海岸で、梅雨から夏に砂浜の中にオニグルミの実生が頻繁に観察できます。四国山地のオニグルミの実が渓谷に落ちて、吉野川支流 → 吉野川本流 → 紀伊水道(鳴門海峡) → 南淡町の砂浜海岸へと流れ降ってくるのでしょう。たぶんほぼ間違いないところです。ただし、波打ち際で芽生えるので台風の大波でやられてしまいます。たとえば漂着したオニグルミの実をカラスがくわえて内陸部に運ぶなど、そうとうな幸運に恵まれないと育ちません。要するにオニグルミの種子散布の様式は水 (水流) 散布であることを示しています。


トチノキ
↓ トチノキの花の後に小さな実ができています。トチノキは必ずしもブナ帯の樹木ではなくかなり標高の低いところにも見られますが、自生しているのはたいていは谷沿いです。尾根筋でもないことはないのですが少ないです。オニグルミと同様に渓畔林に出現する樹木のようであります。よく谷筋にそって上から下まで点々と見られることがあります。 9月になって徳島県の山や渓谷を歩いているとトチノキの実が落ちています。拾って土産に持ち帰りましょう。四国ではトチノキの実など拾う人はいないですが、ちょっと勿体ない。トチ餅などにして食べられるのですけど、作り方は結構むずかしいです。ここは山菜や木の実の利用技術に長けた長野県や新潟県の人に教えてもらいましょう。
トチノキ

●興味深いことは、四国山地起源のオニグルミの実生が淡路島の砂浜海岸で頻繁に見られるのですが、ところがトチノキの実生は全く見たことがありません。トチノキも渓谷に沿って見られることが多いから、種子は水散布で広がると強く推認できます。なぜ四国山地起源のトチノキの実が淡路島に漂着しないのか? 実験したらその理由が簡単に分かりました。オニグルミの実は水に浮かぶのですが、トチノキの実は水に沈みます。これでは紀伊水道 (鳴門海峡) を渡れないわけです。


クリ
↓ クリは栽培される樹木ですが、日本クリの栽培種はもともとは日本の山野に自生していたものです。自生品から実の形質のいいものを選抜育成したものです。野生にあるものは栽培種が野生化したのではありません。クリはもともとが山に自生している樹なので、注意して観察すると意外にたくさんあります。栽培品と変わらないぐらい実の大きなクリも山中にあります。標高の低い里山にもクリはあるし、標高のかなり高いブナ帯の1500mの所でもクリを見ます。秋に籠を持ってクリ拾いに行きましょう!
クリの木
クリの花
クリの果実


ブナ
↓ 今年 (2015年) は徳島県の山ではブナの実の豊作のようです。たいていのブナの木に実がどっさりと成っていますね。ブナの実はソバの実ににて三角形をしています。ソバの実に似ているから信州などでは山ソバと呼んでいるみたいです。実は小さくて食べるところはほんの僅かですが、天然のナッツとしてありがたくいただきましょう。フライパンで炒ってから食べるとよろしい。 ところで以前にブナの実を持って帰り土に播きました。よく発芽して小さな苗は沢山出来るのですが、どうしても夏が越せません。夏が越せずに秋までに枯れてしまいます。瀬戸内地方の平地ではやはりブナを育てるのは難しいです。プロ園芸家があの手この手で夏が涼しくなるように工夫すれば、ひょっとしたら平地でもブナが栽培できるかも? 徳島県植物同好会 『半田町の植物相』 阿波学会研究紀要第38号所収 によれば、旧半田町で、標高約 600m の所の十二社神社の社叢にブナがあり、また、標高約 460m の日浦の石堂神社社叢にもブナが1本あるそうです。山地の北斜面の涼しい所では海抜500m前後でブナの生育が可能か? 淡路島でも諭鶴羽山ならばブナを植栽しても育つかも?
ブナの実の豊作
別名 「山ソバ」 とも言うブナの実


ヤマブドウ
↓ ヤマブドウは徳島県の山では1000m以上で見られます。低いところにはありません。ヤマブドウは酸っぱいというイメージですが、確かにそうですが秋遅くに (初冬に) 霜に当たったものは甘くなるのと、樹によって個体差がありそんなに酸っぱくない個体もありますね。1本1本微妙に味が異なるように思います。これはサルナシでもわが淡路島南部に自生するシマサルナシでも同じです。栽培されている果物はたいてい接ぎ木で苗木が生産されるから果樹園の樹はみな遺伝的には同じです。遺伝的に同じであっても日当たりとか環境が異なれば成った果物が甘かったり酸っぱいかったりと違うわけです。ましてや遺伝的に異なれば成った実の味にはかなりの差がでます。で、秋遅くに籠を持ってヤマブドウの実を採りにいくのですけれども、なによりも味のいい実を成らす樹を見つけることが肝要です。つまり、朝早く真っ暗なうちに家をでて、日の出ごろにヤマブドウ自生地にたどり着き、日がな一日ヤマブドウの実を試食して回る。試食すればするほど格別に味が良い個体が見つかる可能性があります。ブドウ類は挿し木が比較的に簡単ですが、味が良いヤマブドウが見つかったならば栽培可能か? 1000m以上に自生するヤマブドウを挿し木で平地に降ろして育つのでしょうか??
ヤマブドウ
ヤマブドウの大きな葉
ヤマブドウの果実


サルナシ
↓ 別名シラクチヅル。あるいはコクワ。旧 東祖谷山村の有名なかづら橋はこのサルナシの蔓で作っています。暖温帯上部~冷温帯に自生は非常に多いのですが、実をつける個体は意外に少ないようです。樹上で柔らかくなった実はそのまま食べられるが、堅い実ならば採ってリンゴと一緒にカン袋に入れて追熟させますが、これが意外に難しい。写真はタンナサワフタギに覆いかぶさるように茂ったサルナシですが、地上1.5mまでの葉は全部食われています。シカはマタタビ科の蔓植物をたいそう好むようです。
サルナシ
サルナシの果実

淡路島は全域がほぼ暖温帯下部にあたり、サルナシは分布していません。淡路島にあるのはすべてウラジロマタタビであります。両種は酷似していますが、サルナシは葉の裏面が粉白色ではないです。香川大学農学部の片岡教授の サルナシ,ウラジロマタタビ,シマサルナシの見分け方 が詳細で参考になります。
サルナシの葉の裏面は粉白色ではない

●ウラジロマタタビは暖地・低地に、サルナシは冷涼地・高地に、とハッキリと棲み分けている印象がします。なので淡路島にはサルナシがないということでありましょう。たぶん元来はウラジロマタタビが基本種であったが、何らかの要因で倍数性を得たものが形質を変化させ、耐寒性を獲得して、より北方や標高の高いところに分布を広げてサルナシとなったのではないか? ただ耐寒性を得ただけでは山の上にはサルナシ、平地や山裾ではウラジロマタタビとサルナシがあるということになりそうです。しかし実際には標高の高いところしかサルナシが見当たりません。そうなりますとサルナシは耐寒性を得るとともに耐暑性を失った、と考えると合理的な説明がつきそうですが‥‥、どうなんでしょうかね??


ホオノキ
↓ ホオノキは日本本土の樹木の葉では一二を争う大きな葉が特徴です。古代から食品を包む葉として知られています。つまりホオノキの葉は包装紙でありお皿なのであります。収穫した山の幸はホオノキの葉で包みましょう。ホオノキはオオヤマレンゲと同じくモクレン科の樹木。
ホウノキ
ホウノキの葉はお皿の代用


【付録】 バイケイソウ
↓ バイケイソウですが花期には葉がすでにくたびれています。写真のものはまだましなところで、既に枯れる寸前という状態のものもたくさんありました。なんとなくスプリング・エフェメラル (春のはかない植物、カタクリとかイチリンソウやニリンソウなど) に近い感じがします。日のあたるところのバイケイソウも葉がくたびれています。葉が青々としていたら秋口までに地下茎にしっかりと養分を溜められるのに、早期に葉がダメになるのは何故だろうか?
バイケイソウ

↓ バイケイソウの花 (個花) を観察してみましたところ、花弁は6枚です。花弁の周囲は、鋸歯のようで鋸歯ではなく、ちりちりと縮れています。花弁には葉と同様な平行脈模様があります。おしべは6本です。おしべの先端の粉袋は紫というか黒っぽいですが、最初はどういう色だったか? (色は変化すると思われます) めしべの花柱の先っぽは3つに分かれています。
バイケイソウの花

↓ バイケイソウはシカの不嗜好植物でしたが最近はシカが食べるようになったのか? 厚生労働省のホームページにある 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:バイケイソウ が大変詳しくバイケイソウの危険性を注意させています。中毒の実際例を新聞記事などから収集していますが、バイケイソウを誤食して死亡例もあるようです。シカは大丈夫なのだろうか? ヒトと動物では体の仕組みや解毒機構が異なり、ヒトには有毒でも動物の種によっては無毒のものや、逆にヒトには無毒でも動物の種によっては有毒なものの例が色々とあるみたいです。で、動物や虫が食べているキノコや草は安全だと考えるのは危険です。
葉がかじられている


ヒコサンヒメシャラの花 (落花)
↓ 一帯の山系にはナツツバキ属の樹木として、ナツツバキ、ヒコサンヒメシャラ、ヒメシャラの3種とも自生していますが幹や樹皮がみな良く似ていて見分けがつきません。吾輩もよう見分けられません。分類上かけ離れたリョウブなども幹が似ているからよけいに見分けがつきません。しかしながら、花があれば識別は簡単。花の大きさが大・中・小と異なります。ナツツバキは大(花の径6~7cmか)、ヒコサンヒメシャラは中(花の径3~4cmか)、ヒメシャラは小(花の径2.5cmか) ただし数字は個体差があるからある程度の幅がある。花のない時期にこれは何の木? と聞かれたらどうしたらいいのか? 果実の大きさも違うようですが識別は難しく、 「ナツツバキ属の木じゃな」 と返事すればよろしい。種名が分からなくても属名ならば見当つく場合も多いから、属名を言えばいいのです。これが良い誤魔化しかたです。
ヒコサンヒメシャラの花
ヒコサンヒメシャラの花(裏側)



樫戸丸 (標高1566m) のオオヤマレンゲを見に行った (その2)
●剣山スーパー林道は、高城山のレーダー雨量観測所の資材運搬モノレールから少し剣山方向へ行ったところが崩落しています。2015年秋遅くに復旧する予定で現在工事が行われています。で、ファガスの森からは車では樫戸丸へ行けません。徒歩ならば高城山の山頂を経由して行けなくもないのですが、屈強の登山家ならばともかくも、吾輩のような体力劣等児にはとても無理であります。で、林道木屋平木沢線を木屋平側から車で登って行ったのですが、これがまた非常に恐い道です。

●林道といっても舗装が進んで泥の道の部分は僅かになりましたね。でも、山の斜面は急だし、絶壁みたいなところがあるし、いつ落石があるかもわかりません。ガードレールがない部分もあり、積雪が残るころに行って滑れば谷底に転落か? 恐いです。一口で評すれば 「恐い道」 です。 よくまあ、こんな恐い道路が造れたものだと工事に従事した建設会社の方々に敬意を表したいと思います。 木屋平村の就業者のうち建設業従事者比率は統計で37.7%でしたか? 全国でもトップクラスです。林道建設などの公共工事が木屋平村の基幹産業であるのは間違いなさそうですが、恐い林道もやらなければいけないのは大変で、高所恐怖症の者には無理でしょう…。 以前に近所の電気工事の会社の経営者とハナシをしていたら、「そんなもん馴れじゃよ。馴れてしまえば100mの鉄塔の上も2mのところも、何じゃ変われへんで」 とこともなげに言い、その経営者は若いころそうとう鉄塔の上に登ったらしい。そんなものかなあ? 林道木屋平木沢線はガードレールの下側を覗いたら足が震えるようなところだらけで、何回通っても恐い道です。馴れれへんわ。ま、剣山スーパー林道だってかなり恐い道であります‥‥。


↓ 徳島市から神山町を経て、旧 木屋平村に進入してきました。展望所からは、今日は剣山は雲の中にお隠れです。地図上の場所はここ 海抜は720mくらい。
剣山展望所 川井峠

↓ 展望所からすこし降ったところで、川成峠 (1318m) や天神丸 (1632m) 方向を見上げましたが雲がかかっています。
樫戸丸~天神丸は雲の中

林道木屋平木沢線の進入口 にやってきました。ガソリンスタンドが目印です。スタンド手前を左折します。
林道への入り口

↓ 最近できたのか? 案内標識がありますが、高すぎてよく見えません。
高すぎて見えにくい案内標識

↓ 林道の入り口の標高は330mですがだいぶん登ってきて標高710m地点から川成峠 (1318m) を見上げました。写真の左側の鞍部がそこです。
760m地点から川成峠(1318m)を見上げる

↓ 急斜面を開鑿した林道で、道路の上も下も絶壁です。
急斜面を開鑿した林道

↓ 断崖が随所にあって恐いです。万一、対向車がきたら谷側に寄る車のドライバーは特に恐い思いをしなければなりません。
断崖が随所にある

↓ 舗装が進んで路面はいいのですが落石が非常に多いです。落石防止の金属ネットが張られていても、ネット内の落石でネットが破れたり、房のように垂れさがっています。出来たら雨後には通らないのが賢明かも?
舗装されて路面はいい

↓ コンクリート舗装のところもあります。未舗装部分もまだ一部残っています。
コンクリート舗装のところもある

↓ ぐんぐんと高度を上げて行き、遥か向こうの岩山の高いところへと続きます。
ぐんぐんと高度を上げて登る林道

↓ 1キロごとに設置された “現代の丁石” であります。昔の1丁は約108m。1キロごとの道のり道標であるので、丁石 (ちょういし) ではなくキロ石 (きろいし) と呼ぶべきかも? 金属の板に文字を書く標識がほとんどの現代では、とても味わい深く新鮮な感じがします。
1キロごとに設置された “現代の丁石”

やっと着いたね! そうよ、着いたわよ!
林道木屋平木沢線と剣山スーパー林道の交差する川成峠にやっと着きました。地形図上ではここ 海抜は1318mです。
やっと着いたね
↓ なんだか賑やかすぎる案内標識です。もっとシンプルなほうがいいかも? 写真で右手アスファルト路面が木屋平から登ってきたところです。左手奥の方に進むと剣山方向です。
川成峠に着いた


林道木屋平木沢線が全線開通したのは2013年11月
木屋平木沢線が開通、現地で式典  林業や観光振興に期待  2013/11/24  徳島新聞WEB

【借用開始】 美馬市木屋平と那賀町木沢を初めて車道で結ぶ森林基幹道木屋平木沢線が全通し23日、現地で開通式が開かれた。地域の林業や観光振興に役立つと期待され、県や両市町関係者ら約100人が完成を祝った。 

同線は木屋平八幡の国道438号を起点に川成峠を経て那賀町川成の県道までの22.4キロ。県が1971年に着工し、89年に木沢工区8.6キロが開通。残る木屋平工区13.8キロが今年開通し、全通した。総事業費は約43億9千万円。

関係者によると、同線の沿線地域にはスギ、ケヤキなど約30万立方メートルが造林され、新道を材木の搬出や間伐作業に役立てる。また木屋平、木沢間の移動時間も大幅に短縮するため、幅広い地域間交流も促せるという。 式典で牧田久・美馬市長は 「林業活性化に寄与するだけではなく、剣山スーパー林道とも接続し、観光道路として期待できる」 と式辞。坂口博文・那賀町長らとテープカットした。 

式典後は関係者と一般のドライバーが通り初め。友人らとドライブに訪れた同市穴吹町穴吹、主婦森脇光代さん(60)は 「道幅が広めで眺望も素晴らしい。来年の紅葉が今から楽しみです」 と話していた。 【借用終了】


開通記念碑
2013年11月に開通した

●全線開通記念式典で美馬市長が 「剣山スーパー林道とも接続し、観光道路として期待」 と挨拶されたということであるが、吾輩は観光客ではないが、比較的にこの一帯の山岳道路をよく走りまわっている他県人の視点で見るならば、観光というからには観光バスが通れる必要があります。それは難しいと言わざるを得ません。残念ですが観光道路と言うには悪条件が多すぎますわ。新聞社というのは行政の太鼓持ちしかしません。大新聞だけでなく地方新聞も基本的には大本営発表の広報係です。チョーチン記事しか書かない。 新聞社は社会の公器・木鐸であり、第四番目の権力です。ときには行政に対峙して苦言を書くのも重要な仕事です。行政が言う観光道路として期待するという報道に付け加えて、この林道は危険性もあるから通行するならば自己責任で、というクギを差す一文が要るのではないか? で、まことに僭越ながら新聞社になりかわって、吾輩が林道木屋平木沢線が観光道路といえない理由を述べましょう。

①、道路が急こう配過ぎる。登りはまだしも、下りでブレーキが故障したら命取り。
②、幅員が狭く、対向車が来たら立ち往生。対向車をかわす退避所すらない。そも
   そも道路設計が観光用じゃない。
③、うんざりするほどのカーブの連続だ。カーブで衝突事故のリスクがある。
④、強い雨後には路面が非常に荒れる。崩壊リスクすらある。落石に巻き込まれる
   危険性がないとは言えない。
⑤、ガードレ-ルがない箇所が多く危険だ。転落リスクあり。
⑥、道路復旧に時間がかかる。今、スーパー林道は2箇所が崩壊中。都合で道路
   は休業中では商売にならない。
⑦、スーパー林道は全面未舗装だ。喜ぶのはオフロードライダーだけ。四輪で喜ぶ
   のは、ランクルとかジムニーなどごく一部の特殊車種だけ。
⑧、観光バス・マイクロバス・一般乗用車は車が傷むから、敬遠する道だ。旅行会
   社も嫌がるだろう。いっぺん来たらイヤになる。
⑨、12月~3月までスーパー林道は積雪で閉鎖。年の3分の1が営業できない。通
   年で商売できてこそ観光だ。
⑩、レストハウス・食堂・売店など観光につきものの施設が皆無だ。 
⑪、リアルタイムの道路状況の情報が全くない。特に林道進入口が初めて来た人に
   は全く分からない。これではダメ。あらゆる観光情報を、一元的に情報発信する
   組織がないように思う。
⑫、意外に眺望がダメなことが多い。山には非常に雲がかかりやすい。特に、梅雨
   から夏場はガスってしまい眺望がダメなことが多い。
⑬、1500m前後の山岳地帯だから、天気が急変する。観光客が大勢来たら、地形
   図も持たない軽装な観光客が安易に入山して遭難するリスクが非常に高い。
⑭、観光客が不用意に山に入らないよう監視する必要がある。観光車、観光客が
  事故や遭難した際の救援体制を考えているか?
⑮、観光の負の面をキチンと考慮しているか? 狭隘な山間部の生活道路の渋
   滞、ゴミの不法投棄の急増、観光の目玉の希少植物などの盗掘、観光でメシを
  喰う住民と観光など関係ない住民がいるハズ、住民のなかで対立さえ生じるの
  が観光地の実情です。どう対処するのか? 物事には必ず光と影がある

●西日本でも、九州の阿蘇山一帯の周遊道路とか、鳥取県の伯耆大山をめぐる道路などは、本当に観光道路です。火山の裾野はなだらかで広々としています。比較すれば四国山地は急峻な壮年期地形で、谷は深く山は険しいです。残念ながら、失礼ながら四国山地は一般的な観光には向かないのではないか? 早い話が剣山だって貞光から剣橋までのV字谷の底をゆく狭隘な道路を見て二度と行きたくないという声を何べんでも聞いています。ただし、山登りや自然観察には魅力的な地域です。ただこの人らは観光の対象外です。カネを落とさないから。テント持参・食糧持参の人らを相手にしても商売にならないですわ。なにも観光に反対しているのではなく、おおいに観光で商売や地域興しをしたらいいと思うし、あたいも行ったら出来るだけ現地でガソリンを入れるなど、貧者の一灯なりに協力的のつもりですけれども、観光振興の隘路が多くなかなかですねと申しているだけです。

●取らぬタヌキの皮算用で観光振興で村興しできて人口減少が少しでも食いとめられればイイな、程度の考えで 「観光」 と言っているならば、たぶんアテが外れるでしょう‥‥。(実際は、道路に税金を投入するための口実として観光と言っているだけでしょうけど) それにしても田舎の自治体は県が違ってもどこも同じです。わが南あわじ市の市長や幹部連中が 「鳴門の渦潮を世界遺産に」 などとアホウなことを言っていますが、なんとか諦めさせる方法がないものだろうか? 税金の無駄使いになるのが見えています。文化庁の世界文化遺産利権・環境省の世界自然遺産利権にテイよく踊らされているのが、なんで分からないのでしょうかねえ? 何べんでも馬鹿の一つ覚えで言うのですが、世界遺産条約の目的は遺産を破壊や消滅から護ることです。観光振興じゃ全くありません。南あわじ市市長は世界遺産条約の条文を読む必要があります。




樫戸丸 (標高1566m) のオオヤマレンゲを見に行った。
●昨日 (2015年6月23日) に、徳島大学病院で手術後の抜糸を終えたのち少し時間があったので、 樫戸丸 (標高1565.8m) の山頂に咲くオオヤマレンゲの観察 (お花見) に行ってまいりました。取り急ぎオオヤマレンゲの写真を陳列します。まだ蕾があったから、もうしばらくは咲いていましょうが、(1週間ぐらいか?) ご覧になりたい方はお早めに‥‥。オオヤマレンゲというのはモクレン科の低木で、北関東の谷川岳周辺から以西の本州・四国・九州の冷温帯~寒温帯に分布して南限地は屋久島らしい。

↓ 樫戸丸への登山道から下界を眺めました。晴れていたら旧 木屋平村の集落が見えるハズですが、今日は雲の下に沈んでいます。オオヤマレンゲはシャクナゲと同様に、“雲の上に咲く花” と言えましょう。
雲海とまではいえないが雲が多い

↓ 樫戸丸の山頂です。平日ですし、天気が清朗ではないので眺望は利きません。他に登山者を2人しか見ませんでした。なお、「丸」 というのは 「山」 の意味です。つまり樫戸丸は樫戸山の意味なんですが、徳島県にはこの表現がしばしば見られます。天神丸 (1632m)、塔丸 (1713m) など。
樫戸丸の山頂

● 「丸」 というのは多義でありますが、たとえば 『岩波古語辞典』 によれば 「城郭のなかに幾重にも築かれた城郭。一の丸、二の丸、三の丸、本丸。」 という意味もあります。つまり城を表わす言葉です。 このあたりの徳島県の山間部では、中世には阿波山岳武士たちが勢力争いをしていたようでありますが、徳川幕府の1615年に出した 一国一城令 で小さな城は廃城となり草木に埋もれていったが、旧 木屋平村には中世に森遠城があり、城主は壇ノ浦の決戦で逃れてきた平氏がルーツの木屋平氏で、これが一帯を支配していたようです。しかしその支配や権益は安泰なものではなく、いつ自分の領地を奪い取る敵が攻めてくるかわかりません。そこで防衛上の必要から見晴らしのいい山の上に 山城 (やまじろ) を作ったのではないか? ただし樫戸丸の山頂に石垣などの遺構がないから、やぐらを組んだ見張り所程度か? すくなくとも樫戸丸から西方の天神丸 (1632m) には中世には見張り所があったらしいです。今日は天気が悪いので眺望はダメですが、天気が良ければ穴吹川沿いの流域が箱庭のように見えています。目が良ければ敵の侵入が見えるハズです。敵の侵入らしきものを確認したら、のろしを上げて麓の本城に知らせたのではなかろうか? で、徳島県に多い 「○○丸」 という山名ですが、中世に山城とか、侵入する敵の監視所があった山ではないかと吾輩は想像します。でもまあ間違っているかもわかりません。


↓ あいにくの天気でガスっていましたけど、無事にオオヤマレンゲ自生地にたどり着くことができました。この自生地は地元の人々が金網を張ってシカの食害からオオヤマレンゲを保護しています。
山頂近くのオオヤマレンゲ自生地

↓ 清楚で上品な花であります。天女花とも呼ばれるようですが、高根の花 (高嶺の花) と言うべきで高い山の上 (標高1000~2000m) に希にしかない花です。しかも花期が6月下旬~7月上旬くらいで梅雨の真っただ中です。なかなか見ることができない花です。
清楚で上品な花

↓ 花はモクレン科特有の花で、花弁とガク片が見分けがつかず、花被片 (花弁+ガクの意味) は9枚あります。花の奥を覗きこむと、めしべ群の周囲におしべ群が多数 (100個以上か?) 取り囲んでいます。
花のアップ


●他にも色々な植物を観察しましたので、次のエントリーで写真を陳列します。また、オオヤマレンゲの詳細な観察も次のエントリーで。

転ばぬ先の老人の杖
●徳大病院で口腔外科の手術を終ったのが午後3時でありましたが、こんな遅い時間から山に行くのは無理です。真っ直ぐに島に帰るのも面白くないので、「老人の杖」 を買いに行くことにした。ゆめタウン徳島 へ行ったのですが、場所はここ +マークのところ。売り場面積が徳島県最大の商業施設ですよね。駐車場で神戸ナンバーの車を5台見た (吾輩を入れると6台) のですが、比率はごく僅かで2~3%か? 徳大病院駐車場ではもうすこし多く3~4%か? という印象です。これは淡路島は離島 (内海離島) なので、物を買うに店らしい店がなく、ちょっと難しい病気になったら島内では手に負えないためです。島の南部地域から買物難民・医療難民が徳島県に流れてくることを示しています。なお、淡路島の北半分の買い物難民・医療難民は神戸に流れます。小さい島なのにハッキリと南北分裂してますわね。淡路一市構想をいまだに主張するヤカラがおりますが、そんなヨタ話、なるハズがございません。

●あくまでも吾輩の私見でありますが、北淡路は神戸市に編入してもらい、南淡路は徳島県に編入してもらうのが良いと思います。ま、これは小さな島といっても直線距離で南北50キロあるからしかたがありません。道路はけっこう曲折があるから道路を行けば50キロですみません。島の北部から神戸市や明石市に通学・通勤している人がかなりあるのを見てもわかる通り、兵庫県本土と北淡路とはかなり密接に結びついています。島の南部では逆で徳島の方を向いています。私事を申せば、若いころ小説のできそこないを書くのが趣味でしたが、徳島県の文芸同人雑誌に入っていました。山に登りに行くといえば徳島県の山だし、むかし消防団員をしていたときはポンプ操法訓練のあと、皆で飲みにいくのは徳島市まで行きましたわね。神戸に飲みにいくのでは全くありません。吾輩はしないですけど、南淡路の男性の多くは鳴門ボートに行っている(つまり徳島県側)し、今はネット取引に移行したけど昔は徳島市の証券会社に口座を持っていました。このように南淡路では完全に徳島県側に顔を向けているのです。吾輩は、兵庫県北淡路市あるいは神戸市北淡路区と、徳島県南あわじ市に、島が分裂してもかまいませんわ。分野によっては実際にそうなっている例がありますよね。例えば表向きは全島が関西電力のエリアですが、実際の電力供給は違います。南淡路は四国電力から (つまり徳島県側から) 電力供給 を受けていますよね。鳴門大橋ができて目で見える送電線や鉄塔が撤去されたので分かりにくくなり、南あわじ市の住民でも知らない人が多くなりましたが、橋の下側を見ればなるほどと分かります。


南北約100キロと淡路島の2倍の長さのある沖縄本島は外海離島ですが、外部からみてもよくまとまっているように見えます。太平洋戦争で本土決戦を避けるための捨て石とされた歴史が尾を引いていて、全島一致団結しなければ本土の日本政府の暴虐に対抗できない事情があるにしても、全島よくまとまる下地には自然環境があるのではないか? つまり洋上の離島であり、絶海の孤島です。水平線を眺めてすぐ見えるところに対岸があるわけじゃありません。対岸は500キロも1000キロも遥かかなたです。で、島が一致団結せざるを得ない。一方、淡路島は対岸は1キロ (鳴門海峡) とか3キロ (明石海峡) などと水泳の達者な人ならば泳いで渡れる距離です。そのために北淡路の住民は明石海峡の向こう側を眺めているし、南淡路の人は四国側を眺めるわけで、それぞれがてんでバラバラな方向に視線があるわけです。沖縄本島のように人口が110万人もいるわけじゃなく、たった13万人あまりです。これでは政治的に本土から自立するのは無理で、これも淡路島が南北分裂する要因なのでしょう。

●つい余談に力が入りましたが、ゆめタウン徳島の2階にある モンベル 徳島店 で 「老人の杖」 を購入した。説明書きによれば トレッキング・フォトポール というのだそうですが、一脚としての効能もあるみたいですが、三脚と違いグラグラするんじゃねえか? 実際に一脚として使用するには、積雪のあるところならば雪に50センチぐらい突き刺したらいけるでしょうが、土ならばあまり突き刺さらないんじゃないか? 立木に一脚をくくりつけるとか? あまり実用性は無いと思います。
老人の杖

●最大の効能は 「よたよたする老人が転ばない」 ことであります。ぼちぼち老人会から入会のお勧めを頂戴するようになりましたが、老人の転ばぬ先の杖ということです。「それって、山登りの杖じゃないのか」 という声が聞こえてきそうですが、そんなことはありません。これは 「老人の杖」 であります。山へ植物観察に行くときは、手触りのいいヒメシャラの木で手作りした自家製の杖か、簡便には竹の杖であります。吾輩は山登りじゃありませんから、いかにも山に登りますというふうな格好はしないのです。つまり、山登りの杖を老人の杖として使用するのであるわけです。福祉用品店などで販売されている老人の杖を持つと、いかにも老人っぽく見えるわけです。それは避けたい。で、山登りの杖をもって階段などを降りると、「あの人はヨタヨタしているけど、登山でもするのかな?」 というイメージ操作です。 ついでに自衛隊の迷彩帽子みたいのも買ったが、「あのひと自衛隊にでも入っていたのかな?」 と思わせる効果があります。実際は体力劣等児なのですけれども、屈強の猛者かも? あるいは右翼思想の持ち主か? というイメージを狙います。

↓ むしろ、安倍首相にお似合いの帽子かも?
自衛隊の帽子?


安倍首相の祖父はA級戦犯、自民党はCIAの資金提供で創設
これが現政権の最大の弱点です。だからアメリカのポチ。国民に背をむけアメリカに尻尾を振るわけです。政権側にとっては知られたくない不都合な真実。ネットじゃみんな知っている常識。

●安倍首相は、無理な憲法解釈を弄して、憲法を骨抜き・破壊しようとしていますが、やはりお祖父様の岸信介はA級戦犯です。戦争犯罪人です。岸信介は米国の手先になるんだったら命を助けてやるという司法取引に応じて巣鴨プリズンを出してもらいました。その後首相にまでなったのですが、岸信介はCIA (米中央情報局) のエージェントです。また、自民党はCIAから資金提供を受けて岸らが作った政党です。岸信介は巣鴨プリズンを出してもらった経緯から明らかに米国の手下、売国奴であります。自民党も。口先じゃ日本の伝統を護る、国益を護るなど言っていますが嘘ッパチです。護るのは米国の利益です。 → 岸信介とCIAの密接な関係 自民党にも金の流れ?  紙の書物の決定版は、ティム・ワイナー著 CIA秘録 ですが、マスゴミどもが絶対に報道しないから多くの国民は知らないだけで、べつに隠されているわけじゃないし、ネット情報空間じゃ常識です。 『CIA秘録』 を多くの国民が読んだら、安倍政権も自民党も支持率10%以下、あっという間に吹き飛ぶんじゃないかな。知らぬが仏。よするに日本はいまだに連合軍の占領下にあって、事実上の米国の植民地です。安倍はアメリカが日本を支配する総督府の総督なのです。宗主国が自衛隊を出せというから出せるように、安保関連法案をやっているだけです。宗主国に気に入られようと集団的自衛権に異様な執念を燃やしていますが、そういう意味では当たり前です。安倍首相が国民のほうに顔を向けるハズが絶対にないわけです。米国に顔を向けない首相は東京地検特捜部にやられます。東京地検特捜部の前身はマッカーサー元帥がつくった 「隠匿退蔵物資事件捜査部」 であるのも、ネット情報空間では常識ですね。

●A級戦犯岸信介のお孫さんの安倍首相は、司法取引でアメリカに尻尾を振るお祖父様の薫陶よろしく先祖代々米国の手下をしているみたいですけれども、ひょっとすると、いつか米国に仕返しをしてやるぞというお祖父様の仇討を心に秘めているのかも? 戦前回帰の軍国色濃い 「日本会議」 に操られているの面もありそうな感じですが、「日本会議」 もエセ右翼団体です。国を愛する本物の右翼であるならば、巧妙に日本からカネを吸い取るアメリカから独立せよという主張をしなければウソです。日本会議は一切そんな主張をしませんわね。インチキ右翼です。で、たとえ日本会議が安倍政権を操っているとしても、やはり安倍政権はたんなる米国の傀儡政権にすぎないわけです。国民有権者に背をむけ、顔は完全に米国の方に向いています。この政権は国民が立ち上がって早く倒さないと大変なことになりそうですが、そんなに自衛隊 (わが軍と思わず口を滑らせましたね) を米軍の二軍として位置づけアメリカに言われるままに海外派兵をしたいのだったら、自衛隊の最高司令官らしく迷彩服に迷彩帽をかぶって国会に登院すれば良く似合うでしょう…。ま、いつの時代でも、どこの国でも支配者は戦場にいくことは絶対にありません。命令するだけです。戦場に行かされるのはしがない庶民です。

労働者派遣法の改正 (改悪) は、人件費を削減して企業利益の最大化を狙う意図があるのでしょうけど、若者の収入をできるだけ少なくして生活できないようにしむけ、自衛隊 (安倍の言うわが軍) の給料を少しあげて、若者が自衛隊に入るようにしむける狙いもあるのではないか? 医療や福祉に回す金を削るのは軍事費に予算を回そうとたくらむからではないか? いろいろな政策や法律改悪と安保関連法案は水面下でつながっていると見ます…。




環境省が目の敵にする外来種のトウネズミモチは、養蜂において梅雨期の貴重で有力な蜜源!
手術は、原始的で野蛮な治療法??
●思わぬ口腔外科の病を得て島内の医院で診てもらったところ、「これは生命にかかわる重大な病気の疑いがあるから精密な診断が要る、徳島に行ってくれ」 と、紹介状を渡されました。徳島にきて調べてもらったら重大な病気の疑いは晴れましたが、「手術が必要かどうか微妙なところだな、とりあえず保存治療でいくが、どうしてもダメだったら手術しなきゃ仕方がないけん」 という診立てで手術回避の可能性もありました。で、1カ月半徳島に週2回通院しましたが、どうも病状は変わらず、結局、手術ですわ! 局部麻酔なので意識はあります。骨の内部に膿の袋があるのだそうで、切開して、ゴリゴリ、ギリギリと骨を削り、膿の袋を取った跡に詰め物をして、それから縫合したらしい。なんともまあ荒っぽいというか野蛮な治療であろうか! 手術というのは原始的な野蛮治療だという印象であります。誤解されないように申すと、これは執刀の先生の技術がどうのこうのという意味では全くありません。「手術という治療法」 そのものに対する個人的な印象・解釈を述べているだけです。

●1時間ほどで手術が終了しましたが、入院するようなことではなく帰宅できます。終ったのが午後3時なので、いくらなんでも、こんな遅い時間から山 (剣山とか) へ行くのは無理だ。それに口腔外科というのはようするに口の中です。麻酔が切れてきたらかなり痛いし、腫れ上がって、物も数日は食べられないかもしれません。山へ行くどころではありません。帰宅しておとなしく養生する方がよさそうですわ。で、駐車場の屋上から眉山を見上げて考察した。



市街地に隣接して山がある都市から、著名登山家が輩出する
↓ 徳島市の市街地に隣接してそびえる眉山 (びざん) の 海抜約250のところ にある 「かんぽの宿徳島」 が 見えています。
徳大病院駐車場3階から眉山を見上げる

↓ こちらは眉山山頂にある鉄塔群であります。地獄の針山の針みたいで興ざめですが、武骨で品がない風力発電群よりは遥かにましです。徳島市も紀伊水道に面していて、眉山の尾根筋ならば風況がとても良いと思われますが、よくまあ風車に狙われなかったものだと思います。徳島市の南に聳える大川原高原 (旭ヶ丸、1020m) は風車の餌食になってしまいました。花が多く見晴らしがいいところで、吾輩も昔は毎年徳円寺のシャクナゲを見てから大川原高原に行きましたが、風車が出来てからは登る気がしませんわ。淡路島でも南あわじ市西淡の西路山が悪名高きCEF (北海道・根室市本社) の餌食になりました。紀伊水道の東岸の和歌山県にも沢山ウインドファームがあり、紀伊水道沿岸地方は風が強いので風車の餌食になったところが沢山です。 とにかく風力発電には黒いハナシがまといつきます。エコだとかクリーンだとかいうのは全くのインチキまやかしで、「黒いエコ」 に気付いている人も多いのですが、いまだに多くの善良な庶民が騙されているのはとても残念です。たとえば 黙殺の音 低周波音 さんのサイトなどは、エコの正体、エコのインチキを見破った優良サイトです。
眉山山頂の鉄塔群

●さて、都市の市街地のそばに山があるところから著名な登山家が輩出することが多いです。典型例は神戸市です。神戸市の市街地のすぐ裏山が六甲山 (932m) です。南西ー北東走向に30キロほど連山となっていますが、並んでいる山々の頂上に毎日登山1万回達成! などという碑がたくさん建っています。市街地のすぐ裏が山なので、朝早く出勤前にひと登りしてくるとか、神戸市民の登山土壌は非常に厚いものです。吾輩もむかし神戸市にいたころは麻耶山 (699m) に毎日は無理にしても頻繁に登っていました。神戸市出身者から有名な登山家が沢山輩出していますが、一番有名な人は 加藤文太郎 か? 新田次郎の 『孤高の人』 のモデルとなった戦前の著名登山家です。加藤文太郎は日本海側の但馬 (旧 浜坂町) の出身ではありますが、神戸市の三菱内燃機製作所 (三菱重工業の前身) に就職し、神戸に出てから登山に開眼しました。

●加藤文太郎は没後80年になるというのに、いまだにその偉業をたたえる行事が行われるほどです。色々な評価のしかたがあるのでしょうが、一つには、明治維新後に西洋の近代アルピニズムが日本に移植されても、登山というのは、あくまでも貴族階級のものでした。現在のように庶民が気易く登山するなど考えられなかった時代ですが、そこに加藤文太郎が登場。資金も地位も持たない一介の労働者にすぎなかった加藤文太郎が、誰も追随できない風のような速さで山々を登ったと伝えられています。それまで貴族のものであった 「登山」 というものを、庶民でも出来るように道を切り拓いた功績が大きいのだろうと思います。

●徳島市も市街地のそばというか、ど真ん中に眉山という山があります。標高は300m弱ですが、神戸市の高取山 (321m) と同程度で、毎日登山にちょうどいい高さです。朝早くに出勤前にひと登りするには適度な高さで、1時間あれば登って降りてこられましょう。出勤前に毎日登山が可能な環境ならば、日々の登山で屈強の体力が涵養できますし、本格的な山に登ろうという野心も生じるわけです。で、こういうところから有名な登山家が輩出するものですが、徳島市出身の著名登山家というのは見当たりません。人口規模が小さい (登山人口のすそ野が狭い) せいか? あるいは県庁所在都市といってもちょっと郊外に出れば自然が豊かなためか? やはり、東京出身の登山家が非常に多いのは否めない事実です。コンクリートとアスファルトばかりで喧騒にまみれるメガロポリスの住民のほうが、逆に自然志向の要求度が高く、登山を目指す人が多いのでしょう。 ま、居住地のすぐ横に森や山がある田舎人のほうが自然観察や登山などしない傾向は鮮明です。



本日の植物観察
●ナチュラリストたる者は、たとえ雨降りであろうと手術の日であろうと何か1種は植物を観察しなければならない。たとえ1日1種であっても積み重ねれば1年で365種となります。専門家が主催する観察会に参加して驚くのは、専門家が博識なのは当然ではありますが、参加者の中の非専門家の中にも、専門家がタジタジとなるほど博識な人がいることです。たぶん日々の長年の積み重ねがあるのでしょう。吾輩のような3日坊主の気まぐれではダメだと言うことであります。なにごとも偏執病 (パラノイア) かと思えるほどマニアにならなきゃダメなのかもしれません。

トウネズミモチ です。徳大病院駐車場の北側 (国道192号線沿い) に街路樹のようにあります。ただし、あくまでも病院構内にあるので街路樹ではないでしょうが。駐車場2階からは花や葉が目の前にあるので観察しやすいです。一般に樹木の同定は難しいとされますが、その最大の要因はなかなか花や葉が目前で観察できないからではないか? 特に高木・亜高木では10mも20mも樹上で花が咲いていることが多く、それでは観察しようがありません。
トウネズミモチ

↓ 葉は対生、葉のふちにはギザギザがありません。(鋸歯がない) 葉の表面はクチクラ層が発達して光沢があります。典型的な照葉樹ですわね。トウネズミモチは中国中南部が原産の外来種ですが、日本在来種のネズミモチよりも一回り葉が大きいです。葉の厚みも厚いようです。樹全体もトウネズミモチのほうがやや大きめな感じです。写真で黄色くなった葉が見られます。クスノキやカシ類のように春に新旧の葉が一斉に入れ替わるのではなく、新葉が出てから旧葉が時間をかけてパラパラと落ちるのかな? 
トウネズミモチの葉

↓ 花序は大きく沢山の花が着くようですが、写真はまだつぼみです。あと1週間ほどで開花でしょうか? 1週間後に縫合した抜糸にまた来るので、改めて観察します。
トウネズミモチの花 (まだ蕾)

トウネズミモチは、生態系被害防止外来種!
ということは、環境省の利権・飯のタネか? 環境省は 「侵略的な外来種」、「特定外来種」、「生態系被害防止外来種」、と段階を設けてリスト作りに余念がありません。我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(植物) のナンバー53にトウネズミモチがしっかりと選定されています。これらのリスト掲載種が多ければ多いほど環境省の仕事があると申せましょう。これらの外来種がたくさんないと困るわけです。たとえたら米国の巨大な軍需産業 (軍産複合体) には戦争が必要なのと同じです。日本の生態系を侵略し撹乱する外来種がなければ環境省の仕事がなくなってしまいます。つまり、本音は建前と乖離しているのです。危険な外来種が増えることを環境省はハラのなかでは望んでいます。地球温暖化の危機を叫ぶ連中がハラのなかでは温暖化を望むのと同じです。流される情報 (プロパガンダ) を無批判に真に受けず、そこらへんのところを見落とさないように…。


トウネズミモチは、養蜂において梅雨期の有力な蜜源!
●環境省のリストから、トウネズミモチに関する記述を転記します。

定着段階】 分布拡大期~まん延期。
特に問題となる地域や環境】 暖地の河川敷、二次林、湿地。
原産地】 中国中南部原産。オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アメリカ合衆国南等で侵略的。
日本での分布】 明治初年に渡来、関東~九州に分布。
形態】 10m、常緑小高木。
生育環境等】 農耕地、沿岸地域、自然林、河岸、撹乱地、湿地に生育する。乾燥した場所から湿った場所に生育する。日本では、近畿地方では河川敷に樹林が形成されるなど、河川で急速に分布を拡大。里山二次林などに侵入。
利用状況】 大気汚染に強く、耐潮性、耐陰性があり、移植が容易で成長が早いので、街路樹や公園樹としてよく植栽される。花が少なくなった梅雨前後に咲くことから、養蜂業においては初夏の有力な密源として利用されている。また生産される蜂蜜も高品質である。干した果実が漢方薬として利用される。中国ではろうそくの原料となるイボタロウムシ培養樹として広く利用される。
利用上の留意事項】 海外で侵略的な外来種とされている。日本でも大量に熟す果実が鳥により散布されて、河川等に広く逸出し、雑木林や極相林への侵入も危険視されている。防除対策が実施されている。生物多様性の保存上重要な地域に進入するおそれのる場所では、利用を控える等の配慮が必要である。
備考】 愛知の条例では、生態系に著しく悪影響を及ぼすおそれのある移入種として指定される。H24に改正された養蜂振興法弟六条では「密源植物を植栽、除去、又は伐採しようとする者は、その目的に反しない限りにおいて、密源植物の増大を旨としてこれを行わなければならない」とされ、国・地方公共団体に蜜源植物の保護・増殖に対する必要な施策を講ずることが求められている。



トウネズミモチは、森林内への侵入力は弱い。
●つまり、トウネズミモチは有用植物ということであります。梅雨期の蜜源として有力なんて知らなかったわ。しかも蜜が高品質だという。トウネズミモチを植えなくっちゃ! にもかかわらず、ちょっと野生化したのを見てガタガタと環境省は騒いでいるのかも? トウネズミモチの最初の写真の箇所で勝手にリンクさせていただいた波田先生 (植物生態学) は次のように書いています。

 「このような大量の果実は、鳥によって広く散布されているものと思う。街路樹や路側帯の植え込みの中ではトウネズミモチの芽生えや幼木が多数芽生え、生育しつつある。我が家の庭に勝手に生えたネズミモチは全てトウネズミモチであり、ネズミモチは生えてこない。一方、森の中ではトウネズミモチの芽生えをあまり確認したことがない(1本林内で確認)。本種が森林の中に侵入する能力があれば、大量の種子を広域に散布するので少なからぬ影響を与える可能性がある。」

●吾輩も波田先生と同じようなことを観察しています。南あわじ市広田の 「淡路ふれあい公園」 にトウネズミモチが沢山植栽されています。大量の種子が鳥によって散布されて周辺の山裾の裸地には実生がたくさんみられます。二十年近くまえには公園に続く山で大きな山火事があり焼跡の裸地があってそういうところにトウネズミモチが侵入していました。数年前まではトウネズミモチの幼木は火事跡に結構あったのですが、年数が経ってオオバヤシャブシやヤマザクラなど種々の樹木が生長して茂りだしたら、トウネズミモチはいつのまにか消えてしまいましたわ。環境省はトウネズミモチの二次林・極相林への侵入を心配していますが、杞憂に終わるでしょう。実際のフィールドでの観察をすると、トウネズミモチの森林内への侵入力はごく弱そうです。裸地など競争相手がいない場所で繁殖しているだけで、ナルトサワギクと同じで大変なことになると錯覚しているだけと思われます。

●昔は (1970年前後あたりは) 日本の公害はひどかったです。大気は昼なお暗いほど汚染され、川も大阪湾もドブみたいでした。環境庁はこの深刻な公害問題に取り組んで良く仕事をしました。その結果、空気は綺麗になり大阪湾も見違えるように水質が改善されました。で、環境庁は仕事がなくなってしまったのですが、環境省に格上げされて沢山の仕事 (つまり問題) が必要となりました。それが地球温暖化であり生物多様性などであります。たいして問題でないことでも大問題に仕立てあげないと組織維持ができなくなっていますわね。民間企業ならば社会の需要がなくなれば解散するしかありませんが、国家の組織は政治的にいくらでも需要 (問題) が作れます。なぜならば環境問題の法律の法案は環境省自身が作るからです。国には一旦できた組織を縮小するとか、予算を余らせる (余計な仕事をしない) という発想は全くないようです。国家予算は膨張するばかりで、税金は不可逆的に重くなる一方!



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ランクルさんのコメント
ネズミのクソというスギテッポウで子供のころよく遊びました。杉の実を弾にするからスギテッポウだと言うのでしょうが、杉の実などそう簡単に手に入らないので、ネズミのクソを採ってきて打ち合いをするのです。 当たっても痛くないし、余程のことがないと目にあたって失明などしませんからいい遊び道具でした。 草むらに生えている竹笹を銃身にした空気銃の自作銃でした。 何でも自分で作らなければ貧しくて買えない時代でした。

正式な樹木の名前でないにしても、ネズミモチというのを聞いて、ネズミのクソ(糞)というのは当たっていましたね。名前が近いから当たっているというか、鉄砲が自作にしてはかなり命中度が高かった(^o^)

素人ニホンミツバチ養蜂家なのですが、蜂にとってはいい季節となりまして毎日セッセと蜜集めしています。 2キロ半径ぐらいにある花の蜜を集めに行っているらしいのですが、ネズミモチのお兄さんのようなトウネズミモチが蜜源になるというなら、松くい虫にやられるからと空中散布などしないで、いっそのことトウネズミモチを植えれば環境にもいいのかも知れません。

松くい虫防除事業にはの批判もある。 松枯れの原因であるカミキリ成虫を農薬の空中散布するというのですが、カミキリ以外の昆虫にも有害であるためにと意見。松林を守るという必要がありますか。マツタケを育てたいのですかねえ。そんなに言うのなら下草を刈ったり、それなりの一貫した対策を執っていればなるほどと思うけれど、やはりこれも補助金行政の一部なのでしょう。 カブトムシが減ってしまったと嘆いているけれど、それらの原因はそこらへんにあるのかも知れません。

私の文章はいつも変な方向に流れていって、よく笑われてしまいます。 ミツバチからカブトムシになったりで・・・・(^^;



山のキノコの返信
>やはりこれも補助金行政の一部なのでしょう

そうですね。その通りです。マツを守るために農薬を撒くというのは何の意味もありませんね。 林野庁 「松くい虫被害」 を参照。 そもそもマツは枯れていく運命にありますね。マツ枯れは自然の法則に従って進行しているだけで、マツ枯れを止めることは誰にもできません。市町村のお役人は上から指示されたこととをオウム返しに言うだけですが、国の林野庁の役人や県の役人ならば林学とか森林生態学など修めた専門家のハズで、マツ枯れなど絶対に防げないのは百も承知のハズです。マツ枯れが絶対に防げないのを知り切っていて農薬を撒く愚かな行政をするのは、仰る通り補助金行政そのものですわね。補助金行政で外郭団体をドンドン作ったり、業者に流し込んだ補助金の見返りに、その業者の役員になるとか…。 なぜマツ枯れが絶対に防げないか、長くなるのですが論点整理してみました。

①、マツ枯れの直接原因はマツノザイセンチュウ (松の材線虫の意味か?) ですが、これを媒介する (運ぶ) のがマツノマダラカミキリです。このマツノマダラカミキリを駆除しようと農薬を撒くのでしょうが、広い山には農薬のかからない死角みたいなところが無数にあり、根絶するのは絶対に不可能です。いくら薬を撒いてもハエやゴキブリが撲滅できないのと同じです。生き残る個体が必ずあり、世代交代が早い昆虫なので瞬く間に元に戻ります。撲滅できないからこそ何べんでもクスリを撒けます。つまり、何べんでも長く利権にできる!

②、マツの本来の自生地は腐植や肥料分のほとんどない綺麗な鉱物質の土のところです。痩せ尾根とか、岩角地とか、砂浜などの広葉樹が育たないところに生える樹木です。広葉樹が育たない痩せ土がマツの生育適地なのですが、広葉樹にとっては生育困難なそんなところでマツが育つのは、マッタケなどの菌類と 菌根 (きんこん) を作って共生しているからです。菌根とはマツの毛根に菌類の菌糸がとりついたもので、菌糸は毛根よりも更に細く岩の粒子の間にまで入りこんで水分や養分を吸い上げマツに与えます。マツはお礼に葉で光合成した有機物を菌類にお返しします。という共同生活です。 ところがマツと共生するマッタケやショウロなどの 菌根菌 は競争にとても弱い菌で、土が肥えて土中の菌相が変わってくると他の菌にやられます。で、相棒を失ったマツは弱ってきますわ。枯れるのは時間の問題です。 つまりマツ林の土が腐植がたまって肥えてくると、松くい虫にやられなくてもマツが弱るんです。

昔の日本の生活スタイルでは、自給自足が基本で、田畑の肥料は山で採ってきた落葉や刈ってきた草を堆肥にしました。燃料も山で採った薪や柴です。つまり、山 (マツ林) が掃除されていました。人が生活の必要上からマツ林の腐植を持ち去り掃除して、マツの生育適地の環境を維持していました。しかしながら昭和30年頃に燃料革命が起こり、田舎でも山村でも薪がいらなくなりました。肥料も化学肥料にかわりました。マツ林は腐食がたまりマツのパートナーであったマッタケなど菌根根が消えました。マツが弱ったり枯れるのは当たり前です。つまり、松食虫にやられなくてもマツは枯れる運命にあるわけです。松食虫はマツ枯れを少し早めた程度であります。

③、遷移 (せんい) の進行で結局マツは枯れますわ。マツは陽樹です。おひさんが当らないと苗木がよく育ちません。人が里山 (奥山からも) 去ったので樹が茂りに茂っています。こうなると林床はおひさんが当らなくなります。マツの若木が育ちません。後継樹が育たないわけだから、その山からマツが消えるのは時間の問題なのです。諭鶴羽山系でも昔はマツ林がたくさんありましたが、現在ではほとんど消えましたわ。西淡の山も随分と消えましたわね。つまり、仮に松くい虫がなくてもマツが消える運命にあるのです。人が山に手を入れずに放っておくと、マツなど陽樹 → シイなどの陰樹に変わります。これは自然の法則だから誰にも絶対に止められません!

④、マツノザイセンチュウに抵抗性のあるマツ品種が育成されて普及しはじめていますが、ダメでしょう。それはマツが腐植のすくない綺麗な土を好み、おひさんが当らないとそだたない陽樹の性質を持つかぎりは、ダメです。山に松食虫抵抗性のマツ苗を植えても結局枯れるだけです。松食虫抵抗性品種の開発もあまり意味がありませんわ。

わたくしの見方
●林野庁の主張や世間の常識とは正反対のことを申しますが、結局、自然界ではマツは枯れる運命にあるのですが、考えたら日本列島に人がすみ山の木を切り落葉や下草を持ち去りしたから、マツが広がっただけで、結局元に戻っているだけです。本来の植生は(潜在植生)は瀬戸内海沿岸地方は照葉樹林です。マツなどの針葉樹林では全くありません。山の高い所ではブナなどの夏緑広葉樹林です。マツ (クロマツもアカマツも) やがて尾根筋とか岩場とか海岸砂地などごく一部にしか残らないでしょうが、それが本来の姿なんです。マツがたくさんあるのは人がいかに森林を破壊してきたかの証拠で、本来それは異常な姿なんですわ。マツが枯れていくのは自然の摂理、自然の法則なんだから、抗うことは不可能です。放っておくしかありません。

●でも、まあ、マツ枯れを止めることは不可能であるからこそ 「うまみのある利権」 にできますわね。当たり前のことですが、簡単に解決できることでは利権にならんのですよ。あれもせんなん、これもせなあかん、これを研究したらいいかな、これはダメだったわ、じゃあこうしてみましょう、ってな感じで利権の巣窟です。補助金の打ち出の小鎚ですわ。ははははは、笑いが止まらんわ!



マツが枯れてもいいじゃない! 

林野庁の説明】 海岸林は、海からの風や潮、津波や高波、飛んでくる砂などから海沿いの暮らしを守るためにつくられた森林です。乾いて養分の少ない海岸の土壌で大きく育ち、森林をつくることのできる木は松のほかにほとんどありません。また、内陸部ではアカマツが荒廃地にいち早く侵入し、土壌が流れ出るのを防いでいます。厳しい環境でも育つ松が作る森林の役割は、かけがえのない大変重要なものです。 【引用終了】

海岸のマツが枯れたらどうなるか? 別に何も困りません。(淡路島では) 替わりにハマゴウ・ハマヒサカキ・トベラ・アキグミなど潮風に耐性のある低木が勝手にはえてきます。低木であっても陸地側になるほど樹高が高くなり、ウバメガシやヒメユズリハなどやや樹高が高い木になり、さらに陸地になると普通の照葉樹林に移行しますわ。それで別に何も問題はありませんわ。

>内陸部ではアカマツが荒廃地にいち早く侵入し、土壌が流れ出るのを防いで‥
もしアカマツがなければどうなるか? 他の木が生えるだけですわ! いわゆるパイオニア種と呼ばれる成長がはやい木が生えてきますわ。(淡路島では)オオバヤシャブシが筆頭ですが、環境省が目くじらを立てるニワウルシやモリシマアカシアなども素早く侵入して土壌をしっかりホールドしますわ。危険な外来植物といわれるものがしっかり役に立つ! 別に何も困ることなどありません。

>厳しい環境でも育つ松が作る森林の役割‥‥
マツは多くの広葉樹が育たちにくい厳しい環境で育ち、また、逆に、厳しい環境でなければ育たない樹木であり、それゆえに腐食が溜まる今の里山(奥山も)のマツは消える運命であることを、林野庁が暗黙に認めている文言ですわ。

●特定秘密保護法もできたことだし、お上に歯向かうことを書くと特高警察にしょっ引かれる危惧があるのですが、(ま、吾輩は何の影響力もないのでしょっ引く値打ちがないですが) 前例踏襲主義・現状維持主義がおかみの利権の土台の一つのようでありますね。ほっときゃいい、では利権にならないです‥‥。それにしても大マスゴミのだらしなさ! 大本営発表を右から左へと垂れ流すだけです。いまや、その大本営発表でもネットで直接に閲覧できるのに…。 NHK籾井会長は就任時の挨拶で 「政府が右というものをNHKが左と言うわけにはいかない」 と言ってのけました。 唖然! これでは皆さまのNHKではなく安倍様のNHKです。視聴料を徴収する値打ち・大義はあるんだろうか? 報道機関としてもはやNHKは終っています。



フクイチ原発過酷事故問題が終息したわけではない。依然と続く食品放射能汚染!
●我が国の平和憲法を蹂躙 (じゅうりん) し、破壊しようとする者どもの悪あがきはまさに犯罪的です。多数の憲法学者や日本弁護士連合会など法律の専門家や実務者が、異口同音に 「安全保障関連法案は、憲法違反だ!」 と声を挙げています。 政府側は、憲法が集団的自衛権を認めていることの根拠として 「砂川判決」 を持ち出していますが、砂川裁判の元被告弁護団が強く反発して声明を発表しています。「最高裁の砂川判決は、米軍駐留が憲法第9条に違反するかどうかを判断しただけだ! 集団的自衛権に関して何も言っていない。国民を惑わすようなことを言うな! 撤回しろ!」 (「砂川判決」根拠は強弁=安保法案撤回求める―弁護団) そもそも砂川判決は最高裁がアメリカ側と通じていたことが米国の公文書開示で明らかになっていますね。砂川判決で米軍駐留は憲法第9条に違反しないとしたのは、米国の圧力があったのでは? という疑義が存在します。

日本国憲法第98条 は言っています。「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」 普通に考えれば、集団的自衛権を認めていない日本国憲法に違反する 「安保関連法案」 は即廃案にすべきです。与党の安定多数のごり押しで可決したとしても、効力を有しない法律なのだから 「違憲裁判」 が起こるのは必定です。残念なのは日本には、他の権力から独立した憲法裁判所 が存在しないことです。そういうのがあれば、いま議論されている 「安保関連法案」 が違憲なのかどうか憲法裁判所が判断したらいいだけです。それがないから、政府の一部局でしかない内閣法制局や国会の一組織でしかない 衆議院憲法審査会 が判断するので圧倒的に政府・与党の意のままです。内閣が憲法の条文を恣意的な解釈をするのは日本には憲法裁判所が無いためですわね。内閣が憲法解釈をするのは、犯罪者が自分らが犯した犯罪が違法かどうか判断するのと同じです。残念ながら、恐らく、政府が押し切るのではないか? 日本を暗然と支配しているのはアメリカ (日米合同委員会) ですが、安倍首相は上のほうで決められたことを発表するスポークスマンにすぎません。上の方では法案が可決するのは規定路線なのでしょう。

●ハッキリ言って、日本を実質的に支配するアメリカは、軍需産業の在庫払底・需要創出のために10年ごとに口実をつけて侵略戦争をしなければいけない国です。戦争が景気対策の国なのです。で、米国の属国日本は、自衛隊は米軍の下部組織に組み入れられます。アメリカが出てこいと言ったら世界のどこにでも出て行って戦闘に参加しなければならないでしょう。自衛隊から戦死者が沢山出るのは必定、それを見た若者は自衛隊に入らないから、そう遠くない将来に徴兵制ができるでしょうね。これを阻止するのはもはや国民有権者が立ち上がるしかないと思います。昔の安保闘争のように、国会や首相官邸を何十万人ものデモ隊や抗議集会で十重二十重に取り囲むしか方法がありませんが、心もとないですわね。どうなることやら? ま、吾輩はもう年寄りの部類に入るから赤紙は来ないでしょうが、これから若い人は大変ですね…。立ち上がるのは今しかないですよ。

日本国憲法第99条 は明確に言っています。 「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」 安倍首相は憲法尊重擁護義務違反であることは論をまちません。憲法改悪はハードルが高いから、憲法解釈変更で、憲法を実質的に骨抜きにしようとしています。閣僚の一部の大馬鹿者から 「憲法を法案に合わせる必要がある」 などとトンデモ発言が出てきました。上位法を下位法に合わよなど、憲法が国の最高法規だと規定する憲法を冒涜しています。安倍政権は即刻に退陣すべきですが、引きずり降ろす有効な方法がありません。やはり、首相官邸を十重二十重にとりまく抗議デモと支持率10%か? それにしても、平和憲法を足蹴に踏みにじる政府与党は狂っています。今の自民党 (公明党も) は昔とは異質な極右集団になりました。国民にキバを向けていますね。自民党の憲法改正草案も軍国主義復活を目指す品のない草案です。



原子力村の者どもと、平和憲法を蹂躙する連中は同一。
原発再稼働しようとたくらむ者どもと、憲法を踏みにじる連中とはほぼ一致しています。その理由の一つは、核の平和利用などというのは真っ赤なウソで、原発は核施設そのものであるからでしょう。日本が戦争が出来る国になって、核武装も視野に入れているみたいですから (少なからぬ自民党議員がそういう主張をしています) 原発を止めるわけにはいかない。それが政府与党のホンネでしょう。でもまあ、ホントのところはそういう戦争ビジネスや原発ビジネスで商売している大企業が、自民党に政治献金して政治を買収しているのが実態かもしれません。


依然として続く食品放射能汚染!
さて、戦争ビジネスや原発ビジネスで金儲けしている連中が原発再稼働したいのは分からんでもないのですが、(彼らにとっては死活問題で失業するかどうかの瀬戸際) 踏みにじられる庶民大衆、国民有権者はたまったものではありません。フクイチ原発過酷事故が終息 (収束ではない) したのでは全くありません。放射能はダダ漏れが続いていますし、放射能汚染食品が依然として出ています。以下に、今年に入ってからの食品放射能検査で基準値超過の事例を表にしてまとめてみました。出典は 厚生労働省の報道発表資料 です。2015年6月14日現在で最新のものは 食品中の放射性物質の検査結果について (第933報) です。おかみは隠していません。発表はしていますが、大量の発表の中に紛れ込ませています。



2015年上半期の食品放射能汚染状況
2015年上半期の食品放射能汚染状況
なお、924報(4月6日)、917報(2月16日)、915報(2月2日) は基準値超過はないので、表からカットしました。


2015年上半期の食品放射能汚染状況


自然の野生採集品のみが引っかかるのは不自然だ!
●それにしても、あまりにも不自然です。基準値超過に引っかかるものは自然採集品ばかりです。ウド・タラの芽・コシアブラ・ワラビ・ゼンマイ・コゴミなど山菜とか、イワナ・ヤマメなどの渓流魚や湖沼におる魚、イノシシ・シカ・クマの野生動物の肉とかばかりです。これらは市場にあまり流通するものではなく、野山で採集し捕獲しほとんど自家消費するものしか引っかかりません。なぜか、栽培されたものは全くひっかかりませんわね。どう考えてもおかしすぎです。フクイチ原発から吐き出された放射能微粒子は風に乗って流れふわふわと漂い広がり、雨滴に放射能微粒子が吸着されて、広い範囲に地上に降り注ぎました。山菜等の棲息地にのみ選択的に放射性物質が降り注いだわけじゃありません。田畑にも同様に降り注いだハズです。にもかかわらず栽培品が全く引っかからないのはどう考えても奇妙です。おかしすぎです。検査しているのは原発再稼働を目指している政府傘下の市町村や組織であったり外郭団体であったりするわけで、政治的な配慮や工作が含まれていないか? 引っかかる物は自然物のみで栽培物はなしという検査結果にどこまで信用性があるのか? ま、政府だけでなく、自治体レベルでも自分たちの町から基準値超過が出たら大変なことになると、検査の際にいろいろ手加減や工作をしていることが噂されていますよね。 

●おそらく、自然物ならば影響が少ないから、まあホントのところを発表しましょうってことではないか、と見ます。福島県のキノコ業者が東京電力に商売ができなくなったので補償をしろと要求したところ、「業者が販売しているキノコは窃盗物である。窃盗物の補償はできない」 という返事です。ま、山菜業者が扱う山菜やキノコは勝手に山 (私有地であれ国有地であれ他人の土地」) に入って窃盗した物と言えばそうです。補償対象ではないと言い逃れができます。もしこれが、栽培物ならば途方もない補償金額になるでしょうし、国がかかっても補償しきれるものではありません。補償だけでなく、田畑の汚染土の撤去と、安全土の客土、など途方もない費用が要るわけで実際には無理です。で、栽培物から放射能基準値超過は出ないことにしてあるのでしょう…。オリンピック招致の演説で、フクイチはコントロールできていると首相が平然と言い放ったり、原発再稼働をたくらんでいる側が検査した結果など信用できるもんか! 泥棒の言い分を信用できないのと同質です。



ワラビもノアザミも平地より2か月遅れ、晩生系統か? 山頂現象か?
●6月10日にまた高越山 (標高1133m) に来ました。今年は足しげく来ているようでありますが、徳島市の病院に通院しているという特別な事情によります。で、いつものように海抜850mあたりのところから吉野川を俯瞰しました。霞がかかっていますが、今日は比較的よく見えています。讃岐山地の稜線がくっきりと見えています。

讃岐山地は、徳島県 (阿波国 )と香川県 (讃岐国) の境にある東西70~80キロの山地ですが、山地西部が高く山地東部が低く 「西高東低」 です。山地西部には雲辺寺山(927m)、大川山(1043m)、竜王山(1060m)、大滝山(946m) などがあり、山地東部では矢筈山(789m)、大山(691m)、大麻山(538m) などがあり、山地東部のほうが明らかに海抜高度が低くなっています。国土地理院地図では讃岐山地の呼称が採用されていますが、徳島県では阿讃山地と呼んでいます。讃岐山地などと呼称するのは、この山地が香川県にのみに帰属するかのような印象を与え、これでは阿波の人は面白くないでしょう。ま、地理的な名称というものは、たぶんに政治的な思惑が入ります。たとえば国際的に定着している日本海 (Japan Sea) という呼称を、「日本海とよぶのはけしからん」 と、韓国では韓国海と言いかえ、北朝鮮では朝鮮海と言うのと同じで、自国名 (自県名) をつけたがるものです。


↓ 煙紫色にかすみがかかっているものの、今日は讃岐山地がよく見えます。写真では分かりづらいのですが、讃岐山地の山々の間に小豆島の山も見えています。
阿讃山地を望む

●ちなみに、淡路島の人らが、兵庫県本土と淡路島の間の海峡を明石海峡と呼ぶのがけしからん、淡路島と四国の間の海峡を鳴門海峡と呼ぶのがけしからん、とよく言います。じゃあ、双方の肩を持って、淡明海峡 (明淡海峡) だとか、淡鳴海峡 (鳴淡海峡) とすれば公平かもしれませんが、ある意味地名 (ここでは海峡名) なんて政治的な力関係で変わるものなんですわ。政治的に力を持つ側が都合よく名づけるわけです。讃岐山地の呼称がまかり通るのは、香川県のほうが徳島県よりも人口が多く四国の玄関口であるという優位な力学が反映しているのでは? 同様に、歴史的に淡路島は阿波藩の領地であり蜂須賀家の隷属下にありました。で、鳴門海峡なわけですが、古典文学では鳴門海峡は 「阿波の水戸、あはのみと」 で出てきます。(土佐日記) 「淡路の水戸」 じゃありません。歴史的背景を見れば、「鳴門の渦潮」 を 「淡路の渦潮」 などと言おうという主張は頓珍漢です。そもそも 「鳴門」 という言葉自体が海峡部の逆巻く潮の流れが轟音を発している意味であり、淡路の渦潮と言えば表現としてもヘンです。淡路という地名の語源は 「阿波に至る路」 です。つまり単なる通過点の島ということであり、橋げたの島です。鳴門の渦潮を世界遺産にしろと主張する連中は、なにかにつけて頓珍漢なことを言うわけです。なお、淡路島と紀伊半島の間の海峡は紀淡海峡と双方に公平な名称ですが、これは淡路国は紀伊国に隷属していたわけではない為でしょう。


本日観察した花
何もオンツツジだけが花ではありません。次から次へと花の種類が変わっていきます。で、自然観察の要諦は 「定点をすくなくとも1か月毎に、可能ならば1週間ごとに訪れる」 ことは大いに意義があるところです。やみくもに、あっちの山こっちの山とフラフラさまようのが良いわけではありません。

ホタルブクロが咲き始めました。ホタルブクロは赤っぽい花と白い花の2つがあるようですが、高越山のものは白花品のようです。なかなか綺麗な花です。
ホタルブクロの花

↓ 花は釣鐘状です。写真のものは花の長さも径もともに3センチ程度です。花冠は6浅裂しています。花冠には表も裏も毛が多く、花冠内側には紫色の小さな斑点が無数にあります。花にも茎にも葉にも毛が多い植物で、手で触っても毛が多いことがよく分かります。
ホタルブクロの花

↓ 茎の下のほうに着く葉には長い葉柄がありますが、茎の上になるほど葉の柄は短くなり、花の付けねに着く葉には葉柄がありません。
ホタルブクロの葉


ノアザミ です。高越山の船窪つつじ公園や山川少年自然の家周辺など刈り取り草原に沢山みられます。冬には地面に密着して寝たロゼットで越冬するので、刈りとりに抵抗性 (?) があるし、地下に太い根があって養分を溜めておき気温が上がるとその養分を費消して一気に茎を伸ばします。生態的に刈り取り草原に適応した生活のようであります。
ノアザミ

↓ 花は平地では4月から咲いていますが、標高1000m越えでは2か月遅れで開花しました。花は上を向いて咲きます。(横向きや下向きではない)
ノアザミ

↓ 剣山に ノアザミの変種でトゲアザミ というトゲだらけのアザミが知られていますが、船窪高原にもノアザミに混じってトゲや毛が非常に多い個体がみられます。写真のものも総苞片の刺がやや長く、斜上して、茎や葉に毛が非常に多いです。ノアザミは変異の幅が大きく、他のアザミと区別しにくい物が必ず出てきます。アザミ類は誰でもアザミの一種であることはひと眼見て分かる植物群ですが、種名を正確に同定するのは非常に難しくあまり写真を撮りたくない植物群です。どちらなんだろうか? というものが必ず出てきますわね。トゲアザミそのものではなくても中間型ぐらいのものが有るのかもしれません。
ノアザミの蕾

ノアザミの蕾

↓ 頭花には舌状花はありません。筒状花ばかりです。おそらく数百個あるのではないか? 筒状花の大集団です。
ノアザミの頭花

↓ ノアザミの根生葉は花期にも枯れずに残っています。写真で1枚黄色くなっていますが、他の根生葉は青々としています。他の開花株を観察しても根生葉はみな残っています。
ノアザミの葉


本日の山菜の観察

ミョウガ であります。日本在来種ではなく非常に古い時代に食用に中国から持ち込まれたのではないか? と考えられますが、人里だけでなく相当な山奥でも野生化していて、あたかも日本在来種のごとく錯覚されます。史前帰化植物の一つです。土壌が湿潤で、空中湿度が高い場所を好むようで、スギ植林の林床に大群落をつくっているのをよく見かけます。日向でもいいのですが半日蔭でも良く育ちます。山菜としておおいに利用できそうですが、人里近くのものは栽培している可能性があるので手をだすと怒られるかもしれません。手を出すのならばできるでけ山奥のものです。
ミョウガの葉

ミョウガを山菜として利用する場合、ありがたいことには年2回採れます。春の新芽をミョウガ竹として採るのと、夏から秋に花を採取出来ます。ミョウガ竹とはモヤシ状に軟白化した新芽のことですが、日に当たるとじきに青く堅くなるので、半日蔭のところにあるもので、できるだけ腐葉土や落葉に埋もれた白っぽい新芽を採取します。もし庭や畑で栽培するのならば、冬の終わりにミョウガの株に30センチぐらいの厚さでモミガラとか落葉をかけておきます。そうすると素晴らしい品質のミョウガ竹が手に入ります。保存は甘酢に漬けこめば1年間保存できます。たとえば焼き魚に1本ミョウガ竹を添えるなど料理の飾りにします。ミョウガ竹は普通は店頭であまり売られていないので値打ちがあります。 ミョウガの花は店で売られていますので、どのようなものか下手な講釈するまでもありません。野生化したミョウガの花を採るばあいは、微妙な環境の差で花期が大きくずれるので注意を要します。淡路島の平地では7月にミョウガの花が咲きますが、ちょっと標高が高い所のものは8月とか9月になります。

ミョウガの葉


ワラビ の新芽がまだまだ出ています。ワラビ採りの適期が続いています。いくら海抜1000m超といえども遅すぎという印象がします。ここのワラビ群落のものは、もしかしたら特別に晩生の系統なのかもわかりません。標高が1000m超、山地の尾根筋で風通しがよく気温が上がりにくい (いわゆる山頂現象) 、特別に晩生系統、など遅くなる要因が重なっているのかも? ここのワラビをあまり採っていると怒られるかもしれませんが、しかしまあ、ここはいわゆる 「刈り取り草原」 です。夏や秋に市から委嘱された作業員が来て草刈りが行われます。吾輩がワラビを採ろうと採らまいと結局ワラビは刈り取られる運命にあります。つまり厳密には森林法違反など違法行為の可能性があるわけですが、環境影響的には別段の悪影響も及ぼさないわけです。 なお、ワラビの新芽というのは春の到来を讃える風物詩ですが、写真を撮るのが非常に難しい被写体です。群落全体を写したら何があるのか分からない写真になるし、1本だけに焦点をあわせたら群落全体の見事さが全く分からないです。では展開した葉を撮ればいいということもありますが、それでは草茫々の雑草地の写真になります。

山頂現象では、その山の標高からは普通は出現しないような 「より高い山にある植物」 が出現する事例がよくあります。ブナ帯の山なのに、亜高山帯の植物が出てくるとかです。山頂は特別な環境になるので、自然観察をする者は山頂付近を念を入れて観察する必要があります。

↓ 2015年6月10日、徳島県吉野川市の海抜1070m地点にて撮影。
ワラビ

ワラビ

ワラビ


有名なボロボロ滝と、ビックリの遅いワラビをゲット! (その3)
●ボロボロ滝を観てから狭い林道をどんどん登っていくと、見晴らしのいいところにでました。海抜は約950m。山ろくの山川町の街並や吉野川が俯瞰できます。この見晴らしのよいところは植林が伐採されていて裸地になっています。そこそこの面積があり、吉野川の北側を西に向かう 撫養街道 (徳島県道12号鳴門池田線) からよく見えます。冬には雪が積もるために常に白く輝いて見える場所です。
海抜950mの見晴らしのいいところ

海抜950mの見晴らしのいいところ

なんとなく矛盾のある分かりづらい看板
桁山県有林の案内看板
この2つの看板は、林道の終点の同じ場所にあります。桁山県有林 (けたやまと読むのか?) と言うからには、県有林つまり私有林ではなく徳島県の公有林のハズです。ところが、この林道は民有林林道だと吉野川市が言っています。県は県有林だと言い、市は民有林だと言っておるわけですが、どういう事情・意味なんでしょうかねえ?? 矛盾と言えば矛盾です。県有林と民有林がパッチ状に混在しているとか? 民有林が県に買い上げられたとか?
通行注意の看板

ここが分収林だとするならば矛盾ではない
追記】 徳島県は県有林だといい、吉野川市は民有林だという矛盾でありますが、少し考えてみたのですけど一帯の森林が 「分収林」 だと仮定したらうまく説明がつきそうです。分収林という制度は明治期からあるようですが、分収林特別措置法 という昭和33年制定の法律ができて、日本中で分収造林や分収育林が盛んになりました。分収林では、「土地所有」 と 「造林管理」 の分離が行われています。分収造林契約が締結されると、造林管理者が植林し樹木の育成管理が行えるよう地上権が設定され登記簿上の変更がなされます。つまり…、

山 (分収林の土地) の所有者は、吉野川市の個人の山主たち。
分収林の造林あるいは育林の実際の仕事をするのは徳島県 (外郭団体とか)。

●この2者で分収造林・分収育林契約が締約されているとするならば、林道の管理者の吉野川市は、住民 (山主) に近いから、この森林は民有林だと言うのは当然でありましょう。たとえ分収造林契約を交わしていて土地自体は住民の個人山だからです。 一方、徳島県の立場としては、造林管理権を地上権の設定で法的にも固めていますし、育成している樹木の所有権は分収林特別措置法の規定で共同所有となりますよね? 樹木の所有権とその育成管理権を徳島県が持つのだから、ここは県有林だという主張も当然でしょう。 ということではなかろうか? ま、正確なところは関係者に問い合わせないと分かりませんが…。

(ブログの執筆ごときで、いちいち取材したり問い合わせたりはしません。ブログはレポートでも論文でもありません)


余談】 30年ほど前だったか、タチの悪い国は(タチの悪い林野庁は)、「あなたも緑のオーナーになりませんか?」 という甘いキャンペーンを張りました。それはこの分収造林・分収育林のハナシだったのです。平たく申せば、造林費用を善良な国民から巻き上げようとしたわけです。そんなことは無いと反論が来るかもしれませんが、そう見られても仕方がないでしょう! 大勢の人々が森林育成に資金提供したのに結局元本割れです。国に騙されたあァ! と裁判がたくさんおこなわれましたよね。 実を申せば、吾輩も分収林の説明パンフレットを取り寄せて、なけなしの貯金をおろして出資しようかなと検討しました。結局こんなのはおかしいと出資しませんでしたが、危うく引っかかるところでしたわ!


↓ 実質は、分収育林事業失敗記念碑!
それにしても失敗を糊塗するために上手く書くものですね。なお、勘違いしてはならないのは、タチが悪いのはあくまでも政策を決定する国 (林野庁) なのであって、地方の市町村はむしろ被害者の側です。市町村は上の方で決めた政策に従うしかなく、反対はできませんから。看板には被害者は54名だと記していますが、危うく吾輩もこの54名の被害者の仲間入りするところでした。 (冷や汗) 30年前に、ここ (野間殿川内林道海抜1030m地点) に、 「あなたも緑のオーナー、あなたが育てる分収育林」 と甘くささやく看板が立っていましたわ。山中のあちこちに悪魔の看板がありましたわ。
分収育林失敗記念碑

分収育林失敗記念碑
結局、緑のオーナーだの、あなたが育てるなどと美辞麗句の甘言を言っても、カネを出させただけです。実際の植林・下草刈り・枝打ち・間伐など林業の仕事を出資者がするわけではありません。実際の仕事をする山林労働者の労賃を肩代わりさせられたのか? という疑問が拭えません。林野庁にカネがあるわけでもなし、やる事業は赤字官庁です。カネだけ国民に出させて、育てた森林を将来に伐採しても木材価格の低迷で利益が出ませんでした、ハイ、収益はありませんから配当もありません。で終ってしまいます。出資金は森林育成の管理費に消えています。山村の雇用確保や、一種の公共事業として利用されただけでは? という疑義があります。緑のオーナーになって何か特典はというと、持ち分の森林に入って山菜を採る権利があるとか、しょーもないことばかりです。あほらし。そもそも、植林や造林が儲かるビジネスならば出資者など募るハズがないんです。本当に儲かるのならば山主が借金してでもやりますよ。にもかかわらず、林野庁が権益確保・天下り場所確保で不必要な拡大造林をしようとしたのが間違いです。無理な造林地拡大の為にある意味では分収林があったわけで、結果、木材需給を歪めて木材価格低迷の一因にもなっていますし、あまりにも急斜面に植林したり、林道からあまりにも遠い尾根まで造林するから新たな林道が必要になって山を切り刻み崩しています。水資源の涵養などというのは真っ赤な嘘ッパチです。水資源を涵養するのはスギ林ではなく広葉樹林です。ブナ林退治という言葉が象徴するように、林野庁はかつて日本の山の自然を甚大に破壊していますわ。日本の林業を市場原理に任せたほうがましだったのは明らかです。なぜならば、市場原理では採算が採れない条件の悪い造林・育林はしない (できない) からです。この世にうまい話はないわけで、おかみが言うことにはロクなことはないから、乗せられないことです。おかみの言うことの逆をするぐらいがちょうどいいのかも?  【追記終了


↓ さて、余談が長くなりましたが、林道の終点は高越山の船窪オンツツジ公園駐車場であります。さらに1キロ進むとつつじ公園で、また来ました。ルートを変えて何べんでも来ます。今日は剣山は雲に隠れています。
今日は剣山は雲の中

↓ もはや葉つつじなど見に来る人はいません。駐車場の交通誘導をしていた警備員もいなくなりました。あたりはシーンとして静寂が支配しています。ここは海抜1060m。天気がわるいので少し寒いです。
花のシーズンは終わって、ひっそり閑


本日のお土産
アウトドアズマンたる者は、山や海に行って手ぶらでは帰ってはいけない。お土産が必要です。どうしてもお土産が見つからないばあいには、道端の物産市で買った山菜や、養魚場で買ったアマゴ(本州ではヤマメやイワナ) をさも山で採ったとか渓谷で釣ったかのようなふりをします。 拾った石ではねえ…。吾輩はよく石を拾ってきますが、これは 「苦鉄質片岩」 と言うんだ、元は2億年前に海底火山で噴出した玄武岩なんだけど、フィリピンプレートに乗って西日本の岩盤の下に潜り込んで付加され (底付けされ) て、地底の高い圧力と比較的に低温で変成作用を受け、億年の後に地表に現れた石なんだよ。1片の石なんだけど結晶構造からお日さんに当てるとキラキラ輝いて綺麗だし、物凄い時間スケールの歴史を背負っていて、ロマンがあるんだよ。などといくら語ってもお土産にはなりませんわ。お土産はあくまでも喰える物なのです。


↓ 本日の土産です。海抜1000m超のところではワラビシーズンも随分遅れますね。今 (6月2日ですが) ちょうど採り頃の ワラビ がわんさかと出ています。採り放題です。淡路島や徳島県の海岸近くの平地じゃ3月下旬から4月上旬がワラビ採りのシーズンですが、6月上旬では完全に2か月遅れです。この遅さはやや遅れすぎな感じはします。北海道で山菜採り 様の ワラビの項目 を拝見すると、北海道でのワラビ採りシーズンは5月中旬~6月中旬らしいですが、南海道地方でも山の上は気温がグンとさがるのでワラビも北海道並の遅さになるようです。 なお、右のビニール袋に入っているものはアク抜き用の草木灰です。

本日のお土産

↓ こちらは吾輩が喰う分です。アク抜きのためにバケツに束ねたワラビを並べました。ワラビの先の穂みたいな部分 (巻き込んだ葉) はもそもそと食感が悪いので、全部むしり取ります。山菜料理を売り物にする山の宿では、穂の部分こそワラビらしさのある部分なので絶対に取りませんが、穂は取り除いた方が美味いのです。
バケツにワラビを並べる

↓ 次に、ワラビに草木灰を振りかけます。あくまでも草木灰です。薪ストーブとか薪風呂があれば灰の入手に困らないのですが、今じゃ田舎でも山村でもわざわざ作らないと灰は手にはいりません。入手困難だからと言っても変な灰や汚れた灰はダメです。ゴミの焼却灰はもちろん、放射能の死の灰などは不可。 次に熱湯をかけます。ひたひたとワラビが隠れるまで熱湯をかけます。そして一晩か一昼夜置きます。ワラビのアク抜きの原理は、草木灰の水溶液の強いアルカリ性と熱とで、ワラビの強い発がん性を持つ毒物質を安全物質に化学変化させることであります。ワラビは本来はかなりの有毒植物なのでアク抜きは必須です。
ワラビに草木灰をかける

↓ ワラビは和風洋風ともに色々な料理に使え、様々な調味料ともよく合い、意外にも汎用性の高い食材です。味噌汁に入れてもいいし、すり鉢で叩き潰してとろろにしてもいいし、煮てもいいです。ワラビは酢との相性もいいです。ワラビの酢の物は酒のサカナになりますわ。

写真のものは、吾輩は板前でもコックでもないので美味そうには見えませんけど、美味いですよ。材料はワラビと、徳島県神山町のスギ植林に野生化していたものを失敬したミョウガの若い茎 (ミョウガ竹) と、アフリカの蒸しタコです。ワラビとミョウガ竹は味をよく含ませるために甘酢に3日ほど漬け込みます。

ワラビの酢の物


【付録】 ヤマブドウの新芽は食べられるか?
北海道の山菜採り 山ぶどうの新芽 によると、

『山菜として食べる 「山ぶどうの新芽」 は、ちょっと馴染みが薄いかも知れません。初夏に向かって季節が移行する5月中旬~下旬になると、山ぶどうの蔓に可愛らしい新芽が出てきます。その「山ぶどうの新芽」を何個か持ち帰り、独特の酸味を楽しんでください。 山菜採りの途中で見つけたぶどうの新芽をそのまま食べ、その新芽に含まれる水分を飲むと、青臭さと共に、強い酸味に混じって果汁のような旨みが口の中に広がります。お試し下さい。 どのように食べるの・・・? そのまま食べるとリンゴのような酸味がありますから、細かく切って野菜サラダなどと合わせて楽しめます。もちろん定番の天ぷらにしても美味しいですが食感は柔らかく感じます。』  (太字強調は吾輩)

ということであります。そこで、実際に食してみましたわ。ヤマブドウは北海道だけでなく本州・四国にも分布しています。九州には無かったと思いますが、大分県にあるという情報もあることはありますが、ハッキリしません。四国のヤマブドウは分布の南限地帯ですので、平地にはなく1000m以上の山の上に自生しています。以下の3枚の写真は 砥石権現の海抜1300m地点 にあったヤマブドウの新芽です。剣山スーパー林道に沿って点々と自生しています。べつに珍しい物ではなく、例えば剣山登山口の見ノ越 (海抜1400m) から、有名なかずら橋がある旧 東祖谷山村のほうに降りていく道すがら沢山あります。


ヤマブドウの新芽
↑ 2015年5月5日に撮影。

すこし拡大
↑ 小さなブドウの房が出来ていますが、花のつぼみです。実のなる雌花か? 実のならない雄花か? この段階では不明です。

葉の裏面に毛が多い
↑ 葉の裏面はびっしりと毛があります。淡路島の人はエビズルをヤマブドウと言う人が多いのですが、ヤマブドウは西日本ではブナ帯の蔓植物であって、暖温帯の淡路島には分布していません。成葉になると、ヤマブドウの葉はエビズルの葉よりもはるかに巨大です。すくなくとも手のひら大、大きな葉は 「うちわ」 ぐらいもあります。

●ヤマブドウの新芽をかじって汁を吸ってみましたが、青臭いだけで果汁のような美味さは全くありませんでした。新芽を天ぷらにして試食もしましたが、食べられますがフニャフニャと柔らかすぎて美味くありません。第一に、パリッと揚げるのは難しそうです。で、吾輩が試食した限りでは、ヤマブドウの新芽には山菜としての利用価値はありません。食糧危機でもない今、なにも、こんなものまで食べなくてもいいのではないか? 

勝手な考察をするに、北海道は今では豊かな北の大地でありますが、明治初期~中期に国策で東北地方や北陸地方の人々が開拓移住しました。西日本からもかなり移住してますよね。北広島市 とか 新十津川町 など出身地の地名を名乗っています。移住当初は日々の糧の調達に四苦八苦したらしい。 (ま、これは昔は日本国中どこでも貧しく四苦八苦しましたが) 淡路島関係者は申すまでもなく、庚午事変(こうごじへん) の責任をとって静内へ開拓移住させられた稲田家の事例が小説や映画にもなり特に有名です。南あわじ市西淡津井地区から、宗教的迫害によって本門佛立宗 (ほんもんぶつりゅうしゅう) の在家信者ら数十人が静内の碧蘂 (るべしべ) に移住した話などもよく知られています。ヤマブドウの若芽まで食べようという話は、つまり、開拓移住した当初は食糧は不足して、山菜はもちろんのこと、食べられそうな野草など何でも口にしたことの名残ではないか? と想像します。

●やはりヤマブドウは秋の実を採るのがいいですわね。爽やかな酸味が登山の疲れをいやしてくれます。ヤマブドウは酸味が強い野生ブドウでありますが、秋おそくに霜に当たったり寒波到来で凍ったりすると酸味が抜けて甘くなります。昔、徳島県内で、車で行ける最高所の峠の 落合峠 (海抜1520m) に行って、籠一杯に熟したヤマブドウの実を採ってきて、甕にいれて酵母を振りかけてぶどう酒にしたら美味かったですわ。もちろん違法な密造酒ですが、もう時効であります。 いま、特別に自生場所を明かしました。きのこの発生木も朽ちてきたから、キノコ狩りの替わりに秋遅くにヤマブドウの実を採りに行きましょう! そうそう、南方系の シマサルナシ (淡路地方名、こくもんじ) や北方系の サルナシ で発酵酒を作るのは結構むずかしいですが、ブドウならば栽培種でも野生種でも簡単ですよ!




有名なボロボロ滝と、ビックリの遅いワラビをゲット! (その2)
●徳島市街の西部にある徳大病院を退出してから神山町にやってきましたが、剣山スーパー林道方面は雲がかかっているようです。天気はゆっくりと下り坂です。で、鮎喰川を挟んでスーパー林道とお見合いの位置関係にある尾根、つまり神山町と吉野川市との分水界の尾根に登ってきました。登る道すがら見通しは利かないのですが、スギの植林の切れ目から垣間見える雲早山・砥石権現・高城山はやはり雲がかかっています。雲がかかっているその中ではただの濃霧です。何も見えません。眺望はないし、しずくで服は濡れます。登山道では道に迷う危険性が高まります。下界から湧き立つ雲を眺めるのはいいのですが、山で雲の中に入るのはロクなことがありません。とくにこれから夏場の山の雷雲は非常に危険です。入山する場合は必ず高層天気図を見て上空に寒気が進入していないかチェックが必須です。ということで、剣山スーパー林道へ行かなかったのは正解であります。

砥石権現は雲の中

↓ 国道193号線の最高所です。海抜760mぐらい。神山町と吉野川市との分水界の峠です。眺望はあまりよくありません。あたりは山の下から上まで一面のスギ植林で、樹高が高く眺望を遮っています。地形図上ではここ ですが、この+マークの地点から尾根伝いの林道を西方向に進み、ボロボロ滝を経由して、高越山の船窪つつじ公園まで行こうという計画、もとい思いつきであります。 +マークのところから左折、地図記号で軽車道 (けいしゃどう) を表わす黒の実線を行きました。
峠まで来た

日本在来種のサワギクが花の盛りなので観察しましょう。
アフリカのマダガスカル島が原産地の外来種ナルトサワギクが有名になりました。ナルトサワギクは、害を及ぼす悪い草ということで環境省が目のカタキにしていますが、まあ、ある種の利権ですわ。ナルトサワギクを駆除しようということで税金が動いてますわ。それを見た環境NPOがカネにしてやろうと行政にすり寄って駆除費用をもらおうと尻尾を振っていますが、あさましいというか、みみっちい。テイのいい乞食やな。ま、申せば原子力ムラの連中も税金に群がる利権の乞食・権力のシモベなんだな…。比べたら、ナルトサワギク乞食はまだかわいらしいわな。このナルトサワギクと分類上ごく近縁・親戚の草が下の写真の サワギク です。 主にブナ帯の湿った林床に生じる草で、淡路島でも諭鶴羽山系の谷の奥でわずかに見られますが、瀬戸内地方では平地にはないようです。神山町や吉野川市では海抜700m以上でよく見かけます。

サワギク
草丈は40センチ~80センチぐらい、大きなもので1mほどです。頭花は枝先に10個前後着いています。頭花は径10~13ミリの大きさで、舌状花と筒状花からなり、色は双方とも黄色です。舌状花は写真の個体では10~13個あります。

花のアップ
葉は互いちがいに着いていて(互生)、薄く軟弱で、羽状に深裂しています。複葉になる寸前の状態ですが、深裂する裂片が中軸まで完全に達せず、裂片同士はつながっています。写真の個体をルーペで観察すると、茎の下部に着く葉には毛が多く、特に裏面の葉脈上には毛が多いのですが、茎の上部の葉には毛がほとんどないようであります。

(なお、あくまでも写真のものや付近に自生していたものを観察したのであって、産地が異なれば形質に差がある可能性がありましょう)

サワギクの葉

●それにしても、日本在来種のサワギクが日本の山野でおとなしくしていますが、外国からの客のナルトサワギクが暴れまわっているのは興味深いです。逆に、日本の生態系の中で比較的におとなしくしている植物なのに、外国に行って暴れまくる例もいろいろ知られていますわね。クズとか、ダンチク、イタドリ、チガヤはわが雑想庵のまわりに普通にある見慣れた植物ですが、侵略的外来生物の世界ワースト100に指定されていますよね。これらが外国に行ってそんなに迷惑をかけているのか? ほんまかいな? と不思議な感じがしますね。

↓ 林道をすこし行くと植林の切れ目があり、高越山や奥野々山が見えた。
林道から奥野々山を望む

↓ 林道の枝道に入ると、焼山寺山 (938m) の尖峰も見えたが、槍ヶ岳みたい。
焼山寺山の尖峰


白いウツギと、赤いヤブウツギ
↓ 枝道に入って照葉樹林帯とブナ帯の間の植物たちをいろいろ観察しましたが、いちいち全部取り上げるとキリがありません。で、独断と偏見と薄識 (博識ではない) と個人的興味でもって4点とりあげます。
ウツギ
白い ウツギ です。淡路島の平地にもあり珍しい物ではありません。
ウツギの花

↓ 赤い ヤブウツギ です。徳島県の山々を歩くとよく見かけますが淡路島にはなかったと思います。紅白対照的で綺麗な花です。花期は5月下旬~6月上旬か? ウツギは平地では5月連休ごろから咲いています。
ヤブウツギ

↓ やや花色が薄い個体です。ヤブウツギは赤い色が濃すぎてやや暗い感じがします。明るい桃色っぽいものがあったのですが、花色が薄い方が綺麗です。
ヤブウツギの花

↓ これも珍しい物では全くありませんが シロモジ です。700mあたりから上では沢山あります。ていうか、シロモジばかりです。剣山系だけでなく、徳島・香川県境の阿讃山地にも普通にあります。で、淡路島南部の諭鶴羽山地の山頂部にある可能性が高いと考えて探しましたが、まだ見つかっていません。
シロモジ

↓ 特徴的な葉です。3本の葉脈が目立ち、葉脈はややくぼんでいます。葉は互生して3中裂しています。裂片の先端は尖った尾状になっています。中裂した底は丸くパンチ穴を開けたような独特な形です。葉の形状は淡路島の里山に多い カクレミノ (南あわじ市の地方名はミツバ) の幼木の葉に似ていますが、シロモジの葉は光沢がなく薄いです。毛はあるのかないのか分かりにくいですが、写真の物をルーペで観察したら、裏面の葉脈の基部にはハッキリと毛がありましたわ。
シロモジの葉

↓ このあたり一帯でやたらに目立つのが マタタビ です。個体数がかなり多いように思われます。マタタビの葉をシカが食べるのですが、植林が多いのでシカがあまりいないのでしょうかね? 植林ばかりでシカが棲めないので他所の山に行ってしまったとか? ま、今の時期にはマタタビの葉は白化するから目立つだけかもしれません。でもまあ、淡路島でも徳島県でも平地じゃあまりマタタビを見ないですよね。マタタビの実は食べられますし、果実酒の材料にもなります。若い葉や茎は健康茶にもなり、利用価値が結構高い蔓植物であります。籠を持って採りに行くのもいいかも?
マタタビ

↓ 写真のところは 地形図上ではここ ですが、全面通行止めと看板がある奥からここへ来ました。三差路になっていて、県道250号線を左に行けば旧 木屋平村へ降りていきます。右は旧 美郷村を経由して旧 山川町へ降ります。通行止めのところを通らせていただきました。2箇所で林道の補修工事中でありました。強行突破したのではなく、ダメだったら引き返すつもりで通行止めのところに進入しました。工事現場のところにきて丁寧にお願いしたら、仕事中のトラックやパワーショベルを横にどけて通らせてくれました。野外で仕事をしている人々は荒い面はありますが、根っこは非常に親切です。地図に載ってない林道がたくさんあって迷いやすいからと、ボロボロ滝経由で船窪つつじ公園まで林道伝いで行く道順を詳しく教えて下さいましたわ。
通行止めの林道を通らしてもらった


有名なボロボロ滝と、ビックリの遅いワラビをゲット! (その1)
●6月2日に、口腔外科の病を得て徳島大学病院に通院しておるのですけれども、朝一番に並んだにもかかわらず治療がおわったのが午前11時過ぎになってしまった。どこかで昼飯を喰うと12時を回るのは必定、この時間からは剣山とか矢筈山などは無理だ。で、しかたがないから徳島県の吉野川市にある有名なボロボロ滝に行ってきました。ここは、むしろ厳冬期に行く方が見ごたえがあります。標高700mにあり、高越山~奥野々山の稜線の北東側にあるのでよく冷え見事な氷瀑となります。厳冬期には路面凍結はもちろん時には30~50センチの積雪があったりしますし、林道はせまく傾斜はきついので、スタッドレス・チェーン・牽引ロープ・スコップの完全冬装備でなきゃ安易な入山は止めておく方がいいのですが、見に行く価値はあります。一番いいのは積雪がみられる手前まで車で行って、あとは歩くことです。標高が上がるにつれて積雪が増えてきましょうが林道を歩くだけならばアイゼンなしで大丈夫です。

徳島県 吉野川市公式サイト 母衣暮露滝 (ボロボロたき)

吉野川市サイトより引用】 川田川の源流に位置する 「母衣暮露滝」 は、落差約30mの滝で、標高700mの県有林内、美郷の最西端にあります。落下する滝水が途中の岩にくだけ散り、3段になってすだれのように飛び散る景観に、爽快さを感じます。滝のすそには霊験あらたかな不動明王が安置されており、祈願成就のため多くの人々が訪れていました。その際、滝すそで一心不乱に祈っていると、滝に後光が射し、着物が飛沫で濡れるのもかまわず、日の暮れるのも忘れてひたすら祈願したことから、この名が付けられたそうです。また、春のツツジ、初夏の新緑、秋の紅葉と四季の変化に富んだ景観は絶景。滝のすぐ近くまでマイカーで行けますが、訪れる人は少なく、それだけに秘境ムード満点です。【引用終了

●着物が滝の飛沫で濡れてボロボロになったから、ボロボロ滝というようになったということでありますが、おかしくはないか? 滝のしぶきで着物がボロボロになるもんか! イスラム教徒のように立ったり座ったりの信仰を繰り返せば、座ったさいに着物が地面の岩でこすれて、何百回何千回と立ち座りを繰り返せば着物が破れてボロボロということもあるでしょうが、滝のしぶきに濡れるだけじゃ、濡れ鼠の滝と言うべきでしょう。 それから、ボロボロを 「母衣暮露」 と書くのは、あるいは 「母衣暮露」 をボロボロと読ませるのは、少々無理があるのではないか? あまりにも当て字過ぎますわね。 むかし、この滝の存在を知ったとき、「なんて読むのかしら????」 ってな感じでした。難読地名じゃなく不可読地名です。

●吉野川市の説明文をみても、春のツツジ・初夏の新緑・秋の紅葉は絶景であると勧めていますが、冬の氷瀑は言及していませんわね。たぶん、市のホームページを見て行った観光客が事故を起こした場合に、苦情を言われることを想定しているのでしょう。つまりそれなりの危険があるということです。で、吾輩もお勧めはしませんが、厳冬期の氷瀑は絶景です。じつは、冬以外でもお勧めはしません。なんせ林道が狭く対向車がきたら立ち往生します! 行くならば、長い距離を自在にバックできる練習をしてからですわ。





秘境というほどではないが、深山幽谷の趣はある
↓ 剣山スーパー林道沿いの峰峰と比べると標高は見劣りするのですが、それでも1000m前後のピークが続き、一帯での最高標高は奥野々山の1159mです。淡路島の山と比べて少なくとも2倍の高さがあり、秘境とか人跡未踏などという表現は当てはまりませんが、深山幽谷の雰囲気はあります。
深い山の中

↓ 小豆島の 寒霞渓 (かんかけい) みたいな断崖絶壁が目を引きます。このあたりの植生帯は標高では暖温帯ではなく、ブナ帯へと移行する中間温帯であるので基本的には落葉樹が優占しています。つまり秋の紅葉 (黄葉) が鮮やかであろうと思われます。
小豆島の寒霞渓みたいな断崖絶壁がある

↓ ボロボロ滝への遊歩道入口にある道案内図。
道案内図

↓ こちらは林道の説明看板。
林道の表示板

勇壮な滝を見るには、日降水量100ミリのあとに行くべきだ

↓ 遊歩道を5分ほど行くと…
遊歩道を5分ほど行くと

↓ オーバーハングになった巨岩が現れますが、いまにも崩れ落ちそうな錯覚がして、少々恐い感じもします。黒っぽい岩ですが、地質的にはここは三波川変成帯に属しているので結晶片岩です。
オーバーハングになった巨岩が迫る

↓ 巨岩の根には不動明王が祀られていて、かつては修験者たちが滝に打たれるなど荒行を行う滝だったのか? あるいは神聖な山に登るさいに、滝の水で水垢離を取り身を清めたのかも?
巨岩の根には不動明王が祀られている

↓ ひょっこりと仙人でも現れそうな雰囲気の仙境ですが、非常にひんやりしています。真夏に避暑にくるには良い場所かも? 難点は、ちょっとじめじめしていることです。
深山幽谷の雰囲気が漂う

↓ 干天続きなので水量は少ないです。ここは標高約700mですが山頂の奥野々山まで450mの標高差しかないからしかたがないところです。豪壮に流れ落ちる滝を見るには大雨の後に行くべきかも? ただし、そうすれば林道に落石などの懸念もありましょうが…
干天続きなので水量は少ない


滝への遊歩道入り口には、渓畔林を構成する樹木が見られる
↓ ブナ帯の渓谷などに多い カツラ の大木と、その葉です。
カツラの大木
カツラの葉

オニグルミ はブナ帯だけでなく淡路島のような暖温帯でも見られますが、渓谷や川のほとりに多い樹木です。種子を渓谷の水の流れで散布させる面があるので、川の上流から下流まで川に沿って点々とみられることがあります。
オニグルミの木

↓ オニグルミの若い果実ができています。秋になるとこのクルミを拾って金づちで割って身を取りだします。栽培クルミよりも濃厚な味がしますね。脂肪分の含有率が高いのではないか? 淡路島でも八浄寺の横の谷 佐野川 に沿ってオニグルミがあります。昔、吾輩もクルミ拾いに行ってよく食べましたわ。身は少ないけど美味いですね。
オニグルミの若い果実



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