雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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ダケカンバの樹皮は何のために剥がれるのか?
樹皮がはがれ落ちるダケカンバ
「根周り穴」 とか 「根開き」 の話題をしようとするのではありませんが、ここは剣山の北斜面です。海抜1870mぐらい。終日陽が当らない北斜面です。しかしながら派手な 「根周り穴」 が出来ています。したがって、樹木の幹に陽が当たって幹の温度が上昇し、幹の周囲の雪を溶かすといわれている通説は説得力を失います。しかしながら今回のエントリーはそういう話題ではなく、樹木の樹皮が剥がれるのは何のためなのか? という話題ですので、「根周り穴」 の議論は横に置いておきます。 下の3葉の写真は、2015年4月8日の剣山山頂直下のダケカンバ林です。細かなことを申すと、四国山地や紀伊半島の大峰山系にあるダケカンバは変種のアカカンバだとされています。しかしそんな細かなことは本エントリーの話題にはどうでもいいので、ダケカンバという表記で行きます。
ダケカンバの林

ダケカンバの樹皮は、薄い紙程度の厚さの薄皮が次々に剥がれます。はがれ落ちた樹皮が雪上を汚しています。春の残雪ですから雪が汚れていますが、白い雪の上に落ちた赤っぽいダケカンバの樹皮はよく目立ちます。
樹皮が剥がれて、雪上を汚す

↓ 顕著に樹皮が剥がれている個体を写真に撮りました。樹皮が剥がれると言っても本当に薄い膜のようなものが剥がれています。
樹皮が派手にはがれる

●樹皮が剥がれるのは何のためか? という疑問には、まとわりつくカズラやコケや地衣類を払い落すためだ、という説明がしばしば行われます。たしかに一理あります。下の写真は2014年10月5日に高城山で撮ったものですが、カズラ (ヤマブドウ) に樹冠を覆いつくされて結構大木が枯らされてしまっています。ただし、枯らされた樹はヤマブドウの蔓や葉に隠れて見えません。樹木にまとわりついて登るカズラは、ヤマブドウだけでなくサルナシ・ツタウルシ・イワガラミ・ツルアジサイなど色々あります。そういうものが幹にまとわりついてきたならば、登ってくるなと、樹皮をわざと剥がれ落として、うるさいカズラやコケ・地衣類を一緒に払い落としているんだという説明なのですが、たしかに合理的な説明のように見えます。しかしながら本当なのだろうか? 


樹冠がカズラで覆われた木は枯らされる!
カズラに被陰されると枯らされる


ブナの樹皮ははがれないので、地衣類の天国だ!
コケや地衣類がびっしりと付着するブナ

●ところが樹皮が全然はがれない樹が存在するのも事実です。典型例はブナです。ブナの本来の樹皮は白っぽくて貴婦人のような美しさがあります。特に北日本や日本海側のブナは白くて綺麗でシラカンバと見紛うほどです。ブナはなかなか樹皮が剥がれて落ちないので、ブナの幹の樹皮の上にはコケや地衣類がびっしり付着しています。いろいろな地衣類が付着して色々な紋様を描き、まるで望遠鏡で見た月面みたいです。ブナはコケや地衣類の付着を歓迎しているように見えます。コケや地衣類の付着を嫌がっているようには見えません。

●生物の身体を観察すると、その組織や器官のみならず生理や習性にいたるまで実に “合目的的” であると言えます。ほとんど例外なく 「~のために」 という目的がありそうに見えます。たとえば、われわれの目という器官は精密なカメラ眼でありますが、可視光線の波長帯を感知して外部環境を捉えています。夜間になると暗くて可視光線ではダメなので、動物によっては赤外線カメラを発達させているし、漆黒の闇で障害物の多い洞窟にすむコウモリはなんと超音波カメラまでもっています。ヒトも生来目が見えない場合には、聴覚が異常発達して、障害物がある場所を歩く時、自分の足音等の反射を聞いて障害物を “見る” ことが出来る人もいるようです。後天的な音波カメラの獲得か? とも言えましょう。これらは全て外部環境の様子を知るためという明確な目的があります。

●さて、ダケカンバの樹皮がなぜ剥がれるのか? ということを考えた場合、生物の器官や行動は全て目的があるハズだという目でつい見てしまうから、幹にまとわりつくカズラや地衣類を払い落すためだ、なんていう発想になってしまうだけではなかろうか? というのは、そもそもダケカンバの根元に振り落とされたカズラなど見たことがないからです。それに、樹木が生長して幹が太くなっても樹皮が全然剥がれない木も沢山あるからです。ブナやツバキが典型例ですが、樹皮が剥がれないからといって困るようでありません。幹や枝に沢山の地衣類や着生植物を寄生させていて、なんら不都合でもなさそう。かりにツル植物に寄り付かれても、そのツル植物よりも高く枝葉を茂らせていたら枯らされる心配はありません。逆に自分が枝葉をびっしり茂らせたら、取りついたツル植物が被陰されて生長できなくなります。ツル植物との戦いはあるでしょうが、それは陽光を奪い合う戦いであって、それは樹皮の剥離とあまり関係ないのでは?

普通に考えたら、樹木が生長して幹が太るとき、樹皮の下にある形成層の働きで新しい樹皮がどんどん作られ、古い樹皮は幹が太るにつれて外側に伸びていくハズだと思うのですが、ゴムみたいに伸びるわけじゃなかろうから、ひび割れて亀甲状であったり縦に裂けたり、いろいろな紋様が生じます。そして古い樹皮はやがて剥がれ落ちてしまいます。マツ類なんかは典型例で、亀甲状に樹皮が割れていて手で触るとポロリと剥がれおちます。大なり小なり樹皮が剥がれ落ちるのは当たり前で、目立つか目立たないかの違いのように思われます。樹皮が全く剥がれ落ちない樹種もあるんですが、そのばあい古い樹皮がひび割れていく時、そのひび割れの間隙を新しい樹皮が素早く埋めるのではないか? で、剥がれ落ちない? 冒頭の疑問 (設問) の 「ダケカンバの樹皮は何のために剥がれるのか?」 ですが、吾輩の拙い観察と考察では、別に何々のためにという目的などなく、その樹の樹皮の生育様式に従ってたんに剥がれ落ちているだけ、という結論にいたりましたわ。  (でも、まあ、間違っているかもわかりません。)



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暖温帯で一番よく樹皮がはがれる木は、バクチノキか?
ダケカンバは冷温帯~寒温帯に分布する樹木ですが、淡路島全域が属する暖温帯で樹皮が剥がれ落ちることで有名なのはバクチノキです。おそらく、樹皮が剥がれることでは暖温帯の樹木ではトップではないか? そもそもバクチノキという和名自体が樹皮の剥離に関係しています。樹皮が次々に剥がれ落ちることをバクチ打ちにたとえています。バクチ打ちが勝負に熱中するあまり身体がほてって暑くなり、衣服を1枚づつ脱ぐことに似ているというのです。

↓ バクチノキの若木では、樹皮の剥がれがまだ少ないです。
バクチノキの若木

↓ 樹皮が剥がれた直後は白っぽいです。
樹皮の剥がれた跡は白い

↓ バクチノキは古くなると赤褐色というか赤銅色となってきます。古い樹でも樹皮はよく剥がれます。
古い樹になると赤銅色になる

↓ 剥がれ落ちた樹皮をザルに盛りました。初夏から梅雨ごろに樹皮がよく剥がれて落ちてきます。観察している小1時間の間にも、4回幹の上の方から剥がれた樹皮が音を立てて落ちてきましたわ。梅雨ごろにバクチノキの大木を訪れると、根元の周囲に剥がれ落ちてきた樹皮が積もっているのをよく見かけます。樹皮は腐植しやすく、黄色~赤褐色の積もった樹皮が異様な光景をみせます。
剥がれ落ちた樹皮

●バクチノキは淡路島の南部の山岳地帯の裾には意外に多い樹木です。兵庫県版レッドデータではBランクの貴重植物としていますが、大きな樹であり盗ろうとしても盗れるものではありませんので、特別に上掲の写真をどこで撮ったか公開しましょう。庭木にしたい方は種をまけば簡単に苗木ができます。花期は淡路島南部では9月中頃、果期は5月中頃です。写真の場所の集団は今年は裏になるのか? 果実が全然付いていませんワ。山系の南側 (紀伊水道側) では谷ごとにバクチノキが点々と自生しています。 南あかじ市灘山本 住吉神社 の杜 (もり) で写真を撮ったのですが、リンクの国土地理院電子地形図の+マークのところです。南あかじ市在住者で自然が好きな方は、この特異な樹木を観察に行きましょう! なお、動物に注意してください。吾輩が観察中にイノシシが2頭、ウサギも2頭、目の前を横切りましたわ。もし弁当とか持っていたら、六甲山のイノシシみたいに飛びつかれるかも?


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彼らは何をついばんでいるのか?
●三羽烏 (さんばがらす) と言えば、その分野を代表するような優れた三人衆を指す言葉でありますが、三羽の鳩 (はと) ならばどういう意味になろうか? などとつい考えてしまいます。公園や寺社の境内などでよく見かけるカワラバトでありますが、休耕田の叢 (くさむら) で何かをついばんでいます。何をついばんでいるのだろうか? と小1時間観察しましたが分かりませんでした。3mぐらいまでは近づけるのですが、いくら警戒心の薄いヒト馴れした彼らであってもそれ以上は近づけません。目をこらして観察しても何をついばんでいるのか全く分からないです。そもそも鳥類の動きは早いです。早すぎて分かりません。彼ら (彼女らかも、彼と彼女かもしれないのですが) は何をついばんでいるのだろうか??

カラスバト

●彼らがいるのは休耕田です。あたり一帯はタマネギ畑が広がっていますが、この田んぼの耕作者が病気でもしたのか、高齢化で農業が無理になってきたのか、後継者がいないのか、あるいは生産物の売価が安くて営農にイヤ気がさしたのか、コメの生産調整の補助金を当てこんでいるのか、また他に深刻な事情があるのか分かりませんが、草生えになっています。この地方の農家たちはセブンーイレブン農業です。勤勉で朝早く7時から田んぼに出て働き、夜遅く11時まで農業倉庫で生産物の調整・包装など出荷作業に余念がありません。もし江戸時代であったならば、淡路島を統治していた阿波藩の蜂須賀家のお殿様から表彰状をいただけるほどよく働きます。そんな地域特性の中で田んぼを草生えにするのは、忌むべき怠惰、恐ろしい堕落とみなされ、周囲でどんな陰口を叩かれているか、想像するだけで田舎の地縁・血縁・因習・風評のがんじがらめの鬱陶しさに人ごとながら暗澹としてきます。

●けれども、カワラバトたちにとっては格好の採餌場のようであります。休耕田の存在がカワラバトたちの生存を保障しているというふうな見方もできます。農家の人々が一人残らず蜂須賀家のお殿様から表彰状をもらえるような勤勉さでは、カワラバトたちは生きていけません。カワラバトたちが帰化動物だとしても、帰化動物や帰化植物が環境省が目くじらを立てて排除するものであっても、あたかも日本在来種かとつい勘違いするほど日本の人里の生態系に密着している以上は、カワラバトたちも田んぼの生態学的ニッチを獲得しているハズです。田んぼに湧く害虫 (農業生産にとって害をもたらす意味で害虫というだけですが) をカワラバトが退治してくれているかもしれません。場所によっては糞公害をまき散らす害鳥であっても、田んぼでは益鳥であるかもしれません。泥棒がいるからこそ警察が仕事が出来るのと同様に、所構わず糞公害をまき散らすカワラバトがいるからこそ、農業ができるのかもしれません。そのへんの事情を知ろうとして、カワラバトたちの食性を観察、どのような田んぼ生態学的ニッチをしめているのか? 小1時間観察しましたが、何をついばみ何を食べているのか全く分かりませんでした…。


タネツケバナ

●休耕田に一面にはびこる草は圧倒的に被植率が高いのが タネツケバナ です。95%以上でしょう。他には、僅かに スズメノテッポウ が見られるだけです。で、一番考えられるのはカワラバトたちがついばんでいるのは、タネツケバナの若い果実か? あるいは花茎の下部に残っている柔らかい葉なのか? タネツケバナに居る虫を獲っているのか? 何だろうかな??


ワラビと、ハマボウフウのサラダ。
●ワラビを大量に採ってきまして、アク抜きをし、2%濃度の塩水 (生理食塩水よりも濃く、海水よりも薄い) に漬け込んで保存しています。出してきてそのまま食べても一夜漬みたいな感じで美味いです。あまり火を通すと柔らかくなりすぎてシャキシャキという歯ごたえがありません。アク抜きの際に熱湯をかけるから、半煮えの状態です。そのまま食べることも可能ですし、サッと湯をくぐらせる程度のほうがよろしい。砂浜に自生する香り高い山菜のハマボウフウと、ワラビとをマヨネーズ・塩・胡椒とであえてサラダにしてみたらどうだろうか? と考えて試作品を作ってみました。意外に美味く、結構なお味です。いけます。

↓ 砂浜海岸に自生するハマボウフウです。半ば砂に埋もれるようにして生えています。葉はペタンと地面に寝るような感じでロゼット状です。写真のものは、葉は羽状複葉です。
ハマボウフウ

↓ これは大きな株です。写真のものは2回羽状複葉になっています。
ハマボウフウの大きな株

↓ これは小さな株です。葉は、まだ単なる1枚だけです。つまり複葉ではなく単葉でです。ただし、中裂~深裂しているから複葉 (三出複葉) になる前段階ともいえましょう。このような小さなものは採ってはいけません、
小さなもの

↓ ハマボウフウは、淡路島では花期は5月中旬以降からですが、すでにつぼみが見えかかっています。
つぼみが見えている

↓ 株の基部を少し掘ってみると赤い葉柄がでてきます。1個体のハマボウフウから葉を1枚か2枚程度間引くように採取します。これならば、その株を枯らすことはありません。
葉柄は赤っぽい

↓ 本日の収穫です。赤い葉柄を食べます。葉柄の基部ほど柔らかいです。葉に近いほど固いです。今の時期は緑の葉は固くて苦いです。食用には適さないのですが、天ぷらならば行けます。或いは湯掻いてから水にさらすと苦みが多少は抜けます。
本日の収穫

↓ 吾輩の試作品です。材料は、ワラビ、ハマボウフウ、エンドウ、リンゴ、ポークソーセージの5品目です。味付けはシンプルにマヨネーズと塩と胡椒で和え物にしました。ハマボウフウは葉柄の下部を “ささがけ” にします。ハマボウフウはセリ科特有の香りが高いのが身上で、薬味にするつもりで使います。むしゃむしゃ沢山食べるものではありません。もちろん生です。火を通すと台なしになります。エンドウは軽く茹でます。ワラビはサッと湯をくぐらせるだけです。リンゴは彩りに入れるだけで、沢山入れるのはマズいです。(産地が東日本だからです)
ワラビとハマボウフウのサラダ (試作品)


近縁種のハマウドは有毒植物?? 食える山菜??
↓ ハマボウフウに近縁のハマウドです。ハマボウフウが砂浜海岸の半安定帯~安定帯に自生するのに対して、ハマウドは砂浜海岸の安定帯~岩石海岸の礫の中~潮風の当たる斜面にあり、同じ海岸植物であっても棲息環境がやや異なります。また大きさも異なります。ハマウドはヒトの背丈ほどか、花茎が立つ時には、しばしば2.5mぐらいになる豪壮な草です。 一般的には、ハマウドは食べられないとされます。多くの文献でも食べられないと記され、有毒植物だからアシタバと間違えて誤食しないようにと注意喚起している書物もあります。で、通説に準拠して一応有毒植物と考え、毒キノコのように赤枠扱いとしました。吾輩も、まだ食べたことがありません。もしハマウドが有毒植物であるならば、どの程度の毒性なのか? 致死量はどの程度か? どういう毒成分があるのか? どうゆう作用機序で中毒症状を引き起こすのか? ということを山菜ファンならば知っておく必要がありましょう。

ハマウド
ハマウド

●ハマウドは通説では有毒植物ということになっていますが、広い世の中にはハマウドを食べている人々がいるのも間違いない事実です。では、食用になる山菜なのか? といえば疑念も残ります。内閣府 沖縄総合事務局 北部ダム統合管理事務所のサイト 「やんばるのダム」 を閲覧すると、トップ>北部の自然>やんばる野草資料館>野草料理の作り方>ハマウド (セリ科) にハマウド料理が3品記述されています。ハマウドが山菜 (食べられる野草) 扱いです。茎や花が食べられるということで、天ぷらや炒め煮にするらしいです。

●本土じゃ、まあ、ほとんどの人はハマウドを食べないのですが、沖縄では立派な山菜 (海岸にあるものを山菜と表現するのはヘンですが) なのか? ハマウドは有毒で食べられないと先入観をもっているだけなのかもしれません…。そういえば、アシタバとハマウドの両種の分布が重なっている関東~東海~伊豆諸島で、ハマウドをアシタバと見誤って食べたということが相当あるハズだと思いますが、中毒したというニュースなんて聞いたことがないですわね! やっぱり、食べられるのかも? 美味いのか美味くないのか分からんけど…。 

●ただまあ、ちょっと気がかりなのは、沖縄で食べているというハナシです。かつて歴史的には琉球王朝が繁栄し、沖縄はヤマトとは別の国です。島津藩 (鹿児島藩) が武力で制圧してヤマトに併合しましたが、言葉は日本語の亜種であって英語とドイツ語の差に相当する距離があります。伝統音楽でも民族衣装でも建築様式でもヤマトとはまるっきり異なります。当然、食文化も異なり、飢饉のときには有毒植物であるソテツの実を毒抜きして食べる風習があるようです。で、ひょっとするとハマウドの中毒しない食べ方があるのかも?? いろいろ考えたら、地方によってハマウドには毒のある系統と毒のない系統があったりして…。ちなみに、キノコのカキシメジなんかは地方によって毒のあるのと毒のないのが存在するようです。あるいは、単に味や食感が不味いということで食用不適だけなんですが、沖縄の人々は料理が上手で食用不適なものでも上手く調理して食べてしまうとか…。ハマウドを試食する勇者がおられたら、試食レポートをぜひお聞きしたいものです。


(なお、吾輩は試食など絶対にしません。案外、石橋を叩いて渡る慎重派でございます。頑張らない、張り切らない、率先してやらない、人様の後ろをついていく、ということを人生のモットーとしております。先駆者が何人か試した後を行きます。列の先頭ではなく後尾を行きます。)


今年のシャクナゲのお花見は?
山の花が昨年よりも1週間早いようだ!

淡路島自生のシャクナゲお花見会はどうなるんだろうか?
今冬は特別に暖冬というわけではなかったのですが、3月中旬以降暖かい日が多く積算温度がどんどん加算されたためか、山の花の開花が1週間程度早いような気がします。四国の山では例年5月の連休ころに咲くアケボノツツジが、もう満開になっているらしいです。恒例の淡路島のシャクナゲを見る観察会 (お花見会) は5月の連休中じゃないとダメですわね。3日、4日、5日、6日のうち、吾輩の都合を申せば3日が商売でテンテコマイです。4日もヤボ行事があります。で、5日と6日しか空いていません。2日の土曜日も視野に入ります。一体どうなることやら?? 

選択肢は、5月2日、5日、6日、であります。

●ことしは、5月24日に、徳島県の雲早山(1496m)、高城山(1632m)、の尾根でホンシャクナゲ・ツクシシャクナゲ・両者の中間型のお花見をしたいと思います。当該山域では海抜800-1600mにシャクナゲが見られるから、早く行っても遅く行っても大丈夫です。なぜならば花前線は標高100mを2日ぐらいかけて登っていくからです。分布の下限と上限では満開に10日か2週間ぐらいのズレが出来るので、登る道すがらどこかで満開! これが深い山 (高い山) のいいところなんです。でも、まあ今年のシャクナゲは明らかに裏年みたいですわね。


以下に、4月16日に淡路ファームパークで撮ったシャクナゲの写真を陳列します。


↓ 西洋シャクナゲですが品種名は不明です。ここまで赤いと目が痛くなってきます。原色ケバケバしい感じがするので、もう少しおとなしい色のほうがいいかも?
西洋シャクナゲ(品種不明)

↓ これも西洋シャクナゲですが品種名は不明。これぐらいの花色がいいですね。洋シャクは葉裏に赤褐色の毛がなく、葉の観賞価値はありません。花は一見すると豪華に見えるかもしれませんが、過激にケバケバ過ぎです。で、あまり言うことはございません。パスです。
西洋シャクナゲ(品種不明)


↓ こちらは日本原産のシャクナゲです。品種名はホソバシャクナゲです。自生の分布域は愛知県東部~静岡県西部のごく狭い範囲ですが、鳳来寺山 (695m) はホソバシャクナゲで有名です。比較的に標高の低い山にあり、愛知県設楽町津具大入のホソバシャクナゲ自生地 は、愛知県の 天然記念物 に指定されているみたいです。
ホソバシャクナゲ

●愛知県の「文化財ナビ愛知」によると、ホソバシャクナゲは 「日本産シャクナゲ類の中では最も低地に生育する種で、津具村の指定地附近では海抜300~700mの範囲に生育し」 などと言うけれども、必ずしもそうではありません。

●イチャモンをつけるようですが、わが西日本にあるホンシャクナゲもたいがい低い所にあります。淡路島じゃ280-530mの範囲にあるし、有名な 鎌掛谷ホンシャクナゲ群落 は海抜300-450mぐらいのところにあります。三重県志摩半島のホンシャクナゲは極端な低海抜に自生しているから、夏暑い低地の環境に耐えられるシャクナゲとして園芸家に珍重され、「伊勢シャクナゲ」 などと呼ばれています。南伊勢町の暖地性シダ群落の尾根 にホンシャクナゲがあるのですが、その尾根の最高所でも316mです。ホンシャクナゲはそれこそ100m台から自生していますわ。それどころか、むかし吾輩も見にいったことがあり、五ヶ所湾の奥でそれこそ波打ち際 (海抜5mとか10mのようなところ) にホンシャクナゲが自生しているのを見てビックリしましたワ。徳島県でも植物の調査をされている高校の先生に聞いたら、県南の海部郡で海抜50mのところにホンシャクナゲの自生があると言ってましたわワ。あるところに行けば極端な低海抜にシャクナゲはあるんです。ま、共通するのは、太平洋から湿った風が吹き込んで夏に極端な高温にならなくて (30度まで) 湿度が高い環境です。そういうところでは暑さに弱いシャクナゲでも夏が越せるということなのでしょう…。 



↓ こちらはヤクシマシャクナゲです。申すまでもなく屋久島の固有種です。園芸家の世界では、シャクナゲの新品種育成のための原種として最高級に評価されているシャクナゲです。ファームパークはプロの園芸家が管理している植物園でもあるハズですが、日本原種のシャクナゲたちにとっては大変厳しいところに植えられています。よくまあ、こんなカンカン照りのところに植えたものだとビックリしました。西日を遮る樹木を横に配するとか、近くに噴水とか滝を作って暑い盛りには霧がかかるようにするとか、工夫できないものだろうか? 涼しい気候を好む野生種のシャクナゲには劣悪な環境で、葉が日焼けしていて生育が全く芳しくありません。せっかく800円という高額入場料を取るのだから、見事に育ったシャクナゲを見たいものであります。
ヤクシマシャクナゲ



日本列島にたった1本しかなかった植物
日本列島にたった1本しかなかった植物

と申せば植物が好きな人ならば誰でも知っているアイラトビカズラです。ただしそれは2000年までのハナシです。熊本県山鹿市菊鹿町相良に自生していて、 文化庁の国指定文化財等データベース で確認するとたしかに 「相良のアイラトビカズラ」 の名称で特別天然記念物です。37万平方キロもある広大な (?) 日本列島に本当に1本 (1個体) しかなかったようで、なぜ1本だけあるのか謎とされてきました。中国の長江流域に分布する植物のようで、何らかの要因で種子が中国から運ばれてきたとか、大昔は日本にも分布していたのだが絶滅してしまい、生き残りの最後の1本が相良のアイラトビカズラなんだ、とかまことしやかに説明されてきました。が真相は藪の中。わかりません。国の特別天然記念物なので、国土地理院地形図 に載っています。 山鹿市探訪ナビ によると樹齢1000年の古木であって、毎年5月に暗い紅紫色の大きな花が、ブドウの房のように垂れ下がって咲くということです。2000年に長崎県の 佐世保市のトコイ島 でアイラトビカズラの国内2番目の自生が発見され、上を下への大騒ぎの話題になったのはまだ記憶に新しいところです。山鹿市は日本でたった1本のものだと銘打てなくなりました。数が増えると観光価値は逓減します。

●でもまあ、地形図にも載らないキレンゲショウマとは格が全く違います。剣山のキレンゲショウマは国の天然記念物などじゃありません。あくまでも 美馬市指定の天然記念物 (NO.60) でしかありません。それも旧 木屋平村指定の天然記念物であります。なぜならば、3町村が合併して美馬市となったのは平成17年ですが、剣山のキレンゲショウマを天然記念物としたのは平成12年だからです。天然記念物をあちこち見て回ると気付くのですが、国の天然記念物ならば看板に麗々しく書いています。ところが、県レベルならばともかく、市町村レベルの天然記念物はあまり市町村指定をハッキリ書かないものです。あいまいにボカします。値打ちがないことを良く認識しているからなんでしょうね…。 徳島県にある国の特別天然記念物は 「加茂の大クス」 ただ1件ですが、あまりに威風堂々として巨大で腰をぬかすほどビックリしますわ。


2015年4月16日に撮ったアイラトビカズラの写真

を陳列します。 淡路ファームパーク のロックガーデンにシャクナゲを見に行ったのですが、ちょうどアイラトビカズラが咲いていました。もちろん自生ではなく植栽品です。熊本県山鹿市の自生品起源の株 (挿し木等で増殖したもの?) なのか、中国の系統なのかは不明です。熊本県山鹿市まで行くのは遠いので、かわりにこれを観察します。/span>

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↓ 根元の太い幹 (茎) に直接に花が着く「幹生花、かんせいか」 の性質が現われています。これは熱帯の植物によく見られる性質のようで、アイラトビカズラは亜熱帯性の植物だとされますが、なるほどそんな感じだなと首肯できます。
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この冬最後の雪見 (詳細版記事その3)
まだ残雪が色濃かった4月9日の剣山登頂記の続きであります。

ただちに撤去するのが望ましい説明看板
↓ 絶滅危惧種リスト入りの理由のひとつが 「観賞用採取」 であります。ただちに撤去するのが望ましい説明看板です。盗掘されて困るというのであれば、そういう植物があること自体を知らしめてはいけません。知らしめることは盗掘を奨励することと同義であります。口先で貴重植物の保護だなどというけれども、ホンネは別のところにあるのは透けてみえていますわ。
キレンゲショウマの説明看板

↓ キレンゲショウマ自生地への登山道は、まだ雪に埋もれている。(4月9日)
場所はここ (+マークのところで、海抜1810m) → 国土地理院電子地形図


自生地への登山道は雪に埋もれている


キレンゲショウマは、襲速紀要素の植物
●高知県出身の宮尾登美子が 「天涯の花」 で紹介したということばかりが喧伝され、地元自治体が山岳観光の金儲けの材料にならないかという願望がにじみ出ています。 「世界的な希産植物」 だなどというのもかなり変な理由付けであって、そもそも日本で見られる高等植物の4割程度は日本固有種だとされます。すなわち、日本列島にしかないのだから、世界的なレベルでは日本固有種はみな 「世界的な希産植物」 と言えてしまいましょう。どこの地方にお住まいでも日本全国身の周りは 「世界的な希産植物」 だらけということでありますね。剣山にしかないのならばまだしも、キレンゲショウマは石鎚山 (ここが基準産地) にもあるし、四国カルストの黒滝山にも、紀伊半島の大峰山系にもあります。九州の祖母山や白鳥山などにもあります。島根県の山にも自生が知られ、ようするに、キレンゲショウマは西南日本外帯のブナ帯~亜高山帯に点々と分布しているわけで、分布域からすると襲速紀要素 (そはやきようそ) の植物の典型例だといえましょう。分布は限られるといっても、中国にもあるというから日本固有種ではありません。したがって 「世界的な希産植物だ」 などと大言壮語を銘打つのは、珍妙にして大袈裟な理由づけなのであって、実は、観光客が大勢きてカネを落としてほしいという願望が言わしめているわけです。

●ネット情報で、基準産地の石鎚山以外で、キレンゲショウマの確度の高そうな自生情報を探してみましたところ、次のような自生地点が見つかりました。
九州 祖母山九州熊本県 御三池 (おみけ)宮崎県 白岩山九州 市房山(11頁)、高知県 黒滝山高知県 筒上山徳島県 剣山(徳島県では剣山1か所のみ)、広島県 戸河内町(恐羅漢山あたり?)、島根県 匹見町奈良県 天川村・川上村(行者還岳、観音峰山?) 得られた自生情報を地図にプロットしたら、分布図らしきもの (分布図もどき) ができてしまいました。ネットって便利ですね。

ただし、科学的な (学術的な) 分布図とはとても言えません。植物の分布といっても生物学の一分野であり自然科学です。自然科学は証拠主義です。標本はラベルに記載された産地にその植物があったという物的証拠です。標本に基づかない、あやふやなネット情報でこしらえた分布図もどきなど、良い子は信用しないように…。


キレンゲショウマの分布


●↓ 村田 源 : 『近畿地方植物誌』 大阪自然史センター刊, 4頁, (2004年) にキレンゲショウマの分布図が載っています。で、借用します。岡山県西部ならびに鳥取県西部のデータがプロットされていないので、それらが見つかる前のきわめて古い標本群をプロットした分布図かもしれませんが、こちらの方が信用なります。あるいは、ソハヤキ要素の植物であることを強調したいがゆえに、ソハヤキ地区から外れる自生地を無視したのかも?? いずれにせよネット情報でこしらえた分布図もどきと比べて、それほど大きな違いはないようです。とは言え、やはりネット情報はいい加減です。ネット情報では標本という物的証拠がないから、その情報に疑義が生じても検証しようがないですワ。

ある登山者が○○山で○○という植物を見て写真に撮りネットに載せても、それが、たとえ日時・場所・生育環境・観察者氏名など克明に記述したとしても、それが本当に○○という植物だったのかどうか写真ではハッキリしないことが多いです。写真ではよほど接写しないかぎり、ディテールはどうなっているのか判然としません。キレンゲショウマのように1属1種で似たものがない植物ならばいいとしても、酷似した近縁種が多い植物ならば、種の同定に疑問が生じても標本をこしらえていないかぎり検証のしようがありません。ということで、ネットはまだまだ発展途上だと吾輩は思いますね。Wikipediaなんかは特にそう。ネット百科事典として大いに便利で参考にはなっても、どこの誰が書いているのか分からない、書き手の知識レベルがどの程度か不明、どういう立場で記述しているのかも不明、で、記事の信用性・正確性が担保されていません。もちろん吾輩が書き散らすことも信用性はゼロです。ネットに膨大にあふれかえる情報の信用性をどう担保するかが大きな課題のように思います。が、偉い人や権力を持つ人が検閲まがいのチェックを入れるというのならば、かえってマズそう。結局、ネット利用者が自己の情報リテラシーを高めるしかないのかもしれません…。


キレンゲショウマの分布図


●話題を元に戻します。キレンゲショウマが小説に取り上げられたなどというハナシは、「あっ、そう」 という程度のハナシであって、自然について観察したり学んだり観賞したりするのとは全然関係ないわけです。ことさらそんなしょーもないハナシを看板にするのは、虚構の存在にすぎない小説のヒロインにあやかって、わんさかと観光客が来てカネを落としてほしいという商業主義 (便乗主義) がチラチラと見えていますわ。そんなに金儲けしたければ著名人にカネを渡して剣山について書かせたり語らせばいいわけです。それから、このような宣伝がその植物に対する 「観賞用採取圧」 を高めて、その植物を絶滅に追いやる大きな要因ともなっています。レッドデータ入り選考基準のひとつに 「観賞用採取」 があることを認識する必要がありましょう。キレンゲショウマを護りたければ、そういう植物があるということ自体を知らせてはいけません。知れば探して採ろう、金網を破ってでも採ろうとする観光客がわんさかと来るわけです。人を見たら泥棒と思えというように、残念ながら、登山者・観光客の多くは公共善をわきまえない盗掘者なのです。したがって、この説明看板は即刻撤去したほうがよろしい。

●自然保護というのは色々な立場や考え方があり、ムダな水かけ論に巻き込まれる危惧があるため、あまり立ち入りたくないのですが、観光振興を図りながら自然を護ろうというのは根本的な矛盾を内包しています。観光客が沢山くると山を荒します。山を荒す奨励をしながら、山を護ろうということであり、どこかマッチポンプ的な胡散臭さがつきまといます。ちなみに、自然保護のNPO法人の活動とか、再生可能エネルギー推進政策などもそうですが、 「環境のため」 という言葉を錦の御旗にしていますが、これはたぶんに表向きの建前です。偽善の仮面をひと皮むけば、ホンネでは補助金をかすめとったり、カネもうけを狙っている色合いが濃厚です。世界自然遺産に関する国内の誘致活動もそうです。世界自然遺産条約の趣旨は 「破壊や消滅の危機から自然遺産を護ること」 です。観光振興では全くありません。本来は入場制限をして観光客を締め出すことであります。ところが日本では異様な観光振興活動に変容しています。 剣山の自然を護ろうとか、キレンゲショウマを守り育てましょうなんて言っているのも、それは建前でしょう。本当に剣山の自然を護りたいのであれば、ただちに登山リフトなど撤去すべきです。軽装で背広姿でも安易に登れることが本質的な問題です。それから国道439号線と国道438号線、それから剣山スーパー林道も閉鎖しなければなりません。簡単には剣山にアクセスできないようにするのが最良の策なのであります。

ようするに、この国は本音と建前を使い分けるのを得意としていて、偽善が多いんですワ。正直に、山村では現金収入の道がこれといってなく、剣山で金儲けの商売がしたい。観光客やハイカーや登山者の皆さま大勢いらっしゃい。大勢が来たら亜高山植物を盗掘したり平家の馬場の草原が荒れてしまいます。次に来た観光客も楽しめるように、自然が損なわれることには何とか対策を立てますから、ぜひ大勢いらっしゃっておカネを落として下さい。と、ホンネで言えばいいのに‥‥。なにも金儲けに反対しているのではなく、大いに金儲けしたらいいと思うし、吾輩もまた行ったら貧人の一灯なりにカネを使いますよ。ホンネとタテマエが乖離していることを話題にしているだけです。




石灰岩や蛇紋岩の山は、特異な植生になることが多い
ということは吾輩でも知るところですから、植物観察する人々の間では一般的な知識であります。キレンゲショウマの説明看板付近の登山道には石灰岩がごろごろと転がっています。剣山は、全山が琵琶湖の北東にそびえる伊吹山のような石灰岩の山じゃないですけど、山頂直下の北斜面に東西帯状に石灰岩層が見られますよね。そういえば四国カルスト付近の山にもキレンゲショウマの自生地が知られていますが、もしかすると石灰岩が風化した土壌とキレンゲショウマとが何らかの関係性 (好石灰植物とか?) があるのかも? よく分かりませんが、キレンゲショウマの自生地は石灰岩地帯であることが多いようですね。 ちなみに、わが淡路島でも僅かですが石灰岩が見られます。旧北淡町の野島鍾乳洞付近ですが、サンゴ礁起源の石灰岩じゃなくて、カキ (牡蠣) 礁が起源の石灰岩です。蛇紋岩も淡路島の付属島の沼島の上立神岩あたりの崖で見られますワ。
登山道には石灰岩がごろごろ

登山道には石灰岩がごろごろ

↓ 4月9日時点で剣山北東斜面は残雪が色濃い。
北東斜面に残る雪



晩のおかずは、ワラビ尽くし!
本日は2015年4月21日 (火曜日) であります。

●溜め池の土手のようなところで採ってきたワラビを、穂のような先っぽを除去して、草木灰と熱湯をかけてアクぬきしましたが、ワラビのアク抜きが不十分であると発がん性物質が含有されています。で、2昼夜もかけてしっかりとアク抜きしました。で、ようやく食べられるようになりました。今日の晩のおかずはワラビ尽くしであります。しばらくは毎日ワラビばっかし食べますね。本当に田舎の人はワラビが大好物なのです。しっかりとアク抜きしないと癌になるかも? ワラビでなる癌はほとんど大腸がんらしいです。



田舎のワラビ尽くしの夕餉のおかず
ワラビ尽くしの料理
↑ 上段左は、ワラビの油炒めですがポークソーセージ付き。塩コショウ味。
 上段右は、ワラビのお浸し。ワラビをサッと湯掻いて上におかかを振りかける。
 下段左は、ワラビの酢の物。モーリタニアの蒸しタコ付き。
 下段右は、ワラビと油揚げの煮物。これは伝統の田舎料理。



●ワラビというシダ植物は、九州南端から北海道北端まで日本全国に自生がみられます。(沖縄県にもワラビが分布するのですか? 沖縄の人に聞かないとわかりませんが…) 各地にはその地方独特の郷土料理があり、また個々の家庭でもその家庭独自の料理というのが存在するようで、他人がワラビをどのようにして食べるのか? よくわかりませんが聞く所によると、味噌汁の具にしたり、すりこぎで茹でたワラビを叩いて 「とろろ」 にして食べる人もあるようですね。十人十色ひとそれぞれです。ワラビの食べ方に定式があるわけじゃなし、自由奔放に創意をこらして奇想天外な食べ方をしましょう! ほんまにワラビは美味いスね。


ゼンマイは吾輩は採らない
↓ こちらはゼンマイです。淡路島南部の南あかじ市にもたくさん自生していますわ。採るんだったら、山裾の道路の法面とか、森の林縁のマント植生内とか、溜め池の土手をさがせばいくらでも採れるハズです。東北地方の日本海側山村のように山菜を売って生計を立てる人は淡路島にはいないので、いくらゼンマイを採っても怒られる心配はないです。しかしながら、吾輩はゼンマイはあまり好きではないので採りませんワ。採った後の湯掻いて干す作業が物凄く大変ですし…。干し上げる途中で何回も揉まなければなりませんワ。ゼンマイは煮物ぐらいしか用途はないですし…。
ゼンマイ


本邦5大山菜は、ワラビ、ゼンマイ、フキ、タラ、ウドか?
もちろん筆頭はワラビであることは申すまでもありません。最近読んだ書物に 『西岡百年史』 という地方史の書物があります。札幌市豊平区西岡地区 の地方史 (郷土史) ですが、明治21年に福井県・兵庫県からの数軒の入植者が開拓のくわを打ち込んで以来の、100年間の開拓発展の歴史を述べた書物であります。

●西岡地区にある 西岡八幡宮 は、(現在の住所表示では) 兵庫県南あわじ市神代上中原あたりから北海道へ開拓移住した森金蔵が創建したそうですが、出身地の 上田八幡神社 (こうだやわたじんじゃ) の御分霊を北海道に持って行ってお祀りしたものです。
(註) なお、西岡八幡宮のルーツは上田八幡神社であることは、吾輩もかかわった淡路 旧 神代村側の綿密な調査で判明しています。で、西岡八幡宮の関係者ご一行様がルーツを訪ねるということで、わが南あわじ市に見えました。吾輩が旧 神代村側を代表したというわけではないのですが、ご一行様の案内係をしたのですが、そのときに頂戴したのが 『西岡百年史』 です。読んでみるとなかなか面白く、たんなる一地方史では全くなく、明治期以降の近代史・現代史のひとつの資料として読める内容です。とくに興味を引くのは、本州からの開拓移住者が母村の風習や食生活を引きずりながらも、気候風土の異なる異郷の地でどのように食糧を調達し生きていったかを、民族学的な方法で克明に調査していることであります。記述は山菜にまで言及しています。

(註) 「だが森金蔵が持ってきたのは稲荷であり八幡宮はあとから地元の人々が相談しあって祀ったという説もあり、正確な起源は不明である」 ともいう。 『西岡百年史』 303頁

西岡開基百年記念祝賀協賛会 『西岡百年史』 平成3年刊、364頁から引用
山菜  春採集できるものとして、わらび、ぜんまい、蕗(ふき)、たらんぼの芽、うど、あずきな、せり、三つ葉、たけのこ、よもぎなど、秋はきのこ類が多かった。これらは、煮しめ、浸し物、和え物、汁物、よもぎは餅に利用された。昭和に入ってからは前述の如く、塩漬、乾燥などによって保存され利用されることが多くなった。これらの保存方法を次にあげる。
蕗の塩漬  現行では、さっと茹でて皮をむき、あく抜きをして塩蔵にするのが一般的であるが、当時は忙しく、皮をむく手間をはぶくために切り口の先だけをむいて、あく抜きし塩をふりかけ重石をして漬けた。使用する時に皮をむき茹でて水にさらす。
わらびの塩漬  切り口に木灰をつけてから、塩をふりかけ漬け込み、重石をのせる。使用する時に茹でる。または、灰水にさらす。
よもぎ  灰水のうわずみで茹でた後、水気を十分取り木陰で干す。他の方法として、よもぎを茹でた後塩をまぶし、固く絞ってから干す。戻す時はぬるま湯を使用する。  
根曲がりたけ  筍に塩をふり重石をする。また、茹でてから皮をむき塩漬にする。昭和三十年以降は保存方法も改良され、茹でた筍を塩水で漬込んでびん詰やおから漬にして、地下のむろに保存された。 【引用終了


気候帯・植生帯が変わっても、主要な山菜は変わらない?
●最初に山菜の名称を列記していますが、恐らく利用価値・採集頻度の高い順に並べたのではないか? と解釈すると、ワラビ、ゼンマイ、フキ、タラの芽、ウド、が西岡地区での5大山菜でありましょう。この順位は予想外というか意外ですわね。これではわが淡路島南あかじ市となんら変わりませんね。

●北海道と本州の間には有名な生物分布境界線の ブラキストン線 があり、これを境に動物相(ファウナ)・植物相(フロラ)は大きく変わります。たとえばブラキストン線以南のツキノワグマは、以北では大きくてたくましいヒグマにかわります。植物でも本州のウラジロモミやシラビソは北海道ではアカトドマツにかわります。暖温帯下部の淡路島と冷温帯上部あるいは亜寒帯に近い札幌郊外では樹木の種類がガラリとかわるのに、主要山菜はそれほど変わらないというのは、たぶん、山菜の多くは陽生植物であり先駆植物であるから分布が非常に広いということを示しているのでありましょう…。

なお、『西岡百年史』 が列挙して、おそらく札幌市西岡地区の人々が昔から賞味している山菜10種のうち、淡路島に分布していないものは 「あずきな=ユキザサ」 「たけのこ=ネマガリダケ」 の2種であります。これとて北海道の特産・固有種などではありません。ユキザサ は徳島県のブナ帯でよく見かけます。徳島の山では5月上旬頃が開花期ですが、この若葉が食べられるなんて知らなかったわ。ひとつ勉強になりました。ネマガリダケ (チシマダケ) は兵庫県でも北部の海抜800m以上には普通に見られますわ。やはり、珍しい山菜といえども分布は広いですね。 



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ランクルさんのコメント
和食が無形世界遺産なんですねえ。
それには出汁が肝心なんですが、美味しそうなワラビずくしですねえ。

ワラビのシーズンになると、なんやかやと煽てられて山菜採りに付き合わされます。
まあ山用の車に乗っておりまして、世界的な名車といわれている車を29年も乗っています。 だから信号待ちをしてすると、知らない人でも声を掛けてくるほどの骨董車。 ワラビはいたるところに生えているので、山に行かなくてもため池の岸などでもたくさん採れますね。

山のキノコさんはいつも採ったわらびを見ると、綺麗に茎が長く揃えていますね。
私は子供の頃から母親のワラビ採りにもいっしょに行っていましたが、ワラビは先のグルグルっと巻いたところがメインだと思っておりまして、先っ穂を大切に採ってきました。 山のキノコさんの仰るとおりワラビは茎が美味しいんですね。
だから私が摘んだワラビは長さが不揃いです。
長さが一定していて、綺麗に束ねたワラビは道の駅などでも売れますねえ。
今日の私の晩酌は、近所のおじさんから「竹食うか」といただいた柔らかいタケノコと、ヨメが採ってきたわらびです。
春はいいねえ、美味しいものがワンサカ。



山のキノコの返信
>山に行かなくてもため池の岸などでもたくさん採れますね

確かにそうですね。むしろ山のほうがワラビが減りました。樹木が茂って日が当らなくなったからです。淡路島は日本の頂点に君臨する溜め池王国です。香川県の人らが讃岐は溜め池の国だと豪語しているんですが、香川県の三分の一の面積の淡路島の方が溜め池数は遥かに多いですし、兵庫県下の溜め池の半数は淡路島にありますわ。その溜め池の岸や土手にワラビがありますね。半数の溜め池にあるのではないですかね? 溜め池の土手は傾斜があって水はけがいいし、日当たりもいいし、年一回は水利組合が草刈りをするから草木が茂りすぎることがありません。 (遷移の進行が強制停止させられています。遷移が進むとワラビが消えます) よく観察すると、溜め池というのはワラビの生育には理想的な環境です。淡路島でワラビ採りは溜め池廻りです。直感的に思うんですが、地域レベルでのワラビの分布密度は、案外、淡路島は日本屈指じゃなかろうかと思います。しかも、ワラビが多く自生しているのに、東北地方みたいにプロの山菜業者が淡路島にはいないですね。つまり、ワラビなど淡路島では雑草みたいなもので、いくら採っても怒られないです。採り放題です。淡路島はワラビファンにとっては天国みたいな島ですね。

でもまあ、ワラビ天国の淡路島でも、ワラビを採れない人には採れないみたいです。ま、山菜採りでも、釣りでも、きのこ狩りでも、長年の経験の積み重ねや年の功がモノをいう世界ですね。急に思い立ってワラビを採ろうとしても、そう簡単には採らせてくれません‥‥。

>まあ山用の車に乗っておりまして、世界的な名車といわれている車を29年も乗っています。 だから信号待ちをしてすると、知らない人でも声を掛けてくるほどの骨董車。

ホント、道行く人が思わず振り向く名車ですね。しかもウインチ付き。雪道や泥道でハマった他車を助けてあげられますね。骨董車といえばそうかもしれませんが、林道ファンのわたくしには道なき道を踏破するためのクロカン車に見えます。日本一の未舗装道路で、ライダーたちに 「聖地」 とまで言わしめた剣山スーパー林道を走るとサマになりそうな車ですね。街の舗装道路を走るにはモッタイナイです。 剣山系の高所でもぼちぼち雪も消えたことだし、わたくしは、これから5月は足しげく剣山スーパー林道にまいります。今時分からタムシバやカタクリの花、中旬以降はシャクナゲやアケボノツツジのお花見です。今年は沢で天然ワサビの葉を採るつもりです。ワサビの葉は山菜として一般には認識されていませんが、絶品中の絶品です。軽く塩を振って一夜漬にすると、熱いご飯に他にはおかずは要りません。お酒も何杯あっても足りませんワ。



田舎の人はホントにワラビが好きですわね
本日は2015年4月20日 (月曜日) であります。

●昨日の夕方にまたワラビ採りであります。田舎の人は本当にワラビが好きですわね。吾輩の実母は中国山地の山間部出身で、そこは日本海側と瀬戸内側の中間地点でありますが、完全に日本海側じゃないので冬期には雪は降っても積雪30センチ~40センチ程度です。寒さは西日本では厳しいところで、厳寒のときは-15度程度になってしまいます。気候的には中間温帯というか、ブナ帯と照葉樹林帯との境目という感じですが、暖温帯のシイやカシ類では冬の寒さが厳しすぎるし、冷温帯のブナでは夏の暑さが厳しいということで、シイもブナも生育できず、クリやナラの夏緑樹林が多いところであります。ときにはクリ帯などと呼ばれる気候 (植生) なんですが、若干信州に似ているかも? たぶん信州を少し暖かくしたという感じで、ミズバショウやザゼンソウこそ自生していませんが、カタクリならば大群生地があるし、氷河期の遺存種のミツガシワが見られるようなところです。こういうところには山菜が格別に多いです。なんせ、裏山には、なんと垂涎のネマガリタケ (チシマダケとも言う、中国山地東部での地方名はスズコです) が自生していますわ。とりわけワラビが多く、昔は村中総出でワラビ採りが行われ、塩ずけにしたり、乾燥させたり保存食にもしたそうです。で、昔は食糧事情が豊かではなかったということもあるのですが、春から夏にかけて晩飯のおかずといえば毎日ワラビばっかりだったそうな。

●吾輩の実母が淡路島に移住してきて、その中国山地の母村の食文化を持ち込んだのですが、春になったら 「ワラビを採ってこい」 「フキを採ってこい」 と命じられて山菜を採るのは吾輩の役目であります。吾輩の山菜好きは、つまり中国山地の山村の食文化DNAを引き継いでいるということでありましょう。幸いに淡路島南部の南あかじ市はワラビの自生密度がかなり高いところで、人家の近くのため池の土手などにワラビはいくらでもありますわね。



長(た)けてしまったワラビ
すっかり長けてしまいました。道端にわんさかとあるのに、誰も採らないうちに葉が展開してしまいました。最近の若い人はワラビなんて採らないようです。飽食の今どきワラビなんて採るのは、敗戦後の食糧がまだ豊かでなかったころに子供時代を過ごした60代以上か? 現在の老人たちがいなくなるとき、山菜はただの雑草となるのかも? ↓ 以下4葉の写真は長けたワラビ。4月19日、兵庫県南あかじ市にて。
道端で長けたワラビ

道端で長けたワラビ

道端で長けたワラビ

土手で長けたワラビ


でもまあ、晩生系統のものが明らかに存在しますわ
野生のワラビには出るのが早いものや、遅いものがハッキリ観察できます。加えて環境によりワラビの発生が遅れることもあります。北斜面や、やや日当たりが良くないところや、特に草刈りをしていないところのワラビは遅れがち (註) です。そうゆう所を狙えば4月中は南あかじ市でもワラビがわんさかと採れます。

(註) 草刈りをすれば、地面に太陽があたり地温が上昇してワラビの発生が早まります。いっぽう草刈りをしていないと、冬枯れた茎や葉が地面を覆っているので地温が上がりにくいです。それに冬枯れ茎葉のマルチ層を突き破って上にワラビがでるのに日数が余計にかかります。ワラビの品質ですが、冬枯れ茎葉マルチ層があるほうが上等です。ワラビが太くて柔らかいです。理由はハッキリしています。夏や秋に草刈りをすると、ワラビの地上部分を刈り取ってしまうからです。葉というのは植物にとって光合成をする最重要器官であります。それを刈り取ってしまえば地下茎に澱粉の蓄積が少なくなり、春の新芽の発育に悪影響を及ぼします。巷間、こともなげに 「ワラビは草刈りをすればするほど、よく出るといわれますが、とんでもない誤解であります。これも常識のウソです。自然に対する人々の認識には誤解が多いようです。草刈りが頻繁に行われる場所のワラビは細くて固くて収量も少なく、とても食えたもんじゃないですわ。

↓ 昨日の4月19日の収穫です。大収獲です。これ以上採っても喰いきれないし、アク抜きするための 「灰、草木灰」 が足りません。昔のように風呂やかまどで薪をくべないかぎり、田舎でも山村でも草木灰の調達に苦労します。吾輩はわざわざ落葉等を燃やして灰をこしらえています。
本日の収穫

あくぬきの手順
↓ 茎の先端部の穂みたいなものは取り除きます。理由はもそもそとして食感が不味いからです。穂を除去したら深底の容器に並べます。プロの料理人でも穂をとらない人がいますが、そういう料理は興ざめです。
茎の先の穂を除去する

↓ 次に、綺麗な草木灰を振りかけます。へんな灰をかけてはいけません。放射性の 「死の灰」 とか‥。亡国の反国民政府と、政府の走狗の悪辣マスゴミの原発推進キャンペーンで国民の警戒心が薄らいでいますが、問題が解決したわけじゃありません。メルトダウン、メルトスルーした核燃料デブリがどこへいったのか? さえ正確には全くわからない状態です。フクイチ原発の終息 (収束ではない、言葉のアヤで誤魔化すな!) が100年後なのか全く不明です。老朽化した原発の廃炉の方法も確立されていません。高レベル放射性廃棄物の処理も不可能です。誰がどう見ても日本の電力需要は非原子力のみで賄えることがハッキリしました。にもかかわらず政官財癒着原子力ムラの悪あがきは大罪で、ヘドが出そうだわ。電力会社も官吏も政府与党も狂っています。いよいよ晩発性放射線障害の深刻化が顕在しはじめましたわね。特定秘密保護法で隠し通せるのかな? 無理だと思いますね。
灰を掛ける

↓ 次にワラビが十分に浸るまで熱湯をかけます。なお、拙写真はワラブが見えなくなるのでわざと湯が少なめです。写真を撮ったのち湯を増量した。ポイントは、灰の水溶液のアルカリ性と熱で、ワラビに含有されている強力な発がん性物質を安全物質に変質させることですが、シッカリとアク抜きをしないとワラビは毒草です。家畜がワラビを誤食すると中毒を起こすという報告がけっこう存在します。
熱湯をかける


山菜シーズンたけなわです。
本日は2015年4月18日 (土曜日) であります。

●サンショウの葉が採り頃を迎えました。サンショウはワサビとならんで日本原産香辛料として貴重な存在です。木の芽合えとか、お吸い物のあしらいに日本料理にはなくてはならない存在ですが、事実上イオンに併合されたマルナカ南あかじ店の店頭を観察してビックリです。サンショウの葉を10枚か20枚か分かりませんが、僅かな枚数を小さなパック詰めにしたものが105円で売っていました。サンショウの葉1枚が数円で、あまりにも法外な値段です。都会の消費者が購入するのはしかたがないとしても、南あかじ市の田舎人がそれを買うのはみっともないです。サンショウなんて、その辺の山裾の道路側とか、ダムの周遊道路に行けばいくらでもあります。採っても全く問題にならないし、サンショウは典型的な陽生植物で先駆種 (パイオニア種) なんで繁殖力は旺盛です。大量の種子をまきちらし、種子の発芽率は高いです。実生のサンショウの子がたくさんみられます。サンショウは自然 (森林) が破壊されたようなところに多い植物です。光環境の悪い森林内ではサンショウは絶対に生育できません。人がサンショウを乱獲して自然を破壊するのではなく、人が自然を破壊したところに進入して生育するのがサンショウなんです。常識とは全く逆なんです。お間違えなく…。

サンショウの樹

サンショウの若葉

↓ 本日の収穫です。サンショウの樹がたくさんあるので2キロほど葉を頂戴しましたワ。厳密に申せば 「本日の窃盗物」 と言うべきですが、全く問題にもなりません。去年、サンショウの葉を採っていたら南あかじ警察署のパトロールカーが巡回してきました。で、「何を採っているのですか?」 と聞かれましたわ。 「サンショウの葉ですよ。佃煮にしたら美味いんですよ。お巡りさんも採ったらいかが?」 とおすすめすると、「いま勤務時間中だからな。休みの日に採りにくるわ」 という返事です。このように、警察官が採取を現認しても全く問題になりませんワ。この収穫物はサンショウの葉の佃煮にします。熱いご飯にサンショウの佃煮があれば、他におかずは要りません。
本日の収獲

↓ タラノメも長 (た) けてきました。この程度ならばまだ食べられます。展開しかけた葉を摘み取って天ぷらにするか、湯掻いて味噌和えにして食べます。
長けたタラノメ

↓ 山菜尽くしの調理例です。ワラビの漬物、長けたタラノメの葉の天ぷら、タケノコとサンショウの葉の和え物です。材料は近くの山で調達ですが、タケノコは吾輩所有の畑の隣の竹藪で失敬。春は食べられる植物 (山菜) が周りにいくらでもあるのが田舎のいいところです。田舎暮らし冥利に尽きます。つるぎさん山小屋日記 を拝見すると山菜の採取や加工・保存に忙しそうです。おそらく剣山頂上ヒュッテのお客さんにふるまわれるのだと思います。山菜うどんとか…。 そういえば剣山登山車道の入り口付近の道路の山側にフキが沢山あったワなぁ! フキも佃煮にしたら美味いんですわ。
山菜尽くし


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本日の自然観察

トサノミツバツツジ です。兵庫県レッドデータではCランクの貴重種とされています。関東・東海地方に分布する本家のミツバツツジの変種という分類的位置付けです。トサノミツバツツジは紀伊半島と四国に分布しています。淡路島内では圧倒的に多いのが葉や花が小さいコバノミツバツツジであります。トサノミツバツツジの個体数は少ないですし、どちらかと言えば棲息環境を棲み分けている傾向が見られます。すなわち、人家近くの丘陵や里山ではコバノミツバツツジ、山の奥ではトサノミツバツツジという傾向が認められます。

それにしても、綺麗ですわねえ! 見たからといって肩こりが治るわけじゃないけど、目の保養にはなります。この写真をどこで撮ったか? 残念ながら盗掘防止の観点から非公開です。淡路島内ではかなり希産のツツジなので、自生地を明かせばたぶん盗掘されますね。淡路島では何か綺麗なもの貴重なものがあったら、人に採られる前に自分が採らなくっちゃという人が多いです。淡路島にはそれを乱開発や盗掘から護ろうというナチュラリストが少ないように思います。

トサノミツバツツジ
↓ コバノミツバツツジよりもトサノミツバツツジのほうが葉も花もハッキリと一回り大きく、見ごたえがあります。観賞価値はこちらの方が上です。
花のアップ

ミミガタテンナンショウ です。兵庫県レッドデータではAランクの貴重種で、自生地情報は非公開ですが、兵庫県内では旧三原町と旧五色町の2箇所で見つかりました。他のテンナンショウ属植物に先駆けて開花する早咲きの性質があり、淡路島では3月20日ぐらいから咲いています。 テンナンショウ属の植物は有毒植物が多いです。中毒例が報告されているようですので、要注意です。厚生労働省 「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:テンナンショウ類」 参照。特にトウモロコシ似の果実は絶対に食べないように。
ミミガタテンナンショウ

↓ 矢印で示した部分 (口辺部) が耳たぶのように外側に張り出してるから、耳形天南星 (ミミガタテンナンショウ) と和名がつけられました。東北地方の太平洋側・関東地方の山地が分布の中心で、淡路島と愛媛県に隔離分布していることが知られています。淡路島の集団は東日本のものとは口辺部の張り出し方など若干形質が異なるようです。また、仏炎苞の色は緑色っぽいものや紫色っぽいものなど、その個体により変異が大きいです。
花のアップ

トウモロコシ似の果実を絶対に食べないように
↓ 7月中旬~下旬ころにトウモロコシそっくりな果実ができます。有毒なので手を出さないように…。ただし触るだけなら大丈夫です。秋の10月ころに、同じ仲間の植物のウラシマソウ、ナンゴクウラシマソウ、アオテンナンショウも同様な果実ができます。みなトウモロコシそっくりですが、うっかり口にいれると中毒します。

ミミガタテンナンショウの果実



この冬最後の雪見 (詳細版記事その2)
本日は2015年4月17日 (金曜日) であります。

●日が経ってしまいましたが、先週の4月9日の剣山山行記録の続きであります。 登山リフトはまだ稼働していません。登山リフトの営業は4月18日 (土曜日) からのようであります。で、標高差約300mを気息奄奄 (きそくえんえん)、難行苦行して歩いて登ってきました。途中、頂上ヒュッテの経営者の三代目の方に追い抜かれましたが、その足の何と速いこと! カモシカのようというか、スタスタと平地を歩くようでビックリです。ま、考えたら当たり前の話です。剣山を職場として山小屋経営されているから、登山口の見ノ越 (海抜1390-1400m) から山頂ヒュッテのあるところ (海抜1930-1940m) まで、標高差540mを30分ぐらいでスタスタ登れる体力がないと務まらないですわね。しかしまあ、他の登山者の方々も足が驚くほど速いです。木曜日という平日なので、来ている登山者は定年退職したような年齢層が多いのですが、みな足が速いです。屈強の猛者ばかりです。吾輩はルーペを出して樹木の葉等を観察しながら、はた目には自然調査の人が何か調べにきたかのように見えるでしょうけど、実は、バテて休憩しているのを誤魔化しているだけかも? 大勢の人が登る山にくると、子供の時から運動神経ゼロ、スポーツ劣等生の自分の体力のなさを思い知らされますワ。山が好きで若いころあちこちの山岳会に見学に行ったのですが、結局山岳会に入らなかった理由がこれです。こんな屈強の人らと付き合ったらわしゃ殺されるわ! で、山登りではなく自然観察派に転向。


↓ 剣山登山リフト終点の西島駅です。標高は1710-1720m ぐらい。冬眠から覚めて18日の営業再開に向けて作業員が2人ごそごそと作業をしていました。
登山リフト終点の西島駅

↓ 剣山の山頂直下の北斜面にはすこし雪が残っています。この斜面には傾斜が緩やかですが距離が長い登山道 「大剣神社経由コース」 があります。けれども登山道が雪に埋もれていますので、ほとんどの登山者は距離が短いけど尾根を直登する 「刀掛けの松経由コース」 を選択したようです。すこし雪の登山道を歩いてみましたところ、凍結していなくて雪が柔らかいです。で、ステップを切りながら (つま先で雪を蹴り込んで階段状の足場を作りながら) 行けば行けなくもなさそうですが、無理は禁物。吾輩も刀掛け経由コースに回りました。
剣山山頂直下の北斜面
↓ 少し拡大。
剣山山頂直下の北斜面

↓ 西島駅から北~北北西を眺めた。絶景です。写真の右側のやや尖った山は丸笹山 (1711.9m) であります。丸笹山から左へと下がる尾根線の鞍部 (尾根の向こうに雲がもこもこと見える部分) が夫婦池のあるところです。
丸笹山方向 (北~北北西) を眺める

↓ すこし拡大した。雲の中に隠れていますが、津志嶽が見えています。雲がなければ矢筈山も見えます。津志嶽は貞光川から登ると、山頂直下の尾根にシャクナゲの群落があり、徳島県一のシャクナゲの花の名所として有名です。で、写真の中に山名を記入したのですが、登るのがかなり難儀な山であります。貞光川に沿う国道438号線の登山口の標高は約300mです。つまり、標高差約1200mを登るわけで、標高差では富士山の5合目から山頂までとたいして変わりません。あたいはもう年だし、標高差1200mとなるとパスします。昔のようにはまいりません。 

●残念ながら剣山そのものにはシャクナゲ (ホンシャクナゲ、ツクシシャクナゲ共に) は見当たりません。シャクナゲが自生しているのはもっと標高が低い所や周辺の山々です。登山リフトの索道に沿ってシャクナゲはありますが、あんなの植栽品です。魚で言えば、海中展望塔のガラス窓ごしに悠々と泳ぐ天然の魚たちを眺めるのではなく、いけすの中を覗くのと同じであります。興ざめです。シャクナゲの花の観賞は天然の自生品に限ります。 なお、剣山には山頂の南側の森林内にハクサンシャクナゲならば自生しています。これは亜高山帯のシャクナゲですが、花色が薄くあまり観賞価値は高くないです。

津志嶽への登山道は徳島県一のシャクナゲ尾根


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本日 (4月9日) の自然観察

↓ ヒメコマツです。美しい松です。低地や海岸にあるクロマツや、やや内陸部や山にあるアカマツが下品な松に見えてしまうほど、ヒメコマツは上品で綺麗な松であります。剣山地ではブナ帯を中心にして暖温帯上部 (中間温帯とも) から亜高山帯にかけて見られます。単独の樹ばかりで他樹に混じって点々とあるという感じで、ヒメコマツの純林というのは無いみたい。(ひょっとしたら、あるのかもしれませんが吾輩はまだ見たことがありません)
ヒメコマツ

ヒメコマツ

↓ 短い枝、常識的には枝と言えないような短い小さな枝で長さが1ミリか2ミリですが、植物形態学的には紛れもない枝ですが、5本の葉が付きます。いわゆる五葉松の一種ですが、四国にある五葉松は本種のヒメコマツと愛媛県の東赤石山にあるチョウセンゴヨウの2種だけでしたか? 徳島県の山で五葉松を見たらヒメコマツと思って間違いないところです。 (中部山岳では五葉松は何種かあるので慎重に同定する必要がありますが)
葉はごく短い枝に5枚着く

↓ ミヤマクマザサです。美しい笹であります。登山者は本種や、本種に酷似するミヤコザサを 「クマザサ」 と呼んでいますが本家のクマザサは分布が極めて狭いササで、四国には自生品はないです。ミヤマクマザサとミヤコザサはひと眼見ただけでは区別がつかないほど似ていて吾輩もよく間違えますが、見分けるポイントはササの茎 (棹) が枝分かれしていたならばミヤマクマザサ、枝分かれせずに1本立ちならばミヤコザサです。
ミヤマクマザサ

↓ 腐りかけのエノキタケです。店で売られている栽培品のエノキタケと同じですが、栽培品はモヤシ状になるように暗い所で栽培します。それと、沢山の天然のエノキタケの株から特に白いものを選抜しています。で、天然品と栽培品は似ても似つかぬほど姿かたちは異なります。野外で天然エノキタケがあっても、それがエノキタケだとはほとんどの人は気付かないでしょう。 エノキタケなどというと北国のキノコかと勘違いしそうですが分布は非常に広いキノコです。暖温帯下部から亜高山帯まで広範囲に色々な広葉樹の切り株に発生します。もちろん、淡路島南部の南あかじ市でも晩秋にエノキやムクノキやニワウルシなどの切り株に普通に発生しています。写真は海抜1800m地点で見つけたものです。登山道に階段をつけるために埋め込んでいた横木に発生していたのですが、樹種は全く不明です。たぶん昨秋に出たものが雪の中で越冬したものでしょう…。
腐りかけのエノキタケ


荒れるぞ!  (追記) 剣山で積雪があった模様!
本日は、2015年4月14日 (火曜日) であります。

500hPa高層天気図を見てビックリです。小粒ですがシッカリとワサビの利いた寒冷渦が中国の上海付近にありますが、これから西日本に襲来しそうですわね。ナンジャ、コリャアっていう高層図です。気象庁HP 船舶向け天気図提供ページ から500ヘクトパスカル高度と気温の図を抜粋して借用します。


2015年4月13日21時の500hPa高層天気図

●小粒ですが強烈な寒冷渦 (上空の低気圧で寒気を伴う) の中心が13日21時に上海付近にあります。2日前には北緯40度の北京あたりにあったのに、南東進して北緯31度あたりまで南下しました。意外に南にやってきました。たぶんこれからは東進するでしょうが、西日本の上空に来そうですわね。上海の500hPa高度の気温が-32.1度であります。冬の気温であります。潮岬 (北緯33度) で-11.5度ですので、直撃を受けると15度も20度も上空の気温が下がるかもしれません。850hPa高度 (約1500m上空) の気温が上海で-3.7度であります。こりゃあ地上では無理にしてもちょっとした山では降水があれば雪になる気温です。4月なので地上はかなり温まっています。そこへ上空の季節外れの寒気がやってくるので、大気が非常に不安定になり、対流性の雲がモクモクと湧くのではないか? また、剣山の夫婦池あたりで春の雪か? 積雪もあるかも? 仕事の合間をぬって見に行きたいところ…。


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検証、 4月15日追記】
やはり吾輩の予想した通り、剣山の山頂や標高の高いところで積雪があった模様です。ただし、積雪深はごくわずかで、2センチとか3センチ程度だったか? 西日本瀬戸内地方の平地で気温が10度以下、8度とか9度で降水があり、上空に寒気が侵入して気温減率が大きくなっている条件下では、剣山の1500m以上ではほぼ確実に雪が積もります。昨晩~今朝がちょうどその状況でした。 真っ暗いうちから剣山に春の雪を見にいくつもりでしたが、残念なことに、今朝は4時に起きて仕事です。一応せざるをえない仕事があり、剣山へ行けませんでした。吾輩のしている業種は自由時間が比較的にとりやすいのですが、リタイヤしているわけじゃないので自由が利きません。ていうか、定年がないのでリタイヤするなどということがなく、リタイヤするのは倒れて寝たきりになるか、死去するときです。一生縛られそうです…。生涯現役というのが良いのか悪いのか?


上空の気温は、平年値よりも10度前後下がった!
下表は気象庁の高層気象観測データから作成しました。西日本の高層気象観測をしている地点の、500ヘクトパスカルの気圧面 (高度5500m前後、ただし一定の高さではない) での気温です。注目点は、平年値からの偏差です。上空では平年値よりも10度前後も気温が下がりました。
気象庁の観測データより作成
* 松江は2010年3月に観測が始まったので、それ以前のデータがありません。平年値は松江に移行する前の高層観測所の米子のものです。両地点は至近距離であるので、松江と米子の観測値はほぼ同じと見なしてよろしい。

●剣山 (標高1955m) の山頂にある頂上ヒュッテの経営者さんのブログ つるぎさん山小屋日記 さんが剣山山頂付近の積雪を報告されています。4月9日に吾輩は山頂の風衝地特有の矮生化したミヤマクマザサの草原に全く雪が無いのを確認しています。本日15日に撮ったらしい写真には確かに雪がありますね。今の時期の雪は溶けるのも早く消えかかってはいますが…。で、1枚写真を借用します。借用のお礼には、今度行くたびに、必ず頂上ヒュッテで昼飯を食べ土産物も買うということでお許しを賜りたいと思います。剣山測候所が存在していたころには、5月になってもしばしば積雪が観測されています。で、まだまだ山頂では雪が見られる可能性は残っています。

15日21時の高層天気図をみると、北極圏の寒気を運んでくる偏西風が大きく蛇行していて、なんと-36度の冬の寒気がバイカル湖付近から舌のように南下する気配が出ています。これは、また剣山の1500m以上で降雪がある可能性が高そうです。気象庁の季節予報では概ね暖かい春が続く予報ですが、ここしばらく冷涼なめぐりなのか?

つるぎさん山小屋日記から借用
つるぎさん山小屋日記2015年4月15日の記事から借用。剣山で春の雪があった模様ですが、ここはどこやろか? 明らかに山頂ではないようです。西島駅? 見ノ越? ラ・フォーレつるぎさん付近? 剣山スキー場あたり? こんなベンチがあったっけ?? どこかわかりません。気象庁のリストラで剣山測候所が廃止になったのは残念ですが、かわって頂上ヒュッテの経営者さんがブログで伝える剣山の気象情報は大変に貴重です。で、望蜀 (ぼうしょく) を申せば、写真にもう少し説明をつけてほしいところ…。すくなくとも詳細な場所と日時。

愛媛県 大野ヶ原小学校の公式サイト 2015年4月15日の記事 にも、「今日、延期していたクリーン運動を行いました。朝、雪が舞っていたので、また延期かなと思っていると、クリーン運動の時間に天気が回復しました。」 という記述があります。大野ヶ原小学校は海抜1140mぐらいです。また、徳島県三好市の井川スキー場 の 「ふもとのライブカメラ」(海抜1080mぐらい) を閲覧すると、15日の朝に薄ら積雪しているのを見ました。で、四国で広範囲に海抜1000m以上で降雪があったのは間違いなさそうです。



剣山頂上ヒュッテ です。4月28日から営業か? 剣山に登ったならばここで昼飯・宿泊をしましょう! なお、この写真は2015年4月9日に吾輩が撮ったものであります。
剣山頂上ヒュッテ

剣山頂上ヒュッテ


この冬最後の雪見 (詳細版記事その1)
4月8日に標高千m越えで降雪 があった模様
↓ 4月9日にまた西日本第二の高峰、剣山へ行く登山車道の入り口 (徳島県つるぎ町一宇地区の剣橋から1キロほどの所) まできました。リンクの国土地理院地図の+マークのところです。午前5時41分ですが、南あかじ市の雑想庵を出発したのは3時11分ですので、2時間40分かかっています。前回来た時はまだ暗かったことを思うと、随分と日の出が早くなりました。なお、登山車道の入り口とか始点などの表示はなく、吾輩が勝手にここをそうだと解釈しているだけです。理由は、通行注意の電光表示があるのとチェーン着脱場となっているからです。かつては積雪期にはここでチェーンを巻いていました。ただし、南国の山といえ、今じゃ雪山に来る人は8~9割がスタッドレスを履いてきます。チェーンはスタック脱出用の保険みたいなもので、とりあえず携行するだけです。
登山車道の入り口に到着

●冬期の剣山への登山車道はある意味では恐い道路です。頂上ヒュッテの経営者さんのブログを見ていたら、北海道の人が来たらしいです。で、経営者さんと話をして言うのには、「こりゃあ、北海道の道路よりも、なまら恐ぇー道だ」 ということらしい。北海道の冬の雪道は恐いらしいのですが、剣山の道路の方が恐いというのです。そりゃあ、そうかもわかりませんね。基本的には周氷河地形でなだらかな丘や山が多い北海道と違い、剣山地は谷が深く浸食された壮年期山地です。雪が積もり凍結して恐いなどと言う以前に、そもそも剣山の道路は夏でも恐いのです。今年の積雪期は終りましたが、来冬に行こうと思うのであれば、阿波泥暴さんらのように スノーアタック 覚悟で行くところであります。金属チェーン・スコップ・牽引ロープ・のこぎり・砂袋・ムシロ・防寒具・非常食1週間分などが必携です。 なお、何で 「のこぎり」 なんて要るの? という疑問もあるかもしれませんが、雪の重みで倒れた木を伐るために要りますね。スギは本来は冷涼なブナ帯の樹木のくせに積雪に弱くよく倒れますわ。そもそもノコギリはアウトドアライフの必需品なのです。チェーンソーがあればなお宜しい。

積雪期の剣山登山車道が恐い理由は沢山
①、急こう配、長い坂道が続きます。
②、カーブの連続、カーブで衝突の危険性がある。
③、道が狭い、狭すぎです。(広いところもあるけど)
④、ガードレールのないところがある、道路をはみ出したら命の保証はない。
⑤、アイスバーンやブラックアイスバーンは当たり前、
⑥、降雪時はホワイトアウト状態、前なんて見えない。
⑦、強い南岸低気圧が四国沖を通過するとき、一晩で1m積もる。むかし埋まった
   ことがあります。
⑧、標高が高いから雲の中、つまり “濃霧+降雪” なので視界ゼロ
⑨、登るにつれ、シャーベット状 → さらさらの乾雪へと雪質が激変する。
⑩、山の裏斜面、表斜面を縫うようにして登るから、雪道 → 乾いた道路 → 氷盤と
   道路の状態が目まぐるしく変わる。
⑪、何かあっても救援隊が来るには相当の時間がかかる。
⑫、救援隊が来れない可能性も大なり。自力での脱出が基本。
⑬、北海道や信州とちがって、南国の救援隊自体が装備や経験が不足。
⑭、山中でよく越冬車を見ますわ。(スタックして脱出不可能、歩いて下山とか?)
   春になって、或いは雪が少なくなってから車を回収に行くのでしょうか?



剣山スキー場から少し行ったところ です。時刻は6時32分です。海抜は約1380m。前日の4月8日の未明ごろに四国の海抜1000m以上で降雪があったみたいです。周辺のアメダス観測所の降水量が5~10ミリ程度 (アメダス京上10ミリ、アメダス木頭5ミリ、アメダス半田10ミリ) だったので、積雪はせいぜい5センチか10センチ程度であったと思われます。しかも、標高千m越えとはいえ春の雪です。すぐに溶けて消えてしまいますわね。
剣山スキー場あたりから前日の雪が残っている

↓ 雲海のようなものが見えます。雲海の層の厚さは薄く、標高700~1000mあたりです。
雲海のようなものが見られた


発生頻度の希少な “雨氷(うひょう)” も見られた
↓ 写真では分かりづらいのですが、木の枝などに氷の層が付着しています。透明な氷で枝とか葉などに1センチ程度の膜になって氷ついています。写真では赤茶色いかずらみたいなもの (サルナシか?) や地面の笹 (スズタケの矮生化したものか?) などに透明な氷が付いています。いわゆる 雨氷 (うひょう) という気象現象です。つまり雪と雨氷という2種類の気象現象が写っています。観察すると付近一帯では山々の斜面で、標高1300~1600mの狭い範囲の帯状に雨氷がみられました。その高度よりも下でも上でも見られませんでした。 おそらく昨日 (4月8日) に出来たものでありましょう。1日経っているから消えかかっています。昨日ならば見事な風景が見られたのではないか? 昨日は天気が悪かったから登山者はほとんどいなかったであろうし、もし登山者がいても霧氷と勘違いするでしょう。だれか見事な写真を撮っていないかネットで探しましたところ、この4月から高城山 (1632m) の ファガスの森 高城 の管理人になられた 地下足袋王子さんが写真に収めて いました。やはり地下足袋王子さんはただものではないようです。
木の枝に雨氷が見られた

↓ 雨氷の拡大写真を上手く撮れなかったので、Wikipedia より 借用します。透明な氷が木の枝などに付着したものです。霧 (雲粒) が枝に次々に付着して出来る不透明な白い霧氷とは成因が全く異なる現象であります。すなわち、上空から落ちてきた雪片が零度以上の逆転層で溶けて雨になり、その雨が地表付近の零度以下の冷気層で冷やされ過冷却となり、木の枝などに当たった瞬間に凍りついて出来る現象とされますわね。

微妙な条件下で起こる現象で、地表付近の冷気が強ければ雨滴は過冷却ではなく凍って 「凍雨 = 透明な氷の粒」 となりましょうし、地表付近の冷気が弱すぎてもただの雨降りになるだけです。上空に逆転層があっても逆転層の気温がプラス圏になっていなければ只の雪になるだけですし、プラス圏でも気温が高すぎたら、そもそもそういう状態ならば地表の気温も高いわけで雨降りになるだけですわね。で、ホントに微妙なところ…。

雨氷 ウキペディアより借用


↓ 夫婦池の、2つある南側の池 (雌池というらしい) です。標高は1450m前後。地面が白っぽいのは雪ですが、ウラジロモミが白っぽいのは雨氷のためです。
夫婦池も薄らと雪がある

↓ 6時48分です。剣山の山頂を見上げました。念のために双眼鏡でみましたが、雨氷はおろか霧氷もなさそうです。ということは、昨日や今朝の剣山山頂の気温は氷点下ではなかった可能性が高いです。もちろん雲がかからないと霧氷は出来ませんが、今朝は雲が多そうな感じです。
剣山には雨氷も霧氷もないようだ


4月8日に西日本の上空で発生した逆転層が雨氷の成因!
四国山地の海抜1000m以上で降雪のあった4月8日に、海抜2000mぐらいの高所に菜種梅雨の前線の前面に暖気が這いあがって、明瞭な逆転層が出来ていた模様であります。福岡 2015年4月8日9時の高層の観測データ から高層の気温変化図を作成しました。剣山周辺で高層気象観測をしているところがないのは残念ですが、西日本の潮岬や松江でも同様な逆転層が出来ていたことが認められます。

逆転層の一例
↑ この図は横軸が気温、縦軸が高度です。高度千m後半が気温が低く氷点下です。高度2千m前半が気温が高くプラス圏になっています。通常は高度が増すにしたがって気温が下がるのに逆になっています。で、逆転層が発生しています。温暖前線の前面でよく起こる状態です。温暖前線面の上に暖気が這いあがってくるためです。この図では、標高1000~1500m前後で雨氷が起こる可能性があることが読みとれます。

なお、積雪と雨氷が同時に観察出来た理由ですが、おそらく、まず最初は上空の逆転層は無いか弱く、降雪があって少し雪が積もりました。その後に剣山地の上空2000m以上に南からの暖気が滑り上がってきて逆転層が顕著にできた、と考えると矛盾なく説明がつくのではないか?



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参考】 温暖前線の前面などに逆転層が出来るのは当たり前のハナシであります。そして、逆転層のできる高度というのは、前線に近いほど低く、前線から遠いほど高いというのも当たり前のハナシですね。下図は 八丈島の2015年4月8日9時の高層気象観測データ から作成しましたが、春雨前線に近い位置のために高度600mあたりに逆転層ができています。
4月8日に八丈島で観測された逆転層
↑ 逆転層が出来ていますが、逆転層の上も下も気温はプラス圏です。これでは雨氷は起こりようがありません。雨氷が起こるのは逆転層の上が+2度とか3度で、下がマイナス2度とか3度のところであって、降水があり、そこに山とか地表が当たっていなければならず、ごく限られた狭いゾーンであることが想像できます。つまり、剣山に至る登山車道で雨氷を見ることができたのは全くの僥倖であったと言えましょう…。今年は何か良いことがあるのかも? じつは、何か良いことがありそうな予感がしています。


この冬最後の雪見 (下書きの簡略記事)
本日は2015年4月10日(金曜日)であります。

●今年のサクラはいったい何時咲いたのか? 世間でサクラのお花見がホンマに行われたのか? ほとんど話題にもならないうちに葉桜となってしまいましたね。土日曜が天気が悪く、お花見客相手の商売人もあまり商売できなかったのではないか? 吾輩はサクラなどという花はあまり綺麗な花じゃないと思っている人間ですから、サクラのお花見には興味がございません。吾輩が花見をするのはシャクナゲです。それから花じゃないけど、“雪のお花見” であります。豪雪地帯じゃ雪なんてネガティブなもの、邪魔になるやっかいもの、という捉え方が強いでしょうけど、雪の降らんとこの住民にとっては雪は観賞の対象です。サクラの花を観賞するように雪をめでるわけだから “雪のお花見” なのです。 

●瀬戸内海の南岸地方の平地じゃもう春本番ですが、最後まで雪が残るのは剣山や石鎚山です。石鎚山は遠過ぎて気易く行けませんが、剣山ならば急に思い立ってチョイチョイと行ける範囲 (吾輩の自宅から登山口の見ノ越まで片道120キロ) です。で、昨日の4月9日 (木曜日) に性懲りもなくまた雪を見に行きましたワ。とりあえず下書の簡略記事ならびに最低限の証拠写真をアップします。詳細は後ほど…。
(この土日はヤボ行事があって忙しい)



2015年4月9日、剣山登頂の証拠写真
↓ 登山リフト終点の西島駅から少し上の尾根 (標高1780m地点) から北北西の方向を見たものです。時刻は午前9時39分。正面右手のやや尖った山は丸笹山 (1711.9m) です。雲海が貞光川流域すなわち徳島県つるぎ町を塞いでいます。
剣山山頂直下の尾根からの眺望

↓ 既に登山道には雪がありません。山頂のすぐ手前に100mほどにわたって雪渓のように雪が登山道を塞いでいましたが、迂回する別ルートがあり、結局尾根筋の登山道には山頂まで雪が全くありませんでした。
登山道には雪がない

↓ 「刀掛けの松、かたなかけのまつ」 と称されるところです。海抜は約1810m。尾根の北東側にはまだまだ雪があります。念のために持参した6本爪の軽アイゼンを履いて雪の上を歩きまわったら、ズボンとハマりました。落とし穴にハマった気分です。下が空洞になっているところを踏みぬいたのですが腰まではまってしまい、これはバチが当ったということかも?
尾根の北東側には残雪がある

↓ 西日本第二の高峰の剣山山頂に到着。時刻は午前11時31分です。登山口の見ノ越を出発したのは午前7時ちょうどです。普通の体力の登山者ならば1時間~1時間半で登れるコース (標高差550m) なのに4時間半もかかっているのは、登るみちすがら植物や岩石の観察をしていたためです。目的は “雪見+自然観察” で、じつは登頂は二の次、三の次なのです。 せっかく来たのにガスっているので眺望はダメでした。で、近々また来ます。
剣山の山頂


近くの里山は食材の宝庫!
本日は2015年4月7日であります。

●昨日の夕方に、近くの里山の山裾の道路を徘徊しましたところ、色々な山菜がちょうど採り頃です。4月は食材をスーパーマッケットに買いに行くのではなく、近くの里山で調達するのもいいでしょう。田舎在住者が天然食材を活用しないのはモッタイナイです。ただし厳密に申せば自分が地権者でないところ、あるいは地権者の許可を得ていないところで、無断で山菜を採れば窃盗でありましょう。けれども、商業採取でないかぎり、あるいは晩のおかずの材料を頂戴する程度では全く問題になりません。もちろん畑に植えてあるものを盗ったりしたら怒られますが、道路際にある山菜を採る程度ならばおとがめなしです。ま、山菜など雑草みたいなものです。かりに地権者がそこにいたとしても 「しょーもない物を採りよるな、そんなもん食えるんけ?」 程度で済みます。 ただし、これは兵庫県南あかじ市 (淡路島南部) のハナシであります。山菜採りに対する許容度は、地方によって温度差が大きいと考えられます。



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●ところで、先のエントリーで申したとおり、行政の人たちは 「淡路島の豊かな自然を観光資源として活用しなければいけない」 などと井の中の蛙的な恥ずかしいことを言っているわけでありますが、いかに淡路島の自然が貧相でみすばらしいものか、何の変哲もなく特筆するに値しないかは、屋久島と比べれば一目瞭然です。 で、淡路島と屋久島について両島の自然をごく簡単に比較してみましょう。 

淡路島と屋久島の自然を比較してみたら‥‥

淡路島と屋久島との自然の比較


屋久島 の凄いところは、

①、洋上に浮かぶ海上アルプスということでありましょう。宮之浦岳を筆頭に標高1800m以上の高山が、地形図に名前が記載されるものが8座もあります。1000m以上ならば無名峰も多く、一体何座あるのかわかりません。

②、広範囲な気候帯 (植生帯) を持っていて、見事な垂直分布が見られる島であります。海岸付近はガジュマルやアコウなど亜熱帯要素の植物が色濃い暖温帯最南部 (つまり亜熱帯最北限) でありながら、2000m近い高山がそびえたつので、山頂付近は亜寒帯 (亜高山帯) の最下限に達しています。面積は淡路島と同程度の面積なのに自然環境の違いには驚くばかりです。

③、屋久島で独自に進化して、固有植物が78種もあるのはビックリです。本土 (九州本島) から61キロ離れているのでのですが、この距離はそれほどでもないのですが地史的なものが関係しているのか? 屋久島に行かなければ見ることが出来ない植物が多数あります。いちいち例示していたらキリがありませんが、たとえばシャクナゲですが、ヤクシマシャクナゲ (標高が低いところではオオヤクシマシャクナゲ) で、屋久島の山を登らない限り絶対に自生品を見ることができません。 

④、屋久島は土壌的に植物が矮小化しやすい特殊環境です。屋久島の地質図 を見れば、大昔に海溝で堆積した砂岩や泥岩の地層をつき破って、マグマが貫入・上昇してできた花崗岩の島といえましょう。花崗岩は風化しやすく出来た土壌は貧栄養の痩せた土です。しかも日本屈指の降雨量で土壌中の栄養塩類は流出しやすそう…。で、植物の生育が悪く矮小化することで有名です。緻密な材の屋久杉を見ても分かるように、本土とは植物の生育状態がかなり違います。

⑤、屋久島付近が生物分布境界線になっている。生物地理学的にものすごく巨視的に見れば、旧北区と東洋区との境界がこのあたりです。世界を8区分した生物地理区 参照。旧北区と東洋区との詳細な境界線は、屋久島よりもう少し南の小宝島と悪石島との境とされますが、ようするにアジアの熱帯と温帯の境目がここになります。 屋久島は本土とおなじ旧北区に属するのですが、(海岸付近では) 零度を割らない北限地の島です。屋久島測候所の観測データで 最低気温の記録は+0.7度 で、観測史上氷点下になった記録がまだありません。で、すこし耐寒性のある亜熱帯植物ならば越冬可能です。ベースが旧北区の動植物であることに加えて、熱帯の東洋区の動植物も漂着し生育するから生物相が豊かになるのでしょう…。

●このように、屋久島は特異な自然環境にあり、植物相は物凄く豊かで多様性があります。非常に魅力的な島であり、どうりで世界自然遺産に登録されるわけです。かならずしも交通アクセスは便利とはいえないのですが、大勢の観光客やナチュラリストが屋久島の自然を観賞・観察に行くわけですね。残念ながら、淡路島では全く太刀打ちできませんわ。九州森林管理局 「屋久島の植物」 などを閲覧すると、屋久島の素晴らしさがよく理解できます。 そんなわけで、「淡路島の自然が豊かだ」 などと言っていたら恥ずかしいわけです。 淡路島の行政人や観光協会の人らは屋久島に見学に行く必要がありますわ。

●なお、上掲の表中にある 暖かさの指数 (寒さの指数とあわせて温量指数という) とは、気候帯 (植生帯) を区分する定量的なモノサシです。計算は簡単です。月平均気温が5度を越える部分を12か月分総計するだけです。小学生でも吾輩でも計算できます。気温減率100mあたり0.65度を用いて山の上の暖かさの指数を推定するのも簡単です。諭鶴羽山の山頂で暖かさの指数を92.3と推定しましたが、少し過剰で、95-98ぐらいかもわかりません。淡路島の緯度で暖かさの指数で85は、海抜900mぐらいです。したがって約600mの諭鶴羽山では90台は間違いないところですが、90ではなく、100に近いほうでしょう。気候帯と暖かさの指数の関係はおおむね次の通りです。180、85、45、に節目すなわち植生帯のガラリと変わる変わり目があるのが良く知られています。

亜熱帯 240-180
暖温帯(照葉樹林帯) 180-85
 暖温帯下部 180-100
 暖温帯上部 100-85
冷温帯(ブナ帯) 85-45
亜寒帯(亜高山帯) 45-15 



       ***********************************


貧相ではあるが淡路島で見られる山菜
↓ フキであります。南の地方のフキは草丈がせいぜい30センチとか大きくても50センチまでで小さいです。アキタブキ とか、ラワンフキ のように2mとか4mなどとバケモノみたいな巨大にはなりません。秋田フキやラワンフキの苗を南の地方に持ってきて栽培試験すると、小さくなってしまうとか…。だとすると、北日本のフキが巨大になるのは倍数性によるためだとされますが、それだけではなく、環境の違いもかなり作用しているのかも? たとえば夏場の北極圏でキャベツを栽培するとゾウに食べさせるのにちょうどいいぐらいに巨大になるらしいです。一つの要因として、北にいくほど夏至前後の日照時間は非常に長くなりますわね。 葉柄が20センチ程度の小さなフキは佃煮が最適です。炊きたての熱いご飯にフキの佃煮があれば、他におかずはいりません。
フキの群落

フキの葉
↑2015年4月6日、 兵庫県南あかじ市賀集牛内にて。

↓ ハリギリです。タラの木の親戚です。地方によっては 「いぬだら」 などと呼んで軽んじるむきもありますが、てんぷらにすれば美味いです。少しほろ苦くてアクが強いのですが、それが欠点でもあるし長所でもあります。食通好みというか熱心な山菜ファンむきのもので、一般には取りつきにくいかもしれません。ハリギリはブナ帯に多い樹木 (山菜) で、徳島県の山では海抜1500mぐらいのところでよく見かけます。ところが植物の分布は面白いもので、淡路島の海岸近くのウバメガシ林の中にもよく自生しています。 南あかじ市でハリギリの芽を採るのはたぶん吾輩だけだろうと思います。ていうか、淡路島にそんなものがあるなんて誰も知らないみたい…。で、吾輩に大当たりです。タラの芽は競合相手が大勢いて遅く行くと採られた跡ばかりですが、ハリギリは競合相手はいません。採り放題です。
ハリギリの木

ハリギリの芽

採り頃か?
↑ 2015年4月6日、兵庫県南あかじ市賀集生子にて。

↓ キクラゲです。今時分によく見られます。写真のものはニワウルシかキリの木のどちらか分かりませんが、枯れ木に発生していました。ゼラチン質のキノコで、乾燥させてから保存します。中華料理にはなくてはならないキノコです。 乾燥させたものを水で戻してから千切りにして、適当にカットしたハルサメと三倍酢であえても美味いです。 写真に写っている白っぽい小さなキノコはスエヒロタケで、これは食べられません。
キクラゲ



ヤマザクラが咲く頃が山菜収獲適期
本日は2015年4月2日であります。

●気象はにわかに菜種梅雨の傾向を示していますが、気温も上昇し温和な春の雨で山菜が育ちます。近所の里山ではヤマザクラがすでに満開ですが、ヤマザクラの開花状態が山菜の収獲適期の指標になっています。すなわちヤマザクラの開花 (当地の淡路島南部の南あかじ市では) 3月20日ごろが咲き始め、3月末ごろが満開ですが、満開のころが山菜の収獲適期です。特にワラビ、ウド、タラの芽あたりはそうです。もちろん山菜の種類により前後しますが、フキノトウはずっと早くゼンマイはやや遅れます。

残念ながら、淡路島の植生も山菜も貧相!
●やはり、淡路島は小さな島で、宝島ではありません。日本国の面積の600分の1、人口では900分の1です。島内の行政や観光業者の人たちが言っていることは、自意識過剰かなり夜郎自大で身の程をわきまえていません。 「島の豊かな自然…」 などと言うのを聞くと不認識著しく恥ずかしくないのだろうか? 屋久島の人が言うのならばそうですが、淡路島では噴飯ものです。淡路島の植生は貧相で、里山には二次林が広がっているだけです。二次林とは本来あった森が破壊されたあとに代償的にできる林ですが、これはかつての炭焼き時代に京阪神に近いことから薪炭用に全島の森林が伐られていたことによります。島内に深山幽谷があるわけでもないし、湿原があるわけでもありません。溜め池はたくさんあってもほとんどが江戸時代に作られた人工池で、自然のままの湿原でも湖水でもありません。高い山もないので植生の垂直分布も見られません。島内の里山は単なる暖温帯南部 (暖温帯下部) のシイやツバキ等の照葉樹林でしかなく、たとえば京阪神地区の都会の人々が、自然に親しもう、照葉樹林を見に行こうと思ってもなにも淡路島でなければいけない必然性はないのです。当地を過小評価するのでもなく、別にいい加減なことを言うのでもありません。吾輩は非専門家で素人ですが、兵庫県版レッドデータブックの 貴重な野生生物等(植物)専門委員会 の関係者リストに名前が載っています。それなりに調査し観察して淡路島の植生 (自然とほぼ同義) は貧相だと申しているのです。ていうか、観察すればするほどに、文献を読めば読むほどに、淡路島の植生の貧相さを思い知らされ暗澹としてきますワ。 行政の愚かさは底なしで、ちなみに、南あかじ市の 「鳴門海峡の渦潮を世界遺産に」 の愚かなバカ騒ぎも救いようがないです。国内で鳴門海峡が 日本の地質百選 にも 日本のジオパーク にさえも選ばれないものが、何で世界自然遺産なのか??? アホウか! 世界遺産指南コンサルビジネスの餌食になっていることが見抜けないようでは、行政などに何も期待できません…。

このように淡路島の植生は大変に貧相なのですが、これは山菜に関しても同様です。山菜の種類・生育量とも多いのは日本海側のブナ帯です。ようするに、新潟県とか山形県や秋田県などの山です。淡路島の山菜が貧相なのは、最大要因はブナ帯に達する高い山がないことでありましょう…。必ずしも高い山の上に山菜があるわけではないのですが、高い山があればその北斜面などに気温が低い渓流が存在します。高い山の雪解け水が伏流水となって山ろくに冷水が湧きます。そういうところで山菜の種類が豊富です。 

●で、今年は四国の山に山菜採りを企てています。尾根でシャクナゲが咲く頃、剣山系の北斜面の渓流湧水に天然のワサビが点々とみられます。天然のワサビは根は細くてダメですので、葉 (葉柄も) に軽く塩を振り一夜漬けにして食べたら絶品です。葉を全部採らずに間引く要領で採取するとその群落をあまり傷めません。1000mぐらいのところに多いですが、標高は意外に低いところ (300~400m) にもあります。ただし、ワサビの分布域は渓流魚のアマゴの分布域と重なっています。アマゴの密猟と間違われないようにする必要があります。その点は、車が神戸ナンバーというのは具合がわるく、徳島県の山村住民の目には京阪神の都会の者と見られるのでしょう。渓流を観察して歩いていて 「おまはんアメゴを捕りよれへんか?」 と何べん言われたことか。むかし吉野川支流で川の漁業組合に入漁料を納め、入漁証の交付を受けてアマゴを釣っていましたが、それでも言われます。徳島県の山間部の住民の排他意識の高さが、剣山の山岳観光に暗い影を落としています。剣山登山口の見ノ越には山岳観光業者が軒を並べていますが、ハッキリ言って接客態度は低劣です。他地方の山岳観光地に見学に行く必要があります。そういうことだから観光客がなかなか増えないのです。



ヤマザクラの満開がワラビの収獲適期の指標
ヤマザクラ

コバノミツバツツジもワラビ狩りの適期の指標になる
コバノミツバツツジ

ワラビ山のわき水にショウジョウバカマが咲いていた
ショウジョウバカマ

本日 (3月31日) の収獲
↓ 左側のものがワラビです。本来ワラビは毒草です。強い発がん性物質を含んでいます。シッカリとあくぬきしないと危険です。容器の底にワラビを並べ、十分に草木灰を振りかけ、さらに熱湯をかけます。で、最低でも一昼夜おきます。草木灰の水溶液は強いアルカリ性です。このアルカリ性と熱とで発がん物質を安全な物質に変化させるようです。 右の大きなアスパラガスみたいなものは、イタドリの芽です。高知県限定の山菜ですが、近年周辺の県に山菜との認識が広がってきました。こちらはシュウ酸が顕著に多く、シッカリとあくぬきをしないと腎臓結石になるかも? イタドリを食べるときにはカルシウムをしっかりと摂ることです。イタドリのシュウ酸とカルシウムが結びついて結石の物質のシュウ酸カルシウムが胃腸の中で出来て、これは腸壁から吸収されないことが判明しているみたいです。つまりカルシウムを沢山含む食品と一緒に食べるとイタドリの害は帳消しになるということであります。小さめの太短いイタドリの芽はタケノコの代用品になります。
本日の収獲



今冬の雪見の見納めだが、まだ雪が沢山 (その4)
阿波国 (あわのくに) から吉報が届く
●本日は2015年4月1日であります。いわゆるエイプリルフールであります。今日だけは特別にウソをついてもよろしいという日であります。発祥はイギリスか? と思われますが世界中に伝播しているから、そんな風習は外来のものであって由緒正しい日本人はそんなアホウな風習には与しないと、国粋主義を発揮するのも意固地なのかもわかりません…。

●本日、阿波の国は 那賀町 (なかちょう) から 「那賀町管内スーパー林道の冬季全面通行止めは4月1日から一部解除といたします」 という吉報が届きました。最初の日曜の4月5日には、待ちに待ったオフロードライダーたちが日本全国からわんさかと押し寄せるのではないか? エイプリルフールだから、通行止め解除は、それはウソだったということもないでしょうが、3月22日に同級生のオオ君と高城山に雪を見に行こうとして通行止めに阻まれたのですが、雲早トンネル ~ ファガスの森 ~ 高城山山頂まで通行可能になった模様です。来週央に寒の戻りが予想されるところ、四国の海抜1500m以上で今冬最後の降雪があるかも? 見に行きたいところ…。 拙ブログはしだいに山登りブログもどきに変質してきましたが、そもそも淡路島の山など低すぎて魅力がありませんワ。島民として卑下するわけじゃありませんが残念ながらしょせん小さな島です。少なくとも、シイ・カシの暖帯照葉樹林 → ツガ・モミの推移帯 → ブナ・ウラジロモミの冷温帯、という植生の垂直分布が観察できるところでないと、植物観察にしろキノコ狩りにしろ面白くないのです。


丸笹山 (1711.9m) からの眺望、写真ギャラリー

ササ原と剣山
↑ 素晴らしいミヤマクマザサの笹原ですが、本来は50センチとか70センチあるササですが、20~30センチと矮生化しています。まるで芝生みたいで、寝転がってひなたぼっこをするに宜しそうです。

丸笹山から望む剣山
↑ まん中のピークが剣山 (1955m)、右側のピークがジロウギュウ (1930m)、一番左側のピークが一ノ森 (1879.6m)、であります。 「森」 とは山の意味で四国には○○森という名の山名が多数存在します。

剣山山頂を拡大
↑ 剣山山頂を少し望遠拡大しました。丸笹山より240mほど高いので見上げるような感じです。山頂の木道 (もくどう) 見えています。山頂の山小屋も見えています。頂上ヒュッテですが、むかし公営山小屋と民間山小屋の2軒あったですよね。公営山小屋のほうが営業廃止して、民間のが買い取ったでしたか? 元公営の方の棟 (写真でよく見えているほう) に西日本最高所のお風呂がありまして、まだ入ったことのない方はいかが? こちらが頂上ヒュッテの経営者の方のブログです。→ つるぎさん山小屋日記 

登山リフト終点の西島駅
↑登山リフトの終点の西島駅を望遠拡大。西島駅の標高も1720mほどで丸笹山とほぼ同じ。で水平の高さに見えます。 こちらは 西島駅に設置されたライブカメラ ですが、まだシーズンオフなので稼働していません。

一の森の山頂付近
↑ 剣山の東側の肩にあるピークが一の森です。海抜は1880m。 美馬市営 一の森ヒュッテ という山小屋がありますが、ここに泊まるのはほとんど岳人だけですので一般の者は近寄り難い感じがします。 (ただし、これは吾輩の感想) 前を何べんも通っていますが屈強の猛者たちがたむろしていてホントに近寄りがたい印象です。

西方を眺めると、遥かに石鎚山が見えるらしい…
しかしながら、視程がものすごく利いても、遥かなあの峰が○○山だと同定することは意外に難しいものです。
西方を眺める

三嶺 (さんれい、みうね) 方面を見る
↓ 画面左の少し尖った山が三嶺、画面右の山は塔ノ丸です。
三嶺と塔ノ丸

三嶺

以下2枚は矢筈山 (標高は1848.8m
矢筈山を眺める

矢筈山

三嶺とジロウギュウの間の峰々
三嶺とジロウギュウの間

東側の眺望は見栄えがしない
↓ 剣山系の主稜線上に天神丸、樫戸丸、高越山、雲早山と並んでいるのですが見栄えがしません。たぶん、ドングリの背比べになっているからでしょう。
剣山の東の峰々

↓ 東北東すぐ近くの赤帽子山です。標高は1611.7m。
赤帽子山

↓ 北東はるかに高越山が見えています。
北東方向に高越山が見える



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